辰巳孝太郎は安倍晋三・太田充発言の合理性如何を突かなければ、真相解明とは程遠い彼らの好き放題を許す

2018-04-02 12:27:22 | 政治

安倍晋三:従軍慰安婦強制連行否定2007年3月16日閣議決定


「政府が発見した資料の中には、軍や官憲がいわゆる強制連行を
直接示すような記述も見当たらなかった」
とする
“政府発見資料”とは如何なる資料か、公表すべき

 2018年3月26日の参議院予算委員会。共産党の辰巳孝太郎が安倍晋三の森友学園国有地違法売却関与疑惑を追及した。相も変わらず疑惑を臭い立たせることまではできたが、安倍晋三や財務省理財局長太田充(57歳)、そして財務省大臣官房長矢野康治(56歳)たちの疑惑否定の好き放題の発言に何ら反撃の手を打つことができなかった。

 好き放題を断ち切ることによって、真相に一歩でも二歩でも近づくことができるはずだ。この点に関する質疑応答のみを取り上げて、最後に参考のために質疑全体を記載しておきたいと思う。

 文飾は当方。

 辰巳孝太郎は質問冒頭、公文書管理法「第1章総則 (目的)第1条」に言及する。それは次のように記されている。

 〈この法律は、国及び独立行政法人等の諸活動や歴史的事実の記録である公文書等が、健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源として、主権者である国民が主体的に利用し得るものであることにかんがみ、国民主権の理念にのっとり、公文書等の管理に関する基本的事項を定めること等により、行政文書等の適正な管理、歴史公文書等の適切な保存及び利用等を図り、もって行政が適正かつ効率的に運営されるようにするとともに、国及び独立行政法人等の有するその諸活動を現在及び将来の国民に説明する責務が全うされるようにすることを目的とする。〉

 辰巳孝太郎「今回の改竄事件が民主主義の根幹に関わる重大な事件であるという、こういう認識は総理お持ちでしょうか」

 公文書管理法のご立派な理念を権謀術数が渦巻いている政界のトップに立っている安倍晋三やその他に期待するのは甘いと言わざるを得ない。公文書管理法を侵害していると言うなら、その証拠を突きつけなければならない。

 安倍晋三は最初の答弁では無関係なことを発言したため、辰巳孝太郎は再度同じ質問をする。

 安倍晋三「まさに国会からの求めに、当委員会からの求めに応じた文書にですね、決裁文書に書き換えがあったことはまさに国会での質疑に対する重大な問題であり、国会での質疑というのは民主主義で、民主主義そのものであろうと思いますから、そういう意味に於いてはですね、委員のご指摘どおり重大な問題であると、このように考えております」

 単なる体裁でしかない答弁となっている。ところが辰巳孝太郎は「先ずこういう認識を持つことが大事だというふうに思うんですね」と簡単に納得してしまう。

 辰巳孝太郎「矢野(財務省大臣)官房長にお越しして頂いていますが、午前中の審議の中で今回の改竄事件につきましては、総理官邸も麻生財務大臣も、全く指示をしておられないですし、関知もしておられなかったのは紛れもない事実でございますと。

 これ、何を根拠に仰ってるんですか」

  矢野康治「お答え申し上げます。これまでも国会質疑の中で総理と、それから財務大臣が本件書き換えの話ですが、指示をしたのかというご質問に対してして『ない』と、こういうことを明言しておられます。

 それから財務省が3月12日にいわば一つの中間的な報告をさせて頂くまでに調査を行った過程に於きましても、書き換えは当時の理財局の一部の職員か事務方によって行われたものであるという判断に辿り着いております。

 以上のことから政治家の関与がなかったという認識を致して、それから先程加えて申し上げましたけれども、私どもが3月12日に公表させていただいた、前日の3月11日の夕方でしたが、大臣にご報告を、懺悔のご報告をさせて頂きましたが、その時の大臣のご反応、まさにそうだったのかと、まさに文字通り初めて聞いたということだったわけでございます。

 事務方がやったことでございます」

 辰巳孝太郎は、まだ調査中ではないか、つまりまだ答えは出ていないはずだと畳み掛ける。

 矢野康治「私は、午前の質疑に於いてお答えしましたのは総理と代理、財務大臣が指示したのかどうかということでしたので、それに対して総理と財務大臣からの指示がなかったという旨をお答えさせて頂いた次第です」

 辰巳孝太郎「総理、官邸と仰っていたと思いますが」

 矢野康治「総理、官邸という言葉は少し適切でなかったかもしれませんけれども、財務大臣と総理大臣という意味でございます」

 辰巳孝太郎「官邸は如何なんですか。官邸はあったという認識なんですか。どうなんですか」

 矢野康治「あったという事実は突き当たっておりません。で、今調査をしておりますので、誰の、誰の話はあったのかなかったのかということを逐一、中間報告を含めてそういうことは不可能でございます」
 
 辰巳孝太郎「だから、総理、官邸もと言うのはおかしいじゃないですか。この段階で断定するのは。そういうことを国会答弁すること自身がですね。おかしいと言わなければなりません」

 矢野康治はまだ調査中であるにも関わらず、安倍晋三も麻生太郎も指示も関知もしていなかったことは「紛れもない事実だ」、「事務方がやったことだ」という構図を頭から決めつけ、一歩も譲らない姿勢でいるのだから、辰巳孝太郎は調査中云々に拘るよりは矢野康治の論理の矛盾を突かなければならないはずだ。

 安倍晋三や麻生太郎、あるいは官邸の指示・関知が「あったという事実は突き当たっておりません」と言っていることに対して「当然、なかったという事実に突き当たっていることになりますから、その事実を具体的に説明付けて下さい」と問うべきだったろう。

 大体が3月11日の夕方に決裁文書改竄の調査報告を麻生太郎に「懺悔のご報告」(恐れ入る表現である)をした際に、「まさにそうだったのかと、まさに文字通り初めて聞いたという」反応だったからと、そのことを根拠に指示・関知に無関係だとすること自体、合理的判断に基づいているとは決して言えない。

 実際の殺人犯人でも、最初の警察の任意聴取に「えっ、あの男(あるいは、あの女)、殺されたんですか。いつです?どんな方法で殺されたんです?そうか、殺されたのか」と、「文字通り初めて聞いたという」驚いた反応はする。 

 警察の方はそのような反応をされたからといって、直ちに容疑者から外しはしないし、外すべき合理的根拠はどこにもない。安倍晋三にしても麻生太郎にしても、そのぐらいの反応を見せることができるだけの演技力は備えているはずだ。でなければ、海千山千の政治家として表舞台に立つことはできない。

 辰巳孝太郎は安倍昭恵に関しての追及に切り替える。
 
 辰巳孝太郎「一連の安倍昭恵氏に関する記述は2015年2月と4月の特例申請と特例承認の決裁文書の経緯の部分に書かれておりました。パネルに示しました。

 えー、なお、打ち合わせの際、『本年4月25日、安倍昭恵総理夫人を現地に案内し、夫人からは、よい土地ですから前に進めて下さいとの言葉を頂いた』との発言あり、括弧、森友学園籠池理事長と夫人が現地の前で並んでいる写真を掲示と、こうあります。

 我々は籠池氏がすべて本当のことを語っているというふうには思っておりません。しかし重要なのは籠池氏の語ったことが決裁文書という公文書に記されて、それを近畿財務局の職員6人、そして本省の幹部18人が確認をして決済印を押して認めているということであります。

 つまり問題はですね。これらの文言、安倍昭恵氏の記述がなぜ書かれたのかということでありますが、そもそも決裁文書の経緯とは何を記すためのものなのか。これは事の成り行きやイキサツを示すためであります。なぜ特例が決定されのか。後から見た人でも分かるようにこの経緯に記すということであります。

 太田局長、籠池氏とのこの2014年の4月28日の遣り取りというのは、私、前々回の予算委員会でも紹介をしましたけれども、三行半を突きつける、そして写真が提示をされる。本省に相談して、一カ月後にはほぼ満額回答が寄せられるというふうになりました。

 この籠池氏との遣り取りですね。様々な遣り取り、話があったと思うんですよ。当時はその相談メモっていうのも恐らく残しているかと思います。今はないとおっしゃりますけれども。なぜこの決裁文書にはこの昭恵氏のこの発言の部分を残したんですか。書き入れたんですか」

 対して太田充は、「特例決済の文書は基本的には本省決済」だが、「本省は国会対応をしているということで、国会前の情報は丁寧に記載をしていたというのが事実」だと答えている。

 要するに特例決済は最終的には本省決済である上に「本省は国会対応」の役目も担っている手前、森友学園側からの働きかけは詳しく書くことになって、それがそのまま決裁文書に記載されることになった。

 辰巳孝太郎「ですから、色々な遣り取りがある中でなぜこの部分を引用したのかっていうふうに聞いています。経緯というのは一体、何を書くもんなんですか。そこのところから」

 太田充「お答え申し上げます。あの本省決済ということで本省は国会対応するのが非常に重要な仕事があるというふうに私共の地方支分部局(の一つである近畿財務局のこと)は認識をしております。そう意味でこういう情報を提供している、参考として書いているということだと思っております」


 言っていることは、財務省の国会対応の「参考」情報として役立たせるための提供だということであろう。森友学園理事長籠池泰典の「本年4月25日、安倍昭恵総理夫人を現地に案内し、夫人からは、よい土地ですから前に進めて下さいとの言葉を頂いた」との発言を記して、森友夫妻と安倍昭恵の3ショットの写真を添付した。

 当然、籠池泰典の発言を通した安倍昭恵がこのように発言していた云々を国会対応の情報として「参考」に提供したことの意図・目的を追及しなければならなくなる。

 意図や目的のない行為・行動は存在しない。どのような「参考」に供するために安倍昭恵の発言を記載したのかが問題となるはずだし、さらに国会対応の「参考」情報に過ぎないということなら、では、なぜ削除・改竄したのか、その必要性が次の問題となる。

 要するに決裁文書に書き入れたことと削除・改竄したことに合理的な首尾一貫性がなければならない。もし太田充や矢野康治が合理的な首尾一貫性を説明づけることができなければ、国会対応の「参考」情報だとしていることは虚偽発言となる。

 太田充が続けて森友学園に対する国有地売却に関する特例決裁、あるいは特例承認ということはどういうことか、散々繰返してきた答弁を再度繰り返したために辰巳孝太郎は抗議の意味で席に座ったままで質疑が中断、再び太田充が続けて答弁に立ち、「重要な部分を決裁文書に集約をする、そういうふうにやっているが、会計検査院から集約された決裁文書が不十分だという指摘を受けたことは大変申し訳ない」と発言。

 対して辰巳孝太郎は「決裁の経緯のところには大事なところを集約して書くのが基本的なルールという話なんですね」と変に納得して、決裁文書が公文書管理法に基づいて記載される以上、「決裁文書に昭恵氏など名前があった、昭恵氏の存在がこの意思決定過程で影響したっていうことはね、これも否定しようもないわけですよ」と、相手から推測に過ぎないと指摘されて終わる、自分の考えを述べるにとどまっている。

 但し辰巳孝太郎が続けて「今回、私の、この決裁文書で非常に不可解なのは今回近畿財務局が作った特例の申請の文書にはなくて、これ本省が申請承認という形で作った決裁文書にだけ、学校法人森友学園の概要等として日本会議や日本維新の会、あるいは安倍昭恵さんの名前もここにもありますが、日本維新の会などの視察を記したページが補強されてるんです」と発言したことは、太田充が近畿財務局が財務省本省に対して国会対応の「参考」情報として提供した記載だとしていることからすると、近畿財務局は単にこの情報を提供しただけで、財務省本省が国会対応の「参考」情報に資するために決裁文書に書き入れたことになる。

 と言うことは、財務省本省の意図・目的に基づいて安倍昭恵の動向を書き入れたということになり、財務省本省から発して近畿財務局を動かすことになった国有地の違法売却という構図を取ることになる。

 勿論、財務省本省から発した一連の工作であるなら、籠池泰典がある意味安倍昭恵を前面に立てた交渉を駆使していることから考えると、安倍昭恵の背後で安倍晋三や麻生太郎の指示・関知は介在していなかったと直ちに断定する根拠とはなり得ない。

 辰巳孝太郎は決裁文書の記載と「国会対応」との合理的な関係性――その意図・目的を聞かずに既に太田充が答弁していることを、「籠池氏、日本会議、決裁にどう関係あるんですか」と問い質して再度聞き出すムダな手間を費やしている。

 太田充「基本的に参考としての情報だというふうに思います。・・・・・・・国会対応ということを念頭においた参考として、それが添付されてるということだと承知しております」

 繰り返しになるが、なぜ「国会対応」として必要とした情報なのか、その理由と「国会対応」として必要とした情報でありながら、なぜ削除・改竄したのか、素朴な疑問を発動しなければならなかった。
 
 辰巳孝太郎「結局ですね、政治家や昭恵さんとの関わりをここで強調する。あるいはこの名刺の裏っかわもコピーされてますねぇ。名刺の裏側にはこの籠池氏の経歴がずらっと並んで、日本会議大阪代表、運営委員とかですね、同期の桜を歌う会とかですね。約束が全部書いてあるんです。それを決裁文書に添付してるんですよ。

 太田局長はですね、決裁には個人の役職は全く関係ないと、そう言ってますけれども、その経歴を知るために、これ参考として置いているじゃないですか。

 これ矛盾するんじゃないですか」

 太田充「お答えを申し上げます。基本的に参考となるものを添付をしたと、先程来申し上げておりますが、そういうことだというふうに思っております」

 辰巳孝太郎「結局ですね。この決裁文書から伺い知れるのは籠池氏の保守的思想が総理のものと通ずるものがある、日本会議に通じるものがあると。要するに政治案件、安倍案件だからってことでね。この決裁文書は物語ってるんですよ」

  結局は相手が答弁に窮する機会をつくれずに推測で片付けられてしまう追及に終止することになる。辰巳孝太郎は太田充への追及を切り上げて(諦めて?)、国有地売却に於ける安倍昭恵の役割について安倍晋三を追及する。

 辰巳孝太郎「昭恵さんの森友学園、あるいは小学校建設に対する関わりというのは一貫して積極的、能動的に行われております。

 例えば森友学園を三度訪問をし、ここには政府の職員も同行しました。講演の中で『夫も来たいと言ってる、他のスケジュールを全てキャンセルして講演に来た、瑞穂の國記念小學院で私も何か役に立てればいいな』。そういうことも言っております。

 小学校建設予定地の前で籠池夫妻と3ショットの写真にも収まり、名誉校長に就任し、学園パンフやホームページにも顔出しをし、そして昭恵氏、昭恵さん付きの職員が財務省に問い合わせていたということも明らかになっております。

 総理、これ、全て、事実ということでいいですね」

 安倍晋三「あの、これは経緯があるわけでございまして、これも既に、今まで何回も、この一年間、答弁をさせて頂いているところでありますが、平成27年の9月5日の塚本幼稚園での講演で名誉校長に就任することになりましたが、その講演の前の待合室にて名誉校長を引き受けてくださいと頼まれ、そこで妻断ったわけであります。

 えー、妻は申し訳ないけれども、それはお受けできないと申し上げ、夫である私との関係があるので、 それはお引き受けできないと断っていたわけでございますが、その後ですね、突然講演の場で籠池さんから名誉校長に就任されたと紹介され、父兄の前で拍手をされました。そうなったらその場でお引き受けできないとはっきりと言うことはできなかったということであります。

 その後ですね、辰巳委員も事実というふうにおしゃっておりますが、私が述べているのも事実でありまして、これを合わせて、事実と事実を合わせなければ、正しく、正しく理解はできないんだろうと、えー、思います。

 しかしその後ですね、あそこで急に出されて私も当惑しました。やはりこれはお引き受けできませんよという話をですね妻がし、その場で何回か遣り取りがあって、籠池さん側から、ま、父兄の前で仰ったんだから、それは引き受けて貰いたい 、引き受けて貰わないと困りますということでありまして、最終的に引き受けることになったわけてありました。

 この経緯はですね、この経緯と合わせて事実かどうかということでないとですね、今辰巳先生はですね、積極的に引き受けたかの如くの印象を与えることになると、こう思いますので 、それを事実としてお話ししたわけであります」

 対して辰巳孝太郎は「時間止めてください」と委員長に要求、安倍晋三の長答弁を「時間稼ぎだ、質問妨害だ、やめてくださいよ」と抗議する。

 安倍晋三の安倍昭恵が名誉校長を引き受けたイキサツを述べる答弁はこれが初めてではない。何度かしている。2018年2月6日の当ブログに、「2/5衆院予算委江田憲司vs安倍晋三:対夫人危機管理無能と安倍昭恵のモラルと規律欠如、意志薄弱を窺う」と題してこのことについて書いた。

 「夫である私との関係があるので、 それはお引き受けできないと断っていた」ということは、安倍昭恵は森友学園との関係よりも、「夫である私との関係」を最優先の価値観としなければならない首相夫人という立場を弁えていたことになる。だから、引き受けることを断った。

 ところが、「突然講演の場で籠池さんから名誉校長に就任されたと紹介され、父兄の前で拍手をされ」て、「その場でお引き受けできないとはっきりと言うことはできなかった」

 何のことはない、籠池泰典の巧みな誘導によって「父兄の前で拍手をされ」て虚栄心が擽られたのか、はっきりと断ることができずに最優先しなければならない「夫である私との関係」を簡単に反故にしてしまった。

 このような姿勢から窺うことができる安倍昭恵の性格はモラルと規律欠如、そして意志薄弱等々であろう。

 問題は安倍晋三が答弁するようなイキサツが実際にあったかどうかである。2017年3月23日の籠池泰典に対する参院証人喚問での遣り取り。

 小池晃「安倍昭恵さんに名誉校長になってほしいと要請したときに、昭恵さんは最初は断ったんでしょうか。それとも、すぐにその場では受け入れたんでしょうか」

 籠池泰典「一秒ほど止まっていらっしゃいましたが、すぐに即断をして頂きました」

 安倍晋三と籠池泰典は正反対のことを言っている。どちらがウソをついているのか、二つのことから、示唆はできる。

 安倍晋三「妻がですね、名誉校長を務めていることは数多の数あるわけでございますが、それがそのものがですね、今まで行政等に影響を及ぼしたことはないんだろうと、このように考えております」

 辰巳孝太郎「影響を及ぼすことはないと。しかし当の昭恵さんはそうは思っておられないようですね。昭恵さんは森友学園以外にも様々な団体の名称職員・役員等を務めておられますけれども、昭恵さん、メディアの取材に対して昭恵さんはご自身の役割についてこう答えておられます。

 『誰に対しても良いことをやろうとするときは私は利用してもいいよと言ってる。私が信用のために使えるのだったら、使って貰って全然いい』

  昭恵さんはですね、知らずのうちに森友学園に関与させられていたり、あるいは単なる名義貸しで名誉校長になったわけじゃないんですよ。名誉校長への就任も学園への講演会も、自分の名前や言動が学園の利益になるというご自身の影響力を十分理解した上で行動しているってことですよ」

 対して安倍晋三は「色んな組織が誰かに名誉校長をお願いをするというのはその組織の信頼性を高める意味があるからで、その信頼性によってその組織の趣旨に賛同する可能性が生まれる。だが、行政がねじ曲げられたり、行政そのものに対しての影響を与える、全くそれは考えていない」と答えている。

 先ず安倍晋三は安倍昭恵が「名誉校長を務めていることは数多の数ある」と言っている。実際には名誉校長は新設予定の森友小学校一つであり、名誉園長が加計学園の幼稚園一つで、教育機関に関しては合わせて二つだが、この二つを含めて名誉職となると計55件だと安倍晋三自身が3月28日の参院予算委員会で明らかにしている。

 安倍昭恵にとっての「夫である私との関係」は安倍晋三が首相職にある間はついて回る最優先の価値観としなければならないはずだが、名誉職を計55件も引き受けていて、前者の関係より後者の関係を優先させている。

 いわば実際には「夫である私との関係」を最優先としていない。にも関わらず、安倍晋三の説明によると、安倍昭恵は一旦は最優先の価値観として持ち出していることになっている。この矛盾が安倍晋三の説明を限りなく事実から遠ざけることになる。

 もう一つ、辰巳孝太郎が説明した安倍昭恵の自身の役割についての対メディア発言を再度取り上げてみる。

 「誰に対しても良いことをやろうとするときは私は利用してもいいよと言ってる。私が信用のために使えるのだったら、使って貰って全然いい」――

 安倍昭恵は不特定多数の他者に対する自身の利用価値を相当なものだと自分から見ている。相当なものだと見ていなければ、メディアを介して世間全体に向けて発言することはできない。

 だが、それは自身が生み出した利用価値ではなく、首相夫人であることによって与えられたお仕着せの利用価値に過ぎない。単に身に纏うことになった価値でありながら、そのことに対する謙虚さがなく、利用して下さいと公言する。

 まるで何様であるかのようだ。何様の思い上がりがなければ、この手の公言はできないだろう。そして何様の思い上がりが利用価値としての目に見える成果を欲することになる。成果が一定の形を取ると、自身の利用価値に改めて自身で感心する。

 こういった虚栄心が動機となって、自身を利用させる形で籠池泰典をして行政への働きかけを動機付けたということもあり得る。

 これは推測に過ぎないし、次のことも推測の範囲にとどまるが、安倍昭恵自身がメディアに話した首相夫人の名の利用のススメからすると、名誉校長を一旦断ったとする安倍晋三の発言は信用できないものとなり、籠池泰典の「すぐに即断をして頂きました」の方が信用が置けることになる。

 辰巳孝太郎の最後の発言。

 辰巳孝太郎「まだね、認可もされていない時期に学校予定地に夫妻と視察に行って、そこで何かさせて頂くことはないかと、3ショットの写真が撮られたわけですよ

 3日後、森友学園に資金が乏しく実現性がない学園の計画にもう待てないと三行半を下して交渉の打ち切り、これをやったときにこの写真が示されたわけですよ。
 
 これで国側の態度が180度変わって、1カ月後には協力となるわけです。森友学園は窮地を脱して、タダ同然で、結果、国有地を入手した。これは昭恵さんにとってはね、願ったり叶ったりですよ。

 これで関与ないって言われても、国民は誰も納得をしません。委員長、証人喚問を求めます。

 委員長「只今の要求は後刻理事会で協議をさせて頂きます。以上で辰巳孝太郎君の質疑は終了致しました」

 「2018年3月26日参院予算委

 辰巳孝太郎「辰巳孝太郎でございます。先ず総理にお聞きを致します。公文書管理法第1条にはこうあります。公文書は健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的財産、こう位置づけられているわけであります。

 今回の改竄事件が民主主義の根幹に関わる重大な事件であるという、こういう認識は総理お持ちでしょうか」

 安倍晋三「今回の決裁文書の書き換えにより、行政全体の信頼が損なわれたことは痛恨の極みであります。一度失われた信頼を取り戻すことは至難でありますが、その上閣僚を始め、全ての政府職員が一からやり直す決意で信頼の回復に全力で取り組むことが求められています。

 こうした面から3月23日の閣僚懇談会に於いてすべての政府職員は原点に立ち返って、公文書の重要性を肝に銘じる必要があると申し上げた上で、4月からの新ガイドラインによる公文書の決定や電子決裁システムの移行を加速することに直ちに取り組むことを指示したところであります。

 現在行われている事実関係の調査・解明を踏まえて、さらに問題点を洗い出し、公文書管理の在り方について誠意ある見直しを行って参りたいと思いますし、今委員が指摘されたようにですね、決裁文書の書き換えはまさに重大な問題だと、このように認識しております」

 辰巳孝太郎「総理、従来の答弁を繰返して頂き、(認識して)ないんですね。私が聞いてるのは、この改竄事件が民主主義の根幹に関わる重大な事件である。こういう認識があるのかどうか、民主主義の根幹に関わる問題だっていう認識があるかどうかを聞いているんです」

 安倍晋三「まさに国会からの求めに、当委員会からの求めに応じた文書にですね。決裁文書に書き換えがあったことはまさに国会での質疑に対する重大な問題であり、国会での質疑というのは民主主義で、民主主義そのものであろうと思いますから、そういう意味に於いてはですね、委員のご指摘どおり重大な問題であると、このように考えております」

 辰巳孝太郎「先ずこういう認識を持つことが大事だというふうに思うんですね。今日の午前中の審議の中で与党の遣り取りがありました。これに関わって、お聞きしたいと思います。

 矢野官房長にお越ししていますが、午前中の審議の中で今回の改竄事件につきましては、総理官邸も麻生財務大臣も、全く指示をしておられないですし、関知もしておられなかったのは紛れもない事実でございますと。

 これ、何を根拠に仰ってるんですか」

  財務省矢野大臣官房長「お答え申し上げます。これまでも国会質疑の中で総理と、それから財務大臣が本件書き換えの話ですが、指示をしたのかというご質問に対してして『ない』と、こういうことを明言しておられます。

 それから財務省が3月12日にいわば一つの中間的な報告をさせて頂くまでに調査を行った過程におきましても、書き換えは当時の理財局の一部の職員か事務方によって行われたものであるという判断に辿り着いております。

 以上のことから政治家の関与がなかったという認識を致して、それから先程加えて申し上げましたけれども、私どもが3月12日に公表させていただいた、前日の3月11日の夕方でしたが、大臣にご報告を、懺悔のご報告をさせて頂きましたが、その時の大臣のご反応、まさにそうだったのかと、まさに文字通り初めて聞いたということだったわけでございます。

 事務方がやったことでございます」

 辰巳孝太郎「大臣がそう言ったからといってね、今、これ調査中なんじゃなかったんですか?いいですか、調査中なんでしょ。太田大臣、太田局長、先程からこの調査は、指揮命令系統、それを調査しているんだと、こういう話なんですよね。

 指揮命令系統、これ全部明らかにもう既になっているんですか」

 財務省理財局長太田充「お答え申し上げます。あの、私共国会にご報告させていただいておりますように財務省本省理財局に於いてということでご報告をさせて頂いております。

 ただ、その財務省理財局、財務省本省理財局に於いてという中で、まあ、当時のトップは佐川前局長ということがあるわけですが、その中で前局長含め、誰がどういう役割を果たし、どういう指揮を誰が命令をしてという部分についてはまだ調査が最終的に立っていないので、そう意味でご報告させて頂ける段階にないと。今それを一生懸命に調べてると。官房長を中心に調べてるわけですが、そういうご報告を申し上げてるということでございます」

 辰巳孝太郎「佐川前長官がですね、ま、もし仮にですよ、この改竄を知っていた。あるいは関与していた。そういうことが明らかにこれから様々になっていくでしょう。だが、佐川前長官が、じゃあ、誰にそれを指示されたのか、ですよね。この指揮命令系統ですよ。財務省の下の理財局の下の指揮命令系統ではなくて、つまり官邸から指示があったのかどうか、これ佐川さんが何か言ってるんですか。官邸に直接聞いたんですか」

 太田充「お答えを申し上げます。あの、佐川前長官から聞いてることは、あの、本委員会でもご答弁申し上げている通り、退官する時に、当時の、今の事務次官が確認をして、国会提出時の担当局長であったことに責任を感じてるということと、訴追の恐れもあるので、そこは差し控えたいということでございました。

 ただ官邸の関係、あるいは近畿財務局との関係は、あー、それ以外の職員には全部聞いておりますので、その上でそういう判断をして、ご説明を申し上げてるということでございます」

 辰巳孝太郎「だから、佐川さんに誰が指揮指示したのか。これ明らかになってないじゃないですか。佐川さん、何も言ってないんだから。完全にも聞いてないんでしょ、矢野官房長。これ何で断定できるんですか」

 矢野大臣官房長「私は、午前の質疑に於いてお答えしましたのは総理と代理、財務大臣が指示したのかどうかということでしたので、それに対して総理と財務大臣からの指示がなかったという旨をお答えさせて頂いた次第です」

 辰巳孝太郎「総理、官邸と仰っていたと思いますが」

 矢野大臣官房長「総理、官邸という言葉は少し適切でなかったかもしれませんけれども、財務大臣と総理大臣という意味でございます」

 辰巳孝太郎「官邸は如何なんですか。官邸はあったという認識なんですか。どうなんですか」

 矢野大臣官房長「あったという事実は突き当たっておりません。で、今調査をしておりますので、誰の、誰の話はあったのかなかったのかということを逐一、中間報告を含めてそういうことは不可能でございます」

 辰巳孝太郎「だから、総理、官邸もというのはおかしいじゃないですか。この段階で断定するのは。そういうことを国会答弁すること自身がですね。おかしいと言わなければなりません。

 一連の安倍昭恵氏に関する記述は2015年2月と4月の特例申請と特例承認の決裁文書の経緯の部分に書かれておりました。パネルに示しました。

 えー、なお、打ち合わせの際、『本年4月25日、安倍昭恵総理夫人を現地に案内し、夫人からは、よい土地ですから前に進めて下さいとの言葉を頂いた』との発言あり、括弧、森友学園籠池理事長と夫人が現地の前で並んでいる写真を掲示とこうあります。

 我々は籠池氏がすべて本当のことを語っているというふうには思っておりません。しかし重要なのは籠池氏の語ったことが決裁文書という公文書に記されて、それを近畿財務局の職員6人、そして本省の幹部18人が確認をして決済印を押して認めているということであります。

 つまり問題はですね。これらの文言、安倍昭恵氏の記述がなぜ書かれたのかということでありますが、そもそも決裁文書の経緯とは何を記すためのものなのか。これは事の成り行きやイキサツを示すためであります。なぜ特例が決定されのか。後から見た人でも分かるようにこの経緯に記すということであります。

 太田局長、籠池氏とのこの2014年の4月28日の遣り取りというのは、私前々回の予算委員会でも紹介をしましたけれども、三行半を突きつける、そして写真が提示をされる。本省に相談して、一カ月後にはほぼ満額回答が寄せられるというふうになりました。

 この籠池氏との遣り取りですね。様々な遣り取り、話があったと思うんですよ。当時はその相談メモっていうのも恐らく残しているかと思います。今はないとおっしゃりますけれども、なぜこの決裁文書にはこの昭恵氏のこの発言の部分を残したんですか。書き入れたんですか」

 太田充「お答え申し上げます。あのー、特例決済の文書は基本的には本省決済ということでございますので、本省と地方支分部局との関係に於いては、地方支分部局、近畿財務局は地方支分部局ということでございますが、本省は国会対応をしているということで、国会前の情報は丁寧に記載をしていたというのが事実だというふうに思います。

 で、籠池理事長、色んなことを仰ってられたとおもいますが、籠池理事長の名前が出てるか出ていないかは別として、別として、先方森友学園側からこういう話があったというのは経緯のところにも、詳しく書いてあるということだと思います。

 辰巳孝太郎「ですから、色々な遣り取りがある中でなぜこの部分を引用したのかっていうふうに聞いています。経緯というのは一体、何を書くもんなんですか。そこのところから」

 太田充「お答え申し上げます。あの本省決済ということで本省は国会対応するのが非常に重要な仕事があるというふうに私共の地方支分部局は認識をしております。そう意味でこういう情報を提供している、参考として書いているということだと思っております。

 で、なぜこういうことを申し上げてるかと申しあげますと、特例決裁、特例承認ということで、その特例というのが、あの、なぜかと言うと、特例という言葉だけが国会の審議でも踊ってるような気がしてということでございますが、本件については、要すれば、あの、通常であれば3年という賃貸借なわけでございます。

 ところが3年という賃貸借でございますと、それは今借地借家法で借り手側を大変保護するという状況になってますので、次から次へと3年が繰返されて、いつまで経っても売買に至らないという危険があるので、そういう意味で売買に至らせしめるたに10年ということを定期借地にするというのも、むしろこちら側からすれば、定期借地にすることによって売買が口にできると、そういう意味があってのこと、特例承認というのを行ってるということだけは付け加えさせて頂きたいと思います」

 辰巳孝太郎、席に座ったまま。中断。

 太田充「お答え申し上げます。あの委員のご質問の趣旨が分かったつもりでございますのでお答え申し上げます。あの、これまで何度か国会審議であった議論でございますが、要すれば応接録とか面接記録は残ってないのかというご質問に対してルールとして私共は1年未満という、保存期間で事案終了の時には廃棄をするというルールになってございます。

 で、その部分になってるところはどうすれば廃棄するということにメインがあるわけではなくて、最終的に応接記録なり面接記録ということも含めて、そういうものの重要な部分を集約をして、決裁文書に集約をすると、そういうことですから、そういうふうにやっております。

 ただ会計検査院のご指摘は、じゃあ、その集約された決裁文書が不十分だというご指摘を受けていて、そこは大変申し訳ないというふうに私はご答弁申し上げたということでございます」

 辰巳孝太郎「ですから、最初からその通りにしてたらいいんですよ。決裁の経緯のところには大事なところを集約して書くのが基本的なルールなんだと、こういう話なんですね。

 そこに安倍昭恵氏の名前などが出てきてるわけですよ。公文書管理法第4条にも、行政機関に於ける経緯も含めた意思決定に至る過程並びに当該行政機関の事務及び事業の実績を合理的に後付け、または継承することができるよう、文章を作成するというふうになってるわけですよ。

 ですから、決裁文書に昭恵氏など名前があった、昭恵氏の存在がこの意思決定過程で影響したっていうことはね、これも否定しようもないわけですよ。今回、私の、この決裁文書で非常に不可解なのは今回近畿財務局が作った特例の申請の文書にはなくて、これ本省が申請承認という形で作った決裁文書にだけ、学校法人森友学園の概要等として日本会議や日本維新の会、あるいは安倍昭恵さんの名前もここにもありますが、日本維新の会などの視察を記したページが補強されてるんです。補強されてるんですね。

 なぜ本省は、これを補強したんですか」

 太田充「お答え申し上げます。あの先程来近畿財務局がと申し上げていることの一連の過程だというふうに考えております。確かに本省部分の特例決済を、最終的な本省決裁の部分にこの部分があるので、追加されておるわけですが、そのうちそのを森友学園の概要という資料と、それから籠池理事長の名刺を頂戴して、それがコピーで貼り付けてあるということだと思います。

 で、籠池理事長の名刺は、当時本省は面識がないので、それを近畿財務局から頂戴しない限り、それはできないので、基本的に近畿財務局から情報提供頂いて、そういう資料添付してるということだと承知をしております」

 辰巳孝太郎「だから、なぜ本省で補強されたのかと聞いてるんです」

 太田充「あのー、近畿財務局に於いて本省国会対応だとというふうに申し上げました。で、本省の職員も国会対応だ、仕事だということを凄くそういう認識をしておりますので、その意味で上司に本省決裁というのは最終的に上司に決裁を上げないといけないので、そういうときに近畿財務局はこれだけあるので情報を付加しているんなら自分も付加しなければいけないという形で基本的に資料を用意したということだと承知しております」
 
 辰巳孝太郎「籠池氏、日本会議、決裁にどう関係あるんですか」

 太田充「お答えを申し上げます。基本的に参考としての情報だというふうに思います。それは先程ご説明申し上げました。特例承認、そのものは何のためにそういうことをやっていたのか、いうことを申し上げました。

 それは兎に角いつまでも貸付けのままではいけないんで、売買契約にきちっと移って貰うためにということが特例承認です。そういう意味では、この部分、経緯の部分では色んなご指摘はありますし、左右両方から色んなご指摘あると思っておりますが、いずれにせよ、やっぱり国会対応ということを念頭においた参考として、それが添付されてるということだと承知しております」

 辰巳孝太郎「結局ですね、政治家や昭恵さんとの関わりをここで強調する。あるいはこの名刺の裏っかわもコピーされてますねぇ。名刺の裏側にはこの籠池氏の経歴がずらっと並んで、日本会議大阪代表、運営委員とかですね、同期の桜を歌う会とかですね。経歴が全部書いてあるんです。それを決裁文書に添付してるんですよ。

 太田局長はですね、決裁には個人の役職は全く関係ないと、そう言ってますけれども、その経歴を知るために、これ参考として置いているじゃないですか。

 これ矛盾するんじゃないですか」

 太田充「お答えを申し上げます。基本的に参考となるものを添付をしたと、先程来申し上げておりますが、そういうことだというふうに思っております。

 で、あのー、前の委員のご質問のときに答弁が色々不適切だというご指摘を頂きました。あの、色んな方向からというつもりで先程左右と言葉を使い、南北でも結構でございます。あるいは上下でも結構でございます

 あの、色んな方向からということでございます。大変申し訳ありませんでした」

 辰巳孝太郎「結局ですね。この決裁文書から伺い知れるのは籠池氏の保守的思想が総理のものと通ずるものがある、日本会議に通じるものがあると。要するに政治案件、安倍案件だからってことでね。この決裁文書は物語ってるんですよ。4月の28日、これ近畿財務局と折衝するわけですね。この時に写真を提示と言う文言もあります。

 この記述も不可解なんですね。職員自身がこの籠池夫妻と安倍昭恵さんの3ショットの写真を見たと、わざわざ書き入れているのはこれ昭恵さんの『いい土地ですから、前に進めて下さい』という言葉により信憑性を持たせるためにこう書いたと、私はそう見ているんですね。

 しかし籠池氏はスリーショットの写真は、近畿財務局の職員が『これ上司に見せるので、コピーを取らせて下さい』と、こう語っておりますけれども、これは事実なんですか」

 太田充「お答え申し上げます。通告を頂いてないので、ちょっと再度確認しないといけないと思っていますが、あの、過去お尋ねを頂いときの記憶で申し上げますけれども、写真を見せられたという記憶はある、だけど、それを、あのー、報道写真だったかどうかということは明確に記憶していないとかいうのを過去、どなたかのご質問で聞かれたときにそうお答えをしたという記憶あります。

 ちょっと今、もう一度確認をさせて頂きます。自信はありません。

 辰巳孝太郎「近畿財務局が作ったこの決裁文書にこの写真は添付されていなかったんでしょうか」

 太田充「お尋ねは今の特例承認の時の本物に添付されていたかということでございます。あの特例承認の決裁のときに、特例承認の決裁っていうのは、あの、本省の電子決済でございますので、そこはきちんと確認はできておりまして、提出させて頂いております。この写真はその中にはございません」

 辰巳孝太郎「承認申請の方ですよ」


 太田充「あのー、ないというふうに承知をしております。その写真はないというふうに承知をしております」

 辰巳孝太郎「何で分かるのかよく分からないですね。オリジナルは全部、これ警察に押収されてるんでしょ、これね。14の改竄文書というのが出てきております。本日、これ本省決済の分だけはコレコンピューター、パソコンでやってるから、ようやく出てきました。しかし残りの13の決済文書、これ我々は昨年来ずっとこの決裁文書を求め続けてきたわけですが、オリジナル全体というのは未だ出てきておりません。

 1年以上前に要求した決裁文書っていうのがまだ出てきていないんですよ。これ早く出してくださいよ。委員長、この決裁文書、13の決裁文書の完全オリジナル、これ近畿財務局にあるはずですから、これ是非出して頂くように委員長の方から求めて頂きたい」

 委員長「只今の要求に関しましては後刻、理事会で協議させていただきます。辰巳君」

 辰巳孝太郎「これね、財務省の調査だけではね、私は絶対ダメだと思いますよ。これやっぱりね。国会が国政調査権を蹂躙された問題ですから、三権分立・民主主義が蹂躙された問題ですから、国会自身がこの改竄問題、事件の真相を明らかにする必要があります。午前中の審議でも与党の皆さんが、これしっかり調査せいと言ってたわけですから、これは国会法104条に基づく全会一致の議決をして、国政調査権を発動する、これしか真相解明の道はないと思います。これ求めたいと思います」

 委員長「理事会で協議させて頂きます」

 辰巳孝太郎「総理、昭恵さんは森友学園や法人の小学校建設を応援する立場だった。ここで改めて確認したいと思います」

 安倍晋三「このー、当然ですね、名誉校長を引き受けておりますから、名誉校長である以上ですね、この学校がより良い学校としてこの、その仕事をしていくということについてですね、それはそうなればいいと期待している立場であります。ただ名誉校長でございますから、その職務の執行に関わるものでは、当然、ないということでございます」

 辰巳孝太郎「今日は改めてパネルに作りましたけれども、それはそうなんですよねぇ。昭恵さんの森友学園、あるいは小学校建設に対する関わりというのは一貫して積極的、能動的に行われております。

 例えば森友学園を三度訪問をし、ここには政府の職員も同行しました。講演の中で『夫も来たいと言ってる、他のスケジュールを全てキャンセルして講演に来た、瑞穂の國記念小學院で私も何か役に立てればいいな』。そういうことも言っております。

 小学校建設予定地の前で籠池夫妻と3ショットの写真にも収まり、名誉校長に就任し、学園パンフやホームページにも顔出しをし、そして昭恵氏、昭恵さん付きの職員が財務省に問い合わせていたということも明らかになっております。

 総理、これ、全て、事実ということでいいですね」

 安倍晋三「あの、これは経緯があるわけでございまして、これも既に、今で何回も、この一年間、答弁をさせて頂いているところでありますが、平成27年の9月5日の塚本幼稚園での講演で名誉校長に就任することになりましたが、その講演の前の待合室にて名誉校長を引き受けてくださいと頼まれ、そこで妻断ったわけであります。

 えー、妻は申し訳ないけれども、それはお受けできないと申し上げ、夫である私 との関係があるので、 それはお引き受けできないと断っていたわけでございますが、その後ですね、突然講演の場で籠池さんから名誉校長に就任されたと紹介され、父兄の前で拍手をされました。そうなったらその場でお引き受けできないとはっきりということはできなかったということであります。

 その後ですね、辰巳委員も事実というふうにおしゃっておりますが、私が述べているのも事実でありまして、これを合わせて、事実と事実を合わせなければ、正しく、正しく理解はできないんだろうと、えー、思います。

 しかしその後ですね、あそこで急に出されて私も当惑しました。やはりこれはお引き受けできませんよという話をですね妻がし、その場で何回か遣り取りがあって、籠池さん側から、ま、父兄の前で仰ったんだから、それは引き受けて貰いたい 、引き受けて貰わないと困りますということでありまして、最終的に引き受けることになったわけてありました。この経緯はですね、この経緯と合わせて事実かどうかということでないとですね、今辰巳先生はですね、積極的に引き受けたかの如くの印象を与えることになると、こう思いますので 、それを事実としてお話ししたわけであります」

 辰巳孝太郎「時間止めてください」

 中断。

 辰巳孝太郎「これね、時間稼ぎやめてくださいよ。質問妨害はやめてくださいよ。 名誉校長だってね、去年問題になって、なるまで、ずっと名誉校長やってたんですよ。いやいやとかそんなことじゃないんですよ。

 これね、総理。総理は昭恵さんが名誉校長を務めていたことに関して国との交渉が有利になることはない。これ過去仰っておりますね。昭恵さんはどう考えておられるんですか」

 安倍晋三「ですから、私今答弁致しました。 やはり経緯について説明しないとですね、どうしてそういう結果になったかっていうことについてですね、ご理解頂けないと、やはり丁寧に国民の皆様にご理解を頂く必要があったから、私は答弁をさせて頂いたわけであります。大切な経緯を除いてしまったらですね、誤解される危険性が私は十分にあるなと、こう思っていたわけであります。

 そして確かにですね、えー、趣旨等に賛同して私の妻が一時期名誉校長を務めていたのは、それは事実でございます。今から思えばですね、妻は名誉校長を受けるべきではなかったと思っておりますし、今その点は反省している ところでございます。


 現在名誉職はですね、一部を除いては基本的には辞退しているところがあります。ま、その上で、その上でですね、あくまでも名誉校長であり、国有地の売却や学校認可の手続きに関わっていないということを申し上げておきたいと、こう思う次第でございますし、また妻がですね、名誉校長を務めていることは数多の数あるわけでございますが、それがそのものがですね、今で行政等に影響を及ぼしたことはないんだろうと、このように考えております」

  辰巳孝太郎「影響を及ぼすことはないと。しかし当の昭恵さんはそうは思っておられないようですね。昭恵さんは森友学園以外にも様々な団体の名称職員・役員等を務めておられますけれども、昭恵さん、メディアの取材に対して昭恵さんはご自身の役割についてこう答えておられます。

 『誰に対しても良いことをやろうとするときは私は利用してもいいよと言ってる。私が信用のために使えるのだったら、使って貰って全然いい』

  昭恵さんはですね、知らずのうちに森友学園に関与させられていたり、あるいは単なる名義貸しで名誉校長になったわけじゃないんですよ。名誉校長への就任も学園への講演会も、自分の名前や言動が学園の利益になるというご自身の影響力を十分理解した上で行動しているってことですよ。

 総理、どうですか」

 安倍晋三「それはですね、あのー、色んな組織が誰かに名誉校長をお願いをするというのはまさにそういう趣旨なんだろうと思います。そういう趣旨というのはですね、まさにその学園の信頼性を高める、こういう人が名誉総裁とか名誉校長とか、そういうことになっているのであれば、信頼性が上がると思っている。そしてより多くの人たちがですね、そこの趣旨に賛同するかもしれない。

 これは確かに私はその通りだと思いますし、妻もそのように理解していたとこう思うわけでございます。しかし同時にですね、同時に行政、行政に於いてですね、行政がねじ曲げられれる、あるいは行政そのものに対しての影響を与える、全くそれは考えていないわけでございます。

 そういう意味に於いてですね、今私は先程も、そういう意味に於いて答弁をさせて頂いたわけでございます。名誉校長を、これを引き受ける以上、たくさんの、これは、まあ、養護施設も含めたたくさんのものを引き受けておりますが、それはそこに今通ってる人たち、あるいはそれを応援してる人たちに対してですね、いい影響を与えることができればいいなあ、こういう思いで 引き受けているわけでございますが、今般のことは(問題が)生じましたので、これはですね、事実上一部を除いてですね、多くの名誉職は辞退をさせて頂いているとおりでございます。

 こういう結果になっていることについては反省をしているということでございます」


 辰巳孝太郎「長いですわ。まだね、認可もされていない時期に学校予定地に夫妻と視察に行って、そこで何かさせて頂くことはないかと、3ショットの写真が撮られたわけですよ

 3日後、森友学園に資金が乏しく実現性がない学園の計画にもう待てないと三行半を下して交渉の打ち切り、これをやったときにこの写真が示されたわけですよ。
 
 これで国側の態度が180度変わって、1カ月後には協力となるわけです。森友学園は窮地を脱して、タダ同然で、結果、国有地を入手した。これは昭恵さんにとってはね、願ったり叶ったりですよ。

 これで関与ないって言われても、国民は誰も納得をしません。委員長、証人喚問を求めます。

 委員長「只今の要求は後刻理事会で協議をさせて頂きます。以上で辰巳孝太郎君の質疑は終了致しました」

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