安倍晋三の閣僚たちの企業献金問題で露わとなった「政治とカネ」に関わるマネジメントとリーダーシップ欠如

2015-03-04 08:25:15 | 政治



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       《3月3日 「生活」機関紙第21号発行》    

      ◆小沢一郎代表 巻頭提言
  
      「農業政策は効率化を求めるだけでなく食糧安全保障や食糧自給率、
      地域社会の活性化の観点から考えるべき」

      ◆第189回国会活動報告
      ◆統一地方自治体選挙公認・推薦候補を決定

 安倍晋三が代表の政党支部が政治資金規正法が国からの補助金を支給されている企業・団体の政治家への寄附を支給決定通知日から1年間禁止の規定に該当する化学メーカー「宇部興産」、大手広告代理店「電通」から合わせて72万円の献金を受けてた。

 但し政治資金規正法は例外規定があって、試験研究、調査又は災害復旧やその他性質上利益を伴わないもの及び政党助成法に関わる国からの補助金(=政党交付金)は除外されている。

 上記3社はコメントを発表している。

 宇部興産「献金が禁止されない除外規定に該当していて違法性はない」

 東西化学産業「現在調査中でコメントできません」

 電通「性質上利益を伴わないものであり法律には抵触しない」

 2社はコメントが事実なら、無罪放免となる。

 例え3社とも例外規定に入る寄付(政治献金」だとしても、安倍晋三の場合は問題がゼロというわけにはいかない。

 昨日3月3日衆議院予算委員会。上川陽子法相や望月義夫、下村博文の「政治とカネ」の問題が引き続き取り上げられていた。

 松野頼久維新の党議員「ここんところずっと行われています『政治とカネ』の問題、総理、個別の話は結構ですから、感想なり、これからどうしていくべきかと言うことをお答え頂けないでしょうか」

 安倍晋三「『政治とカネ』の問題についてですね、国会議員であれ、閣内であろうと、与党であろうと野党であろうと、もし疑問があれば、その疑問に対してしっかりと説明責任を果たしていく責任があるんだろうとこのように思います。

 同時に政治活動はコストが伴うわけでございます。このコストをどのように分担して頂くということなんだろうとこのように思います。今、我々自由民主党としては政党助成金も頂いております。個人からも寄付を頂いております。同時に団体や法人などですね、寄付を頂きながら、浄財を集めまして政治活動を行っているところでございます。

 今後ですね、我々としてはしっかりと国民の疑惑を生まないように襟を正して進んでいきたいと思うところでございます。そこで今質問となっております補助金を受けた企業との関係についてでございますが、それはいわばこちら側は知り得ないというわけでございますが、先方は分かっているわけでございますが、ただ先方の意識も十分でない場合もあるわけでございます。

 また収益性があるかないかという点についてですね、この見解に於いては分かれるところもあるかもしれないとこう思うわけでございます。基本的には我々としてはしっかりとこれからですね、相手方に対して文書で以ってですね、この企業献金、あるいは企業献金に対してはこういう制約があるんだということを一つ一つ示しながら、お願いをすべきだろうと、こうも思っているところでございます」――

 「政治とカネ」の問題に関わる今後の課題として、企業・団体から寄付(政治献金)を受ける場合、政治資金規正法に違反しないように「相手方に対して文書で以って禁止規定を一つ一つ知らせるべきだ」と言っている。

 昨年10月に宮沢洋一経産相や大塚高司国土交通政務官が政治資金規正法が禁止している外国人からの献金が発覚して問題となった。

 2014年10月30日の衆院予算委員会。

 安倍晋三「例えば私の場合はですね、私の場合は(外国籍だと)類推できない方からですね、寄付がある場合も、まあ、あります。その場合は入会のシオリを渡しまして、そこに日本国籍を有する者ということを一応念のためにですね、書いているわけであります」――

 この場合のシオリ(栞)は書物の間に挟んで目印とする小型の短冊様の紙を指すのではなく、簡単な手引書や案内書のことを言い、文書の範疇に入る。

 そしてこのシオリ(手引書、あるいは案内書)は外国籍のみの禁止規定に触れているのではなく、国の補助金を支給されている企業・団体からの寄付禁止規定を含めた全般について書いてなければならない

 書いてなければ、外国人からの献金には役立ったが、国からの補助を受けている企業・団体からの寄付・献金には役立ったなかったという矛盾を来たすことになって、シオリ作成の手落ち自体が問われることになる。

 とすると、松野頼久に対しての上記答弁は政治資金規正法の禁止規定を書き入れて企業・団体に手渡し、違反を前以て回避する文書作成を今後の課題とするのは既に行っている自身のことを言ったのではなく、閣僚たちの問題ということになる。

 安倍晋三のシオリ(手引書、あるいは案内書)まで配って政治資金規正法違反に触れまいとする「政治とカネ」の問題に関わる危機管理は第1次安倍内閣で3人の閣僚を「政治とカネ」の問題で辞任させ、一人を自殺させて支持率を下げ、持病にも影響したのだろう、短命内閣に終わったことの反省に立った用心からの思い立ちであろう。

 ところが立て続けの辞任は第1次安倍内閣で終息せずに第2次安倍内閣では既に3人の閣僚が「政治とカネ」の問題で辞任し、新たに3人の閣僚が国会で追及を受けている。

 と言うことは、政治資金規正法禁止規定の文書を作成して企業・団体に告知する自身の「政治とカネ」に関わる危機管理が内閣のトップとして自身が任命した閣僚たちの危機管理につなげることができていなかったことを意味する。

 この意味は「政治とカネ」の問題で一度失敗して凝りていたにも関わらず、安倍晋三は内閣に秩序と機動性を生み出すマネジメントとリーダーシップに欠けていたことの指摘となり、それが露わになったと言うことができる。

 だからこその、「政治とカネ」に関わる閣僚たちの混乱であり、その混乱が国会審議にも及んでいるということであろう。

 ある意味現在、安倍晋三を苦境に立たせている原因が「政治とカネ」に関わるマネジメントとリーダーシップの欠如にあるというのは第1次安倍内閣の失敗は自身にとっては学習になったものの、任命した閣僚たちに学習させることができなかったことになって、皮肉である。

 果たして任命責任を果たしたと言えるのだろうか。

 皮肉な場面は他にもある。政治資金規正法禁止規定の文書を作成して企業・団体に告知していたにも関わらず、安倍晋三自身が国の補助金を受給した企業から寄付を受けていた。その寄付が「性質上利益を伴わない補助金」の国からの支給を受けた企業で、禁止除外に当たっていたとしても、企業は安倍晋三側からの告知に応えて禁止除外の寄付だとする告知を怠った。

 一国の首相であり、それなりの力強いリーダーシップとマネジメントが求められる。企業側からの告知まで求める万全さがマネジメント上必要なはずだが、その点にまでリーダーシップを発揮できなかった。精神構造上、「政治とカネ」の問題にどこか手落ちがあるからではないのか。

 色々とカネに関わる黒い噂がある。潔癖とまでいかない姿勢が招いているかくある欠落ということなのだろうか。

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