安倍晋三が5月17日、1ヶ月に1回は福島入りしているとかいう福島へとまたまた風評被害払拭行脚に出かけ、風評被害払拭のための、もはや恒例行事となっている試食を行ったという。
《安倍首相「根拠のない風評には国として全力を挙げて対応」》(スポーツ報知/2014年5月17日18時41分)
5月17日の午前中は福島市の福島県立医大を視察。
安倍晋三「(東京電力福島第1原発事故の影響に関して)放射性物質に起因する直接的な健康被害の例は確認されていないということだ。
(漫画「美味(おい)しんぼ」で、原発事故による放射性物質と健康被害を関連付けるような描写があったことへの受け止めを問われて)根拠のない風評には国として全力を挙げて対応する必要がある。払拭(ふっしょく)するために正確な情報を分かりやすく提供する。今までの伝え方で良かったのか全省的に検証する」
言葉の揚げ足を取ると、根拠のない噂を風評という。根拠のある噂を風評とは言わない。「根拠はないのだから、風評を広げる危険性ある描写ということでないのか」と紋切り型ではない発言を行うべきではなかったのか。
午後は福島市内のサクランボ農家を訪れ、何回目になるのか、収穫したてのサクランボを試食したそうな。
安倍晋三「風評被害や豪雪で大変だったと思う。本当に努力された」
「国として全力を挙げて対応」は今に始まったことではないはずだから、なかなか効果を上げていないことになる。だから、試食が恒例行事化し、いつまで経っても風評被害払拭行脚に出かけなければならないことになる。
このことに本人は気づいているのだろうか。気づいているはずはない。気づいていたなら、以前ブログに取り上げたことだが、4月23日夕、訪日したオバマ大統領を東京銀座高級寿司店「銀座 すきやばし次郎」で行った安倍晋三の非公式夕食会に誘ったとき、寿司のシャリを特別に頼んで福島産米にして貰い、寿司種を福島産魚介類とし、オバマ大統領と共に頬張ることを絶好の風評被害払拭の機会としただろうし、それは日本国内にとどまらずに、世界に向けて発信されたされたはずだが、そんな発想はさらさらなかった。
安倍晋三が福島の風評被害を心底心配していたなら、被害払拭に利用できる機会を常に心がけていただろうから、役者も揃う「銀座 すきやばし次郎」での会食を絶好のチャンスとしたはずだが、そのチャンスをみすみす逃してしまった。
逃したことすら気づいていない。逆に風評被害払拭の試食は福島へ出かけてするものだと思っている節さえある。
その程度の心配ということなのだろう。
そして今頃になって、「今までの伝え方で良かったのか全省的に検証する」などと言っている。
勿論、「銀座 すきやばし次郎」の寿司米を福島産米とし、寿司種を福島産魚介類としたとしても風評被害を完全には払拭できないかもしれないが、オバマが福島産の魚介類を乗せた福島の米で握った寿司を食べたということなら、安倍晋三が福島を訪れてイカだ、タコだ、カキ汁だ、シラスだ、サクランボだと試食するよりも大きな話題となり、話題の大きさに応じた発信力を持った風評被害払拭の情報になり得ていたはずだ。
民主党政権時代の菅無能が福島を訪れて試食し、次の首相の野田佳彦が福島に行っては試食し、そして安倍晋三が2012年12月26日就任から1年4ヶ月半、東日本大震災発災2011年3月11日から計算して3年3ヶ月にもなるのに今以て風評被害払拭行脚を続け、試食を恒例行事としている。
つまり同じことの繰返しをしている。
安全が事実であることを示すためにも、そろそろ試食を卒業した方がいいのではないのか。安全であるにも関わらず大丈夫だということを示すために試食を続けるから、わざわざ大丈夫だということを示さなければならないのではないのかと逆に疑われることになっているのではないのだろうか。
「試食は卒業です」と試食不必要安全宣言をする。「何月何日 試食卒業記念日」と書いた垂れ幕や看板を福島県庁や各市町村庁舎に垂らしたり、要所要所に建てる。看板や垂れ幕の顔に安倍晋三ではなく、人気のあるお笑いタレントや壇蜜を用いる。壇蜜の場合は、勿論ギリギリの下着姿で。
福島産米のお握りを挟んで股の間を隠したら、ちょっと卑猥かな?
尤もらしい試食を続けるよりも、もうとっくに試食を卒業すべきだったはずだ。試食を卒業したあと、オバマに福島産米・福島産魚介類の寿司を食べさせたなら、卒業の確認となって、また別の意味を持ったはずだ。安全宣言の上に安全宣言となっただろう。