伊丹駐屯地における中部方面隊創隊45周年記念式典を観覧した。
0730時、京都駅出発。尼崎脱線事故現場を通過し、0834時に伊丹駅到着。
駐屯地到着は0930時、時間があった為、午前中の戦車試乗の為友人ら四名と並ぶ。説明を務める自衛官の方のお話を聞き、そののちに無事乗車する事が出来た。友人の多くは戦車乗車が初めてであり、意外な機動性に驚いていた。

中部方面隊記念式典とは、関門海峡から四国・中国・山陰・近畿・北陸・東海地方の防衛を担う隷下の各部隊から代表の一部部隊を総監部の所在する伊丹に集結させ、方面総監訓示や指揮官巡閲、観閲行進、訓練展示、そして装備品展示を行う式典であり、隷下部隊の団結強化、士気高揚と一般国民への広報が目的である。

訓示では、折木良一総監に続き、大阪府の太田知事ら要人が訓示し隊員を激励した。特に、今年度は隷下部隊からイラク復興人道支援への隊員派遣が10師、3師、13旅と相次ぎ、総監の訓示も以前にも増して力強いものであった。

続いての観閲行進では、各部隊の部隊旗靡かせた73式小型トラック群、そして82式指揮通信車6輌に続いて徒歩行進が行われた。音楽隊の行進曲が荘厳なものからテンポ早めた軽快なものに変わると同時に車輌行進が始まり、軽装甲機動車10輌、高機動車10輌、FH-70榴弾砲、ホーク地対空誘導弾、81式短距離地対空誘導弾、93式近距離誘導弾、87式偵察警戒車等が続々と通過し、最後を4輌の74式戦車が飾った。

これらの部隊は、所属駐屯地から長躯駆けつけたもので、74式戦車は第三戦車大隊の今津からであるが、軽装甲機動車は金沢の第14普通科連隊から、87式偵察警戒車は第10偵察隊の名古屋近郊の春日井から、FH-70に至っては豊川駐屯地から実に新幹線六駅分を越えて伊丹へ到達した。また、地対空ミサイル部隊は遥か広島からの参加であった。

祝賀飛行としては、八尾から多用途ヘリUH-1J×7、観測ヘリOH-6×6、舞鶴の海上自衛隊から参加のSH-60J×1であった。残念ながら、先月18日に発生した相浦駐屯地における墜落事故の影響から、AH-1Sの参加は無かったが、会場上空を飛行通過し、上空から式典に花を添えた。

観閲行進・祝賀飛行の後、保安部隊によるライフルドリルの妙技や音楽隊による荘厳な演奏が行われ、一糸乱れぬ演舞や演奏に惜しみない拍手が贈られた。

訓練展示、つまり模擬戦闘がこれに引き続き行われた。
状況は、建物に立てこもる敵部隊を掃討した後、丘を占領した敵部隊に攻撃を加え、制圧するというもので、建物の掃討にはUH-1Jからのリペリング降下により屋上を先ず占拠、ロープにより外壁より進入した部隊が敵を制圧、地上からは軽装甲機動車による突入を行い、激しい銃声の後、建造物全域を奪回した。

続いて、丘を陣地占領した部隊に対して偵察隊による偵察が行われた、87式偵察警戒車が同軸機銃を発砲しつつ索敵前進し、発見した敵陣地に対してオートバイ偵察が肉薄、情報を収集した後、俊足を活かし疾風の如く避退した。

発見された敵情を更に解析すべく、明野より飛来したOH-1観測ヘリが上空に現れ、四枚ロータによる機動性を見せ付けるべく乱舞、高度な観測装置により状況を把握した後、姿を隠した。

確認された敵陣地に対して、FH-70榴弾砲が火を噴く。火砲は、敵後方の野砲陣地を無力化すると共に、丘を占領する敵歩兵部隊に対し攻撃準備射撃を実施、防御力に著しい損害を与え、続く普通科部隊の占領を容易なものとした。

如何なる苛烈な航空攻撃によっても、激烈な砲撃によっても陣地は占領できない。
訓練展示は、打撃力たる戦車の砲撃と共に軽装甲機動車の突撃が行われ、丘に74式戦車が突入し陣地を鋼の無限軌道で粉砕、訓練展示は終了となった。

装備品展示は、高機動車や軽装甲機動車など計3輌の控えめなものであったが、会場を散策してみると、戦車試乗会場付近には軽装甲機動車や高機動車、FH-70や74式戦車が大量にパークされており、試乗とともに気付いた人々が見学しており、突然の来訪にも関わらず、隊員たちは親しく説明など対応し、会場は和やかな雰囲気であった。
また、漫画を読んだり、談笑したりする様子は、まさに生の自衛隊の姿であり、市民の多くは今以上に親近感を感じた事であろう。

しかし、昨年までは展示されていた87式偵察警戒車や74式は今年度展示されなかった理由は不可解である。駐車スペースに車輌があることを気付かず、帰路についた方もいることを考えれば残念でならない。

写真は、装輪車と小火器のみの展示会場に華を添えた保存車輌の61式戦車と75式自走榴弾砲。第一線・第二線を離れた各種装備は、こうして全国の駐屯地で余生を送っている。

さてさて、駐屯地祭はやはりお祭りとしての性格もある。
地方物産展では、豊川・明野・三軒野・今津・福知山・米子・善通寺・川西・海田・松山・大久保・信太山・大津・守山・久居・金沢・山口・日本原・春日井・青野原・富山・高知・千僧・和歌山から、五平餅/マスカット/備前焼/戦車煎餅/から揚げ/天麩羅/ポテト/饂飩/熊野筆/宇治茶/綿菓子/鮎塩焼き/白山蕎麦/梨/干物/佃煮/萩焼/柿/ブドウ/蓮根/チューリップ球根/手打ち蕎麦実演販売/焼き鳥/カキ氷/ベビー/カステラ/梅などなどが売られていた。
こうしたものも、広大な地域を受け持つ方面隊ならではの規模であった。
来年度は是非皆さんも一度足を運ばれては如何であろうか、毎年の行事ではJR伊丹駅・阪急伊丹駅から会場まで、五分間隔で無料バスが運行中である。
HARUNA
0730時、京都駅出発。尼崎脱線事故現場を通過し、0834時に伊丹駅到着。


中部方面隊記念式典とは、関門海峡から四国・中国・山陰・近畿・北陸・東海地方の防衛を担う隷下の各部隊から代表の一部部隊を総監部の所在する伊丹に集結させ、方面総監訓示や指揮官巡閲、観閲行進、訓練展示、そして装備品展示を行う式典であり、隷下部隊の団結強化、士気高揚と一般国民への広報が目的である。

訓示では、折木良一総監に続き、大阪府の太田知事ら要人が訓示し隊員を激励した。特に、今年度は隷下部隊からイラク復興人道支援への隊員派遣が10師、3師、13旅と相次ぎ、総監の訓示も以前にも増して力強いものであった。

続いての観閲行進では、各部隊の部隊旗靡かせた73式小型トラック群、そして82式指揮通信車6輌に続いて徒歩行進が行われた。音楽隊の行進曲が荘厳なものからテンポ早めた軽快なものに変わると同時に車輌行進が始まり、軽装甲機動車10輌、高機動車10輌、FH-70榴弾砲、ホーク地対空誘導弾、81式短距離地対空誘導弾、93式近距離誘導弾、87式偵察警戒車等が続々と通過し、最後を4輌の74式戦車が飾った。

これらの部隊は、所属駐屯地から長躯駆けつけたもので、74式戦車は第三戦車大隊の今津からであるが、軽装甲機動車は金沢の第14普通科連隊から、87式偵察警戒車は第10偵察隊の名古屋近郊の春日井から、FH-70に至っては豊川駐屯地から実に新幹線六駅分を越えて伊丹へ到達した。また、地対空ミサイル部隊は遥か広島からの参加であった。

祝賀飛行としては、八尾から多用途ヘリUH-1J×7、観測ヘリOH-6×6、舞鶴の海上自衛隊から参加のSH-60J×1であった。残念ながら、先月18日に発生した相浦駐屯地における墜落事故の影響から、AH-1Sの参加は無かったが、会場上空を飛行通過し、上空から式典に花を添えた。

観閲行進・祝賀飛行の後、保安部隊によるライフルドリルの妙技や音楽隊による荘厳な演奏が行われ、一糸乱れぬ演舞や演奏に惜しみない拍手が贈られた。

訓練展示、つまり模擬戦闘がこれに引き続き行われた。
状況は、建物に立てこもる敵部隊を掃討した後、丘を占領した敵部隊に攻撃を加え、制圧するというもので、建物の掃討にはUH-1Jからのリペリング降下により屋上を先ず占拠、ロープにより外壁より進入した部隊が敵を制圧、地上からは軽装甲機動車による突入を行い、激しい銃声の後、建造物全域を奪回した。

続いて、丘を陣地占領した部隊に対して偵察隊による偵察が行われた、87式偵察警戒車が同軸機銃を発砲しつつ索敵前進し、発見した敵陣地に対してオートバイ偵察が肉薄、情報を収集した後、俊足を活かし疾風の如く避退した。

発見された敵情を更に解析すべく、明野より飛来したOH-1観測ヘリが上空に現れ、四枚ロータによる機動性を見せ付けるべく乱舞、高度な観測装置により状況を把握した後、姿を隠した。

確認された敵陣地に対して、FH-70榴弾砲が火を噴く。火砲は、敵後方の野砲陣地を無力化すると共に、丘を占領する敵歩兵部隊に対し攻撃準備射撃を実施、防御力に著しい損害を与え、続く普通科部隊の占領を容易なものとした。

如何なる苛烈な航空攻撃によっても、激烈な砲撃によっても陣地は占領できない。
訓練展示は、打撃力たる戦車の砲撃と共に軽装甲機動車の突撃が行われ、丘に74式戦車が突入し陣地を鋼の無限軌道で粉砕、訓練展示は終了となった。

装備品展示は、高機動車や軽装甲機動車など計3輌の控えめなものであったが、会場を散策してみると、戦車試乗会場付近には軽装甲機動車や高機動車、FH-70や74式戦車が大量にパークされており、試乗とともに気付いた人々が見学しており、突然の来訪にも関わらず、隊員たちは親しく説明など対応し、会場は和やかな雰囲気であった。
また、漫画を読んだり、談笑したりする様子は、まさに生の自衛隊の姿であり、市民の多くは今以上に親近感を感じた事であろう。

しかし、昨年までは展示されていた87式偵察警戒車や74式は今年度展示されなかった理由は不可解である。駐車スペースに車輌があることを気付かず、帰路についた方もいることを考えれば残念でならない。

写真は、装輪車と小火器のみの展示会場に華を添えた保存車輌の61式戦車と75式自走榴弾砲。第一線・第二線を離れた各種装備は、こうして全国の駐屯地で余生を送っている。

さてさて、駐屯地祭はやはりお祭りとしての性格もある。
地方物産展では、豊川・明野・三軒野・今津・福知山・米子・善通寺・川西・海田・松山・大久保・信太山・大津・守山・久居・金沢・山口・日本原・春日井・青野原・富山・高知・千僧・和歌山から、五平餅/マスカット/備前焼/戦車煎餅/から揚げ/天麩羅/ポテト/饂飩/熊野筆/宇治茶/綿菓子/鮎塩焼き/白山蕎麦/梨/干物/佃煮/萩焼/柿/ブドウ/蓮根/チューリップ球根/手打ち蕎麦実演販売/焼き鳥/カキ氷/ベビー/カステラ/梅などなどが売られていた。
こうしたものも、広大な地域を受け持つ方面隊ならではの規模であった。
来年度は是非皆さんも一度足を運ばれては如何であろうか、毎年の行事ではJR伊丹駅・阪急伊丹駅から会場まで、五分間隔で無料バスが運行中である。
HARUNA