沖永良部から百合が届いた。毎年頂いている。きれいだ。自分でつくったこれ用の花瓶に生けると、馥郁たる香りが部屋中に満ち満ちて、思わず深呼吸してしまう。生きている花はいい。
沖永良部は百合の島である。沖永良部の百合は自製していたものを栽培し、琉球王朝の時代から海外に輸出されていたが、太平洋戦争中、軍によって、食糧増産のためという名目で、百合の栽培を禁止され、さらに球根の廃棄を命じられた。しかし、名前は忘れたが、ある人物が、「将来、きっと百合が島を救う」と言って、ソテツの根元に球根を隠して、百合を守った。そして百合は島の基幹産業のひとつになっている。
今日また従姉から見事な花を頂いた。今度はえらぶ百合のほかに、カサブランカにグラジオラスも入っている。花はいくらあってもいい。ほんと人の心を和ませてくれる。もちろんおすそ分けもしている。