日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

道を造っても、走るクルマは減っている?

2008-12-03 21:21:43 | アラカルト
昨日のエントリの続きとなるのを、ご容赦願いたい。
実は、昨夜テレビを見ていたら某テレビ番組で「自動車の(国内)販売台数は90年をピークに下がっている」というコトを、コメンテーターの方が話していた。

実は、テレビや新聞のニュースなどでその時々に取り上げられる「販売台数」は、気にしていたのだが、過去との比較をしてみたことがなかった。
マーケターとしては恥ずかしい話なのだが、ニュースなどで取り上げられる「自動車産業の好調さ」ばかりに眼を奪われていた、というのが本当のトコロなのだ。

それで気になって「日本自動車工業会」のHPで、販売台数を調べてみた。
四輪車新車販売台数
1970年から、統計を取り始めたようなのでそれ以前の数字はわからないのだが、考えてみれば、「自家用車」が一般的になってきたのは1960年代後半~だという事を考えれば、1970年というのは当然だろう。
表を見ると、確かに1990年をピークに四輪車の販売台数は年々下がりつづけているのだ。
登録車数となると、その傾向は顕著になる。

この夏の原油高騰で、軽自動車人気が話題になったのは記憶に新しいところだが、「自動車」全体の販売台数や登録台数が減少しているというコトを考えると、日本の主要産業である「自動車産業」そのものが、変わる時期にきているような気がするのだ。
もちろん、ホンダやトヨタはロボット等の開発に熱心だ。
それを支えているのは、それまで培ってきた自動車生産の技術があってのコトだろう。
その意味で、自動車産業は着々と業態変化に対応をし始めている、と考えるべきなのかもしれない。

ところが、そんな変化に気が付かず「道路を造る」と言っているのだ。
これでは早晩「綺麗な道があるのに、走るクルマがない」ということになってしまう可能性もあるように思う。
事実、そのような「道」は既にいっぱいあるという指摘もあるのだが、そんな「道」が全国のアチラコチラにでき、国が豊かになるどころか財政難で大変なコトになってしまうのではないだろうか?

もうひとつ、考えることがあった。
実は今日、私用で東名高速バスに乗って出かけた。
私が普段、高速道路を利用しないために、知らなかっただけのことなのだが、想像以上にトラックが高速道路を走っているのだ。
東名のサービスエリアなどでは、自家用車なども見受けられるのだが、パーキングエリアとなると圧倒的にトラックが多くなる。
麻生さんの「景気対策」として、「土日祝日は自家用車・高速道路乗り放題1,000円」よりも、トラックを対象とした割引のほうが景気対策となるのでは?という指摘のほうが、現実的な気がますますしてきた。

「道を造りたい人」は、自動車の販売台数の推移や現状を知ってのことだろうか?
そして、本当に「道を造るコト」が、「雇用促進につながり、景気対策になる」と、考えているのだろうか?
改めて、疑問に感じるのだ。