英語道(トラスト英語学院のブログ)

トラスト英語学院(長野県伊那市)塾長。英語指導や自身の英語学習雑感、趣味のランニングと筋トレについて綴ります(^^)

人生の岐路

2019年02月22日 | 指導現場にて
私立大学の合格発表がピークを迎えつつあります。国公立大学を受けない私立大学専願の生徒にとっては、センター利用も含めてどこも受かっていないと、言葉では言い表せない焦燥感が襲ってくる時でもあります。

慌てて3月入試を行う大学探しに奔走する生徒もいるはずです。しかし、偏差値や評判がよろしくない大学も多く、自分の学びたいことや将来の進路などに合致する大学があったとしても、定員が極端に少なく、高倍率になる可能性は否めません。浪人という選択肢から目を背け、「入れてしまう大学」に進学して、その後に後悔する生徒も少なくありません。

同級生たちから遅れてしまうという思いから、浪人を避けたい気持ちは分かります。しかし、もし家庭の事情が許してくれるのなら、これまで甘ったれてきた自分自身を鍛え直す意味では、浪人は賢い選択肢となりえます。

私が高校3年生の時、どこの大学も受からずに浪人の選択をした時、少しでも私を励まそうと、母は行きつけの居酒屋に連れて行ってくれました。そこでは、サラリーマンたちがお酒を飲んで盛り上がっていました。その隣で、浪人が決まって浮かない表情で、重たい空気が包み込む親子が二人。おかしな空気を感じた社会人の一人が話しかけてきました。事情を話す母。すると社会人たちは

「おー、浪人か!」
「一年なんてあっていう間だぞ」
「合格して、来年は祝い酒だ」

と好き勝手なことを言って盛り上がり始めました。

しかし、浪人するのは他でもない私自身であり、一年の回り道をすることになる。一年が短い?とてつもなく長いよ!友達は大学生活を満喫してるのに!

その場を逃げだしたい一心でした。

でも、あれから30年近い時が経ち、人生を重ねてきたことで、彼らが言いたかったことがよく理解できます。そして、浪人という選択が、私にとっては間違いではなく、今の自分の起点になっています。

もちろん、現役で第一志望の大学に合格できることが一番いいですし、決して、浪人を勧めているわけではありません。しかし、その時の一時的な気持ちだけで、将来を左右し得るであろう選択を行ってはいけません。短期的・微視的に考えるのではなく、長期的・巨視的に己の人生を捉える。それには、いろいろな人の意見に耳を傾けることが必要です。


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