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重度の自閉症を抱えながら、ふたつの大きな奨学金を得て、オックスフォード大学大学院で修士課程も修了したJory Flemingさん。
フレミングさんのこのすばらしい本を昨年からずっと読んでいる。
How to Be Human: An Autistic Man's Guide to Life
By Jory Fleming With Lyric Winik
https://www.simonandschuster.com/books/How-to-Be-Human/Jory-Fleming/9781501180507
本日のGetUpEnglishもジョリーさんの言葉を紹介する。
ジョリーの話の前に、Lyric Winikさんのイントロが効果的に挟まれる。
A key component in how Jory interacts with the world is through personality. But he views personality in a very different way from most neurotypical people. Most people tend to view personality as something innate, which we are largely born with. Jory, however, views personality as a choice.
He describes it as a feature that he has worked to construct internally, in order to relate better to the neurotypical people around him. His personality of choice may surprise you. He has chosen Ruthless Optimism.
世界と接する上での重要要素は、ジョリーの場合、個性を通じてもたらされる。だが、彼の個性に対する見方は、多くの定型健常者の見方と異なる。個性は生まれつき備わっていると思う者がほとんどだが、個性は選ぶことができるとジョリーは考えているのだ。
周りの定型発達者とよりよい関係を築くために、内部で構築しようとしたことが自分の個性に現れているとジョリーは言う。そのようにして彼が選択した個性に、読者は驚くかもしれない。ジョリーは「徹底的に楽観主義でいく」ことを選んだのだ。
このRuthless Optimismについて、ジョリーが話してくれる。以下、翻訳で紹介する。
ジョリー ほとんどの人の自己アイデンティティは、周りの環境と文化によって構成要素が形成されます。人が世界を形作るように、物事が人を形成します。でも、僕の場合、そうじゃない。何もかもつながっていないんです。僕の世界に対する反応は僕の知性が考えて調整するけど、世界と交流する場合はまったくうまいかない。だって、世界が僕の知性が考えるように設定されてないんだから。でも、世界が僕を迎え入れるようにできてないなら、ぼくはなんでもしたいことをしていいということにもなるかな?
どのように生きるか? それについては僕の知性がどう判断するかによって決めています。僕を表現するには徹底的に楽観主義を取るのがいいと思っています。
多くの人はそれはおかしな生き方だと思うかもしれない。いつもそうだけど、障がいのある多くの人たちはやっぱり肉体的に苦しい状況に置かれてしまうだろうから。僕はそれと正反対の立場をとることにしたんです。変だと思われちゃうかもしれないけど、常に陽気でいようとしているんです。でも、僕の知性がそう判断したんです。僕らはみんないつまでも生きられるわけでじゃないし、特に僕の人生は限られている。そんな中、どこまでも楽観主義でいることで、すごくうまくいっています。
僕は陽気で、まったく「ストレスがない」ように見えるとみんなに言われるかもしれない。でも、人の人格や性格は感情にすごくかかわると思う。僕は特に感情を出すことはないし、出したとしてもほとんどまれで、抑えることもできるから、人格や性格を変えるんです。いつでもそれができるようにしています。こんなふうに説明すると、なんだか嘘くさく聞こえて、おかしなふうに思われてしまうこともわかっている。でも、ほかの人は人格や性格を最初から持っているけど、僕はそれを作らないといけない。もともと僕はドライで、動揺することはないし、頭を使うタイプだと思う。でも、特に友達なんかといると、楽しく、陽気にすごせる。だからだいたいいつも笑ってるじゃないかな。脳がいつも笑うように伝えるのです。外に行くのが好きで、ユーモアもしゃれもうまく言えない。人前まで話す人格があって、話しているとみんなが話を聞いてくれる。マスクをかぶっているみたい。だって、それは本当の僕じゃないから。マスクをかぶってるんだ。
ジョリーさんの言葉はどこまでもやさしいし、あらゆる人に元気を与えてくれる。