町民センターの上のアンテナにいつも一羽で止まっているトンビがいる。白っぽいから若鳥だろう。カポが来るたびに、餌をもらいにきて、カラスに追われていた。が、とうとう私の姿を見ると一直線に飛んでくるようになった。こうなるとかわいい。トービーと名付けた。
庇に肉を投げてやるのだが、トンビは大きい。翼を広げたままでは、枝の間をうまくすり抜けられないらしく、なんども輪を書いて舞っている。カラスは桐の枝に止まり、庇や餌台にとびおりるのだが、トンビはそれができないらしい。機能的に無理なのかも。空間があれば、すり抜けざまに肉を足につかんで飛んで行けるのだが、十分な空間がないらしく、餌がとれない。
窓からのぞいてみると、庇の上は、確かに小枝が空間をふさいでいる。庇にトンビの足がついたときはバシっと音がする。でも、音だけで、とれないときの方が多い。トンビはカラスに比べたら、かしこくないなぁ。
トンビが一直線に飛んでくる様を写真に撮りたいのだが、私めがけてくるので、カメラを構えているわけにはいかない。それに速度のある被写体は難しいしね。
トービー、私の声を覚えたみたいだ。飛んでいる鳥に「トービー」と声をかけると、こちらを向く。鳥は目がいい、トビの目はズームで遠くもよく見えるというのは知っているが聴覚もいいのだろうか。ただ学習能力はカラスにはかなわない。相変わらず庇の肉を取るのに戸惑っている。スッと持っていかれるより、もたもたしてくれていた方がいいけれど。今度はカポたちがちょっかいをだしに来る。