米軍再編の最終報告書が提出された報道が為されていた。
小生の高い関心対象でもある本事案に対し、防衛庁や外交評論家、大手マスコミ政治部の方々と議論を重ね、痛感したのは世界規模での基地の拠点集約化を介した前方展開の根本的見直しという根幹部分を理解していない論者が非常に大きかったということだ。
橋本内閣時代から政治的にクローズアップされていた普天間返還や、首都圏の住宅街に囲まれている厚木基地の艦載機部隊移駐に重点が置かれ、例えば戦略的拠点への部隊集約や地位協定改編という本質的内容に踏み込んでの政治的交渉を行えなかった点が重要である。
ただ、米軍の前方展開見直しを担保する高い展開能力と衝撃力を兼ね備えたFCS(将来戦闘システム)が、その能力的に限界が指摘されており、少ない装甲や火力は共同交戦能力(いわゆるRMA)により代替できるとの甘い見通しが崩れつつある為、近い将来に再度前方展開への回帰が想定し得ることだ。今回の交渉過程における問題点を列挙し、主体的で有意義な交渉に望めるよう研究を行う必要があろう。
HARUNA