細川勝元が1450年に建立し、石庭で名高い京都市右京区の龍安寺であるが、実は龍安寺に登り口を有する古墳が、京都市内を一望できるという事は余り知られていない。
写真は一条天皇陵であるが、ここは龍安寺の駐車場から少し入ったところにあるもので、この小高い山は朱山といわれている。
一条天皇は藤原摂関家時代の第六十六代天皇として知られ、同じく朱山には藤原摂関家時代の後朱雀天皇、後冷泉天皇、後三条天皇、堀河天皇墳墓が造られている。
一条天皇陵が築かれた経緯は浅学にして知らないが、この地域に二十数度行幸されたとの記録があり、こうしたものがこの天皇陵の経緯としてあるのだろう。
朱山の山頂にも陵墓があり、此処を登る。十五分ほどかかるものの、衣笠山のような剥き出しの登山路ではなく、流石に天皇陵というだけあり、整備された階段がある為、登攀は極めて容易であり、スーツのままでも頂上に至る事が可能だ。
さて、頂上はというと、京都市内を一望でき、まさに絶景の一言に尽きる。千年に至りこの光景が守られたであろう事は想像に難くない。
眼下を走る鉄道線は山陰線で、神話の舞台となった出雲地方とこの古都を繋いでいる。
また、ひと際小高い塔が京都タワーであり、首都東京へ至る京都駅周辺である。また、京都タワーとは反対にある黒い高層ビルが高槻駅ビルで、晴天であれば大阪市内をも望見できる好立地である。
京都市内を一望できるところというのは案外少なく、龍安寺にお立ち寄りの際には是非足を運ばれては如何だろうか。
HARUNA
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