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榛名防衛備忘録:中間報告、新体制案下の普通科連隊衛戍管区配置案総覧

2014-04-02 23:46:00 | 北大路機関特別企画

◆装甲機動旅団・航空機動旅団の管区連隊配置案

 新年度最初の記事は昨年度末より続く“榛名防衛備忘録:陸上防衛に関する中間報告”です。

Ndbimg_3271  第7師団(機甲師団)、第2師団:第2旅団(装甲機動旅団)・第5旅団(航空機動旅団)、東北第6師団:第9旅団(装甲機動旅団)・第6旅団(航空機動旅団)、東部第1師団:第1旅団(首都旅団+中即連)・第12旅団(航空機動旅団)・第10旅団(装甲機動旅団)、中部第3師団:第3旅団(装甲機動旅団)・第13旅団(航空機動旅団)、西部第4師団:第4旅団(装甲機動旅団)・第8旅団(航空機動旅団)・第11旅団(水陸機動旅団)、こう提示しました。

Img_4883  6個師団要員6万7000名、ここに航空集団を充てるという案が中間報告です。年度末三回にわたり掲載しましたが、この6個師団案における連隊区の位置づけはどのように配置されるべきか、これは中間報告として提示する位置案ですが、一通り示してみました。

Ndbimg_3614  第7師団は、第7師団(機動運用部隊)、第71戦車連隊、第72戦車連隊、第73戦車連隊、第11普通科連隊、機動運用部隊ですので普通科連隊を基本とした警備管区や予備部隊警備管区は考えていません。後述する第2旅団の第9連隊区を積層配置することで管区を越えた運用の即応体制を維持する必要があるかもしれません。

Ndbimg_1320  第2師団・第2旅団(装甲機動旅団)、第3普通科連隊管区・・・道北北部 、第26普通科連隊管区・・・道北東部、第10普通科連隊管区・・・道北西部。特科連隊、第1大隊・第2大隊・第3大隊・第5大隊(全般支援MLRS)、高射特科隊、施設隊 、通信隊 、後方支援連隊 、飛行隊、旅団隷下部隊は以下の通りですが、対ロシアを想定し、道央山間部に第25連隊警備区か第9連隊警備区を置く必要はあるでしょう。

Ndbimg_0791 第2師団・第2旅団管区は現行の第2師団管区を元として再配置を行いました。現在の師団編制と比較し、遠軽の第25普通科連隊警備区が転出となり、第11旅団警備区である滝川第10普通科連隊警備区へ統合する提案を含んでいます。警備区は近傍で、防衛配備には機動運用で、災害派遣には初動対応が可能な距離です。遠軽駐屯地には師団隷下部隊等を配置し維持します。

Ndbimg_0997 第2師団・第5旅団(航空機動旅団)、第4普通科連隊管区・・・道東南部、第27普通科連隊管区・・・道東北部、第18普通科連隊管区・・・道南北部、第28普通科連隊管区・・・道南南部 。航空連隊、強襲飛行隊・輸送飛行隊・戦闘飛行隊、機動砲大隊、機動砲中隊・機動砲中隊、特科隊、第1中隊・第2中隊・第3中隊・第4中隊、高射特科隊、施設隊、通信隊、 後方支援連隊。戦車を持たず、航空機動重視の軽量編成普通科連隊基幹の部隊配置一案を。

Ndbimg_1786  第11旅団警備区と第5旅団警備区を航空機動旅団として統合し、真駒内に司令部を、帯広と丘珠に航空部隊を駐屯地させる案です。軽量編成のため、4個普通科連隊を維持する案ですが、現在の第5旅団管区より第4連隊区・第6連隊区・第27連隊区のうち第6連隊区を統合し派出、 第11旅団警備区は第10連隊区が前述の通り、第18連隊連隊区と第28連隊区で南北を警備する、というもの。

Ndbimg_4066 第6師団:第9旅団(装甲機動旅団)、第5普通科連隊管区・・・青森県、第21普通科連隊管区・・・秋田県、第39普通科連隊管区・・・岩手県、特科連隊、第1大隊・第2大隊・第3大隊・第5大隊(全般支援MLRS)、高射特科隊、施設隊 、通信隊 、後方支援連隊 、飛行隊、など。他の装甲機動旅団と装備面は共通で戦車44両・装甲戦闘車150両・特科火砲30門・MLRS18門をもつ。

Ndbimg_1274  第9旅団警備管区は現在の第9師団警備区をもとに、基本として変わりません。元々第9師団は冷戦時代に青函地区の防衛警備を任務とし、北海道の師団並の重装備を基本としてきましたので、部隊の運用及び訓練環境としては充分な基盤を持っていると考えます。 

Ndbimg_1348 第6師団:第6旅団(航空機動旅団)、第20普通科連隊管区・・・山形県、第22普通科連隊管区・・・宮城県、第44普通科連隊管区・・・福島県、第50普通科連隊管区・・・栃木県 。航空機動旅団隷下の普通科連隊は、普通科連隊 ・本部管理中隊・第1大隊を基本とし、即応予備自衛官部隊として第2大隊、予備自衛官部隊として第3大隊を持ちます、重迫撃砲は本部管理中隊重迫撃砲小隊扱い。

Ndbimg_2421 第6旅団管区は第6師団管区を基本としていますが、東北南部と首都圏をつなぐ栃木県を新たに第50普通科連隊の編入を以て警備管区とします。つまり、第12旅団管区から編入するというかたちを採ります。第12旅団警備区は後述しますので、そちらを。

Ndbimg_3836 第1師団:第1旅団(首都旅団)、第1普通科連隊管区・・・東京都、第25普通科連隊管区・・・茨城県・千葉県、第31普通科連隊管区・・・神奈川県、第32普通科連隊管区・・・埼玉県、以上です。首都旅団は近接戦闘能力重視、96式装輪装甲車と軽装甲機動車に機動戦闘車を中心とし、普通科連隊 (中央即応連隊型) 本部管理中隊・第1中隊・第2中隊・第3中隊編制、飛行隊は観測ヘリと軽ヘリ重視、特科隊を火力支援に。

Ndbimg_6480  第1旅団(首都旅団)、第25普通科連隊管区を北海道から茨城県及び千葉県の防衛警備管区に充てます。防衛警備管区というよりも連隊管区は第二大隊と第三大隊の予備自衛官部隊教育に充てるため、人口密集地の警備管区は訓練体系の効率化にも寄与するでしょう。他方、神奈川県の第31連隊区を東部方面混成団より再編入、第34連隊区は他旅団へ管区替え。

Ndbimg_8679  第1師団:第12旅団(航空機動)、第2普通科連隊管区・・・新潟県、第13普通科連隊管区・・・長野県、第30普通科連隊管区・・・群馬県、第34普通科連隊管区・・・静岡県・山梨県、警備管区は以上の通り。連隊区というのならば、装甲機動旅団の特科連隊や後方支援連隊、航空機動旅団の航空連隊にも管区を、と、思われるかもしれませんが、機動防衛力と基盤的防衛力の両立を、という主旨から予備大隊を置ける普通科連隊のみとしました。

Img_7300  第12旅団へは第1旅団より管区替えとなった第34連隊区が編入され、静岡県と隣接する山梨県を首都管区から周辺部管区へと転換する提案です。さらに、上越市の高田市の二個連隊区を一個連隊相馬原へ移駐させ、群馬県の訓練体系の最適化を図っています。

Img_3217   第1師団:第10旅団(機動打撃旅団)、第14普通科連隊管区・・・石川県・福井県・富山県、第33普通科連隊管区・・・三重県、第35普通科連隊管区・・・愛知県・岐阜県、以上です。連隊管区は現在のままですが、第1広域師団へ編入されるため方面隊管区は管区替えとする方策を提案しました。

Ndbimg_4607 第10旅団ですが、別案として第1旅団を第1空挺団と統合し第1師団とし、第10旅団と第12旅団を以て東部方面広域師団を編成する、5個広域師団・1個機甲師団・1個首都師団、という案もありえます。なお、第14連隊区は三県を担当するため、警備管区が広すぎるのではないか、という一点を考える必要はあるでしょう。

Ndbimg_3167  第3師団:第3旅団(機動打撃旅団)、第7普通科連隊管区・・・京都府・滋賀県、第36普通科連隊管区・・・兵庫県・岡山県、第37普通科連隊管区・・・大阪府・奈良県・和歌山県、以上です。第3師団と連隊は同じですが、連隊警備管区については第36連隊区へ岡山県が編入されます。

Ndbimg_5894  地理的には、福知山を拠点とする第7連隊警備区に滋賀県が入っていまして距離的に厳しいことと、第37連隊警備区がやはり三県と非常に広いところではありますが、旅団隷下部隊駐屯地があるため、管区であり管区内の駐屯地と連携することが望ましいでしょう。

Ndbimg_5173  ただ、3個連隊を基幹とする装甲機動旅団を現在の第10師団管区と第3師団管区と隣接したため、三県を担当する連隊が近接してしまいました。今津に第49普通科連隊を置き、滋賀県と福井県を管区とし、和歌山駐屯地を高台移転し奈良県と併せて管区とするべく第47普通科連隊の移駐、考えるべきかもしれません。

Ndbimg_8382  第3師団:第13旅団(航空機動旅団)、第8普通科連隊管区・・・鳥取県・島根県、第15普通科連隊管区・・・香川県・徳島県 、第17普通科連隊管区・・・高知県・愛媛県、第46普通科連隊管区・・・広島県・山口県、現在の第13旅団警備区と第14旅団警備区を併せた配置案は以上です。

Img_9770  第13旅団の提案は相当な無理をしています。現在は米子の第8連隊区と山口の第17連隊区に海田市の第47連隊区を置き、第14旅団区には善通寺の第15連隊区と高知の第50連隊区があります第46連隊区へ山口県を編入、そこで山口の第17連隊を高知へ移駐させる案としました、防衛は機動運用、航空機動旅団ですので防災面は問題ないでしょう。

Ndbimg_6373  第4師団:第4旅団(機動打撃旅団)、第16普通科連隊管区・・・長崎県、第19普通科連隊管区・・・福岡県、第40普通科連隊管区・・・佐賀県、以上です。このほか、対馬警備隊管区が独立部隊として置かれていますが、この対馬警備隊については現状維持のままで問題ないでしょう。

Ndbimg_2865  第4旅団警備区は現在の第4師団管区を元に提案しているのですが、連隊数は同じでも即応予備自衛官基幹の福岡第19普通科連隊を現役へ戻し福岡県の管区へ、第16連隊区は大村で現在のまま長崎県を、一方で第40連隊区は北九州市から佐賀県の警備管区、とします。

Img_0794  第4師団:第8旅団(航空機動旅団)、第12普通科連隊管区・・・鹿児島県、第24普通科連隊管区・・・宮崎県、第41普通科連隊管区・・・大分県、第42普通科連隊管区・・・熊本県、以上です。たほう、ここまで航空機動旅団は小型編成の大隊基幹連隊としてきましたが、場合によっては空輸力を重視し、5個普通科連隊基幹を考えてもいいかもしれません。

Ndbimg_9381  第8旅団管区は、大分県の管区を第4師団管区から編入、宮崎県内の二個連隊は一個連隊区へ効率化し、南西諸島管区へまわします。旅団は航空機動旅団としましたが、南西諸島への機動展開において航空旅団は単なる機動運用に留まらない大きな能力が発揮できることでしょう。

Img_6960  第4師団:第11旅団(水陸機動旅団)、第43普通科連隊・・・沖縄各島、第6普通科連隊管区・・・鹿児島県島嶼部、第40普通科連隊管区・・・南西諸島南部、第51普通科連隊管区・・・沖縄本島、以上です。第43連隊区は離島警備隊数個を以て編成します。島嶼部防衛と水陸機動、衛戍地よりは守備隊と機動運用を共に受け持つ編成、というところ。

Img_10260  第11旅団は水陸機動旅団で、第15旅団管区と第8師団管区を一部統合し第11旅団の装備を一部転用し創設する、という案です。むしろ、第11旅団区は警備部隊を集中配備し機動ではなく気道防衛型とし、第8旅団を空中機動重視の水陸機動旅団とする案もありかもしれませんが、中間報告として提示するのは以上の通りです。

北大路機関:はるな

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