陸上自衛隊では、現在、普通科部隊の装備する機関銃を22口径に統一すべく調達を継続中である。
しかし、30口径機銃を新規に調達する必要があるのではないかとの立場から、議論を展開したい。
22口径とは、0.22吋、即ち5.56ミリ口径を意味し、SS109規格の小銃弾を発射する機関銃は分隊支援火器に位置付けられる。
写真の5.56ミリ機銃MINIMIは、89式小銃と同じ弾薬を使用可能という点で、利点としては補給体系の効率化が挙げられる。
このMINIMIは、ベルギーのFN社製で米軍にも採用された高性能な装備ではあり、同時に軽装甲機動車の主要車載火器として用いられている。
しかし、M-16小銃の16倍の火力を有するというMINIMIも、使用弾薬は22口径であり、より大型の30口径弾には威力は劣る。弾丸自体の破壊力をジュールで現すと5.56ミリ弾SS109は、7.62ミリ弾308よりも大きいとされるが、弾薬自体の重量が小さい為、射程距離が500㍍ほど小さくなってしまう。
さて、代替され退役が進んでいるとされる62式機関銃であるが、30口径で、ガス圧方式のスペック上は優秀な機関銃として導入されたが、軽量化を重視しすぎ10.7kgと同規模の機関銃としては軽量な部類に区分されるも、軽量化が本体の構造を華奢なものとし、部品点数の多さが作動不良を著しく増加させる結果となった。この代替としてMINIMIが採用された訳である。
しかしながら、威力の大きい30口径機銃の需要は今後増大する事が予測される。即ち、市街戦や閉所戦闘においては、火砲からの直接掩護が受けにくく、ここで使用されるのが機関銃となる。
射程が実に1700㍍に達する30口径機銃は、22口径弾では貫通不可能な外壁部分を貫通し、また、閉所戦闘に多い突発的戦闘の際には、多少の距離を空けていても有効なかく乱射撃が可能である。加えて、徹甲弾などが用意されており、暫定的に装甲目標を抑える能力も期待できる。
一方で、こうした理論展開を行うと、必ず50口径、つまり12.7㍉重機関銃により任務を代替すればよいとの意見が生じる。
二発胴に命中すれば千切れるという強力な機関銃であるが、現用のM-2にしても改良型のM-3にしても重量が大き過ぎ、あくまで、陣地用若しくは車載用である、何より普通科部隊と共に第一線で携行するには弾薬も本体も重く、限界がある。
加えて、30口径機銃は、74式車載機銃として戦車や偵察警戒車、装軌式装甲車の同軸機銃に採用されている。50口径機銃を同軸に用いているのはフランスのルクレルク戦車と、外装式で同軸としているイスラエルのメルカヴァ戦車しか見当たらず、陸上自衛隊も同軸機銃は今後も30口径機銃を運用していく事となろう。
こうしてみると、普通科部隊に30口径機銃を装備しないことで弾薬体系の簡素化と効率化が可能となる理論展開は成り立たなくなる。
従って、普通科部隊に新規に30口径機関銃を装備することも検討してもいいのではないか、と私は思うのである。
さて、話は変わり、昨日、北海道警と陸上自衛隊の間で初めての共同訓練が真駒内において実施された。ゲリラ部隊がわが国に浸透し、警察力では対処が困難となったことを想定し行われた。
加えて、本日、五万人が犠牲となったパキスタン大地震に対応し、既に3機のUH-1多用途ヘリが派遣されているが、加えて更に3機の多用途ヘリを派遣すべく小牧基地から入間基地へC-130H輸送機が発進した。
まさに、自衛隊は変革期にあることを印象付けられるといえよう。
追伸:はるな は、週末、守山駐屯地における第十師団創設記念式典に展開いたします。みなさんもお時間がおありの方は言ってみては如何でしょうか。
次いで事務的な話、北大路機関は当分、更新を毎日行うのではなく、水曜・木曜・金曜の週三回を基本として展開してゆきたいと思います。奮ってコメントなどをお書き下さい♪
HARUNA
しかし、30口径機銃を新規に調達する必要があるのではないかとの立場から、議論を展開したい。
22口径とは、0.22吋、即ち5.56ミリ口径を意味し、SS109規格の小銃弾を発射する機関銃は分隊支援火器に位置付けられる。
写真の5.56ミリ機銃MINIMIは、89式小銃と同じ弾薬を使用可能という点で、利点としては補給体系の効率化が挙げられる。
このMINIMIは、ベルギーのFN社製で米軍にも採用された高性能な装備ではあり、同時に軽装甲機動車の主要車載火器として用いられている。
しかし、M-16小銃の16倍の火力を有するというMINIMIも、使用弾薬は22口径であり、より大型の30口径弾には威力は劣る。弾丸自体の破壊力をジュールで現すと5.56ミリ弾SS109は、7.62ミリ弾308よりも大きいとされるが、弾薬自体の重量が小さい為、射程距離が500㍍ほど小さくなってしまう。
さて、代替され退役が進んでいるとされる62式機関銃であるが、30口径で、ガス圧方式のスペック上は優秀な機関銃として導入されたが、軽量化を重視しすぎ10.7kgと同規模の機関銃としては軽量な部類に区分されるも、軽量化が本体の構造を華奢なものとし、部品点数の多さが作動不良を著しく増加させる結果となった。この代替としてMINIMIが採用された訳である。
しかしながら、威力の大きい30口径機銃の需要は今後増大する事が予測される。即ち、市街戦や閉所戦闘においては、火砲からの直接掩護が受けにくく、ここで使用されるのが機関銃となる。
射程が実に1700㍍に達する30口径機銃は、22口径弾では貫通不可能な外壁部分を貫通し、また、閉所戦闘に多い突発的戦闘の際には、多少の距離を空けていても有効なかく乱射撃が可能である。加えて、徹甲弾などが用意されており、暫定的に装甲目標を抑える能力も期待できる。
一方で、こうした理論展開を行うと、必ず50口径、つまり12.7㍉重機関銃により任務を代替すればよいとの意見が生じる。
二発胴に命中すれば千切れるという強力な機関銃であるが、現用のM-2にしても改良型のM-3にしても重量が大き過ぎ、あくまで、陣地用若しくは車載用である、何より普通科部隊と共に第一線で携行するには弾薬も本体も重く、限界がある。
加えて、30口径機銃は、74式車載機銃として戦車や偵察警戒車、装軌式装甲車の同軸機銃に採用されている。50口径機銃を同軸に用いているのはフランスのルクレルク戦車と、外装式で同軸としているイスラエルのメルカヴァ戦車しか見当たらず、陸上自衛隊も同軸機銃は今後も30口径機銃を運用していく事となろう。
こうしてみると、普通科部隊に30口径機銃を装備しないことで弾薬体系の簡素化と効率化が可能となる理論展開は成り立たなくなる。
従って、普通科部隊に新規に30口径機関銃を装備することも検討してもいいのではないか、と私は思うのである。
さて、話は変わり、昨日、北海道警と陸上自衛隊の間で初めての共同訓練が真駒内において実施された。ゲリラ部隊がわが国に浸透し、警察力では対処が困難となったことを想定し行われた。
加えて、本日、五万人が犠牲となったパキスタン大地震に対応し、既に3機のUH-1多用途ヘリが派遣されているが、加えて更に3機の多用途ヘリを派遣すべく小牧基地から入間基地へC-130H輸送機が発進した。
まさに、自衛隊は変革期にあることを印象付けられるといえよう。
追伸:はるな は、週末、守山駐屯地における第十師団創設記念式典に展開いたします。みなさんもお時間がおありの方は言ってみては如何でしょうか。
次いで事務的な話、北大路機関は当分、更新を毎日行うのではなく、水曜・木曜・金曜の週三回を基本として展開してゆきたいと思います。奮ってコメントなどをお書き下さい♪
HARUNA