北大路機関

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信太山駐屯地創設57周年記念行事(2014.04.20)PowerShotG-12撮影速報

2014-04-21 23:56:26 | 陸上自衛隊 駐屯地祭

◆PowerShotG-12撮影方法新技術初展開

 日曜日、信太山駐屯地創設57周年記念行事へ行ってまいりました。EOS-7DとEOS-50Dの写真は未整理ですので、G-12の撮影速報にてその模様を紹介しましょう。

Rimg_4001  信太山駐屯地祭は当方、2006年と2007年に足を運んだことがありますが、その後なかなか他の行事と重なるか、所用が重なって足を運べない事が多かったのですけれども、昨年ご縁があり、本年は久々に阪和線を信太山へと向かうことになりました次第です。

Rimg_4098 信太山駐屯地は第37普通科連隊が駐屯する大阪府唯一の普通科連隊駐屯地で、第37普通科連隊は第3師団隷下の三個普通科連隊のうちの一つとして、大阪市を含めた全域の防衛警備及び災害派遣に当たる連隊です。さて、近場の大阪府ということで、少々手違いがあり、若干予定よりも40分ほど遅れての到着です。

Simg_3895 第37普通科連隊の本部庁舎、第37普通科連隊は河内国石川郡赤坂村、つまりここの地で生を受けた大楠公こと武将楠木正成の菊水紋を引き継ぎ、菊水連隊として知られる普通科連隊です。また、帝国陸軍もここ大阪の地に歩兵第37連隊を置いていたとのこと。

Simg_3898 式典へ整列した第37普通科連隊と第3後方支援連隊第3普通科直接支援中隊の精鋭、鬱蒼と茂った青々とした背景が気になりますが、此処は高台、周りは市街地です。駐屯地には今年度より第10師団から中部方面混成団へ管理替えとなった第49普通科連隊の第3中隊も駐屯しています。

Simg_3899 連隊長吉田壮介1佐が訓示を行います。連隊長は昨年八月に着任されたかたで、前の連隊長は古庄信二1佐、古庄信二1佐は 国際活動教育隊長として転任し、駒門駐屯地司令となりました。先日紹介した駒門駐屯地祭にて訓示を述べられていた方です。

Simg_3904 観閲行進へ。指揮官訓示と来賓祝辞に祝電披露を終えて観閲行進が開始されました。連隊の幕僚が82式指揮通信車に掲げられた連隊旗を先頭に車両にて連隊長へ敬礼します。このあたりで、当方は携行するEOS-7DとEOS-50DとともにG-12による同時撮影を行うのですが、新しい撮影方法を実践しました。

Simg_3910 連隊の隊員による徒歩行進、市街地戦闘用の装備や野戦用装備の隊員が梯団を組んで行進します。このあたりで、G-12の新しい撮影方法を。展開に出遅れたという前述の通り最前列付近を確保できませんでした、これでは携行する小型三脚にG-12を載せレリーズを使用し一眼レフと共に同時撮影といういつもの手法は不可能となります。

Simg_3916 連隊本部及び本部管理中隊の観閲行進。信太山駐屯地は観閲行進にこの勾配を曲がり降りてくる観閲部隊を正面から撮影できる駐屯地として有名です、是非ともG-12でも撮影したい、そこでどうしたか、小型三脚を折りたたむとそのまま三脚を背広のポケットに仕舞い、そこからレリーズで同時撮影した、というもの。

Simg_3940 第37普通科連隊は、連隊本部及び本部管理中隊と第1中隊、第2中隊、第3中隊、第4中隊、第5中隊、重迫撃砲中隊 を基幹としています。第3師団隷下の部隊は2006年の師団改編と共に普通科中隊を増強し、併せて狙撃班の新設なども行いました。

Simg_3951 軽装甲機動車、第37普通科連隊では第5中隊へ装備されています。普通科中隊隷下の小銃小隊小銃班を二両の装甲車両へ分散させることで乗車戦闘展開時の機動展開と火力網の緻密化を期した装備で、MINIMI分隊機銃の拠点や非冷却シーカーの採用で瞬時の戦闘が可能且つ撃ち放し能力をもつ01式軽対戦車誘導弾の機動に活躍します。

Rimg_3975  観閲行進には連隊以外の参加部隊も続きます。写真は姫路駐屯地の第3特科隊FH-70榴弾砲、後ろには大久保駐屯地の第3施設大隊81式自走架橋柱、更にその後ろには姫路駐屯地の第3高射特科大隊からの81式短距離地対空誘導弾の車両が、とその後ろに、と観閲行進は続く。

Simg_3984 03式中距離地対空誘導弾、青野原駐屯地より参加した新鋭車両です。制式化より10年以上を経ましたが改良型を開発しており、野戦用地対空誘導弾の新しい主力として休止活かした改善ホークⅢ型を置き換えています。 1個群の整備には実に10個連隊に3個中隊づつの96式装輪装甲車を整備すると同等の費用を要しますが、野戦防空能力の近代化へ自衛隊は努力を惜しみません。

Simg_3990 第3戦車大隊の74式戦車と96式装輪装甲車、今津駐屯地より参加しました。旧式化著しい74式戦車、今年で制式化より40年を経ました。遠からず全ての74式戦車は機動戦闘車か10式戦車に置き換えられ、駐屯地の広報保存車両として親しまれる第二の人生を送ることとなるでしょう。

Simg_4021 訓練展示模擬戦へ、当方も撮影位置を転換します、幸い端の方は空いていて最前列を確保出来ました。G-12は小型三脚を折りたたむとそのまま三脚を背広のポケットに仕舞い、そこからレリーズで同時撮影した、と紹介しましたが、この方法の利点の一つ、体をよじれば少々苦しいですが訓練展示を一眼レフと共にかなりの部分で撮影出来ました、もちろんフレームは勘頼り。

Simg_4034 訓練展示はこれまで三脚の定点撮影をレリーズで管理していた際に、展開や動きの在りそうな方向にズームし定点撮影するという手法でしたが、体ごと動かすと一眼レフと共に自由度を高めて撮影出来ます、動きがある方向に体を向けるだけですので、なにやらM-3グラント中戦車のような無理が、上の方が大きいカメラですので副砲を車体に備えた五式中戦車というべきでしょうか、やってみたというもの。

Simg_4048 小銃と機関銃が空包の乾いた音を響かせる中、軽装甲機動車より降車展開した普通科隊員、仮設敵の射撃の中で火砲の支援とともに着実に前進してゆきます。先ほどの位置からですと完全に背後から眺めるだけの撮影で、これは移動して正解だったといえるところでしょうね。

Simg_4053 FH-70榴弾砲の射撃と最終弾落下とともに普通科隊員が攻撃前進へ展開しようとするところ。流石にG-12の毎秒2枚の撮影能力ではFH-70榴弾砲の発砲焔、その瞬間を収めるのは不可能だったようです、時として成功することもありますので、やはり油断できないところではあるのですが。

Simg_4060 しかし、その瞬間、仮設敵が装甲車による反撃を試みてきました。重機関銃をどんどんとお腹に響くような音を続けつつ反撃を試みてきます。いきなり180°近く違う位置からの状況の急展開へも新しいG-12の撮影方法ですと、何とか対応できた、というかたち。

Simg_4073 74式戦車が即座に反撃、響く轟音、発砲焔写らず。装甲車は想定撃破されます。ちかく、機動戦闘車に置き換えられるとされる74式戦車ですが、大隊は2個戦車中隊より編成され、第1中隊を師団長直轄、第2中隊を連隊戦闘団へ配属させる方式です。しかし雑談で本当に戦車を全て本土から引き払うことはあるのか、と。

Rimg_4079  300両と戦車は縮小されますが、戦車には戦車でしか対応できない任務も多く、場合によっては師団長の最後の手札として10式戦車を第1中隊へ配備し、装輪車主体の普通科連隊支援にのみ第2中隊へ機動戦闘車を配備するのではないか、と 雑談したところ。その後、普通科部隊は突撃に移行し、敵を撃破、状況は終了しました。

Simg_4087 装備品展示ですが、NBC偵察車、第3特殊武器防護隊のNBC偵察車が初展示されていました。配備されたばかりの装備のようで、千僧駐屯地の第3師団創設記念行事では目玉装備として紹介されるのでしょうね。常連でもこのあたりでは見かけない巨大な車体に多くの方が注目し、記念写真を収めていました。

Simg_4090 装備品展示にて、各種重装備を軽装甲機動車の射場から射撃姿勢を展示する装備品展示が行われていました、こうした装備展示は中々珍しく、間近に見られない対戦車火器の射撃姿勢を撮影することが出来ました。その後、帰りに何故かOB会の方にお酒を御馳走していただき、ほろ酔い気分で帰路に就きました。最後になりましたが、現地でご一緒いただきました皆様、OB会の皆様、ありがとうございました。

北大路機関:はるな

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