北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

海上自衛隊掃海輸送ヘリコプターMCH-101

2007-03-20 01:33:40 | 先端軍事テクノロジー

■MCH-101 伊勢湾で試験?

 三月四日、日曜日ながら海上自衛隊の新型掃海輸送ヘリコプターMCH-101二号機が川崎重工より海上自衛隊へ納入を控えた飛行試験を実施していた。この様子は三重県に展開中のC.ジョニー氏も偶然これを撮影しており、伊勢湾において何らかの試験を行っていたと思われる。既報ながらMCH-101は2006年2月に初号機を撮影し、T-3練習機二機編隊飛行の際やT-3ラストフライト?の際にも扱っている。

Img_3855  今回の写真は、これまでのMCH-101よりもやや鮮明に撮影することが出来た点、更に撮影後判明したことであるが、ギア出しの試験を行っていたようである。さて、MCH-101の原型であるEH-101は、“MERLIN”即ち『予言者』と呼称され、大型ヘリコプターに区分される機体ながら、機動性に優れ、3Gまでの最大荷重が承認されている。ちなみに、MCHとあることからも判るように、掃海機具を降ろせば輸送ヘリとして運用可能であり、座席使用時に30~35、座席を使用しない場合であれば最大で45名の完全武装人員を輸送可能であるとのことだ。

Img_3856  海上自衛隊への採用は砕氷艦搭載ヘリ・掃海ヘリコプターの一元化という構想のもとで機種選定が進められ、2003年6月5日に防衛庁より決定が発表された。掃海用に3機、輸送用に6機を運用する目的で、第111航空隊へ11機、砕氷艦搭載用に3機という14機の調達が構想されている。海上自衛隊の採用が決定された時点で155機が発注を受けており、今後もその数は増加することが見込まれている。現行のMH-53Eと比較した場合、キャビン部分は7.09㍍、最大幅2.49㍍、全高1.83㍍であり(ハッチ部分は幅2.0㍍高さ1.90㍍)、MH-53Eの全長9.14㍍、最大幅2.29㍍、全高1.98㍍と遜色ない。

Img_3858  また、新砕氷艦や16DDHへの搭載が見込まれているが、ローターを折畳んだ場合は機体が幅5.20㍍、全長15.75㍍、全高5.20㍍に収まるが、これはMH-53Eよりもかなり小さい。脚を納めたスポンソン部分には緊急着水時用のフロートが収められており、海上での運用に配慮したものとなっている。日本向けの機体には掃海用、輸送用、砕氷艦搭載用と三種類の電子装備が必要に応じ搭載され、これは日本国内の整備を担当する川崎重工により整備される。

Img_3860  MCH-101の原型であるEH-101を開発したEHインダストリアルは、イタリアのアグスタ社、イギリスのウエストランド社の合弁企業であり、純然たる欧州機であるが、海外ではイギリス、イタリアにおいて艦載哨戒ヘリ、カナダ、デンマーク、ポルトガルが捜索救難機として採用しており、将来的には自衛隊においてもより広範に採用される可能性を秘めているといえるだろう。

■北大路機関広報:神戸港に練習艦隊入港

 C.ジョニー氏にお教えいただいた情報ですが、阪神基地隊HPに練習艦隊入港のお知らせが掲載されていました。3月23日から26日に寄港し、練習艦“かしま”、練習艦“しまゆき”、護衛艦“あさぎり”が、それぞれ24日、25日に一般公開を実施、23日、24日には夜間電飾も行われるようです。詳しくはリンク先をご覧下さい。C.ジョニー様、情報ありがとうございました。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

コメント (2)
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