■特殊武器防護部隊編成案
装甲機動旅団編制案の概要、今回は部隊を核兵器化学兵器生物兵器から防護し地域除染と国民保護を担う特殊武器防護部隊について。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0e/47/ed3de17941ccd22b05349bbb1d94bb7b.jpg)
特殊武器防護隊は特殊武器防護中隊と特殊武器衛生隊を基幹とするべきです、ただ、旅団配置によっては化学防護隊とする判断も必要でしょう。陸上自衛隊は師団や旅団の編成に関わりなく、大都市近郊に師団乃至旅団司令部を置く基幹部隊へ特殊武器防護隊を隷下に編成し置いています。警備管区による、ということですね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0b/48/28c24d84770b3a6df26c02995276c1c1.jpg)
もちろん、福島第一原子力発電所事故という世界で最も過酷な原子力事故を経験した我が国は、中央の部隊として陸海空共同の旅団規模の原子力災害、これは原発への大規模攻撃による破壊活動や核攻撃と核汚染物質散布も想定した部隊として編成する必要はあるでしょう、が、広域師団隷下の装甲機動旅団のNBC戦能力について。
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化学防護隊に対し特殊武器防護隊は、化学防護隊が糜爛剤や神経剤等化学攻撃へ対処する装備に限定しているのに対し、特殊武器としてほかに含まれます生物兵器や核兵器、そして放射線物質による汚染等に対処する装備を有しており、化学防護車に加えて生物偵察車を、もしくは双方の任務に対応するNBC偵察車が装備に加えられています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/75/3219f42df8bd51955d2afaf9a17bfb9c.jpg)
近年は化学剤監視装置として、遠隔地域へ散布された化学剤等を検知する技術が装備へ反映されました、これは遠隔地域へレーザーを照射し、その反射特性の分析から化学剤汚染を感知するもので、それ以前は検知器に直接化学剤が接触しない限り感知できず、操作要員は感知即防護という鉄則がありましたが、ここが発展、装備の近代化は続き今に至る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/41/8538c314f61a068a1a2760c15c3e058f.jpg)
化学防護任務は第一に散布範囲を偵察し汚染範囲を確定し、第二に除染作業を行う除染部隊を配置しています、検知装置と除染装置だけでしたら普通科連隊等の本部管理中隊にも装備されており、自隊防護を応急的に実施する事だけは可能です。化学防護隊や特殊武器防護隊に配備されており広範囲を除染する除染車3型に対し、普通科部隊等に装備されるのは94式除染装置ですが。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0a/3a/ee95c9835a404022a29b4098511ec522.jpg)
この中で、特殊武器においてもっとも使用される蓋然性が高いのは化学剤です、即効性がありますし攻撃用には殺傷力が大きな神経剤、地域汚染用には持続性が高い糜爛剤、等が使用されます、対して生物剤は遅効性で軍事用途には、特に第一線で戦術的に用いるには、合理的ではありません、発症まで時間がかかりますので、ね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/f6/dc2431efdb3918a395b2da4f4c5e462b.jpg)
特殊武器にあって核兵器は戦術核兵器が第一線において野戦部隊に投射される可能性は、冷戦初期の原子砲、大口径カノン砲から核砲弾を射撃するものですが、配備された当時は僅少ながらあったものの、今日的には非常に少なくなりました、核抑止均衡によるものです、もっとも核防護の準備はどの国も怠りませんが。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/ed/2a11228dc33f2ccfa532703d39c7f3e5.jpg)
こうしたなか、特殊武器防護隊が大都市近郊の部隊に配置されているのは、市街地への特殊武器攻撃が、例えば攪乱を主体とするもの、例えばテロリズムの用途として、用いられる可能性は残っています、核物質を散布し核爆発を伴わずとも地域汚染するダーティボム、また生物兵器散布による民心動揺など、考えられるでしょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/b5/2d1099886c9f4d3f4055f5d3d66623a3.jpg)
このため、特殊武器防護部隊は大都市近郊の部隊には不可欠です、他方、原子力災害という危険は東日本大震災により現実化しており、特殊武器防護部隊、また被爆者除染を迅速に行う必要から、対特殊武器衛生隊を広範に、現在は中央即応集団隷下に対特殊武器衛生隊として2個対特殊武器治療隊が置かれているのみですが、全国配置の必要性はあります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/a4/12e4c25e501c31ffe3018689643f5f8b.jpg)
ただ、中央特殊武器防護隊を増強改編し、中央特殊武器防護旅団として新編し、全国に特殊武器防護群を配置するという選択肢はあるやもしれません、特に原子力事故という油児をどの程度想定するかによりその必要性は変わってきます、この場合、旅団隷下の特殊武器防護隊は化学防護隊へ再編し、部隊防護を第一任務とするべきでしょう。
北大路機関:はるな くらま
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
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装甲機動旅団編制案の概要、今回は部隊を核兵器化学兵器生物兵器から防護し地域除染と国民保護を担う特殊武器防護部隊について。
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特殊武器防護隊は特殊武器防護中隊と特殊武器衛生隊を基幹とするべきです、ただ、旅団配置によっては化学防護隊とする判断も必要でしょう。陸上自衛隊は師団や旅団の編成に関わりなく、大都市近郊に師団乃至旅団司令部を置く基幹部隊へ特殊武器防護隊を隷下に編成し置いています。警備管区による、ということですね。
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もちろん、福島第一原子力発電所事故という世界で最も過酷な原子力事故を経験した我が国は、中央の部隊として陸海空共同の旅団規模の原子力災害、これは原発への大規模攻撃による破壊活動や核攻撃と核汚染物質散布も想定した部隊として編成する必要はあるでしょう、が、広域師団隷下の装甲機動旅団のNBC戦能力について。
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化学防護隊に対し特殊武器防護隊は、化学防護隊が糜爛剤や神経剤等化学攻撃へ対処する装備に限定しているのに対し、特殊武器としてほかに含まれます生物兵器や核兵器、そして放射線物質による汚染等に対処する装備を有しており、化学防護車に加えて生物偵察車を、もしくは双方の任務に対応するNBC偵察車が装備に加えられています。
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近年は化学剤監視装置として、遠隔地域へ散布された化学剤等を検知する技術が装備へ反映されました、これは遠隔地域へレーザーを照射し、その反射特性の分析から化学剤汚染を感知するもので、それ以前は検知器に直接化学剤が接触しない限り感知できず、操作要員は感知即防護という鉄則がありましたが、ここが発展、装備の近代化は続き今に至る。
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化学防護任務は第一に散布範囲を偵察し汚染範囲を確定し、第二に除染作業を行う除染部隊を配置しています、検知装置と除染装置だけでしたら普通科連隊等の本部管理中隊にも装備されており、自隊防護を応急的に実施する事だけは可能です。化学防護隊や特殊武器防護隊に配備されており広範囲を除染する除染車3型に対し、普通科部隊等に装備されるのは94式除染装置ですが。
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この中で、特殊武器においてもっとも使用される蓋然性が高いのは化学剤です、即効性がありますし攻撃用には殺傷力が大きな神経剤、地域汚染用には持続性が高い糜爛剤、等が使用されます、対して生物剤は遅効性で軍事用途には、特に第一線で戦術的に用いるには、合理的ではありません、発症まで時間がかかりますので、ね。
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特殊武器にあって核兵器は戦術核兵器が第一線において野戦部隊に投射される可能性は、冷戦初期の原子砲、大口径カノン砲から核砲弾を射撃するものですが、配備された当時は僅少ながらあったものの、今日的には非常に少なくなりました、核抑止均衡によるものです、もっとも核防護の準備はどの国も怠りませんが。
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こうしたなか、特殊武器防護隊が大都市近郊の部隊に配置されているのは、市街地への特殊武器攻撃が、例えば攪乱を主体とするもの、例えばテロリズムの用途として、用いられる可能性は残っています、核物質を散布し核爆発を伴わずとも地域汚染するダーティボム、また生物兵器散布による民心動揺など、考えられるでしょう。
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このため、特殊武器防護部隊は大都市近郊の部隊には不可欠です、他方、原子力災害という危険は東日本大震災により現実化しており、特殊武器防護部隊、また被爆者除染を迅速に行う必要から、対特殊武器衛生隊を広範に、現在は中央即応集団隷下に対特殊武器衛生隊として2個対特殊武器治療隊が置かれているのみですが、全国配置の必要性はあります。
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ただ、中央特殊武器防護隊を増強改編し、中央特殊武器防護旅団として新編し、全国に特殊武器防護群を配置するという選択肢はあるやもしれません、特に原子力事故という油児をどの程度想定するかによりその必要性は変わってきます、この場合、旅団隷下の特殊武器防護隊は化学防護隊へ再編し、部隊防護を第一任務とするべきでしょう。
北大路機関:はるな くらま
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