昨日、わが国唯一の機甲師団として知られる第七師団記念行事が陸上自衛隊東千歳駐屯地において豪雨突風の中粛々と実施された。
第七師団は東千歳駐屯地に師団司令部を置き、北千歳駐屯地、南千歳駐屯地、恵庭駐屯地(恵庭市は千歳市と札幌市の中間に所在)に戦車連隊を配置し、また千歳市内には地対空ミサイルを多数保有する第一高射特科団、そして航空自衛隊千歳基地には第二航空団が展開しており、文字通り北海道防衛の要衝、要塞都市という性格を有する。
また四個師団を隷下に置く北部方面隊にとって、第七師団が有する286輌の戦車や各種火砲88輌、装甲車約300輌は最大の打撃力を構成する。
当日はあいにくの豪雨、しかも突風が吹く中記念行事が粛々と実施された。観客の傘が次々と破壊され、カメラが漏水により故障続発の中(小生はセーフ!)、指揮官訓示、巡閲、観閲行進、音楽演奏、訓練展示と滞りなく実施された。伝え聞くところでは四月の第一師団練馬駐屯地祭が観閲行進、訓練展示共々大雨により中止になったと聞くが、完全機械化の第七師団は会場が文字通り湖と化す中で行事を実施した。
観閲行進に参加する車輌は450輌、この内300輌ほどがAFVであるという日本最大の観閲行進が実施される記念行事だけあり、遠く関東や九州からも観客が詰め掛ける。
当日は天候もあり、昨年の記念行事よりも若干観客は少なかったものの、やはり各人、創意工夫の下でカメラ防水措置を取り撮影を実施していた。前日の予報では午後から雨とあった為、期待をしたが外れたという様相である。ただ、駐屯地売店で迷彩ニ型戦闘服の私物品が堂々と並べられ、濡れた人々が続々と陸自迷彩に着替える様子が見られ、本土で実施すれば確実に警務隊に捕まる為驚いた(北海道では普通、と売店の人や幹部の人が言っておられた)。
訓練展示は、偵察隊の74式戦車と空輸展開した偵察オートバイの敵情偵察より開始し、自走榴弾砲の一斉射撃、92式地雷原処理車の実弾射撃、敵ヘリコプターとの対空戦闘の後、発煙弾発射、戦車二個中隊と普通科部隊の突撃により終了した。訓練展示に関して、空包使用であり、ヘリコプターの参加機数は9機であるものの、車輌の数では富士総合火力演習よりも規模が大きいといえる。
HARUNA
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