本日は、overを使った面白い表現を二つ紹介する。
over the hillは、「(人が)盛りを過ぎて、下り坂で」、あるいは「年を取って、老けて」。
○Practical Example
"Did you run the Boston Marathon, Naoto?"
"Yeah, about half of it. I had to quit, Bob. Let's face it. I'm over the hill." 「直人、ボストン・マラソン、走ったのかい?」
「ああ、半分だけだったけどね。途中で棄権しなければならなかったよ、ボブ。現実を見つめよう。ぼくはもう体力的に盛りを過ぎている」
●Extra Point
over the hillとはまったく対照的な意味を持つのが、over the moon(「非常に幸せで」「大喜びして、有頂天」)だ。「うれしくて、とび上がって月を越えるほど」であるというイメージから生まれた表現と言われる。
◎Extra Example
"Guess what. Momochan is going to marry me! I'm over the moon."
"Oh, Umeno, that's fantastic! Where are you going to live?"
「驚いたらあかんで。桃ちゃん、わいと結婚してくれるんや! ごっつ、うれしい!」
「おお、梅野! それはスゲーやんか! 新居はどこにするんや?」
☆Extra Extra Point
to be in seventh heaven(「無上の幸福を味わう」「またとなく幸福な場所にいる」)も、over the moonと同じ意味で使われる。
★Extra Extra Example
"We're going to live at Tennoji. I'm in seventh heaven."
"Oh, Umeno, that's fantastic. I live in Yao. I'll come to visit you."
「天王寺に住むで。ほんま幸せや!」
「おお、梅野。それはめでたいわ。おれは八尾に住んどるんや。遊びに行くで」
oneという語は、「(一般的に)人、人はだれでも」といった意味で使われることがある。また「[少々もったいぶって] 自分」というように、話し手、つまりIの代わりに用いられることもある。どちらもやや改まった言い方だが、多くの状況で用いられる。 まずは、「(一般的に)人」の意味で使われる用例を。
○Practical Example
"Do they let people in the theme park at nine?"
"No. One can't go in until ten. Let's have a coffee and wait for opening time."
「テーマパークは9時開場?」
「いや、10時まで入れない。入場できるまで、コーヒーでも飲んで待っていよう」
●Extra Point
つづいて、「自分」の意味で使われる用例を。
◎Extra Example
"Are you and Sasako-san getting along now, Takeuchi?"
"Well, one tries. But there is only so much one can do. She is refusing to see me."
「竹内君、笹子さんとは今はうまくいってる?」
「ああ、そうしようとしている。でも、できることはそんなにない。向こうはぼくに会うのを嫌がっている」
ロイターのサイトに、この記事が掲載されました。
〔特集:シルバーパワー〕日本の未来暗くない、団塊世代が変化の主役に=パルバース氏
http://jp.reuters.com/article/domesticFunds/idJPnTK000945520070927
to transferは、「(……を)(……から)(……へ)移す、動かす, 運ぶ」。自動詞としても他動詞としても用いられる。 まずは、他動詞の用法を。
○Practical Example
"Hello. I would like to transfer 100,000 yen from my savings account into my checking account."
"Certainly, Mr. Cashbottom. What is your account number?"
「すみません、10万円ほど貯蓄預金から当座預金に移したいのですが」
「了解しました。キャッシュボトムさん。口座番号をお知らせください」
銀行やATMで使われる英語については、2007/04/17のGetUpEnglishも参照。
http://blog.goo.ne.jp/getupenglish/d/20070417
●Extra Point
つづいて自動詞の用法([……から][……に]乗り換える)、移る)を。
◎Extra Example
"When I arrived in Mumbai, I transferred from an international to a domestic flight."
"Was the transfer easy?"
「ムンバイに着いたら、国際線から国内線に乗り換えた」
「乗り換えは楽だった?」
*本日は更新がおくれてしまいまして、誠に申し訳ございません。
to renewは、一つには、「(契約・免許などを)更新する」「……の期間を延長する」という意味がある。
○Practical Example
"Our subscription to New Scientist runs out next month."
"Let's renew it, darling. I love that magazine."
「New Scientistの購読期間が来月で切れるな」
「更新しましょうよ。あの雑誌、わたし好きなの」
●Extra Point
to renewは状況によっていろいろな意味で用いられる。以下の用例では、「(昔の力・若さなどを)取り返す、取り戻す、回復する」「……を復活させる」といった意味で使われている。
◎Extra Example
"I went to a hot springs spa in Iwate with Toshiko and we renewed our relationship."
"I'm happy to hear that, Giovanni. You two should get married, you know that."
「とし子と岩手の温泉に行って、関係を修復できたよ」
「ジョバンニ、それを聞いてうれしい。君たち二人は結婚すべきだ。ほんとに」
to reviewは、「再び見る」「見なおす、(再)検討する、再考する」。「re(再び、また)+view(見る)」と考えればよい。
○Practical Example
"Ms. Koike. I want you to review those statistics and check them."
"I can't right now because I have to pick up my daughter at kindergarten. Could you do it, please, Mr. Saito?"
「小池さん、この統計をもう一度見直して正しいかどうか確認してほしいんだけど」
「今はできません。保育園に娘を迎えに行かないとならないんです。斎藤さん、お願いできないでしょうか?」
●Extra Point
批評家たちは、新聞や雑誌に、本や芝居や映画などの評論(論評)を書いたりする(to review)。to reviewは、(評論を書く、論評[批評]する)。名詞review(評論、論評、批評)も同じように使われる。
◎Extra Example
"Banana Yoshimoto's new book was reviewed in yesterday's Japan Times."
"Was it a good review or a bad review?"
「よしもとばななの新作の書評が昨日のジャパンタイムズに出ていた」
「よく書いてあった? それとも悪く書かれていた?」
皆々様
英国に在住する日本人役者が結成いたしました劇団「一座」は、同劇団の旗揚げ公演として、来る10月23日より11月10日まで、ロンドンはアコーラ シアタに於きまして、井上ひさし作「父と暮せば」の英語版 THE FACE OF JIZO を上演いたします。広島の原爆の話を主題にしながらも、父と娘の心温まる「喜劇」でございます。涙あり、笑いありのこの芝居を存分に楽しんでいただきたく、連日、稽古に励んでおります。 公演の詳細は下記チラシをご覧ください。皆々様の賑々しいご来場を心よりお待ち申し上げております。
booking: Arcola Theatre www.arcolatheatre.com/index.php?action=showtemplate&sid=231
more info: ichiza www.ichiza.co.uk
昨日はto allowという語を学習した。今日もそれにかなりよく似た語を紹介する。
to permitは、「(……を)許す、許可する、認める」。
○Practical Example
"Excuse me, but would you permit me to go into the station to use the toilet?"
"Fine. Just come back to this exit."
「すみません。駅のトイレを使わせてもらえますか?」
「どうぞ。出られる時は、またこの改札をお通りください」
●Extra Point
名詞形はpermission(「許可、許諾」「認可」).
◎Extra Example
"My mum said I could stay out past midnight."
"You have to ask your mum for permission to stay out? What are you, some kind of baby or something?"
「ママは、12時過ぎまで外にいてもいいよ、と言ったよ」
「そうしていいかどうか、まずママの許可をもらわなくちゃいけないんじゃないの? まったく、あなたは赤ちゃんかしら?」
to allowは、「「(人・ものが)(……するのを〉許す」「(……の)入るのを許可する」「(人・ものに)……させておく」。
○Practical Example
"I won't allow you to come home after midnight. I won't allow it!"
"Oh, mum, give me a break. All the other kids stay out late."
「夜中12時過ぎまで家に帰らないなんて、ママは許しませんよ。絶対に許しません!」
「ねえ、ママ、認めてよ。お友だちはみんな遅くまでいるんだから」
●Extra Point
to allowの反意語は、to disallow(許さない、認めない、禁ずる).
◎Extra Example
"They used to let us swim on this beach, but not it's disallowed."
"Well, apparently it's dangerous there now because someone saw a shark."
「以前はこの浜で泳ぐことができたけど、今は遊泳禁止だ」
「ああ、ここは危ないらしい。サメが目撃されたっていうから」
on behalf of(……に代わって、……の代表[代理]として)は、誰かに代って何かする時、あるいは誰かの代理をつとめる時に用いる。
○Practical Example
"I am calling on behalf of my sister, who is ill."
"Thank you very much. What is her name and what can I do for you?"
「姉の代わりにお電話さし上げております。姉は病気なのです」
「ありがとうございます。お姉さんのお名前をお知らせください。で、ご用件は?」
●Extra Point
on someone’s behalfは、「誰かのために」(for someone)の意味でも用いられる。
◎Extra Example
"I called on your behalf, sis, because you were ill."
"Thanks for making the call to the bank. What did they say?"
「ねえさん、ぼくが代わりに電話したよ。ねえさんは病気だったから」
「銀行に電話してくれて、ありがとう。で、向こうはなんて言ってた?」
sisはsisterの短縮形。「ねえさん、あねき」と感じに近いと思う。
今日紹介する表現は、日本語で「超現実主義(的)の、妙に現実離れした、シュールな」と表現される芸術分野を示す。
○Practical Example
“I love surrealism, particularly the paintings of Salvador Dali.”
“I went to a Dali exhibition in Madrid. It was awesome.”
「現実離れした芸術が好き。サルバトーレ・ダリの絵が特に好きよ」
「マドリードで開かれた『ダリ展』に行った。ほんとにすごかったよ。
awesomeは2006/04/23のGetUpEnglishを参照。
http://blog.goo.ne.jp/getupenglish/d/20060423
●Extra Point
surrealが芸術に関係ない状況で使われると、日本語では「「信じられない」といった感じになる。
◎Extra Example
“I had a date with Fuminori. It was surreal!”
“Yeah, I once went out with him too. He’s really a weirdo.”
「文則君とデートしたよ。ほんとうに信じられなかった」
「ええ、わたしも彼とデータしたことがあるよ。文則って、ほんとにへんな人ね」
日本のすぐれた芸術分野の一つに、版画(woodblock, woodblock print)がある。
○Practical Example
“Many fantastic woodblock prints are in museums around the world.”
“Yes, during the Meiji Period Japanese people didn’t value woodblock prints highly.”
「すぐれた多くの版画が、世界中の美術館に保存されている」
「ああ、明治日本の人たちは、版画を大事にしなかったから」
●Extra Point
etching(エッチング)は、木版ではなく、銅板を彫り込んで作る。
◎Extra Example
“Have you seen the etchings from the Renaissance?”
“They’re amazing, aren’t they. The lines look so real.”
「ルネッサンス期の銅版画を見たことある?」
「ほんとうにすごいね。線がほんとうに現実的だ」
☆Extra Extra Point
etchingという語が使われているクリーシェ表現が一つある。それはこんな時に使われる。男性が自分の家に女性を誘う(あるいはその逆の場合もある)。そんなとき、誘うほうがよく口にするのは、次のセリフだ。
★Extra Extra Example
“Do you want to come to my place and see my etchings?”
「ぼくの部屋にエッチングを見に来ない?」
これは相手をベッドルームに誘う決まり文句だ。(だからこそ「『エッチ』ング」と呼ばれているのかもしれない。)もしそんな誘いに乗って、相手の部屋に行ったところ、壁に銅版画(etching)がなかったとしても、驚いてはいけない。
20世紀の芸術の多くは、abstract(抽象的)なものであった。
○Practical Example
“That painting is so abstract I can’t tell what the subject is.”
“The subject is the color and composition, Mr. Rockwell. It doesn’t represent anything in real life.”
「あの絵はあまりに抽象的で、いったい何が言いたいのかわからない」
「あの絵が主張しているのは、色と構成です、ロックウェルさん。現実の生活の一面を表現しようとしているわけではありません」
●Extra Point
abstractは、芸術に関係ない状況においては、「抽象的」と違う意味で用いられる。
◎Extra Example
“Ms. Takebayashi, your ideas are too abstract. I want concrete plans!”
“Sorry, Section Chief Saito. Give me another day or two and I’ll give you what you want.”
「竹林さん、君の考えはまったくわからない。はっきりした計画を立ててほしい!」
「ごめんなさい、斎藤課長。明日か明後日までに、ご期待に添えるものを用意いたします」
美術館は展覧会を催す。名詞exhibition(「展示、披露、公開」「展覧会、展示会」)だけでなく、動詞のexhibit(展示する、陳列する)もよく使われる。
○Practical Example
“I went to a great Hokusai exhibition at Ueno.”
“Oh, I went too. It was out of this world.”
「上野で開かれているすごい北斎展に行ってきたよ」
「ああ、ぼくも行ったよ。信じられないぐらいすばらしかたったね」
out of this worldは、2007/01/10のGetUpEnglishを参照。
http://blog.goo.ne.jp/getupenglish/d/20070110
また、2006/10/18で学習したTO SHOW UPもぜひ復習しておこう。
http://blog.goo.ne.jp/getupenglish/d/20061018
●Extra Point
野心的な芸術家は、個展を開きたいと願う。個展は英語で、one-man-show, あるいは one-woman-showだ。
◎Extra Example
“Ryo, I am having a one-woman-show of my etchings in Ginza.”
“Congratulations, Yoko. I’ll try to get there to see it. In the autumn I am having a one-man-show of my photos ‘The Slumbering City’ in Saitama City.”
「亮、わたし、銀座で銅版画の個展を開くのよ」
「曜子、おめでとう。なんとかして観に行く。ぼくもこの秋にさいたま市で『半睡の街』という写真展を開くんだ」