安倍晋三:従軍慰安婦強制連行否定2007年3月16日閣議決定 「政府が発見した資料の中には、軍や官憲がいわゆる強制連行を 直接示すような記述も見当たらなかった」とする “政府発見資料”とは如何なる資料か、公表すべき |
2018年4月4日付「NHK NEWS WEB」記事が、対森友学園国有地違法格安売却で8億2千万円もの値引き根拠となったゴミの撤去費用について財務省が森友学園側に値引き額相応のゴミ量と見せかける口裏合わせをしていたと伝えている。
昨年、2017年2月当時、国会で野党側から、「値引き額の算定の根拠があいまいだ」などと批判が相次いだ。
2017年2月17日衆議院予算委員会。
「8億円分の廃棄物を撤去する土の量を計算すると、およそ2万7000立方メートルになる。これを搬出するとなると10トントラック3460台分が必要になる。こういう作業が実際にやられているかどうか財務省は確認したのか」
対する当時の理財局長佐川宣寿の答弁。
「学校を建設するにあたって必要な廃棄物の撤去を適切に行ったというのは近畿財務局で確認している」
あるいは「地下の埋設物については土地を売却したあとに学園側が適切に撤去したというふうに聞いているが、売却後なので具体的な撤去の状況は把握していない」
3日後の2017年2月20日、国有地を管轄する財務省理財局の職員が学園側に電話。
「トラックを何千台も使ってごみを撤去したと言ってほしい」
記事を読めば、値引き額相当のゴミの量が実際には言われているとおりには存在していなかったことを誤魔化す口裏合わせだと分かる。私自身は出るべくして出た情報だと思った。
ところが、2018年4月9日付「NHK NEWS WEB」記事は4月9日(2018年)の参議院決算委員会で理財局長の太田充が電話したことは認めたが、〈近畿財務局の職員が「それは事実に反する」として拒否したことや、理財局の職員から要請を受けた学園側の弁護士も、うその説明には応じなかったことを明らかにしました。〉と解説、口裏合わせが不首尾に終わった異なるニュアンスとなっている。
では、理財局の職員は「事実に反する」、あるいは“ウソの説明”をなぜ求めたのだろうか。求めるについては求める理由がある。他の記事で質問したのは安倍晋三ヨイショの自民党西田昌司、動画をダウンロードして問題箇所だけではなく、役人側だけに責任を押し付けるような発言個所を加えて文字に起こしてみた。
2018年4月9日 参院決算委員会・西田昌司 西田昌司「私は本題の用意していた質問に入ります前にですね、先ず、あの、総理に質問させて頂きます。えー。先般以来ですね、この自衛隊、防衛の問題でありますけども、いわゆる日報がないと言っていたのが出てきたと、いうことであります。 ま、昨年の国会でですね、本当に紛糾した問題でありました。大臣の方で調べさせたわけではない、という確認したと、という答弁があったわけでありますけれども、結果的には出てきてですね、そしてその後また、別の形(かた)にしても出てくるということで、本当にこれは、えー、国政に対する国民の信頼を失わせたという意味でも、甚だ問題でありますし、特に我々は一番問題だとするのは国会でですね、国会で大臣が答えたと、しかしそのことが、えー、防衛省の方には、しっかり伝わっていなかったのかどうかということであります、けれども、その命令に背いたとなったらですね、まさにシビリアンコントロールそのものがですね、このー、機能していないじゃないかということにもなるわけであります。 ま、そういう意味で、えー、防衛省のこの問題というのはですね、著しく国民の信頼を失墜させた重大な問題と思います。先ずですね、最高指揮官は総理でありますから、その問題について最高責任者として総理から国民に説明と謝罪をして頂きたいと思います」 安倍晋三「(原稿読み)イラクの日報にかかる問題は防衛省・自衛隊に於ける情報公開、防衛省管理の問題にもなる、シビリアンコントロールにも関わりかねない重大な問題であり、極めて遺憾であります。 また防衛省・自衛隊にとどまらず、行政全体への信頼を損なうものであります。自衛隊の最高指揮官として、また行政府の長として国民の皆さんに深くお詫び申し上げたいと思います。 今回について小野寺防衛大臣から報告を受けた際、私から事案関係をしっかりと調査し、情報を公開するよう、指示しました。どこにこの問題の根源があるのかを明らかにし、した上で、厳正な対処を行い、情報公開、文書管理への取組みの徹底を図ると共にシビリアンコントロールに対する疑念や不信感にもしっかり、応えられるよう、信頼の回復に向けて、全力で取り組んでいきたいと考えております。 私も総理大臣して、その責任を果たしていく決意であります」 西田昌司「今総理からあったんですがね、我々が一番疑問に思うのは稲田大臣がおられてですね、あれだけの答弁されていた。で、今小野寺大臣になって、ゴロッと新しい事実が出てくる。大臣が代わるとですね、その、言うことが出てくるのかと、いうことになるとですね、一体これ、そのー、防衛省の、いわゆる背広組も含めてですね、誰も、代わる人によってですね、その遣り方が違うのかと、いうことになると、ですね、これ飛んでもない問題になるんですよね。 そもそも何でこういうことになったのか、ということは徹底的にやって貰わなければならないと。このことは、また後にですね。滝沢議員の方からもですね、質問があると思いますので、私は取り敢えず総理にそのことを是非お願いしたいと思っています。 それともう一つ大事なのはですね。これも長い間言われていますけれども、財務省の書き換え問題なんですよ。これも、えー、我々も、これは夢にも思いませんでしたけども、財務省が、えー、この決裁文書、ま、改竄したしたということを事実上認めているわけなんですね。これも調査をしていると言いですけれども、これ随分ですね、もう一月(ひとつき)近くなると思うんです、正式に認めて。 その後全く報告がないんですよ。これいったいいつになったらできるのかと。それからですね、そうこうしているうちに財務省からこういう正式な調査報告がないうちにですね、今度はNHKでは、森友学園側から、にですね、ゴミの搬出をしたということを口裏を合わせするように、この理財局の方からですね、お願いをしたと。 ま、こういうような報道があるんです。これも我々びっくりしましたけれどもね。一体こういう報道がどんどん繰返されているとですね、何が真実なのか全く見えてきませんよ。 これも本当に行政に対する信頼失墜の、ま、最たるもんですけれども、ま、担当大臣として、これいつになったらできるんでしょう。それからNHKの報道というのは真実なんですか。そこについて財務大臣、お聞かせ頂きたい」 麻生太郎「ご指摘がありました決裁文書の書き換えのことについての調査の話でありますけれども、この点は、度々色んな形のご答弁を申し上げさせて頂いておりますけれども、今この点に関しまして調査を進めさせて頂いておるんですが、色んな形で中間報告、色んなお話がありますが、こないだも3月12日の分につきましては私共と致しましてはその辺の中間報告と思って出しましたけども、一枚出して、忘れていたとか、また別のが出てきたとか、いう形になってお叱りを受けましたが、また処分について、職員の処分について辿り着いたところまで、のところを話させて頂きましたが、それは先行し過ぎているとか、色々なご指摘もあったりして、私供としては早目にやるということとしっかりやることのバランスがなかなか難しいというのが正直な実感なんで、そういったところで私供としては少ないところ(少なくても?)職員の処分に関わる話にもなりますんで、そういった意味では、事は慎重にやらないといかんと思っておりますけれども、それなりに(地検の)捜査が進行しておりますんで、そん中で色んな後からまた別の方から、どこの方からと言うと(?)捜査当局の方からもご意見が出たりして、この間のNHK話もそれが繋がったんだと思っている。 NHKの調査の分に関しましては後程理財局長に説明を頂きますけども、少なくとも今の段階で私共と致しましてはできる限り速やかにやらせていきたいということで調査を慎重に進めさせて頂いております」 委員長「大田理財局長」 太田充「お答え申し上げます。委員ご指摘のNHKの先般の報道についてでございますが、事実関係をご確認できましたのでご報告をさせて頂きます。昨年、森友学園への国有地売却、国会で議論された初期の頃、2月20日の頃でございますが、森友学園による地下埋設物の撤去の状況という議論でございました。 そのことについて事実関係が十分確認できていないままで、当時売却後でございますので、具体的な撤去の状況につきましては把握してございませんといった注釈はつけつつも、相手方に於いて適切な撤去をしたというふうに聞いてございますとか、あるいは適切に行ったというのは近畿財務局で確認してございますといった答弁をしていたところでございます。 で、こうした状況のもとで、昨年2月20日に理財局の職員が森友学園側の弁護士に電話で連絡をして、この今申し上げたような答弁との関係を気にしてということですが、森友学園が地下埋設物の撤去に実際にかけた費用、に関して、『相当かかった気がする』と、『トラック何千台も走った気がするという言い方をしたらどうか』という話をしたということでございます。 ただ、この理財局の職員はその後、近畿財務局の職員にも(森友側に)再度念を押しするようにという話をしてるんですが、近畿財務局の職員は、それは事実に反するということで、そういうー、うー、作業を確認さ、確認させるということは行っていないということでございました。 また、それと森友学園側の弁護士さんの方も、今の電話の話を踏まえた対応というのはされておられない、そういうことは仰っておられないということでございます。 森友学園側に事実と異なる説明を求めるというような対応は間違いなく誤った対応でございます。大変恥ずかしいことでございますし、大変申し訳ないことでございます。深くお詫び申し上げます(頭を下げる)」 西田昌司「また驚いたこと言いましたね。我々もこれまた目をも疑うようなことなんですが、要するに財務局側からですよ、向こう側に森友学園に対してそもそも、処分をしたという話で国会答弁していて、まあ、これくらいやったら(としたら)どうかと呼びかけてるんですね。 (太田充に向かって)バカか本当に。何考えてるんですか。と言うか、この問題、益々分からなくするんですよ。要するに今回の問題はですよ、ゴミが新たに出てきて、そしてそのゴミの処分をするのをですね、する代わりに、ま、値引きしてるんですよ。要は処分するかどうかは森友学園の判断でいいんですよ。 何やらわざわざね、それだけ新しいゴミを処分しましたなんて論法を立てること自体ね、私はあり得ない話だと思うんですよ。それを何でそういうふうにやるかというのは要するに国会で言われてね、何か、えー、オタオタしてですね、ま、さも本当にたくさんのゴミが出たんですよということを印象づけたいがためにですよ、そういう答弁をしたとしか考えられないじゃん。 と言うことはね、それもさっきのイラク問題とおんなじなんだけども、国会ですよ、ここは。(怒鳴りつける口調で))国権の最高機関が、国民の代表が聞いているんだよ。 それをね、そういうね、それを印象ゼロにさせる(ゴミの量をゼロに印象づける)ような答弁をするということ自体あり得ないんだよ。何でこんなことができたの?答えてください」 太田充「あのー、基本的に委員ご指摘の通りでございます。要すれば初動の時点に於いて、今、委員が仰ったとおり、8億2000万っていうのは要するに土地の価値を評価して、その適正な価値を評価して算出する、あるいは呈上するということですが、要するに撤去をしたのかと、いうふうな最初の頃の議論があって、さも撤去を、適切に撤去をしたというような事実関係を十分に確認しないまま、そういうふうな答弁をしてしまって、適切にというのは、ま、色んな意味を含めてだったと、だっただろうと思いますが、少なくとも間違って受け止められても全然おかしくないのは、答弁してしまったので、それをそのまま理財局の職員がある意味で整合性を取ろうとして、そういうことをしてしまったと。 あの財務局は(要請に対して)ついてきていないし、先方(森友学園側)もついてきていないんですが、大変、大変恥ずかしく、大変申し訳がない。今は何を言われてもは、ちょっと仰る通り、申し訳ありませんとしか申し上げようがないようなことでございます」 西田昌司「本当に呆れました。本当にこれがね、私はここまで、ま、国家公務員、そのモラルがね、堕ちているのかと思うと、ゾッとしますよ。 総理、この問題の本質はですね、元々総理、またご夫人がですね、その口利きのような形でかけられたんじゃないかとでいう話になってきて、大騒ぎになってきましたよね。 この前の佐川さんの証人喚問も含めてですね、そういう事実はないということははっきりしてきているわけですよ。ところが、私、一番気になりますのはね、この役人が何でこういう答弁するのかと。 で、この真実はもっと明らかにして貰わないと困りますけれども、先程の防衛省も含めてですね、要するに役人っていうのは、組織で動きますね。で、組織の中で自分たちの立場を守る。そのために分からなければいいかと、そういうことを思ってるとは私は思わないけれども、要は組織の論理でですね、真実を覆い隠してしまうと。 そういうことがないとは言えない。ありがちなんですよね。色んな情報に関してそのことについては、私は、これから、本題の質問としてやっていきますけれども、要するに自分たちの都合のいい、情報は出すけれども、都合の悪いのは覆い隠してしまう。むしろを隠蔽して絶滅してしまういうことは行なわれているわけ。 この一番のメインはやっぱり役人の在り方なんですよ。組織というのに役人というのは逃げてしまいますから、組織の論理が前にいってしまうと、どうしてもそういうことに私は成り立ってしまうところあると思うんですね。ですから、官僚のこのモラルを改良することが必要なんですけども、これは役人それぞれがですよ、綱紀粛正しっかりを守って、反省して貰わなければなりませんが、行政府の長でも、総理はあるわけですよね。 そのことをしっかりと考えてこの役人のですね、モラルを回復させるためには、一番のトップである総理がしっかりリーダーシップを持ってですよ、 この役人一人一人がですね、組織の論理ではなくて、国民目線に立った仕事、ちゃんと行っていこようと。そういうことをやっぱり総理から訓示を与えて、しっかり指導していく必要があると思うんですが、総理のお考えを」、 安倍晋三「(原稿読み)防衛省に於けるイラクの日報問題や財務省に於ける文書の書き換えの問題は防衛省・財務省にとどまらず、行政全体の信頼を損なうものであります。 いずれも国民の皆様から厳しい目が向けられていることを真摯に受け止めながら、なぜこのようなことが起こったのか。全てを明らかにするために徹底的に調査を行い、全容を解明し、再発防止に全力を挙げていきたと考えおります。その際にですね、しっかりと膿を出し切ることが大切であろうと考えております。 えー、全ての政府職員は原点に立ち返り、公文書は国民が共有する知的財産・資源であること。公文書を扱う者の立場は極めて重いことを改めて肝に銘じて貰いたいと思います。 その上で行政の信頼回復には公務員一人ひとりが国家国民のため、心を尽くし、身を尽くす全体の奉仕者としての高い倫理観と使命感を持ち、職務の遂行に当たらなければなりません。 先般新しく公務員の道を選んだ諸君も研修の場で私もこう、申し上げたところであります。まさに日本の未来は諸君の肩にかかっている。高い倫理観を持つようにとの趣旨の話をしたことでございましたが、同時に公務員が行政のプロとして高い誇りを持って、その専門性を存分に発揮し、適切に役割を果たすためには、国民の代表たる政治家がその責任と権限の元、強力なリーダーシップを発揮しなければなりません。 私が内閣総理大臣として先頭に立って、行政全体の信頼回復に全力で取り組んでいく考えでございます」(以上) |
西田昌司は役人は組織の論理で行動する、「国政に対する国民の信頼を失わせた」と役人を批判し、安倍晋三は役人は「高い倫理観を持て」と叱咤しているが、「国政に対する国民の信頼」を時として失わせるのは役人のみではなく、政治家もよくすることであって、尚且役人を指揮・監督・指導する役割・立場は政治家側にあることを弁えて、これらの役人統御が機能していなかったことの責任意識と反省を以ってして自らを律する「高い倫理観」がなくてはならないのだが、安倍晋三は役人に代わって国民に謝罪する程度で終わらせている。
要するに役人統御の「役割を果たすためには、国民の代表たる政治家がその責任と権限の元、強力なリーダーシップを発揮しなければなりません」と発言していることは今後の対応であって、そのように対応しなければならない事態を生じさせしめた今までの「国民の代表たる政治家の責任と権限」の十分な発揮の未達状況の自らの責任に関しては一言も触れていない片手落ちを平気で侵している。
このような責任意識の欠如が原稿読みに徹することを可能にさせているのだろう。
太田充は財務省職員がゴミ量の口裏合わせとも解釈できる要請をした理由を、当時財務省の理財局長であった佐川宣寿が「森友学園による地下埋設物の撤去」の「事実関係が十分確認できていないまま」、「具体的な撤去の状況につきましては把握してございませんといった注釈はつけつつも、相手方に於いて適切な撤去をしたというふうに聞いてございます」、あるいはゴミ撤去は「適切に行ったというのは近畿財務局で確認してございます」といった国会答弁を行ったことに置いている。
ところが理財局の職員が上記佐川宣寿の「答弁との関係を気にして」、2017年2月20日に「森友学園側の弁護士に電話で連絡をして」、「森友学園が地下埋設物の撤去に実際にかけた費用、に関して、『相当かかった気がする』と、『トラック何千台も走った気がするという言い方をしたらどうか』という話をした」
太田充のこの国会答弁の最初の疑問は佐川宣寿がゴミの撤去に関して「事実関係が十分確認できていないまま」国会答弁を行っていたという事実である。
なぜなら、森友学園側からの国有地貸付けの申込みからその交渉の経緯、貸付けが売却に変わり、売却が可能かどうかの交渉の経緯、売却と決まってからの価格の交渉の経緯、ゴミが新たに発見されて、土地の価値が下がることから、どう対処するのかといいった交渉の経緯、ゴミの撤去・処分は森友側が引き受け、その費用を売却額から値引く交渉と決定の経緯、ゴミの量の算出とその撤去・処分費用の見積もりの経緯等々の全てが決裁文書に記載してあるだろうから、「事実関係が十分確認できていないまま」国会答弁すること自体が摩訶不思議ということになるからである。
大体が森友学園に対する国有地売却関わる佐川宣寿の国会答弁にしても、安倍晋三や麻生太郎の国会答弁にしても、売却の事実経緯を記載した決裁文書を元に作成される。すべての事実経緯を理財局長が把握しているわけではないし、佐川宣寿が財務省理財局長に就任したのは2016年6月17日で、この3日後の2016年6月20日に財務省と森友学園の間で国有地の売買契約が成立している。
いわば売買成立に至る経緯の殆んどは佐川宣寿の関知外にあった。当然、国会答弁はなおさらに決裁文書の事実経緯、あるいは事実関係に頼らざるを得なかったはずだ。
にも関わらず、「森友学園による地下埋設物の撤去」の「事実関係が十分確認できていないまま」国会答弁をしていた。この不自然過ぎる対応は素直には納得できない。
2017年2月20日頃は決裁文書改竄が始まっていた頃か、改竄直前の頃であり、決裁文書改竄と合わせて財務省職員が撤去・処分費用が「相当かかった気がする」、「トラック何千台も走った気がするという言い方をしたらどうか」と電話を掛けたと考えると、改竄との整合性を見事に取ることができる。
また佐川宣寿が「具体的な撤去の状況につきましては把握してございません」とか、「相手方に於いて適切な撤去をしたというふうに聞いてございます」、あるいは「適切に行ったというのは近畿財務局で確認してございます」といった答弁しかできなかったことが改竄に合わせた、あるいは改竄に備えた発言の限界だとしたら、改竄と符合した限界と見ることがができる。
さらに理財局の職員が佐川宣寿の答弁と整合性を保つためにとどう理由をつけようとも、森友学園の弁護士と近畿財務局にさも大量のゴミを処分し、当然、それなりの費用がかかったと見せかけるよう求める電話を入れたことが真正な事実とすると、当の職員はゴミの存在量に対する懸念を前提にしていることになる。
実際に見積もったとおりの量でゴミが存在していて、その量に見合う撤去・処分の見積り金額であったなら、カネの掛かりも、撤去・処分に必要としたトラックの台数も気にかける必要性はどこにも存在しない。ゴミの存在量に対する懸念も持つことはない。「理財局の職員がある意味で整合性を取る」必要性も見当たらないことになる。
気にかけ、懸念を生じさせたのは実際には存在していなかったからに他ならない。ウソつきはついたウソがウソと露見することを恐れる。事実を口にしていたなら、その事実について気にかけることも懸念を持つこともない。
存在していなかったから、佐川宣寿にしても、「適切な撤去をしたというふうに聞いてございます」、あるいは「適切に行ったというのは近畿財務局で確認してございます」といった答弁しかできなかったということであろう。
実際に存在していたなら、決裁文書に記載されているはずだが、値引き額を正当づける根拠となるはずであるにも関わらず、改竄前の元の決裁文書にもその量は記されていない。
どこをどう押しても、見積もりどおりのゴミの量は出てこない。
つまり佐川宣寿も見積もりした量のゴミが存在していなかったことを知っていた。当然、撤去・処分費用が過大に見積もられていることも知っていた。理財局の職員は野党議員の誰かが、その他が森友学園側に直接尋ねて聞き出すのを恐れて、2017年2月17日の佐川宣寿の国会答弁の3日後に口裏合わせの電話を慌てて掛けた。
太田充は財務省職員の口裏合わせ要請の電話に対して近畿財務局の職員は応じなかったといった答弁をしているが、そう答弁するとき、「そういうー、うー、作業を確認さ、確認させるということは行っていないということでございました」とスムーズに言葉を口から出すことができなかったことも、いわば確信を持って断言できなかったことも、答弁が表現している事実を著しく疑わせることになる。
「財務局は(要請に対して)ついてきていないし、先方(森友学園側)もついてきていない」と言っていることも口裏合わせと見ることができる。
西田昌司の質問に対する理財局長太田充の答弁からは見積もったとおりの量のゴミが存在しなかった事実しか浮かんでこない。