先月は緩やかだったのに、
今月の鐘前はもうハカイダーだった。
前の家から貼っていた太陽系の惑星ポスターをべリリッとはがしたり、
どうも気に入らない蛍光灯をガコッと外したり。
変な時間にいきなり眠くなって寝てしまい、
朝5時まで眠れずに、
イライラとバッドの間をいったりきたり。
週末はCと伊勢丹、紀伊国屋に行ったり、
エム子ちゃんとフタコぶらぶらしたりしたけど、
何してても気乗りしないし、
ダーには暴言はきまくるし。
まぁ、塩鍋とか近所で中華ランチとか、
食だけは充実してたけど。
今朝、食器を洗っててうっかりビールのグラスを割り、
あーもうダメ、生きるのしんどい、
と思ったすぐ後、やっと鐘が鳴る。
これでもう大丈夫。今月つらかったのは寒さのせい。
そんなこんなでしんどいこの数日、
私をひとえにはげましてくれたのは、
ダーが会社から持ってきた真っ赤なダリア。
会社を辞める人が花束をもらって、
でもその人の家に花瓶がないとかで、
ダーが代わりに持ち帰った。
こんなに立派な花束は、去年仕事やめる時もらって以来。
その場に女子もいたそうなのに、
素敵な花束が行き場を失うなんて、
ダーの職場って一体。
花瓶と空き瓶を総動員して活ける。
ダリアの花は、うちで育てたり、自分で買ったりしたことはないけれど、
見かけると立ち止まって見入ってしまうお花。
吸い込まれそうな美しさ、はまりこんで眺める。
花びらは薄からず、厚からず、
うっすらと細かいすじが濃淡をつくっている。
豊かな花姿、やっぱりビーに似てる。
日の光のもとで見ても壮絶に美しいダリア、
夜電気の下で見ると、また別の美しさが。
紅い光る粉のような粒子が、花びらの上できらきらしている。
これだけ大きく存在感がありながらも、
まわりのグラリオサ、オレンジのミニバラと、
仲良く引き立てあっている。
鐘前のストレスを、ずいぶん吸ってくれた。
それでも嫌な顔ひとつせず、
美のオーラを分けてくれた。
優しくて、寛容で、本物の美しさ。