北大路機関

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写真記録 2.17豪雪下のJR嵯峨野山陰線・舞鶴線

2008-04-18 18:46:57 | コラム

■吹雪を越えて 京都~東舞鶴

 2008年2月17日、海上自衛隊練習艦隊が京都の舞鶴基地に入港した。詳細については第二北大路機関の舞鶴特集(その1)(その2)を観て頂くとして、本日は、豪雪下のJR旅客輸送の一端を掲載したい。

Img_7966  舞鶴は敦賀や境港、新潟と並ぶ日本海側の海港都市として知られ、商港西舞鶴、舞鶴鎮守府(要港部)東舞鶴が海軍主導の下で合併し誕生した街であるが、同時に日本三景として広く知られた天橋立に程近く、京都・大阪からも少なくない特急電車により結ばれている。他方で、過疎化が進む地方都市が多い中、例外ではなく、鉄道輸送の利便性は、決して高くはない。

Img_7705  早朝の京都駅。西日本旅客鉄道管区内ではまだまだ一大勢力を有する113系電車が発車に備えている。対面型固定セミクロスシートを有する車両と、JR西日本で広く使われている221系や223系に準じたクロスシートを有する車両が併用されている。ちなみに、嵯峨野山陰線、平日では明示鍼灸大学までの通学輸送需要が少なくない。

Img_7703  北大路駅から京都駅に到着して考えたのが0622時の列車に乗車するまでに、なんとか0617時発車の急行『きたぐに』を撮影できないか、ということ。寝台急行ということもあり、停車時間は比較的長い。他方で、長浜駅(米原?)始発の快速が遅れていることは、新潟と大阪を結ぶ『きたぐに』には影響が無く、この快速に影響が出る程度の北陸方面に少なくない降雪があることを意味している(両方とも米原を通るのだが)。

Img_7704  撮影して、もし0622時の福知山行きに乗り遅れても、0644時発の園部行きに乗り、園部で綾部行きに乗り換えて、綾部で東舞鶴行きに乗り換えることも出来る、それが面倒ならば『なは・あかつき』号(当時はダイヤ改正前なので現役)や『日本海』を撮影し、特急『まいづる1号』で、という選択肢もあるのではないか、と考えた。

Img_7713  ただし、快速の7分遅れ、というのが気になった。もしかして、これから本格的に雪の影響が出始めるのではなかろうか。『なは・あかつき』は後日でも撮影可能だが、雪の舞鶴に護衛艦『はるな』と練習艦隊、という組み合わせはこれが最後かもしれない。考えた末113系に乗り込んだ。早朝ということもあり、乗車率はそれほどでは無いが、進むにつれて雪景色が広がってゆく。

Img_7717  綾部市の一部では積雪が100㌢を越えた、という情報はこの時点でまだ入手していないが、雪化粧が雪景色に、そして冬山というように進むにつれて情景を変えていった。京都駅から福知山行きの普通電車や快速が運行される時間帯は限られており、乗り換えが必要な園部行きは、“乗っていればなんとかなる”直通電車と異なり、ダイヤの乱れに脆弱性を抱えている。

Img_7727  トンネルを出る前からそこは雪国だった。綾部駅に到着すると、京都行きの『たんば』号か『きのさき』号か区別できないほど雪を纏った183系特急車が待機していた。奇しくも護衛艦『はるな』が就役した年と同じ1973年にブルーリボン賞を受賞した古参の電車は、ここで同じく京都に向かう『まいづる2号』と連結するのだが、実はこの『まいづる2号』が舞鶴線内で雪による倒木で立ち往生していたとのことだ。

Img_7720  倒木不通の地点は西舞鶴と東舞鶴の間にあるトンネル出口付近ということで、無線では情報が伝わりにくくかなり混乱している状況だったが、立ち往生の『まいづる2号』は、徐行して通過できたとのこと。立ち往生は数時間に及び、東舞鶴駅から長躯京都駅に向けて出発した『まいづる2号』は最初の停車駅である西舞鶴に到達する以前に、立ち往生したということか。

Img_7739  綾部駅で、やはり113系に乗り換えて出発するが、ここで既にかなりの遅れが出ていた。しかし、一時間に一本列車があるかないかという舞鶴線にあって、この日の豪雪により、7本程度の列車が運休になった、ということを考えれば、東舞鶴に到達できるというだけでも、なかなか幸運であったのかもしれない。落雪直前の塊を傍目に、列車は慎重に徐行してゆく。

Img_7740  倒木地点。実際に見てみると、雪の重みに耐え切れず曲がった竹が、列車の進路を塞いでいる、という状況。しかし、運転台が上の方にある183系特急車で運行する『まいづる2号』には、この垂れ下がり方は危険だったのかもしれない。運転司令所と無線のやりとりがあり、運転士も降車し、安全を確認しつつ、現時点で通過に支障は無さそうということで、徐行しつつ前進。

Img_7746  やや天候は回復して(直後また悪化するのだが)、陽光を浴び、白銀の絶景が電車を迎える。福知山運転区には一応除雪車が配備されているが、聞くところでは舞鶴線と小浜線には行き渡らないようだ(伝聞情報ですので、もしかしたら間違いかも、お気付きの方はコメントなどいただけると幸いです)。架線の電柱に張り付いた雪が、その凄さの一端を伝えている。

Img_7747  西舞鶴駅を出て東舞鶴に向かう道中、車内から、やや離れた場所で雪の重みに押しつぶされた竹林の様子が見て取れる。倒木、というとその重みで架線損傷、というような被害をイメージしてしまうが、竹林の竹が線路に垂れてきた程度ならば、運行に支障が出ても、設備が破損することは無いのが幸い、というところか。

Img_7963  かくして、列車は終点の東舞鶴駅に到着した。『きたぐに』を撮影して、一本あとの普通電車を利用していれば、更に到着は遅くなったことだろう。また、その更に後の特急電車は、運休になった可能性も高い。豪雪下の嵯峨野山陰線、舞鶴線を経て東舞鶴駅に到着した小生は、舞鶴基地に向け、足を進める。雪景色を撮りたい小生には予定通りの情景が広がるが、この冬いちばんの豪雪が練習艦隊を迎えていた事実を知るのは、もう少し後のことだった。

(昨夜22時頃、Weblog北大路機関はアクセス解析開始から41万アクセスを突破したようです、たくさんのアクセス、本当にありがとうございます)

HARUNA

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