民主党代表選/候補者は首相になったときの靖国参拝するしないの態度を明らかにすべし

2009-05-15 09:25:27 | Weblog

 

 しないとした場合、次の衆院選の争点に据えたなら、面白い対立軸となるに違いない

 麻生首相は靖国神社春の例大祭に合わせて「内閣総理大臣 麻生太郎」名で靖国神社参拝に代える5万円相当の「真榊」を奉納した。

 その理由を「国のために貴い命を投げ出された方々に、国民として感謝と敬意を表した」としている。

 「国のために貴い命を投げ出」すとは、戦前軍国主義日本で国が国家主義・天皇主義の立場から国民に押し付けた価値観であり、国民は押し付けられるままに「国のために貴い命を投げ出」すことを国民精神とした。そうであったからこそ、兵士は戦没することによって「国のために貴い命を投げ出」した戦前軍国主義日本の価値観・精神を最も体現した者としての敬意を受ける。靖国神社に祀られ、追悼されるということはそういうことであった。

 それが侵略戦争であったことを知らず、中国・韓国を含むアジアの多くの国民を犠牲にした

 麻生首相の「真榊奉納」が靖国神社直接参拝が中国・韓国との友好関係に障害となることからのそれに代えるものだとしても、戦前軍国主義日本の価値観・精神を受け継いで、今の戦後民主主義日本に伝える儀式行為であることに変わりはない。

 受け継いだ行為だからこそ、合祀されている戦争犯罪人(A級戦犯)をも追悼の対象にし得る。いや戦前の国家主義を受け継ぐ小泉や安倍、麻生といったその申し子たちにとっては戦争犯罪人(A級戦犯)たちをこそ真の追悼の対象としているのではないだろうか。同じ国家統治の立場に立ち、その国家主義の価値観・精神を受け継いでそれぞれに背負っているのだから、その親近性には断ち難いものがあるだろうからである。

 戦前軍国主義日本の価値観・精神を受け継ぐ国家主義者安倍晋三に至っては、「A級戦犯は国内法的には犯罪者ではない」
として、戦争犯罪人を存在すらさせていない。きっと英雄として存在させているに違いない。

 対して特に日本の侵略戦争の犠牲となって多くの国民を失い、国土の荒廃を受けた中国は麻生の靖国神社直接参拝に代える真榊奉納に敏感に反応、4月29日(09年)の北京での日中首脳会談で温家宝首相が麻生に対して、「歴史問題は非常に敏感であり、靖国問題は特に国民感情にかかわる。適切に処理してほしい」(「毎日jp」)と要望。30日の胡錦濤国家主席との会談では、「歴史問題は適切に処理し、戦略的互恵関係を発展させることが大事だ」(同「毎日jp」)と戦前軍国主義日本の価値観・精神を受け継いで、今の戦後民主主義日本に伝える麻生だけの、あるいは日本だけの歴史問題、歴史認識行為ではないことを示した。

 民主党小沢代表が辞任し、後釜として立候補した鳩山由紀夫と岡田克也の二人によって新代表選出選挙が明日5月16日に告示・投開票される。

 民主党が政権交代を実現し、今回党代表に選出された者が首相となった場合、日本の首相は靖国神社に参拝して、「国のために貴い命を投げ出された方々に、国民として感謝と敬意を表」すべきだとする圧力が様々な方面からかかることが予想される。

 民主党にも「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」所属議員が原口一博 松原仁等、何人かいるし、連立を組むことになるかもしれない国民新党にも何人かいる。

 民主党政権となった場合の鳩山、岡田いずれかの最初の日本国総理大臣が小泉元首相のように中国・韓国の反発を意に介さずに、反発が日本の安保理事入りの障害となったことなども教訓とせずに靖国参拝を強行するのか、あるいは安倍や麻生のように真榊奉納で直接参拝に代える姑息手段で済ますのか、あるいは参拝も真榊奉納も一切行わないとするのか、いずれかによって戦前軍国主義日本の価値観・精神を受け継ぐか受け継がないか明らかにされ、日本の総理大臣としての歴史認識・歴史思想が最も象徴的に国内外に発信されることになるのだから、最初から態度を示しておくべきだろう。

 麻生は靖国神社直接参拝に代えて内閣総理大臣 麻生太郎」名で真榊を奉納し、「国のために貴い命を投げ出された方々に、国民として感謝と敬意を表した」

 もし民主党政権の最初の首相が麻生太郎と同じように戦前軍国主義日本の価値観・精神を受け継ぐ歴史認識・歴史思想の持主であったなら、麻生と足並み揃う歴史認識・歴史思想ということになって、当然のことながら次の衆院選の対立軸の一つとはならない。

 だが、受け継がないと言うことなら、選挙の争点とすることができ、面白い対立軸となるに違いない。

 深くアジアの国々と関わる日本の首相の歴史認識であり、歴史思想である。後出しジャンケンの形でその場その場を凌ぐのではなく、最初から正々堂々と内外に歴史認識・歴史思想に関わる自らの態度を明らかにしておくべきだろう。

 例え民主党新首相が靖国参拝を公約したとしても、衆院選挙では私は目をつぶって民主党に投票する。政権交代が実現させることになる政治市場の競争原理を優先させる消去法でいくしかないらかだ。

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