■防衛フォーラム
アメリカ軍の2025会計年度予算の話題ですが自衛隊と比較しますとその能力の在り方への思い切った視座と共に金額ではなく切り込んでいる様子が印象的です。
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KC-46空中給油機RVS2.0給油システム開発が大幅に遅延する模様です。KC-46はアメリカ空軍が導入し航空自衛隊も運用する新鋭機ですが、アメリカ国防省のアンドリューハンター次官補がシーパワープロジェクション下院小委員会に説明したところによれば、当初2025年に遅延するとされたRVS2.0が更に2026年に遅れるとしています。
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RVS2.0は空中給油遠隔視覚システムの改良型、KC-135空中給油機などでは外部視察窓を通じて給油ブームを操作していましたが、KC-46はコックピット付近から給油ブームをコリンズエアロスペース社製システムにより遠隔操作する方式を採用しています。現在のシステムは太陽光などのコントラスト変化で映像がゆがむ問題をかかえています。
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KC-46空中給油機は給油システムの問題としてA-10攻撃機など一部の機体へ空中給油できない問題を抱えていましたが、場合によってはRVS2.0が実用化された時点で既にA-10が運用終了している可能性が出てきました。一方、対地攻撃能力の高いA-10はアメリカ本土から有事の際などに欧州へ展開する際、空中給油による支援を必要としています。■
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アメリカ空軍は2025会計予算年度調達でF-15EXとF-35調達を削減します。空軍の戦闘機調達の背景には研究開発予算確保を念頭として新規調達予算を振り分けるとのこと。具体的にはF-35戦闘機を48機の調達予定から42機59億ドルで、F-15EX戦闘爆撃機を24機から18機へ18億ドルで取得すると下方修正するもよう。
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F-15EX戦闘爆撃機は当初104機の調達を計画していましたが2025会計年度を最後に一括取得契約を終了し、全体の調達計画を98機に削減することとなり当初計画の104機よりも調達総数は削減されます。一方、F-35戦闘機は調達数を削減するものの全体の調達計画では1763機を取得する計画に変更はなく、取得期間を長期化で対応するとのこと。
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F-35の調達は継続され、また2025会計年度のアメリカ空軍予算は2175億ドルとなる見通しで、これは2024会計年度予算よりも1.1%、額面にして24億ドル増額されていますが、空軍によれば予算増額が行われてもインフレによる調達コスト増大に見合っていないのが実情であるとしていて、航空機調達を削減する必要に見舞われたとしています。■
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アメリカ空軍は予算削減のためにF-15E戦闘爆撃機など150機以上の戦闘機等を削減します。削減されるのはF-15Eストライクイーグル戦闘爆撃機26機、F-15C/Dイーグル戦闘機65機、F-16ファイティングファルコン戦闘機11機、A-10サンダーボルト攻撃機56機が含まれており、この退役により運用費など20億ドルが節約できるみとおし。
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F-15Eストライクイーグルについては初期の旧型エンジンを搭載したものを退役するとしており、またA-10攻撃機も陸軍が近接航空支援などに必要な航空機であると強調しているものの航空支援はF-35でも可能であるとして退役が一挙に進みます。退役する戦闘機や攻撃機は158機が削減、対して新規にF-35とF-15EXが合計60機調達されます。
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F-22戦闘機についてもアメリカ空軍は初期型に当たるblock20が運用費用が大幅に増大しているために費用対効果が見合わないとして退役を検討していますが、F-22退役は制空作戦能力に響くとして議会が認めていません。F-22は維持されますが、新規調達よりも退役の方が多く、アメリカ空軍は2025会計年度に98機の戦闘機や攻撃機が減勢します。■
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アメリカ空軍はLGM-35Aセンチネル計画の37%もの開発費用超過に悩んでいます。このミサイルは地上配備核抑止力として位置づけられ、核戦力として抑止力の要諦にあるミニットマンⅢ大陸間弾道弾の老朽化を受けてその後継装備として開発しているものですが、開発費は37%も超過しており、2026会計年度に厳しい選択肢を迫られる可能性が。
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LGM-35Aセンチネル計画では2024会計年度に1億4000万ドルが要求され2025会計年度には7億ドルが投じられる計画ですが、計画全体では37億ドルが投じられる見通しであったため、全体で37%の費用が増大しているという。空軍が開発する装備はこのほかB-21レイダー戦略爆撃機やGCAP戦闘機計画などほかにも必要な開発計画がならぶ。
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W-87熱核弾頭を搭載するもので、LGM-35Aセンチネル計画には、主契約企業としてノースロップグラマン社があたり、協力企業として、ロッキードマーティン社、ジェネラルダイナミクス社、ベクテル社、ハネウェル社、エアロジェットロケットダイン社、パーソンズ社、テキストロン社などアメリカの主要防衛産業が参画しています。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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アメリカ軍の2025会計年度予算の話題ですが自衛隊と比較しますとその能力の在り方への思い切った視座と共に金額ではなく切り込んでいる様子が印象的です。
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KC-46空中給油機RVS2.0給油システム開発が大幅に遅延する模様です。KC-46はアメリカ空軍が導入し航空自衛隊も運用する新鋭機ですが、アメリカ国防省のアンドリューハンター次官補がシーパワープロジェクション下院小委員会に説明したところによれば、当初2025年に遅延するとされたRVS2.0が更に2026年に遅れるとしています。
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アメリカ空軍は2025会計予算年度調達でF-15EXとF-35調達を削減します。空軍の戦闘機調達の背景には研究開発予算確保を念頭として新規調達予算を振り分けるとのこと。具体的にはF-35戦闘機を48機の調達予定から42機59億ドルで、F-15EX戦闘爆撃機を24機から18機へ18億ドルで取得すると下方修正するもよう。
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F-15EX戦闘爆撃機は当初104機の調達を計画していましたが2025会計年度を最後に一括取得契約を終了し、全体の調達計画を98機に削減することとなり当初計画の104機よりも調達総数は削減されます。一方、F-35戦闘機は調達数を削減するものの全体の調達計画では1763機を取得する計画に変更はなく、取得期間を長期化で対応するとのこと。
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アメリカ空軍は予算削減のためにF-15E戦闘爆撃機など150機以上の戦闘機等を削減します。削減されるのはF-15Eストライクイーグル戦闘爆撃機26機、F-15C/Dイーグル戦闘機65機、F-16ファイティングファルコン戦闘機11機、A-10サンダーボルト攻撃機56機が含まれており、この退役により運用費など20億ドルが節約できるみとおし。
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アメリカ空軍はLGM-35Aセンチネル計画の37%もの開発費用超過に悩んでいます。このミサイルは地上配備核抑止力として位置づけられ、核戦力として抑止力の要諦にあるミニットマンⅢ大陸間弾道弾の老朽化を受けてその後継装備として開発しているものですが、開発費は37%も超過しており、2026会計年度に厳しい選択肢を迫られる可能性が。
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W-87熱核弾頭を搭載するもので、LGM-35Aセンチネル計画には、主契約企業としてノースロップグラマン社があたり、協力企業として、ロッキードマーティン社、ジェネラルダイナミクス社、ベクテル社、ハネウェル社、エアロジェットロケットダイン社、パーソンズ社、テキストロン社などアメリカの主要防衛産業が参画しています。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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