北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

榛名防衛備忘録:中間報告、方面支援集団(ミサイル団・施設団・後方支援団・教育団)の提案

2014-04-10 17:47:04 | 北大路機関特別企画

◆五方面隊への方面支援集団の編成案

 方面隊の位置づけについて。今回は方面隊が第一線部隊を如何に支援し協同するかについての案を示してみます。
Rimg_2415  今回までの中間報告にて、防衛力の機動性強化を企図し陸上防衛力に関する提案として、戦車師団を除く全ての師団と旅団を12個旅団へ再編し、師団を縮小し旅団を整理統合する反面、その装備密度を大幅に向上させ有事の際に全陸上自衛隊が機動運用し即座に対応する機動旅団化を提案しました。機動旅団は各方面隊に二個を配置し二個機動旅団は装甲機動旅団と航空機動旅団へ、共に機動性を重視したその二個旅団を以て広域師団を編成する案を提示しています、各方面隊に一個師団、というかたち。
Rimg_0721  戦車300両と特科火砲300門という新防衛大綱下の重装備効率化計画に依拠し、戦車師団以外の戦車150両を最も効率的に運用する方策とし、方面特科部隊の全般支援火力を第一線へ移管すると共に新たに装甲戦闘車と戦車の中隊を混成運用し火力指数と機動力を強化した旅団を少数編成し、併せて重装備を持たない旅団には現在方面隊に収集配備されている対戦車ヘリコプターを第一線旅団へ方面航空隊と共に配備し軽量編成の戦闘部隊を迅速に展開させる航空機動旅団への改編を提案しました。
Rimg_0330  すると、方面隊の位置づけはどうなるのか、方面隊は機動運用する機動旅団に対して、管区内での後方支援業務を一手に担い、併せて方面隊には第一線旅団が運用するには大きすぎる装備や戦闘基盤、例えば教育訓練と言った機動運用にそもそも無関係である部分や方面隊の駐屯地維持業務や駐屯地の基幹通信網の整備、第一線後方支援部隊には荷が重い装備品の重整備を防衛産業の支援以前の度合いでの重整備を担う、もしくは移動は中身だけとなる補給処など、責務を担う事とすべきでしょう。
Rimg_4496  方面支援集団、方面隊の機動旅団以外の基幹部隊は団もしくは隊、として、これを集約した集団編制を採り、集団司令官を置く、方策としてはこうしたものを考えます。集団編制を採ることで、補給や戦闘支援や整備稼動率などの状態を包括的に情報処理し、広域師団の各機動旅団長が必要とする装備品を確実な稼動状況と受けられる整備度合を提示できるよう行う、後方支援に関する情報を最大限集約し整理、いわば後方支援と戦闘支援部隊の統合運用を行うべく、集団編制を採る必要があると提案しました。

Rimg_2830  方面支援集団、司令部連絡飛行隊、方面ミサイル団方面施設団、 方面後方支援団、 方面教育団、 方面業務会計隊、 方面通信隊、 方面警務大隊、こうした編成の部隊を方面支援集団として構想しました。 このほか既に掲載した部分ですが方面総監にはアメリカ海兵隊即応待機の海兵遠征隊MEUのようなローテーション配備部隊として広域師団より陸上戦闘と空中機動の即応部隊、方面即応集団 “Armycorps Readiness Force”の編成を提案していますが、方面総監にはこの即応運用への責任も残ります。

Rimg_5992  司令部連絡飛行隊。基幹部隊は軽ヘリコプター飛行班と連絡偵察機飛行班とします。軽ヘリコプター飛行班は、方面航空部隊を基本的に全て航空機動旅団へ抽出するため、基本的に方面隊には空中機動作戦をおこなうだけのヘリコプターは残りません。必要ならば航空機動旅団が隷下部隊を差し出すという運用が基本であり、この為の旅団管区を越えた機動運用への対応です、が、連絡ヘリコプターを数機程度運用する飛行班はその都度航空機動旅団より抽出することは、その待機態勢などの維持という観点も非効率ですので、3~4機程度の軽ヘリコプターを維持します。連絡偵察機飛行班も航空機動旅団には連携上使いにくく、方面隊が2機程度の航空機を維持する。

Rimg_7662   方面ミサイル団。地対艦ミサイル連隊、中距離高射特科連隊、方面移動監視隊、以上を以て編成します。地対艦ミサイル連隊は、88式地対艦誘導弾乃至12式地対艦誘導弾を装備する部隊で、標定車両か電子隊が前進すれば、その長射程を活かし沿岸部の防空が可能となります。中距離高射特科連隊は改良ホークか03式中距離地対空誘導弾を運用する高射特科群で、方面隊後方策源地の戦域防空を担います。第一線旅団に方面隊後方策源地まで防空を担うわけにはいかず、直轄運用案を示しました。方面移動監視隊は、沿岸監視隊機能を部分的に普通科連隊本部管理中隊へ移管し、無人偵察機隊と電子隊を中心とした情報優位の確保への資する編成ともすべきでしょう。

Rimg_8998  方面後方支援団。直接支援連隊、全般支援連隊、方面輸送大隊、方面衛生隊、以上を以て編成します。 直接支援連隊は中隊毎に野整備などの支援を師団後方策源地などに前進し展開する部隊で、全般支援連隊は駐屯地に常設整備施設を配置し中隊毎に重整備の部分で集中整備を行う部隊です。方面輸送大隊は、7tトラックと戦車輸送車を集中し、概ね1400t/300kmの輸送能力を目指すべきでしょう。併せて大隊本部には輸送情報統制の能力を盛り込むべきです。方面衛生隊は現状の編成のまま。

Rimg_7864  方面施設団。建設施設連隊、建設施設連隊、器材施設隊 、以上を以て編成します。現在の施設団編成と似ていますが、編成は根本から改編すべきとし、現在の施設群が各中隊毎に交通や築城に障害といった機能別編成を採っている部分を改め、補給路維持を航空攻撃や砲爆撃などの状況下で維持し第二戦線構築に際しての必要な予備陣地展開などは担いますが、戦闘工兵や障害除去などの任務は装甲機動旅団へ移管することとします。二個連隊基幹としたのは二個旅団への補給路を維持するため。重渡河や架橋は上記の任務から方面隊の任務とします。

Rimg_0476  方面教育団。即応予備自衛官指揮隊、方面指揮所訓練支援隊、教育支援隊、陸曹教育隊、機甲教育隊、編成はこうしたものですが責務は重大です。即応予備自衛官指揮隊は、特務即応予備自衛官特集に関連したもので全ての現役自衛官部隊は機動運用するため即応予備自衛官部隊は有事の際に地域警備任務を担うこととなる、そこで統括指揮する機構を用意し有事の際に後方警備の戦闘団を編成すべく分遣隊を派遣します、教育支援隊は前期教育を第一線部隊で行う際の支援要員を分遣隊として派遣します。機甲教育隊は現在の第1機甲教育隊を解体し全国へ分散配置するもの。陸曹教育隊と方面指揮所訓練支援隊は現行編成と同じ。

Rimg_4450  方面業務会計隊。方面会計群、方面業務群、各駐屯地へ会計隊と業務隊を派遣する際の上級部隊とします。方面通信隊は基地通信群、中枢交換通信隊、搬送通信隊、移動通信隊とし、編成は現状と比して移動通信隊を新編し方面総監部と広域師団の基幹通信回線を構成します。方面警務大隊は共通部隊ですが、方面地区警務隊という現状編成に加えて方面野戦警務中隊を置き、輸送交通統制や第一線における落伍者救出線の構成と等を担う態勢を構築すべきでしょう。 音楽隊と補給処は現状のまま、とすべきですが、音楽隊についてはそのまま方面総監部付とする方策もあるでしょう。

Rimg_3218  以上の部隊をそのまま方面隊直轄として支援集団に主役することで、広域師団とこれを構成する機動旅団は、戦闘に専念し、第二戦線への警戒や後方支援部隊の防御や補給路の維持や増援部隊の受け入れなどといった諸任務を考えず対応することが出来るという事です。そして方面総監は、広域師団と方面支援集団を統括する統合任務部隊司令官を担い、増援部隊の受け入れと戦域の維持や展開の決心を担うこととなります。

北大路機関:はるな

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コメント (7)
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