北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

バフムト後退-ロシア国防省が認める,ルガンスク占領地ミサイル攻撃とロシアブリャンスク近郊でSu-34撃墜

2023-05-14 07:00:41 | 防衛・安全保障
■臨時情報-ウクライナ情勢
 有事の際に日本もウクライナ軍の様に上手く政治と国民と防衛力が協力できるのかという思いと共に、最新情報です。

 CNN報道によればロシア国防省は12日、バフムト北部地域での後退が事実であると認めました。バフムトはロシア民間軍事会社ワグネルなどが攻撃を続けていましたがワグネルは部隊当たりロシア正規軍数倍の弾薬を消費しており、ワグネルの要求を受け限られた弾薬をワグネル優先により支給した結果、補給の限られたロシア軍部隊が後退したかたち。

 バフムトはロシア側がウクライナ東部における交通要衝であると主張し、無理な攻撃を継続していました。そしてこの攻撃は5月9日のソ連対独戦勝記念日までにバフムトを陥落させる狙いがあると推測、この日までに陥落させられなかった事からロシア軍は戦線の後退に移行した可能性があります。ただ、東部地域交通要衝はバフムトだけではありません。
■ルガンスクへ反撃
 2014年以降ロシア勢力圏となっている占領地へ反撃です。

 ルガンスク占領地へウクライナ軍は長距離攻撃を実施しました。ルガンスクは2014年からのウクライナ東部紛争においてロシア軍占領を受けていた地域であり、ルガンスク人民共和国を自称している地域です。長期の占領から2022年ロシアウクライナ戦争以降はロシア側が装甲車両や戦車を修理する重整備工場などが置かれていますが、ここが攻撃された。

 ルガンスクはウクライナ軍の長距離打撃装備であるHIMARS高機動ロケットシステムより運用されるM-30やM-31GMLRSの射程外にありますが、今回の攻撃ではADM-160デコイミサイルと併用した大規模な攻撃であり、囮として防空網をかく乱するADM-160は残骸が回収されました。9年前に事実上占領した占領地への攻撃はロシアには衝撃でしょう。
■Mi-8とSu-34が撃墜
 戦闘機などが撃墜されるのはこの戦争の常ですが報道によれば両国国境付近のロシア側でとなれば話は別です。

 ウクライナ北部地域のロシア側ブリャンスク近郊において、ロシア軍Mi-8ヘリコプターが1機乃至2機とSu-34戦闘爆撃機1機が撃墜されたとのこと。Mi-8ヘリコプターの墜落はロシア国営通信が報じていますが、撃墜か事故かについては発表されていません。またタス通信はブリャンスク州内でSu-34が撃墜されたと報道、Su-35も撃墜との報道もある。

 S-300地対空ミサイルによる攻撃の可能性があります。これは推測ですがS-300はこれまでキエフ防空など縦深の奥に展開していました、しかしNATO援助のペトリオットミサイル供与により首都防空に目処が立ち、射程の長いS-300ミサイルを前線付近へ前進させる事で、地対空ミサイルによる航空優勢確保という選択肢を執り始めたのかもしれません。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« T-38は何故墜落したのか?【... | トップ | 【京都発幕間旅情】近鉄本線... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

防衛・安全保障」カテゴリの最新記事