5月7日、衆議院予算委員会の質疑の、マスコミに不適切発言として取り上げた麻生の子どもを2人産んで「義務を果たした」の場面をNHKテレビの「国会中継」で見ていた。私は結婚もしていないし、子どもを育ててもいないが、親として、産んだ子供を育て、一定の年齢にまで養育したなら、これで親としての義務を果たしたなと感じたとしても不思議ではない一般的な親の感想であろう。
だが、麻生は子どもを2人産んだ出産そのものに対して「いちおー、最低限の義務を果たした」と言っている。
江戸時代の世継ぎを期待されて殿様の側室にされた女性ならいざ知らず、あるいは戦前の「産めよ増やせよ、国のため」をスローガンとした国策に対して多産を殆どが右を倣えの国民の義務とし、国民の条件とした時代にあるわけではない、今の時代、義務で子どもを妊娠させ、義務で産む親はまずいないだろう。産んだ以上は、親としての養育の義務が生じる。しっかりと果たすものもいるし、中途半端にしか果たさない親もいるだろうし、全然果たさず、虐待して子どもを殺してしまう親もいる。
妊娠・出産までは殆ど世の習い(社会的慣習)として行うのではないだろうか。結婚して子どもを産むことが男女ともそれぞれにそのことをごく当り前の社会的姿とする。義務として妊娠・出産を目指し、実行する者は殆どいまい。
養育となると、世の習いではすまなくなる。妊娠・出産までは顔も個性も持たないが、いわば誰にとっても顔も個性もない存在でしかないが、出産以降、顔を持ち、個性を持つようになるから、それ自体がそれぞれに異なる自己主張性を意味するため、世の習いで決して一括りはできなくなる。自分自身の顔と個性とは微妙に異なる必ずしも自分たちの思い通りにはならない顔と個性と毎日毎日付き合わなければならなくなる。
望んだが、子どもができなかったという親は、出産に関する世の習い(社会的慣習)から外れるものの、それをすべてとして生きているわけではない、義務で生きているわけでもないのだから、結婚しているなら、自分と相手の顔と個性を突き合わせながら、自分たちなりの人生の充実を見い出すしかないのではないのか。
人それぞれに人生の姿・事情は異なる。麻生が「自分は義務を果たした、義務を果たさない者がいる」と言ったなら、麻生の立場からしたなら、それぞれに異なるはずの他人の人生・事情に自分のそれと合わせようとする権力的な強制力を働かすこととなってさらに大問題となるが、戦前の「埋めよ増やせよ、国のため」の国家主義から抜け切れていないのだろう、「いちおー、最低限の義務を果たした」とした。
滑稽な限りだが、この「義務」発言を含めて、「国会中継」を見ていて私が問題としたのは、麻生の軽さである。日本という国の総理大臣、一国の首相でありながら、その軽さ・軽薄さに耐えられる国民がどれ程いるのだろうかと思わざるを得なかった。
もしかしたら麻生は元々は現在のようなダミ声の持ち主ではなく、自身の人間的な軽さ・軽薄さを隠して声のみで重みを持たせようとした結果獲得した現在のことさら声を低め、ことさら語尾を伸ばす物言い、低音の装いではないかと疑ったくらいである。
民主党・無所属クラブの西村智奈美と麻生、その他の閣僚との質疑を通して、麻生のみならず、類は友を呼ぶの習いからなのか、他の閣僚にも見て取れる軽さ・軽薄さを私だけが感じることなのか、俎上に載せてみたいと思う。
私自身のたいしたことのない感想・解説は青文字で示した。
09年5月7日、衆議院予算委員会、民主党・無所属クラブ西村智奈美
西村「衆議院予算委員会、民主党・無所属クラブ西村智奈美です。えー、私は民主党の中で、子ども・男女共同参加調査会(「参画」といったのかもしれないが、「参加」と聞こえる。)の局長を務めております、ので、えー、今日は少子化問題に絞って、えー、質問をしたいと思います。えー、先程来、あの、子ども、子育て応援特別手当について、えー、菅(直人)委員、そして前原委員から質問があったところでありますけれども、私もそのことについて伺うつもりなんですが、先ずその前にですね、えー、少子化について、エー、どう考えるか、そしてまた、子育て支援策というのが、如何にあるべきか、あーこの2点について、財務大臣と総理から、それをまたどういうふうにお考えなのか、伺いたいと思います。
えー、まあ、少子化については、アー、今、日本の合計特殊出生率は1.26とか、27という数字を、まあ、彷徨(さまよ)っております。日本の人口構図や産業構図を維持するに少なくとも28(自然増と自然減との境目とされる2.08の間違いか?)が必要だと言われていた、にも関わらず、1.58を切ってから、もう、殆ど坂を転げるように出生率が下がってきております。まー、その原因は何なのかと、色んな人が色んな研究をしておりますけれども、やはり日本の社会全体が、子育てに対して、あまりやさしいとは言えない、のではないのか。そのことによって、女性たちが、子どもを産み、控えているのではないか、ということが指摘をされていますし、私も肌感覚で感じているところは、まあ、そういったところなんだろうなと、思っております。えー、この点について財務大臣と総理の見解を伺いたいと思います」
(やたらとバカ丁寧な敬語を使わないところがいい。)
与謝野馨財務大臣「あのー、明治維新のときの日本の人口は3千万人。昭和20年の日本が戦争に敗れたときの人口は7千万人。現在は1億2千5百万人ですから、えー、まあ、この百何十年から人口は増え、今、少子化が、まあ、叫ばれている段階でございますが、私の直感ですから、あまり根拠がないんですが、多分、日本という国は5、6千万人の人口だと、大変快適な国じゃないかと、私は思っております。
ただ、その5、6千万人の平衡状態に至るまでの間、どうやって日本の福祉政策を支えていくのか、こういう話になりますと、その移行期間は、過渡期の間は、物凄く大変なことが起きる、ということがあります。それで政府が少子化について、たくさん子供を作りなさいと、いうようなことを言う立場にはないんで、政府が、政府ができることは、あー、産みやすく、育てやすい社会を、用意しておくと。あとは、えー、女性、夫婦の間で、自主的にご案内いただくと、いうことに尽きるのではないかと、私はそのように思っております」
(「産みやすく、育てやすい社会を用意」すべく、いわば人口増加政策に自民党政府は予算をつぎ込んでいる。社会もその方向で努力している。にも関わらず、「日本という国は5、6千万人の人口だと、大変快適な国じゃないか」とする人間が、出産・育児政策の財布を握っているのは矛盾してはいないだろうか。与謝野が思っている人口減少衝動が日本政府の正式な政策なら、矛盾しない。今後共に若者の数が減り、高齢者だけが増えていく状況が長年に亘って続くのだから、「5、6千万人の平衡状態」に持っていくまでに若者の各種税金や社会保障費の負担は相当なものになるに違いない。「一民族・一文化・一言語」の愚かしさは守ることができたとしても、グローバル化した産業も維持できなくなって、国民は負担に耐え切れず、国としての体裁は破綻するに違いない。与謝野は不可能なことを言っているに過ぎない。このことだけを以ってしても、閣僚としての資格を失う。)
麻生「あのー、やっぱり、西村先生、やっぱり、子どもを産んだら、いい、楽しいという、話をあまり、言わないんですな、この国は。違うかしら。ウフ(と得意気に笑う)、そういう子どもを産んだら、こんなに素晴らしいよっていう話をあなたにしてくれる友達はどれくらいいらっしゃいます?産んだら、大変よって、話ばかりしません?
僕は正直イ、あの、そこが今一番問題なんじゃないのかなあーと、思っています。これ、正直なところでございます。従って(何が「従って」なのか。)、私は43で結婚して、ちゃんと子どもは2人いましたから(右手を上に上げて指を2本突き出して、ご丁寧にも2人を意味させる。)、いちおー、最低限の義務を果たしたことになるのかもしれません。なるのかもしれませんけれども、しかし、今現実問題として、子どもを産んだら、成長見て、私自身の娘も二十歳になりましたし、上のも23になりましたから、今は見て結構面白いです。私自身は(自分の胸を指差して)成長は嫌なところばっかし親に対して全然面白くないところが一杯ありますが、私自身は正直言って、楽しくやらせてもらっていると自分は思っております。
だから、子どもを産んだらいいことありますよという話も、正直今から結婚する人には結構言っている方だと、自分自身は思っていますけれども、いつもそう言われるのは麻生さんだけですよと、言われたりすると、余っ程他の人は大変だ、大変だっていう話しかしていないんだなあと、私はそう思ってしまうんです。
しかしフランスやら、イギリスにいた頃、子どもが楽しいって話を、みなイギリスもフランスもしていましたから、その意味では(この軽さ・軽薄さには絶えられない。)私は日本は・・・・合計出生率が下がってきておりますけども、韓国より高い、中国より高い、台湾より、高い、香港より高い。比較すれば、もっと低いところ、一杯ありますんで、そういった所の話をよくされますけれども、私としてな、そういった合計出生率の話という数字の話よりは、子どもを産んだら楽しいって話と、やっぱり子どもを育てやすいような経済環境とか、また社会環境というものが、非常に大事なんではないかなーと思っております。
いずれにしても、子どもが、声が聞かれなくな、聞かれない地域というのは、かなり淋しいもんだと私自身はそう思います」
(国の仕組み・制度はその国の政治が深く関わってつくり出していく。そのことに応じて社会の姿が形作られていく。戦前の日本社会が理解しやすい最たる証拠となる。「子どもを産んだら、いい、楽しいという、話をあまり、言わない」、あるいは「産んだら、大変よって、話ばかり」といった状況も、政治がつくり出したその一端の社会の姿であろう。そのことを棚上げにして平気でいられるこの軽さはどう説明したらいいのだろうか。
与謝野が、「産みやすく、育てやすい社会を、用意しておく」と言ったばかりである。「用意しておく」ことに政治がついっていっていない、即応できていないことに気づくべきだが、気づきもしないこの面の皮の厚さ。
日本が自民党政治のお陰を蒙って「産みやすく、育てやすい社会」となっていたなら、誰が出産・子育てが楽しくないなどと言うだろうか。この答弁の間、麻生の頭には保育所に入れない待機児童の問題、産科医不足の問題、1~2年間子育てのために一旦仕事をリタイアすると、元の職場、同じ仕事に戻ることが難しい問題等々、一切思い浮かんでいなかったに違いない。
総理大臣でありながら、現在の日本の社会の姿に思いを馳せることができなかった。軽い・軽薄以外に形容しようがないではないか。
出産・子育てに関する母親たちの前々から既成事実化した一般的な感想を今更ながらに「今一番問題」だとする。当然、何が原因で「産んだら、大変よって、話ばかり」なのはなぜなのかの、とっくの昔に済ませておかなければならない原因追求であり、自民党政治を引き継ぐ総理大臣であるからには、その解決のための効果的な政策をも受け継ぎ発展させて、既に何らかの成果を上げていなければならない段階であるはずだが、母親たちの感想を述べ、そのような感想に対して「やっぱり子どもを育てやすいような経済環境とか、また社会環境というものが、非常に大事なんではないかなーと思っております」と推測形で自分の感想を述べて、自己満足に浸っている。
しかも「子どもを産んだらいいことありますよ」と、そのためには「産みやすく、育てやすい社会用意しておく」をあくまでも前提としなければならないはずだが、そんなことはさらさら頭になく、国民一般の例に当てはまらない個人的な経験を披露して、それを以て出産だけを単細胞にも奨励している。)
西村「えー、私もですね、合計出生率、合計特殊出生率、数字だけを取り上げて高いからいいとか、低いからよくないとか、いう積りはありません。(しかし、重要項目に入るバロメーターの一つであることに変わりはない。高齢者の割合が高くなって、人口構成のバランスが悪くなっている。そのために若年層の社会保障分野などでの負担率が増加していることも事実。)
えー、また日本の人口が減っていくということも受け容れる、というのは、我が国が選択する、道のうちの一つだろうと思いますけれども(人口減少政策を国の政策として選択するなら、そのことをはっきりとさせなければならない。与謝野みたいに国の政策と個人的感想・個人的見解を混同させてはならないはず。)、問題は、先程財務大臣も総理もおっしゃいましたけども、やっぱり産み育てやすい社会をつくる、そういうことに尽きる、のではないかと。後は、そのカップルの判断に任せると、言うことだと思うんですけども、総理、イギリスとフランスで、子育てが楽しいと、いう話を聞くのは、やはり理由があるんだと思うんですよね。
日本ではなぜ、子育てが楽しいという話ばかりではないか。勿論、子どもが、あの社会に出てくる、支えるということは、これは社会の賑わいにもなりますし、子どもは未来への投――、宝だと、社会全体の宝、だと言われておりますから、非常にあの、子どもがいるってこと自体が社会の財産、であるわけですけれども、えー、イギリスやフランスでなぜ、子育てが楽しいかと、言われているかと言えば、やはりそれなりの子育て支援策を、国としてきちんとやっているから、楽しいと思える。そういう子育てが可能になっているから、だと思うんです。そこのところを、先ずご認識をいただいておきたいと思います。
えー、そこで、今回の補正予算の中で、えー、子育て応援特別手当、えー、3歳から5歳まで、えー3万6千円、1回こっきり。これを支給するということになりました。第1回ということになるんですが、これはー、えーこれはですね、まあ、この今回、政府の補正予算は14兆円ということですけれども、子どもとか教育関係の対策費に大体、その3651億円、まあ、全体の中で2・6%と、非常に小さいわけでなんですけれども、まあ、その中でも政府の方が今回、この子ども手、子育て応援特別手当を、一つの目玉だと、いうふうに、あの、言っておられるようです。
えー、財務大臣に聞きますけれども、この子育て応援特別手当によって、見込まれる経済効果、それはどのくらいでしょうか?」
与謝野馨財務大臣「先ずですね、あのー、民主党が言っておられるような子供、手当ができたら、えー、おカネがあったら、いくらでもやったらいいと思うんですけれども、民主党の言うとおりやられますと、それだけ5兆円以上かかりますんで、 あの今回、今回の、あの、子育て応援特別手当っていうのは、あの、現下の大変な不況下で、あの、個人の所得がそれぞれ、みんな減っていると。国民もここは行き交いが大変でしょうと、いうので、年に3万6千円、ていうのは、まあ、決して大きい額とは言えませんけども、えー、何とか支援がつくんだろうと、言うので、ええ、予算に計上したわけでございます」
(合理的な根拠・検証からではなく、「何とか支援がつくんだろう」という大まかな感覚で金額を決めたのだろうか。高速道路建設時の交通量予測もこの流れて過剰計上しているため、多くが赤字経営となっていると言うことなら、一貫性を得ることができる。)
西村「まあ、経済政策と言うよりは、そうしますと、子育てのための手当てということで支給された、分と言うことですが、そういうことでありますと、果たして、これで子育て支援策になるのかどうか、ということを伺っていかなければなりません。先程3歳から5歳だと、いうふうにその、年齢制限、区切られているって、財務大臣しましたら、枝野君がリサイ(?――聞き取れない)大変だと、いうふうにおっしゃいましたけれども、それぞれの根拠ですね、つまりなぜ3万6千円なのか、あるいはなぜ3歳から5歳なのか、そしてなぜ1回こっきりなのか。
これは何度やって聞いても、これは私は納得できる答弁というのは、一度も返ってきたことがないんですけれども、一つ一つ伺いたいと思います。えー、なぜ3万6千円と言う金額なのでしょうか?」
桝添厚労大臣「あのこれは非課税、住民税の非課税世帯の保育所の基準額が月額6千円でありますんで、その半分、月額3千円を補助しますと、いうことで、3千円かけ、12カ月、3万6千円と、こういう計算であります」
西村「はぁ?その説明私、初めて聞きました。えー、この6千円、住民税の非課税世帯に於ける保育所の料金が6千円、その半分、だから3千円。なぜ半分なんですか。なぜ全額じゃないんですか」
(「なぜ半分なのか、半分とした理由・根拠を聞かせてください」とより直接的な言葉は使えないのだろうか。迫る勢いが違ってくると思うのだが。)
桝添「あの、国会の場でも、その説明を何度かしたことを私は記憶しております。議事録をご覧になれば、どこかに書いてあると思います。そして、これはまあ、あのー、全額というのも、一つの考え方かもしれないけれども、補助をする、やはり自らの努力にも頼らないといけない、そういう意味で半額になったと、決定させていただいたと」
(「決定させていただいたと」「いうことでございます」と最後まで丁寧に言わずに端折って、くるっと背中を向けて自分の席にも戻ってしまう。加藤紘一は麻生に対してではなく、桝添にこそ、「傲慢」という尊称を与えるべきだったのではないか。)
国会質疑からも見て取れる麻生のこの軽さ・軽薄さに耐えられるか(2)に続く>
09年5月7日、衆議院予算委員会、民主党・無所属クラブ西村智奈美
西村「幼児教育の子育て支援をするということですから、えー、その6千円の保険料を、半分を、あの、補助対象として、いると、手当の額としていると、いうことについては、これは合理的な説明では全くない、いうふうに思います。で、また、あー、3歳から5歳まで、ということについてではありますけれども、これはなぜ3歳から5歳までなのでしょうか?」
桝添「小学校に入る前の3年間、これは保育変に通おうと、幼稚園に通おうと、ここに焦点を当てた、いうのは、赤ん坊のとき、乳飲み子のとき、それから小学校入ってから、様々な補助がありますが、そういう意味で(どういう意味なんだ。)、一番全体的に見て、特にお父さん、お母さんたちまで子育てやっていると、ここ足りないなあ、というところがこの年齢層なので、そこに焦点を当てたということでございます」
(西村が言うように、合理的な説明とはなっていない。統計とかの根拠がない。どういう方法で「全体的に見」て「ここ足りないなあ」という結論に至ったのか、つまり統計を取った結果の「ここ足りないなあ」なのか。統計を取らずに、別の何らかの方法で「全体的に見」て「ここ足りないなあ」の結論なのかの説明があって、初めて合理的と言える。)
西村「えー、まあ、今のが明快な説明なのですか。とてもそうは思えない。聞いている方々もですね、それで納得だと、いうふうに思われる方は極めて少ないのではないかと思いますけれども、保育所でしたらね、3歳から5歳までではなくて、未満児、3歳未満児だって、通園をしておりますよね。えー、なぜ0歳から2歳まで対象に含まなかったのか、また、幼児教育は、幼児教育期に於ける、ま、公的助成が少ないんだと、午前中の委員の質疑の中でありましたけれども、うーん、これとて見れば、あー、実際に日本が公教育に於いて、えー、支出している公的な部分が非常に少ない。
全体的にこれは日本が、子育てに対して、かけるおカネというのは少ないわけですから、なぜそこだけを対象にしてやったのか、と言うのは、明確な説明はなかったと、いうふうと思います。えー、なぜ0歳から2歳、そして小学校就学期などは含まれなかったのですか?」
桝添「私は今まさにその歳の子どもを子育て中、孫ではない、私の子どもです。子育て中でありまして、えー、上の女の子は小学校3年生です。で、下は、要するに幼稚園の年長さんです。あ、だから、ずっと赤ちゃんときから育ててきた。やはりね、ウチの場合、幼稚園ですけれどもね、3歳、4歳、5歳、つまり、年小さん、年中さん、年長さんと、くるんです。
ここはね、本当に補助も何もないんですよ。滅茶苦茶おカネがかかりますよ。赤ん坊のときは抱いて行ったりできる。そして、結局ね、幼稚園誰か送るんだと、滅茶苦茶おカネがかかりますよ。これはそれぞれの家庭の選択にありますけれども、私の子育て体験から言っても、3歳から5歳までの期間と言うのは非常に総体的に大変だと、いうことも改めて付け加えておきたいと思います」
(高額所得者に入る国会議員の子供を通わせている幼稚園である。お金持の子弟を受け入れている高額幼稚園かどうかで、カネのかかりが違ってくる。先ずはそこを問題とすべきだが、そのことには触れずに幼稚園に通わせて得た自らの子育て体験を一般的な生活を送っている大多数の国民の体験につなげて、説明可能としている。当然、桝添が)「滅茶苦茶おカネがかか」負担感と一般生活者の負担感は比較できないはずだが、イコールに扱っているのは麻生と同じく、一般生活者の暮らしぶりを真に理解していないからだろう。「国民、国民」の言葉は口先だけで言っているに過ぎないと言うことである。)
西村「それはですね、後で厚生省にきちんと調査を出していただきたいと思います。0歳から2歳までかける保育費、ないし教育費と、それから3歳から5歳にまでかかる教育費、まあ、保育費ですね。どちらでもいいですけれども、それがどのくらいの比較になっているのか、私は決して3歳から5歳だけが0歳から2歳に比べて重たい、などということはないと思っています。その辺は、実態を是非調査をしていただきたい、要求をしておきます。
えー、また、今回、3万6千円、3歳から5歳についてでありますけれども、えー、所得制限を課さないと、いうふうになっているわけですね。えー、今ほどの答弁で、明らかになったように、なぜ3歳から5歳なのか、なぜ、3万6千円なのか、なぜ1回限りか、ということは明確な答弁はなかったと思います。ので、この補正予算の中で、この子育て応援特別手当、ということを実施する緊急性と言うのは、一体どこにあったのだろうか。
まあ、すべてのお子さんに対して、やるということでありますから、まあ、中にはですね、年収200万の親御さんもいらっしゃるでしょうし、年収2千万とか、2億とか、という方もいらっしゃると思うんですね。全員にこの手当てを給付する、ということの緊急性、補正予算ですから、緊急性はどこにあったのでしょうか?」
(麻生は定額給付金に関して当初、「1億円あっても、さもしく1万2千円欲しいと、言う人もいるかもしれない。そりゃあ、その人の、――、哲学・矜持、考え方の問題なんだから・・・・・」と言っていたが、「生活給付という部分の、部分が、かなり減ってきている。比重はむしろ、消費刺激という比重が、高くなってきている。生活給付という部分が非常に大きいときは、私のような者が頂戴するのは、如何にもさもしいではないかと、いう気持があったのは正直なところです。消費刺激というんであれば、私もそれを何らかの形で地元で消費に当てる――」と言い換えたが、消費刺激策でないなら、高額所得者が貰うのはさもしいとするのかと麻生に問うべきだった。)
与謝野「えー、所得制限をかけるかどうかというのは、当然議論を致しましたが、恐らく3歳から5歳のお子さんを持っている方というのは、桝添さんみたいな例外的な方は除いて(鳩山邦夫や甘利が大笑いしていた。)、概ね20代から、30代ぐらいではないかと。その方々は、そんなに高い所得の方はおられないはずなんで、えー、所得制限をかけるという実質的な意義はない、こういうことで、所得制限をかけませんでした」
(必然性からではなく、「恐らく」と推測で政治を行っている。また20代、30代でも、親の財産の保護を受けて高額生活費を確保している者も相当いるだろし、有名大学を出て、大企業に既に就職し、相当の給与を得ている若者はその収入からの子育てにかける投資額は一般生活者と当然違いが生じる。さらに社会的な晩婚化傾向も加味しなければならないはずだが、こういったことを一切無視できる短絡性は素晴らしい。)
西村「これは、あの、補正予算の財政規律、という点からしても、極めて問題だと思うんですね。補正予算財政法上は緊急性のあるものにつけると、編成すると、いうことになっております。
まあ、あの、今の経済状況が大変だということは私も認識を共有して、おりますけれども、とかくこの点についてはですね、先程来こちらの方から(背後を方を振返って)民主党は全員にバラ撒くんじゃないのか、というふうな言葉が出ていますが、全く理念は政府の言っている子育て応援特別手当とは異なります。後でちゃんと説明をしますけれども、私はですね、今回のこの子育て応援特別手当というのは、やはり補正予算の中に盛り込むのは極めて無理筋なものではなかったかと、いうふうに思うんですね。えー、まあ、厚労大臣と、財務大臣にずっとお伺いしておりましたんで、ちょっと、少子化担当大臣お伺いをいたしたいと思います。
えー、やはり、今回の手当、はですね、理念がなかなか明らかにならない、明らかになっていない、ことですので、えー、選挙向けのバラ撒きではないかと、いうふうにいわれているんです。えー、それは本当に由々しき問題だと、思っておりますけれども、少子化担当大臣として、子育て応援特別手当、ほんとーに、これでいいんでしょうか。1回限りの3歳から5歳までの、3・6万円。これでいいんですか?」
小渕少子化担当大臣「えー、お答えいたします。少子化対策を考える上で、やはり経済的な負担を軽減していくということは、やはり大事な対策の一つであると、思います。えー、その面で、この幼稚園や保育園に通う、えー、ご家庭のご負担を軽減するということから、あのー、一定の、成果、一定の効果があると思っております。今回の補正予算について、是非とも全体を見ていただきたいのですけれども、子育て支援に関しては、この子育て応援特別手当だけではなく、困難を抱えた家庭ですとか、あるいは地域の様々な子育て支援に対する支援ですとか、勿論、保育サービスの拡充ですとか、かなり総合的にやっております。あの、子育て支援というのは、経済的な支援だけではなく、やはり総合的にやっていくことが大切ではないかと思っています。ただ1回限り、これで十分かといわれれば、十分ではない部分も確かにあると思います。
子供については、やはり将来の投資と言うことで、えー、中期プログラムの見直しなどのも含めながら、抜本的な、あの、少子化対策と言うものを考えていかなければならないと思っておりますが、(最後は緊張のせいか、声が震えて、聞き取れない。)」
西村「えー、まあ、十分ではない部分もあると、非常に、あのー、正直な、あのー、後答弁をいただいたと思います(こっちのオバサンは落ち着きに落ち着いている)。えー、そして、この、子育て応援特別手当ですが、これまた、あの、給付する作業がスタート、この補正がどうなるか分かりませんけれども、えー、スタートするというときには、またこれ、実際に、給付の作業をお任せすることになるのでしょうか。財務大臣に確認します。いやごめんなさい、総務大臣に確認します」
鳩山総務大臣「あの、同じように自治体を通してという形になると思います」
(「と思います」とは定額給付金と同じように給付方法を決定しないうちに給付だけを決めることになる。最後の手続きまでしっかりと詰めてから政策決定するのが政治だと思うのだが、自民党政治はそうはなっていないらしい。)
西村「えー、総務大臣、あのー、覚えておられると思いますが、私が総務委員会で、えー、鳩山大臣と定額給付金のドメスティック・バイオレンス被害者の給付について、質問をしたことがありました。ええー、ドメスティック・バイオレンスというのは、配偶者や恋人による身体的、まあ、または精神的な暴力や暴言を吐くと、こういうものでありますけれども、この件数はですね、まあ、DV被害防止法の改正もあって、被害件数がどんどん増えてきております。で、もう、これ、大変悲惨なケースも多くて、えー、夫の暴力によって、本当に着の身着のまま子どもと一緒に逃げてきた。で、えー、住民票を移せば、そこで新しい自治体で、住民サービスが色々受けられるんだけれども、うーん、なかなかそれができないというケースが、あり、やはり追いかけられてくるのが恐いとか、えー、また、住民票が実際には総務省から色々な通知もあって、えー、加害者である男性には渡らないようにという、まあ、手筈にはなっているんですけれども、そこでちょっとミスがあって、渡ってしまったりということもありました。で、現住所で給付されないということで、そうすると逃げてしまったDV被害者や子どもさんの分の定額給付金は、その世帯のところに入るんですね。
私はそのことを大変懸念いたしました。この問題が起きてしまうのではないか。法的にも問題になってくるんではないのかと、思っておりましたら、案の定、えー、このDV被害者の給付金が世帯主のところに振込まれるのを差止めてくれと、差し止め請求が出されております。
えー、また、この、失礼。えー、失礼しました。まあ、というような問題が起きてきておりますけれども、今回の子育て応援特別手当を、その給付事務を自治体に任せる、ということになると、これはまた定額給付金と同じ問題が起きるんではないかというふうに懸念を致しますけれども、その点についてどうお考えでしょうか。また、おんなじことが起きるかもしれないと分かっているのに、えー、これを、自治体に給付事務を任せようということになるのでしょうか」
鳩山「あの、私はですね、今の3歳、4歳、5歳の3万6千円の件については、あのー自治体を通してお配りするということで、ま、それ以外の配り方がま、ないから、そういうやり方をするのだと思って、DVの被害者の方ですね、あの、定額給付金の件については、西村委員と随分やりとりしまして、実際にあのー、そっちの話いいですか、そっちの話し必要ないんですか?(と西村委員に尋ねる。「いいです、いいです」と西村委員)あの、仮処分命令の申し立てが6人、6件あったんですね。で、これまで新人がちょっとやっているいる程度ですから、結論が出るのは時間がかかるかもしれませんが、まあ、この結果が出れば、法治国家ですから、仮処分の結果については従わなければなりません。
ただ、定額給付金は世帯主に配るということで、やって参りましたから、従ってDV被害者が支援阻止でちゃんと住所を移しておいてくれればいいんですが、そうでない方々も大勢おられるのも分かっておりますんで、DV被害者に対して独自に給付することを決めた都市がですね、全部287団体あるわけでありまして、これは指示はできませんけども、技術的助言はできますので、(丸投げに少しは無責任を感じたのか、軽く鼻で自虐的に笑う。)まあ、こうした団体が増えていくことを期待しておりますし、その場合に今度1兆円、その補正予算に入っております。え、いわゆる地域活性化、経済危機克服のための1兆円を使っていただこうと思っております」
(「それ以外の配り方がま、ないから、そういうやり方をするのだと思って」は、まさに官僚任せなのを自ら暴露する発言であろう。
また、定額給付金の支給や子育て特別応援手当て支給事務で面倒をかけるから、「地域活性化、経済危機克服のための1兆円を使っていただこう」という見返り発想はおかしいではないか。給付事務にかか経費は国持なのだろうから、すべてを事務的に行うべきである。)
国会質疑からも見て取れる麻生のこの軽さ・軽薄さに耐えられるか(3)に続く
09年5月7日、衆議院予算委員会、民主党・無所属クラブ西村智奈美
西村「この基金もですね、非常に使い勝手が、あの、よくないし、えー、締切り時間が来てしまっていたと、いうこともありましたので、それはやはり、同じことを繰返すことになるのじゃないかと、私は懸念をしております。実際に、あのー、ある団体の中では、えー、DV被害者に対して、定額給付金を支給するというところも出ているようでもありますので、是非、これはあの、こういった、実際に出てきているということも含めて、今からでも遅くはありません。手続き等については、考え直していただきたいと思います。
そしてもう一回、この子育て応援特別手当について伺いたいと思いますけれども、問題は、年齢も額もありますけれども、一番の問題は、1回限りだということだと思うんです。子育ては1年では終わりません。政府与党の都合に合わせて、子育ては1年で終わりません。えー、これから先もずうっと続いていくと、恒常的な仕組みだということがあって、初めて子育てに於いて安心感が生まれるのではないか。
そういう点からすると、1回こっきりと言うのは全くナンセンス、だと思います。えー、この仕組みは恒常的にやるというのであれば、私も、それは、いいなあ、というふうに思います。けれども、なぜ1回だけなんですか。えー、1回限りで本当に子育て支援になるんでしょうか。財務大臣」
与謝野「えー、毎年出すんなら、賛成する。1回限りだと、反対すると、この理屈もなかなか難しい、だと私は思います。えー、財源が豊富であれば、えー、毎年やってもいいわけですが、苦しいお台所の中から、まあ、せめてものことをやろうと、そういう発想であるということもご理解をいただければと思います」
西村「えー、これはですね、最初与党の中に、この子育て応援特別手当、は3年以内という話も聞こえてきていたんですね。それが、取りあえず1回になったということなんですけども、そしたら、来年も続けるんだと、どなたか明言して下さるんですか?じゃあ、野次らないでください。
えー、3年以内で行うとかいうことで、与党の中からも出てきていた。ところが決まったときには、その説明には、この子育て応援特別支援では、臨時異例の措置だと、わざわざ明記しているんです。臨時異例の措置ということは、これはじゃあ、もう、来年からはやらないということに政府は宣言しているに等しいと思います。定額給付金に次ぐバラ撒き政策ではありませんか。」
与謝野「えー、バラ撒きの批判は当たらないと思います。えー、臨時異例と書いたのは私自身でございまして、えー、来年これが続けられるようなえー、財源が、えー、別に当てがあるわけではありませんので、やはりそういう不評部分に関しては、1年限りであるならば、これは認めてもいいだろうと、そういうことで政府与党で合意した、というのが本当のことでございます」
西村「まあ、1回限りのこのバラ撒き子育て応援特別手当をやって、えー、そして、その将来世代にまた、あー、今回の補正で44兆円ですか、国債が発行される。その付け回しがいくということでございます。私たちは、えー、政府のこうした1回限りの政策、安心感を全く生み出さない政策とは、180度方向性が異なっていまして、私たちが主張している子供手当と言うのは、これはもう恒常的な政策で会います。30――、年間31万円の子ども手当を支給をすると。この財源については、どうなっているんだと(後ろを振り向いて)、またあちらの方から声が飛んでますけれども、えー、財務大臣、それはですね、財務大臣がやれば、それは財源がどうなんだっていうふうには聞かない。野党がこういう提案をしたときにだけ、なぜか知らないけれども、この自民党の側からですね、財源はどうなんだというふうに集中砲火を浴びせるわけなんです。
ですけれども、私たちは、この財源手当ということについては、きちんとやるとマニフェストに書きますから、マニフェストに書いて、予算の組替をしっかりと行う。これは恐らく政府与党にはできないことだと思います。天下りも容認する、特別法人特別会計の改革は中途半端、12・6兆円の、その天下り団体に対する随契や交付金、そういったものにしっかりとメスを入れていく、ことによって、予算の組替えを行うと、いうことを明確に主張しているわけであります。
で、さて、この子育て応援特別手当の他に、えー、実は色々、今回政府の子育て支援いついては時限つきのものが多い。まあ、2年間とか3年で終わるものがとても多いわけですね。妊産婦の検診費用ですとか、また出産育児一時金の積み上げ、これもですね、3年経ったら、減っちゃうんです。
(与謝野等、政府側は財源がないと言い、対して西村はムダ遣いの削減で浮かしたカネを原資に「予算の組替」によって財源をつくり出すといっている。
年齢によって受給資格に変更が生じるのは社会状況に応じて就職面・生活面でジョウカーを引くのと同じであろう。不況期にたまたま学校を卒業し、就職で割を食い、満足な就職口に恵まれない。あるいは長い期間失業を余儀なくされる。好・不景気で差別を受ける。それと同じ。政府の手当・補助金が発効している間の支給対象年齢にたまたま遭遇した者は利益を受けるが、失効後に支給対象年齢に達した者は利益とは無縁を強いられる。その差別。
年齢や時代で社会から受ける利益に違いが出る、差別を受ける。この不平等性により多くの目を向けるべきではないだろうか。なるべく等しくあるべきだと思うが。)
西村「えー、こうしたことではとても安心して子どもを産み育てようとうことに、なかなか安心感は生まれてもこないだろうと、いうふうに思います。時間がなくなって参りましたのでちょっと途中質問を端折りまして、えー、一人親世帯についての、一人親世帯に対する支援制度について、伺いたいと思います。
えーと、資料でお配りしておりますが、えー、我が国のですね、子どものいる世帯の貧困率は極めて高いものがあります。えー、OECDのデータ。まあ、よく引き合いに出されるものですけれども、私は今回は児童のいる、子どものいる世帯で、働いている一人親、働いていない一人親のデータが分かるものを持って参りました。えーと、これは、委員の皆さんのお手元にしかないんですが、えー、左側にではですね、2000年後の子どものいる世帯の相対的な貧困率が書いてあります。で、それによりますと、働いている一人親というところをご覧ください。
働いている一人親の貧困率はえー、相対的貧困率は、まあ、6割をちょっと切るという数字になっております。トルコが1位です。この年は。1位と言うのは不名誉な1位であるわけでありますけれども、えーと、6割を超えていた。ところがこれが経年変化いたしまして、左側が2000年のデータ、右側が2000年代中盤のデータ。ご覧いただきますと、えーと、日本が有業の一人親で、一番相対的貧困率の高い国、ということになっております。
さて、そこで、えーと、私は母子世帯についてはやはり経済支援と就労支援、まあ、これがセットで行われなければならないというふうにずっと考えておりまして、えー、生活保護母子家庭の母子加算の削減や、児童扶養手当の削減には反対をしておりました。えー、この生活保護の母子加算についてではありますけれども、まあ、これは恐らく、骨太方針の2003年とか、骨太方針の2006、この辺りで社会保障関係費を、えー、5年間で1・1兆円削れと、削りましたと、いう、そういう方向性が示されたことの影響であろうと思います。えー、また、えー、この、三位一体改革、によって、児童扶養手当のですね、国庫負担率が引き下げられて、自治体により重い負担がいくようになってしまったから、ということも色々あったりしましてですね、えー、特に生活保護の母子加算がありますが、これはもう物凄い・・・削減をされて、平成17年から段階的に減らされてきて、えー、今年の4月に全廃されてしまったんです。
さて、厚労大臣にお伺いいたしますが、この生活保護日の母子加算の廃止によって、総額いくらの削減になっているのでしょうか」
桝添「えー、生活保護の母子加算につきましては、平成17年度から3年間かけて、先ず16歳から18歳の児童にかかる母子加算を段階的に廃止したところでありまして、その総額は約20億円となっております。
また、15歳以下の児童にかかる母子加算につきましては、平成19年度より3年間かけて廃止することとしておりまして、その額は3年間で約180億円と見込んでおります。ただ、あの、様々な就労支援プログラムやら何かで、プラスしている部分もあると、付け加えておきたいと思います」
西村「えー、合計で約200億円の削減ということですね。で、えーと、これはですね、私は、私は、うーん、非常に問題ではないかと思っております。何が問題かといえば、えー、生活保護――の、母子加算が削減されたことなどもあって、された母子家庭の、あるいは一人親と言ってもよろしいでしょう、一人親、特に母子の方ですけれども、えー、親の自立がさらに遅れている、ということになっているのではないか、ということであります。私はその、母子加算の200兆円、いや、失礼、200億円、えー、これは、今回の、政府の補正予算の約14兆円の、バラ撒きに対して、非常に額は小さいと、いうふうに考えました。母子加算のお母さん、大変なな状況だということ、桝添大臣、ご存知ですよねー。
えー、委員会の中でも、何度も質疑をしておられますので、この状況については十分ご存知だと思います。14兆円の今回の補正予算のバラ撒きをやるくらいだったら、200億円の母子加算の復活はどうしてできなかったんですか?」
桝添「なぜ、この母子加算について、えー、削減ないし廃止という手を取ったかということは、一番大事なのは、就労支援、お母さんが一人親であっても、一生懸命仕事をしている、子供を養育している。そういう状況をつくり出す。
ですから、お母さんが例えば、看護士さんになりたい。そういったときにきちんとそれは手当をし、しております。それから、就学手当。つまり、高校生になるよと、子どもが。じゃあ、そこに入る、学校に入る手当、しようということでありますから。
就職の支援をやる。それから生活の支援をやる。それから養育費確保の支援をやる。それから経済的な支援をやる。この4本柱で、我々のこの一人親家庭への支援も決めています。
ですから、私はそういう理想はいいと、思います。ですから、母子加算について、なぜ厳しい言っているかって言ったら、働く能力がありながら、働こうとしないような方はダメですよ、と。働く能力がなくてですよ、それは病気とか、それはそういう事情の方は、きちんとそれは生活を送れて、やりますよと。ただ、そうじゃない方に対して、どういうインセンティブを与えて、働いて自立してもらうか、この理想の追求もしないといけない。
そいう中での政策であって、本当に困った方々にはそれは様々な手でですね、きめ細かいご支援を自治体を含めて、我々もやっていく、ということでございます」
与謝野「えー、補正予算全体をバラ撒きであると感じられるので、僭越でないかと思っております。なお、一人親家庭の支援については、念のためでございますが、民主党の経済対策には盛り込まれておりません」
(民主党の西村議員が何かと言うと「バラ撒き、バラ撒き」と言うから、腹に据えかねたのだろう。西村議員、「僭越」と言われようと、何と言われようと、どこ吹く風である。野党議員全員で、麻生の経済対策すべてに「バラ撒き」という形容詞をつけたら、面白いことになる。「バラ撒き3段ロケット」とか、「バラ撒き4段ロケット」とか。「バラ撒き定額給付金」・・・・)
西村「えーと、先程桝添大臣は、その就労支援もしっかりやっているとおっしゃいました。けれども、えー、この就労支援もですね、あの、ほんの4億円程度、なんですね。母子加算が200億円削減されているのには全く足りません。
また母子家庭の、例えばお母さんが働いてもらえるようにと、それは私もですね、あの、労働に付随して得られる賃金で生活すると言うのは基本的な形だろうと思いますが、けれども、しかし、日本のお母――、母子家庭のお母さんはですね、すでに85%が働いております。日本で、なぜこの就労支援ということが言われてきたのか。私はやはりアメリカ型の、ですね、ワークフェア、働く、・・・働かなければ、一定の補助を受けられないと、そういう考え方が入ってきたことが一つの原因であろうというふうに思いますし、また働いている85%のお母さん方、どういう働き方をしておられるか、桝添大臣もご存知でしょう、約半分がパートや臨時ですよ。それ、こういう雇用環境の中で、ますます厳しくなっていく。そういうパートや臨時などという働き方を、余儀なくされている中で、行ったら働け、働けというふうに言われても、それはなかなかうまくいかない。
やはり男女観の賃金格差、と言うものもなくしていかないとなりませんし、また保育所のサービスなどもきちんとしていかなければならないと思います。
そういったことを総合的に含めて、この母子家庭への支援というものは考えているわけでございまして、先程財務大臣は民主党の中にはそういった案は含まれていないというふうに言われましたけども、私たちは今回の補正には入っていないかもしれませんけれども、総合的にそういうパッケージとして母子家庭の母、を支援していくと、そういうことをきちんと考えております。
最後にもう一回、お伺いしますけれども、えー、この200億円の母子加算の復活、これは本当にもう、毎日毎日ダブルジョブをして、えー、精神的にも肉体的にも、ええ、困難な状況にあって、子どもと向き合う時間jもないという悩みを抱えている方々には本当に復活すべきものだと思いますけれども、もう一回、あの、総理、お答えいただきませんか」
(桝添が立ち上がったものだから、民主党席からだろう、「総理、総理」の野次。)
桝添「生活保護に於ける母子加算をなぜ考え直したかというと、そうじゃない、生活保護を貰っていない母子よりも、状況がよくなっている収入状況。そういうことで、やはり未だにね、相当、私、福祉政策頑張ってやってますけども、片一方では生活保護を受けないで一生懸命母子働いて、税金を払っている。方々がおるわけであります。こういう方々に対する声が聞こえるんです。
ですから、そういう声にも、あの、あの耳を傾けて、先ほど菅さんにも申し上げましたように、バランスの取れた決めの細かい総合的な政策をやっていきたいと思っております」
麻生「今桝添大臣から答弁がありましたように、あの色々地域性もあり、ありますし、また周りであんた、あんたということも、私ども生活保護世帯率が高い筑豊っていうところが私の選挙区ですから、今言われるところは私、新潟より(西村智奈美の選挙区)現場というのはかなり身近にある所におりますんで、今言われましたように働くということをある程度きちんと働いている方からの不満というものも、一部確かでありますんで、その点も考えて、考えていただければと思っております。
もう一点だけ、修正させていただきます。先程あの、二人、子どもを産んだんで、義務は果たしたって話をちょっと申し上げた、ちょっと申し上げましたけれども、これは正直産みたいと思っても、産めない、もしくは色々なことがあって、何?、身体に、肉体的な理由があって、産めない、色んな理由があろうと思いますが、義務という言葉は不適切だったんで、撤回致します」
(もう少し話の趣旨がはっきりと分かるように話してもらいたい。ないものねだりか。)
西村「生活保護を受けないでいるお母さんがいるから、母子加算を復活しないという、この根拠づけはまったく的外れだということを最後に申し上げて、質問を終わります」
(誰かに不適切な発言と注意されたから、訂正したのだろう。「産めない」原因を挙げるのに、「何?」と言葉を即座に思い出して口にすることができなかったことが証拠の一つ。産めない女性の事情を思い出した反省でもあるなら、その事情に言葉が詰まることはないはずだからだ。
次に、総理代人が国民に過ったメッセージを発したのである、罪薄めすべき過ちではないにも関わらず、「ちょっと」という言葉を2度も使って、自分から罪薄めを行っている。「ちょっと」とすること自体が、人間が軽い・軽薄に出来上がっているからだろう。
さらに謝罪言葉にしても、「義務という言葉は不適切だったんで」とぞんざいな言い方となっているが、口先だけの謝罪、自分から気づいた心からの謝罪でないことの証拠となるだろう。せめて「不適切でしたので」と言うべきだった。その場にいなかった者に説明する言葉ならまだしも、不適切発言を向けた当の相手に使う謝罪としては失礼な言葉遣いであろう。
筑豊では母子加算を廃止してから、働いていなかった保護世帯の母親の何%が就労して自立したか、聞くべきだった。働く意欲がそのまま就労につながり、その就労によって満たされることになったのか。「働いている85%のお母さん方、どういう働き方をしておられるか、桝添大臣もご存知でしょう、約半分がパートや臨時ですよ」という実態からしたら、満足のいく就労は少ないに違いない。不満足な形の就労で我慢している母親がどのくらいいるのだろうか。
満足のいく就労が満足のいく子育てにつながっていく。二重の不満足に強いられている一人親家庭が多いように思える。権威主義社会の日本。学歴が上である程、それも新卒である程、大切に扱われる。幼い子どもを抱えている若い母親の能力を十二分に理解する会社がどれくらいあるのだろうか。
結果として、西村が言うような「約半分がパートや臨時ですよ」ということになる。悪循環であろう。これが現実の姿。保育所、幼稚園の朝晩の送り迎え等に時間を取られて、満足に8時間働けない母親を日本の社会は阻害することは知っている。
麻生みたいな軽い・軽薄な人間が日本の総理大臣に居座っている。国民はこれ以上の自民党政治にもはや耐えるべきではないのではないのか。自民党政治に耐えるとしたなら、麻生の軽さ・軽薄さに今後とも数年間は耐えなければならなくなる。)