安倍晋三:従軍慰安婦強制連行否定2007年3月16日閣議決定 「政府が発見した資料の中には、軍や官憲がいわゆる強制連行を 直接示すような記述も見当たらなかった」とする “政府発見資料”とは如何なる資料か、公表すべき |
2018年3月26日参議院予算委員会
辰巳孝太郎「一連の安倍昭恵氏に関する記述は2015年2月と4月の特例申請と特例承認の決裁文書の経緯の部分に書かれておりました。パネルに示しました。
えー、なお、打ち合わせの際、『本年4月25日、安倍昭恵総理夫人を現地に案内し、夫人からは、よい土地ですから前に進めて下さいとの言葉を頂いた』との発言あり、括弧、森友学園籠池理事長と夫人が現地の前で並んでいる写真を掲示とこうあります。
我々は籠池氏がすべて本当のことを語っているというふうには思っておりません。しかし重要なのは籠池氏の語ったことが決裁文書という公文書に記されて、それを近畿財務局の職員6人、そして本省の幹部18人が確認をして決済印を押して認めているということであります。
つまり問題はですね。これらの文言、安倍昭恵氏の記述がなぜ書かれたのかということでありますが、そもそも決裁文書の経緯とは何を記すためのものなのか。これは事の成り行きやイキサツを示すためであります。なぜ特例が決定されのか。後から見た人でも分かるようにこの経緯に記すということであります。
太田局長、籠池氏とのこの2014年の4月28日の遣り取りというのは、私前々回の予算委員会でも紹介をしましたけれども、三行半を突きつける、そして写真が提示をされる。本省に相談して、一カ月後にはほぼ満額回答が寄せられるというふうになりました。
この籠池氏との遣り取りですね。様々な遣り取り、話があったと思うんですよ。当時はその相談メモっていうのも恐らく残しているかと思います。今はないとおっしゃりますけれども、なぜこの決裁文書にはこの昭恵氏のこの発言の部分を残したんですか。書き入れたんですか」
太田充「お答え申し上げます。あのー、特例決済の文書は基本的には本省決済ということでございますので、本省と地方支分部局との関係に於いては、地方支分部局、近畿財務局は地方支分部局ということでございますが、本省は国会対応をしているということで、国会前の情報は丁寧に記載をしていたというのが事実だというふうに思います]
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辰巳孝太郎「ですから、色々な遣り取りがある中でなぜこの部分(安倍昭恵に関する籠池泰典の発言)を引用したのかっていうふうに聞いています。経緯というのは一体、何を書くもんなんですか。そこのところから」
太田充「お答え申し上げます。あの本省決済ということで本省は国会対応するのが非常に重要な仕事があるというふうに私共の地方支分部局は認識をしております。そう意味でこういう情報を提供している、参考として書いているということだと思っております」
要するに改竄前の本省決済文書への安倍昭恵に関する記述は国会対応の参考情報を目的としていて、その情報は近畿財務局から財務省理財局に提供されていた。
また、近畿財務局が提供するついては森友学園に対する国有地の貸付けや売却に安倍昭恵のその情報が何らかの意味を持っていたからだろう。意味を持たない情報を提供することの意味は、これまた持たないことになる。
2018年3月19日参院予算委員会
福山哲郎「太田理財局長は決裁文書は改竄は(2017年の)2月の下旬から4月だと言われていました。そういうことは2月から3月の答弁は基本的には前の、元の決裁文書(改竄前の決裁文書)を共有している理財局は答弁書を作ってましたね。イエスかノーか答えて下さい」
太田充「お答え申し上げます。基本的にその当時の決裁文書(改竄前の決裁文書)を前提に答弁書をつくるというのは当然だと思っております」
2017年2月下旬から4月に決裁文書を改竄することになる前の安倍晋三や麻生太郎等の政府関係者の国会答弁、あるいは当時財務省理財局長だった佐川宣寿の国会答弁は改竄前の決裁文書を前提に作成された。
要するに安倍晋三も麻生太郎も、佐川宣寿その他も、改竄前の決裁文書に基づいて作成された国会答弁に目を通していた。当然、答弁側のメンバーは答弁可・不可を検討、取捨選択をしていたはずだ。
この根拠はマスコミ報道が疑惑事件扱いであり、疑惑事件扱いがフェイクニュース・捏造ではなかったことは決裁文書の改竄という形で現れているのだから、少なくとも行政側に非が一点もなかったわけではなく、当然、情報をそのまま出すのではない整理は行われていたことになる。
その整理が改竄まで進んだ。
森友学園国有地格安売却の疑惑事件は2017年2月9日の朝日新聞が報じ、翌日の2017年2月15日の財務金融委員会で取り上げられることになった。
宮本岳志「日本共産党の宮本岳志です。今日は、この間、メディアでも報じられている近畿財務局による学校法人への国有地売却問題について質問を致します。
資料一を見ていただきたい。昨日付の朝日新聞でありますけれども、財務省近畿財務局から大阪府豊中市の国有地を買った学校法人森友学園が、近隣国有地の約一割の価格で買い入れていたことが今大問題になっております。しかし、国有地の売却は近畿財務局の一存でやれるものではありません」
この日の国会審議では安倍昭恵は登場していない。
2017年2月17日衆議院予算委員会
福島伸享(当時民進党)「この小学校の名誉校長とされているのが安倍昭恵先生という方で、右を見ると、安倍晋三内閣総理大臣夫人と書いております。この理事長の籠池先生の教育に対する熱い思いに感銘を受け、このたび名誉校長に就任させていただきましたと。
この事実、総理は御存じでしょうか」
安倍晋三「この事実については、事実というのはうちの妻が名誉校長になっているということについては承知をしておりますし、妻から森友学園の先生の教育に対する熱意はすばらしいという話を聞いております。
ただ、誤解を与えるような質問の構成なんですが、私や妻がこの認可あるいは国有地払い下げに、もちろん事務所も含めて、一切かかわっていないということは明確にさせていただきたいと思います。もしかかわっていたのであれば、これはもう私は総理大臣をやめるということでありますから、それははっきりと申し上げたい、このように思います」――
前後、どちらの国会審議でも質問者は質問に先立って質問通告を政府に提出する。質問通告に対する政府国会答弁書は国有地貸付けや売買を所管している財務省理財局の役人たちが森友学園との売却に関わる事実経緯を記した、この場合は改竄前の決裁文書を基に、例え徹夜になろうとも作成して、これまた政府に提出していたことになる。
いわば理財局が作成した国会答弁書をベースに、「私や妻がこの認可あるいは国有地払い下げに、もちろん事務所も含めて、一切かかわっていないということは明確にさせていただきたいと思います。もしかかわっていたのであれば、これはもう私は総理大臣をやめるということでありますから、それははっきりと申し上げたい、このように思います」と、自分の首を賭けて国有地売却疑惑に一切関与していないと2017年2月17日に言い切った。
当然、安倍晋三に深く関係していることとして財務省理財局が本省決裁した安倍昭恵の動向は国会対応の参考情報という役目上、政府国会答弁書にそのまま反映されなければならない。それをどう取捨選択するかどうかの主導権は安倍晋三以下の政府側が握っているとしても、一応は目に触れる形にしておかなければ、野党の追及に対する備えに何らかの遺漏が生じた場合、財務省側は責任を取れないことになる。
2015年4月30日付〈5・特例承認の決裁文書②「普通財産の貸付けに係る特例処理について」〉の記述中、当時森友学園理事長籠池泰典の発言として、〈なお、打合せの際、「本年4月25日、安倍昭恵総理夫人を現地に案内し、夫人からは『いい土地ですから、前に進めてください』とのお言葉をいただいた。」との発言あり(森友学園籠池理事長と夫人が現地の前で並んで写っている写真を提示)〉の文言が削除され、なかった事実に改竄されて別の文書となったことを一部の政府側の人間を除いた国会議員や国民が知ることになったのは2018年3月12日に財務省が改竄を公表して以後のことになるが、売却や決裁文書の作成に関わり、その文書に基づいて国会答弁書を作成し、それに目を通した役人たち、さらには同じく目を通さないわけにはいかない安倍晋三等の政府側の人間たちのみが知り得ていた事実としながら、その事実を避ける形で安倍晋三も麻生太郎も佐川宣寿も、その他も国会答弁を構築していたことになる。
そして森友疑惑が国会に取り上げられた2017年2月15日以後の2017年2月下旬から、国有地売却の経緯を記した決裁文書の改竄が進められることになった。
このような経緯からすると、いわば安倍晋三側にしても役人側にしても答弁に破綻や齟齬を生じさせずに統一的な答弁ができるよう、共同戦線を張っていたにも関わらず、決裁文書改竄は財務省理財局の一部の職員が行ったとする政府及び財務省の主張は整合性を欠くことになる。
改竄前の決裁文書に記載してあった事実を避ける形で共同戦線を張った国会答弁を構築していた以上、安倍晋三側にしても森友疑惑に関わる政府国会答弁書に反映されている、改竄の対象となった決裁文書の事実は不都合な事実としなければならない。
いわば相互に不都合な事実であった決裁文書の改竄に政治家は罪・責任がなく、役人にのみ罪・責任があるとするのは一方的に過ぎる。
2018年3月27日の午前中と午後の佐川宣寿証人喚問では佐川宣寿は安倍晋三も麻生太郎も安倍昭恵も、国有地売却に指示も関与もなかったと断言している。「産経ニュース」
丸川珠代「では、改めて伺いますが、この森友学園への国有地の貸し付け、ならびに売り払いに総理、および総理夫人が関わったことはないと断言できますか」
佐川宣寿「私が昨年、勉強して、ずっと一連の書類を読んで、国会で答弁させて頂いた中で言えば、総理も総理夫人の影響もありませんでした」――
佐川宣寿は改竄前の決裁文書に目を通していた。だが、改竄後の決裁文書の諸事実に整合する国会答弁を改竄前から改竄以後も続けて、疑惑の否定を貫いた。改竄前の決裁文書の諸事実に整合する国会答弁を行って、疑惑を否定したわけではない。
そしてそのような国会答弁で、繰返しになるが、政治家側と共同戦線を張っていた。
佐川宣寿は麻生太郎の関与・指示も否定したが、共同戦線の国会答弁である以上、その証言は信用性を持ち得ない。
同証人喚問。
丸川珠代「佐川さんが理財局長であったときに文書の書き換えが行われたということについては、これは事実でしょうか」
佐川宣寿「お答え申し上げます。その森友学園の問題が要するに新聞報道で、国会も含めて大きな問題となったのは昨年の2月以降でございます。従いまして、そういう推測と申しますが、予測は成り立ちますが、本当に決裁文書そのものがいつ書き換えられたかどうかという点につきましては、まさに委員がおっしゃいましたように、私の関与も含めて全体の経緯の話になりますので、その点についても刑事訴追の恐れがございますので、その点ご容赦願いたいと思います」――
「決裁文書そのものがいつ書き換えられたかどうかという点」は「私の関与も含めて全体の経緯の話」になって「刑事訴追の恐れ」が生じるとの理由で答弁拒否している。
この手の改竄は交渉事が不正によって構築されていることから、秘密裏の事実経緯を暗黙の了解事項として背後に塗り込めることによってその必要性は起因する。当然、改竄後も、どう改竄しようとも、秘密裏の事実経緯は暗黙の了解事項として背後に塗り込められた状況を引き継ぐ。
佐川宣寿は暗黙の了解事項として背後に塗り込めている事実経緯の全てを白日のもとに曝すことによって、誰の目から見てもそこに不正も違法もなかった、誰の関与も指示もなかったとの保証を受けるのであって、答弁拒否という手を使って秘密裏の事実経緯を暗黙の了解事項として改竄前と改竄後の決裁文書の背後に塗り込めていることに変わりがなければ、やはりその証言はオオカミ少年の「オオカミが来た」に等しい信用性しか持ち得ない。
安倍晋三が決裁文書の改竄を指示したとすることによって、多くの辻褄が合う。