愛車のエブリィ号 形式は DA52W かなり古い車です 汗
昨年から先月まで、依頼でやっていた住宅リフォームにてかなり酷使されていました。 ←他人事(笑)
ブロックやらコンクリートガラ初めとして、資材を満載しまくりでもって、走行距離も12万キロ越え。
昨年の秋にドライブシャフトのブーツ交換をやってもらって、それから程なくして異音が発生。
年末頃まではまだ良かったんですけどね、ここに来てかなり大きな異音になってきた。 モモモモモモ ゴゴゴゴゴゴ
ギョ~~~~~! 等々。
2月末でリフォームが終わった事で、ようやく週末に時間が出来ましたので、 今回交換しました。
何時もお世話になっている友人の整備工場に頼めば簡単なのですけど、左右交換で最低3万からだし、下手すると5万近くになる。
2WD車なら安いんですけど、4WDになると手間が増えるので当然、なので今回は自分でやることに。
た~だ、ベアリング交換といっても、普通の工具だけでは出来ず、 特殊工具である油圧プレス、スライドハンマー、ベアリングプーラーの3点セットがどうしても必要。
かなりの金額になるので迷いましたが、家には軽自動車が3台有って、 ほぼ順番にブーツ交換やらベアリング交換などの整備が廻ってくるので、
将来の費用節約という事で、今回は思い切ってそれらを買いました。
まあ、それぞれの工具は、プロ仕様の本格的で高価な物である必要はなく、油圧プレスは10トンもあれば十分。
全部、ヤフオクで全部揃えたんですけど、送料込みでプレスは約1万8千円、 スライドハンマーは7千円程度、 ベアリングプーラーは3千円くらいでした。
交換するに必要な部品は ベアリング左右 合計9千円程度、 ロックナット左右 合計1500円くらい。
全部合計で大体4万円くらいになります。
さて、作業ですが、ユックリやって大体片側2時間もあれば出来ますので、暖かくなる9時半頃に開始。
一応ディーラーから整備書コピーもらってきてますから、それのアップします。
注意:ちなみにこの記事見て真似してくれと言いませんし、思ってもいません。 「こういう風に整備するんだ~~~!」という
あくまで風景記事ですので、万が一でもご自分で作業される様な事はやめて下さい。
もしやる場合はあくまで自己責任になります。
高速で走行する車の、とても重要な部分の整備ですので、 作業は必ず整備工場、もしくは整備資格を持っている方に必ず依頼して下さい。
作業ですが、それ自体はバカみたいに簡単でして、手順通りやれば誰にでも出来ます。
ただ、マニュアルに書かれていないコツや、 とにかく上記の工具が無いと途端に難しくなる。
ベアリング抜くのに、当て金を当ててハンマーでぶん殴ったり、プレス代わりにワッシャーやロングボルトで代用という方法も有りますが、
まともな作業にはならないと、万が一ナックルなんかにヒビが入り、それに気づかずに組み付けて運転すると、あの世行きになります。
ちなみに僕は自動車整備でも有りまして、 分野はシャーシー。
エンジンは簡単なのでこちらの資格なのですけれど、専門は機械式及び電子制御式のオートマチックトランスミッションやCVTシステムなど。
元々が 電子電気制御系の”パワトロニクス & メカトロニクス”が専門分野ですので、自然にそうなったというか・・
そんなわけで、オートマのO/Hなんかも自分でも出来ますが、 なんせメーカーは部品を出してはくれません。
故に、 何時も友人の整備工場に頼んでリビルトトランスミッションなんかに交換しています。
まあ、そもそもが、車体リフトやミッションジャッキも有りませんので、 やりようも無いですけど きゃははは!
でもって、まずは部品。
4WDですので、ベアリング単体で入手可能、 そしてロックナットは必ず交換が必要です。
4WDの場合、ナックルにドライブシャフトが通っていて、それがハブを廻すことでタイヤを回転させます。
上の2WDはナックルにスピンドルがあり、それにベアリングの付いたハブという極めて簡単な構造。
作業開始。
まずはハンドブレーキを目一杯引き、 ハブのロックナットを緩めます。
通常は赤矢印の様に緩み止めされています。
この緩み止めをドライバーなどで解除しても良いですが、
面倒なので、そのまま30mmのソケットレンチで、力任せに廻して緩める。
実際にこの方が簡単。
そのまま、 このナットを十分に緩めます。
車体をジャッキで上げ、 リジッドラック(水色矢印)を噛ませ、安全をきします。
これやらずにジャッキで作業すると、大怪我、最悪の場合、死にますです。 ので
で、バラしていきますが、次のとおり。
まずはブレーキキャリパーを取り外します。
僕の場合、 ブレーキアッセンブリーその物をさらに分解。
ナットやボルトは、先に青丸をゆるめてから 黄色丸。
キャリパーが外れますが、そのままにしておくとピストンが出てきてしまうので、 それをクランプで押し込んで、そのまま紐等で吊します。
下は外したパッドホルダー
整備書には、二つに分割することやクランプでピストン押し込む事は書いてませんが、これをやならいと、作業終わる頃にはピストンが出てきてしまい、
パッドが片側に押さえ込まれたり、それによりローターに取り付けられなかったりと、余計で面倒な作業が必要になります。
キャリパーが外れると、ブレーキディスクを外しますが、 ラバーハンマーで軽く叩いて外れないばあい、
8mmのナットを写真の様にねじ込んで取り外します。
対面方向に穴があるので、均等に抜き出すことが必要。
ブレーキディスクが外れたら、 スライドハンマーを取り付け、 ハブを取り外します。
そんなに堅くないので、何か代用可能な物でもこれは出来ます。
外れたハブには、供抜けしたベアリングのカラーが付いています。
ベアリングは二重構造で、 車体の重量を支えつつ、スラスト方向の力も受け持ちます。
ボールベアリングですので、カラーは下の写真の様な形状になってます。
ベアリングの中身ですが、色が変。
綺麗なメッキ色では無く、少し茶色。
ナックル外し
タイロッドエンドを外します。
簡単に外れないことが多いので、タイロッドエンドプーラーは必要アイテム。
ナックルを外すと同時に、 ABS用のセンサー配線を取り外します。
ちなみにちなみにタイロッドエンドが外れると、 ナックルは左右にフリーとなりまして、ハブが無いとガタガタ? 笑
本来はドライブシャフトのギザギザ状スプラインが、ハブのギザギザ溝にきちんと入り込んで、ストレートになり、
それをベアリングが保持することで、回転します。
ABSセンサーですが、簡単にセンサーの取り付けナットが緩まないことが多く、案の定堅かったので配線ごと取り外しました。
コネクターをはずすと、後は配線サポート金具類を外します。
ストラットボルト取り外し。
ロア・ジョイントボルトを取り外し。
整備書では交換となっていますが、 別に傷や問題無ければ交換しませんです。
ロアアームから抜けませんので、
ドライバーで少し広げてあげると簡単に抜けます。
取り外したナックル
やはりベアリングの色が・・・・
カラー抜き
バブに残っているベアリングカラーを抜きます。
ディスクグラインダーなどで削る方法も有るようですが、 僕はきちんとプーラーを使います。
”ドライバーで隙間を開ける”と整備書にはありますが、 下の道具を使えば簡単。
締め込んでいくことで、勝手にカラーに隙間が出来ます。
隙間が出来たら、
セパレーターをさらに締めて(ハブシャフトが傷つかない程度) そしてプーラー・ドライブシャフトで抜きます。
丸い当ては、初めは大きなサイズ。
次に、カラーより小さく&シャフトより少しだけ小さいサイズ。 でないと抜けません。
で、簡単に抜けました。
ナックルのベアリング打ち抜き。
ナックルのベアリングを油圧プレス使って抜く作業です。
まずサークリップ(本当はCクリップ)をプーラーで外します。
持っているのが新品ベアリング。
インとアウトを間違えないように注意
ベアリングを抜くのは、当然に油圧プレスを使います。ベアリングの計より少し小さいアダプターを使用。ピッタリしたのを使うと抜けなくなります。
でもって打ち抜き
どのくらいの圧力が必要かゲージを見ていましたけど、 大体3トンくらい。
パキン!という音が数回して、 古いベアリングが抜けます。
次は圧入。
初めは古いベアリングである程度まで押し込みます。
圧力は2トン以内でした。
初めの圧入で使った古いベアリングから、 ベアリング外径よりすこし小さめのアダプターに変えてさらに圧入。
ナックルの下の当て木が目一杯へこんでいます。
バックプレート外せれば楽なんですけど、 とれれるのかな?これ・・・
何度か圧入しては、ベアリングの入り具合をチェック。
注意: ハブの取り付け側(アウト側(車体外側))にベアリングのゴムシールが来なければなりません。
間違えやすいので注意
ちなみに、オレンジ矢印はベアリング抜く時、及び圧入時に押す部分です。
ただ、”ハブ”を圧入する際は 外側では無く、内側を押します。
サークリップ取り付け完了
ナックルにハブを圧入
これはそんなに圧力は要りません。
*すいません、写真取り忘れました。
方法はハブを下にして、 クリップボルトにプレスの圧力が掛らないようにプレス台座との間に木材を挟みます。
ナックルの裏側の、ベアリングの内側径と同じアダプターを載せ、 上からプレスします。
ベアリングの外側を押してはなりませんです、ハイ!
で、入りきったらOK
ナックルアッセンブリーにドライブシャフトを通し、 ストラットボルトなどを取り付け。
ABSの配線を戻します。
タイロッドエンドを戻す際に、 テーパー状のシャフトにグリスなどが付いているとナットと一緒に供廻りしてしまいますので、
洗浄スプレーやシンナー等でシャフトと差し込みホールの油分を取ってから締めます。
整備マニュアルではタイロッドエンドは交換となっていますが、 実際に現場で交換なんてありません。
傷んでいたら別ですが。
あと、タイロッドエンドを外すと トーインが完全に狂いますので、 整備工場などでの調整をする必要が有ります。
外さなければトーイン調整の必要はありません。
ちなみにアライメントは キャンバー キャスター トーインの3つとなり、 通常はトーインだけの調整で済みます。
ブレーキローターを取り付け、ディスクパッドホルダーを取り付けてから、 ブレーキキャリパ(ピストン)を取り付けます。
可能な限り ハブのロックナットを締めて(本締めではないので、やたらと締めないように注意)、タイヤを取り付けて車体を降ろすと、再度トルクレンチで規定どおりに締めます。
175N・m
この本締めですが、バカみたいに神経質になる必要は無く、 大体でOkです。
後はロックナットの緩み止め
忘れてはならないのが、ブレーキ踏み。
クランプでピストンを押し込んでますから、 パッドとの隙間がかなり開いています、
なので、ブレーキペダルを何度も踏み、踏み心地が普段の感覚と同じになるまで続けます。
出来ればここで軽く走行して、ブレーキが大丈夫か確認すると良いです。
ここで時刻は 11時半くらい。いったんお昼休憩です。
12時から、車体左側のベアリング交換を開始。
左のベアリングは比較的綺麗でして、グリスも綺麗でした。
音がしていたのは右側でして、 もう一度外したベアリングの内部をよく見たら結構メタルのカスが有って玉の色も変色気味。
何か見える感じがしたので、タイラップの端材でグリスをほじってみたら、薄いメタル片
太陽光に当って輝いていました。
3月16日の日記にこのベアリングに関して書いています。
メタル片はありませんでした、 多分太陽光の当り方でそう見えたのだと思います。
このまま劣化していくとかなり大きな騒音が出るようになりますが、タイヤがロックする可能性は余り無く、
構造上、タイヤが外れるような事にはなりません。
左側が終了したのは1時半。 その後片付けして、2時には終了。
暖かくて最高の整備日和でした。
お疲れ~~~!!