政権交代で自民党・官僚のムダ遣いメタボ体質を断ち切らねば、メタボは永遠に残る

2009-05-27 10:17:52 | Weblog

 

 5月25日の「asahi.com」記事≪クルーグマン教授「給付金は0点だ」 与謝野氏と対談≫

 5月24日にフジテレビの報道番組が24日放映したそうだが、ノーベル賞経済学者で米プリンストン大のポール・クルーグマン教授が与謝野財務・金融・経済財政相と対談して、定額給付金の支給について「0点だ」と辛口評価したと言っている。

 その理由。

 「他の国で失敗している。米国では歴史的にみて給付金は使われず、ほとんど貯金される」

 省エネ家電への買い替えを優遇するエコポイント制度については――
 
 「評価は保留。現時点でポイントが何に使えるかわからないのに、ポイントが与えられる理由がよくわからない」

 だが、懐に余裕のある消費者は「何に使えるかわからな」くても、貰えるものは何でも貰おうとエコポイント商品に殺到している。環境に負荷をかけないハイブリッド車や電気自動車、低燃費車等の新車購入補助制度や住宅購入に関係した贈与税の減免、新築住宅購入に向けた住宅ローン減税等々は派遣切りにあって失業中の者や正社員でもリストラを受けて失業した者、学校を卒業したものの、就職できなかった者、採用内定あるいは採用そのものを打ち切られた者のうち、親にも財産がないといったことで懐に余裕のない者、元々の低所得者等の大多数を占める者にはすべて縁のない経済政策でしかないことは断っておかなければならない。

 財政・予算を取り仕切った我が日本の財務省与謝野馨大臣は15兆円という規模についてこう語っている。きっと胸を張って堂々と語ったに違いない。そうでなければ、語ることはできない内容だからだ。喉頭がんを手術したとかで、かすれて聞き取れない声だったのは残念だったのではないか。誰にでもはっきりと聞かせたい話だったからだ。

 「どうせ金を使うなら人々が驚くぐらいの額を、という考え方だ」

 そして、「来年春には日本経済はプラス成長になっていると思う」

 「どうせ金を使うなら人々が驚くぐらいの額を、という考え方」・発想で、実際には13兆9256億円という補正予算額を決定した。今、どのような対策が必要なのか、それをギリギリ実行したなら、どのくらいの予算・金額が必要なのか、その予算・金額を積み上げていったなら、13兆9256億円という合計予算額に達したというわけでなく、逆に「人々が驚くぐらいの額」を先ず考えて、その予想した金額に対策を埋め込んでいって、予想金額を満たした。それが「人々が驚くぐらいの額」であるということである。

 例え最初の予想金額を超えても、気にも留めなかったことも起こったろう。何しろ「人々が驚くぐらいの額」を目指したのだから、少々超えたからといって気に病んでいたななら、「驚か」すことなどできない。だから、緊急補正予算の中に「予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の支出」を補正予算で組むことができるとした「財政法」を無視して、「緊要」でもない、本来なら本予算に組むべきハコモノでしかない「漫画の殿堂」設立に117億も予算を組むことができた。

 岡田民主党新幹事長が「サンデープロジェクト」でこのバラ撒きについて次のように言っていた。

 「最初に金額アリで、財務相が各省に具体策をどんどん出させ、出した具体策をただホチキスしただけ」

 官僚の言いなりにつくった補正予算案だと言っているのである。

 麻生と組んで与謝野は自分たちからバラ撒きを企んで、官僚たちの好き勝手なバラ撒きを招き込んだのである。25日に東京板橋で焼け跡から夫婦の殺人遺体が見つかった事件の被害者のうち74歳の夫は自身の財産を誇って、池袋駅まで行くのに他人の土地を通らずに行ける、自分の土地を通るだけで行ける、「おれの飲み代は月300万円だ」「asahi.com」)、家にいつも1千万円程現金で置いていると吹聴していたそうだが、その自慢話が強盗殺人犯を呼び込む誘い水となっていたに違いないのだが、それと同じように、「人々が驚くぐらいの額」を最初に想定したバラ撒き意識が招いた官僚側からのバラ撒き反応だったに違いない。

 いや、自分たちの素地が元々からしてバラ撒き体質・バラ撒きメタボに出来上がっていたから発想できた「どうせ金を使うなら人々が驚くぐらいの額を、という考え方」だったのであり、官僚側からのバラ撒き案はなお一層のバラ撒きを含んでいたということなのだろう。素地のないところにバラ撒きは立たない。

 バブル崩壊後の失われた10年から脱出するために自民党政府が行ってきたバラ撒き財政出動を「(日本は)そういう経験を15年間やってきた。初めて同じような状況に直面している欧米諸国の中には、財政出動の重要性を理解していない国がある。それがドイツだ」と麻生は批判したが、自身が採用している財政出動のバラ撒き無秩序を棚に上げて他国元首に調子よくお説教を垂れたのだから、滑稽な限りである。 ヘビースモーカーが人に禁煙の教えを垂れるようなものである。

 24日日曜日の「NHK日曜討論」や朝日テレビの「サンデープロジェクト」でも、岡田民主党新幹事長は民主党自らの経済対策の財源を残された埋蔵金の活用と次の衆議院4年間の任期の中での歳出削減及びムダ遣いの削除で確保していく、埋蔵金と言われる特別会計200兆円あるその中からムダ遣いは20兆円と見ていると言っていた。

 その主張に対して石原伸晃幹事長代理。

 (歳出削減として)「本当に切れるおカネは20兆円、20兆の中でムダを見つけても、その1割の2兆程度で、それが合理的な考え方」だとか何だとか言っていた。

 公共工事は社会活動の質の向上に貢献しない、当然、社会性や社会意識の向上にも貢献しない赤字経営のハコモノが殆ど、社会保障制度にしても教育制度にしても、母子関係制度にしても、障害者制度にしても、各種医療制度にしても真に国民に満足を与えるものとなっていない、それゆえに制度としては形だけ整えた中身のないハコモノとしか言いようがない、その殆どがムダ遣いに終わっている政治を自民党は戦後延々と国民に提供しておいて、そのことを棚に上げて、石原はカラッポ頭だからだろう、「本当に切れるおカネは20兆円、20兆の中でムダを見つけても、その1割の2兆程度で、それが合理的な考え方」だとか言っている。

 国の借金が09年度末に900兆円を超えるという報道があったが、戦後ほぼ一貫して政権を握ってきた自民党政治がつくり出した借金なのだから、そのハコモノ政治体質・ムダ遣いメタボ体質、さらに政治の結果責任性を併せて考えると、借金の900兆円丸々、ムダ遣いだと見るべきだろう。

 それを石原はムダ遣いは20兆円の1割の2兆円程度だと責任意識のかけらも見せずにノー天気なことを言う。

 あくまでも黒字という成果を生まなかった赤字である以上、ムダ遣いそのものと言える900兆もの国の借金を生み出しているムダ遣いメタボ体質に対してだけではなく、所得格差や都市と地方の格差、学歴格差、教育格差といった社会の矛盾をつくり出したことに対しても結果責任を果たさない自民党政治を政権交代で断ち切らずにこのまま延命させたなら、現在の官僚政治、自民党ハコモノ政治、ムダ遣いメタボ体質をも永遠に生き延びさせることになる。

 日本の今の社会の政治的癌を断ち切るには政権交代と言う荒療治しか残されていない。

 最後に最近の官僚のムダ遣いを伝えるインターネット記事を参考引用しておく。
 
≪職業能力協会が3500万円不正支出、補助金を飲食などに≫YOMIURI ONLINE /2009年5月15日03時09分)

 政府の今年度補正予算案に7000億円の基金設立が盛り込まれた厚生労働省所管の法人「中央職業能力開発協会(中央協会)」(東京都文京区)と傘下の都道府県協会に会計検査院の調査が入り、中央協会と8県の協会で、職員らによる飲食など計約3500万円の不正が指摘されていたことがわかった。

 検査院は夏までに全国47協会の調査を終える方針で、不正額はさらに膨らむ見通しだ。


 検査院が調べたところ、中央協会では2002~04年度、補助金では支出が認められない酒食を伴う懇親会を3回開き、計約64万円を会議費として処理していた。地方協会では岩手、宮城、栃木、新潟、石川、福井、島根、広島の各協会で計約3410万円の不正が見つかった。

 福井県の協会では05年度までの4年間で、約1585万円の不正支出が判明。このうち990万円は、役職員らが民間関係者などとの懇親目的の宴席に使っていた。毎回のように女性コンパニオンを呼び、2次会のスナックでの代金も約80万円に上っていた。栃木県の協会では02~05年度で計約1267万円が発覚。職員らの懇親会のほか、退職金の積み立てにも充てられていた。その他6県の協会では、職員の慶弔費や、補助金では目的外の会報誌郵送代などで約560万円が判明。このうち、宮城、広島を除く4協会では職員らによる飲食が見つかった。

 一般会計総額約14兆円の今年度補正予算案では、46基金に約4兆3700億円を計上。このうち中央協会の7000億円がトップで、職業訓練者の生活支援給付などに充てられる。

 福井県協会は「昨今の社会状況からすれば、懇親会への支出は不適切だった」としている。 

 ◆中央職業能力開発協会=モノ作りなどに携わる人材育成を目的に、職業能力開発促進法に基づき設立。各都道府県には地方協会がある。建設、金属加工、食品など12分野で125の技能職種を定め、等級を与える検定試験や技能競技大会を開催する。国からの補助金、事業委託費などで運営されている。

 自民党政治が国民目線・生活者重視の政策に真に立っていたなら、官僚組織もその姿勢の反映を受けて、私腹肥やしや公私混同の薄汚いコジキ行為はできまい。立っていないことの証明であり、同質性による管理不行き届き・監督不行き届きが許している怠慢・怠惰。遊惰の姿であろう。

 こういった報道がこれまでもゴマンとあったことからすると、官僚たちの私腹肥やしや公私混同の薄汚いコジキ行為は各省庁に跨って蔓延していると見るべきだと思うが、どうだろうか。

コメント
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