■指揮通信車232両の後継
フィンランド製のパトリアAMV装甲車はAMVが装甲多目的車両の略称である為に様々な用途が期待される車両です。
陸上自衛隊の次期装甲車にパトリアAMV装甲車が選定されました。96式装輪装甲車の後継として、今後は即応機動連隊へ配備されてゆく事となります、なにしろ即応機動連隊へ既存の総合近代化師団や総合近代化旅団から96式装輪装甲車を掻き集めた為、全国の装甲車配備は大変な混乱となっており、来年度29両を取得する計画ですが、加速の必要がある。
96式装輪装甲車の後継車両は決まった、そして今後自衛隊はもう一つの装甲車両について考えなければなりません、それは96式装輪装甲車よりも古い車両ですが後継車両の見通しがついていない、82式指揮通信車の後継車両です。実際、不意教導団などは82式指揮通信車の老朽化から2010年代後半より96式装輪装甲車を転用する程、深刻な問題なのです。
82式指揮通信車、小松製作所が232両もの多数を配備しましたので、後継車両についても相応の数が必要となります。具体的には当初、特科中隊本部車両として開発されましたが、普通科部隊や高射特科部隊に偵察隊などにも幅広く配備されていますので、特科部隊が1980年代よりは縮小しているものの、その後継車両の需要は、まだ数多い状況なのです。
パトリアAMVを充てられるのか、結論から示しますとパトリアAMVは車体が大きい事から12名の人員を収容できるため、指揮通信車として転用できます。ただ、2023年度防衛予算概算要求を見ますとパトリアAMVは29両が232億円、つまり1両あたり8億円が要求されています、これは89式装甲戦闘車を超える高い取得費用という点が、課題という。
NBC偵察車、小松製作所の車体が転用される可能性はないのか。もともと小松製作所は防衛省に採用されなかった装輪装甲車(改)を1両当たり1億7000万円で量産する計画でしたので、パトリアAMVは4.7倍もの高価な装甲車両となります。もともとNBC偵察車の前型である化学防護車は82式指揮通信車の派生型でしたので、転用の余地は充分あります。
防衛予算は2000年代に入りほぼ20年間、ミサイル防衛という巨大事業を既存の防衛予算の枠内で行う事が求められ、練習機や観測ヘリコプターに掃海艇と救難機、多用途ヘリコプター等など、様々な装備の代替装備調達が棚上げされてきました。この皺寄せが非常に厳しい段階にまで来ているのですが、そろそろ防衛力を再建しなければならない時代です。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
フィンランド製のパトリアAMV装甲車はAMVが装甲多目的車両の略称である為に様々な用途が期待される車両です。
陸上自衛隊の次期装甲車にパトリアAMV装甲車が選定されました。96式装輪装甲車の後継として、今後は即応機動連隊へ配備されてゆく事となります、なにしろ即応機動連隊へ既存の総合近代化師団や総合近代化旅団から96式装輪装甲車を掻き集めた為、全国の装甲車配備は大変な混乱となっており、来年度29両を取得する計画ですが、加速の必要がある。
96式装輪装甲車の後継車両は決まった、そして今後自衛隊はもう一つの装甲車両について考えなければなりません、それは96式装輪装甲車よりも古い車両ですが後継車両の見通しがついていない、82式指揮通信車の後継車両です。実際、不意教導団などは82式指揮通信車の老朽化から2010年代後半より96式装輪装甲車を転用する程、深刻な問題なのです。
82式指揮通信車、小松製作所が232両もの多数を配備しましたので、後継車両についても相応の数が必要となります。具体的には当初、特科中隊本部車両として開発されましたが、普通科部隊や高射特科部隊に偵察隊などにも幅広く配備されていますので、特科部隊が1980年代よりは縮小しているものの、その後継車両の需要は、まだ数多い状況なのです。
パトリアAMVを充てられるのか、結論から示しますとパトリアAMVは車体が大きい事から12名の人員を収容できるため、指揮通信車として転用できます。ただ、2023年度防衛予算概算要求を見ますとパトリアAMVは29両が232億円、つまり1両あたり8億円が要求されています、これは89式装甲戦闘車を超える高い取得費用という点が、課題という。
NBC偵察車、小松製作所の車体が転用される可能性はないのか。もともと小松製作所は防衛省に採用されなかった装輪装甲車(改)を1両当たり1億7000万円で量産する計画でしたので、パトリアAMVは4.7倍もの高価な装甲車両となります。もともとNBC偵察車の前型である化学防護車は82式指揮通信車の派生型でしたので、転用の余地は充分あります。
防衛予算は2000年代に入りほぼ20年間、ミサイル防衛という巨大事業を既存の防衛予算の枠内で行う事が求められ、練習機や観測ヘリコプターに掃海艇と救難機、多用途ヘリコプター等など、様々な装備の代替装備調達が棚上げされてきました。この皺寄せが非常に厳しい段階にまで来ているのですが、そろそろ防衛力を再建しなければならない時代です。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
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・16式MCV 197両 調達中
・NBC偵察車 19両 2015年度が最終調達
・96式APC 381両 2015年度が最終調達
の3種類があり、このあとパトリアAMVが増えます。また装輪IFVが16式のシャーシで作られるようですが、これは必要でしょうか。。。
これらが82式指揮通信車(232両)や87式偵察警戒車(111両)、そして化学防護車(47両)のシリーズを置き換えてゆくことになります。
メンテナンスを楽にするために、なすべきは:
・パトリアAMVベースの新NBC車を40両ほど整備して、最初の30両で残る化学防護車を置き換え。そして後述のAPC型と並行して後期にも20両を生産して、NBC偵察車を置き換え
・パトリアAMVベースの新指揮通信車を240両ほど整備して82式を置き換え
・そしてパトリアAMVのAPCを1200両ほど生産して、96式を置き換え
で良いかと思いました。AMV系列を1500両生産するイメージです。
並行して装軌式IFVを450両整備することで、
○ 戦車300両、装軌IFV 450両、装輪APC 450両で、「戦車中隊2個、装軌IFV中隊3個、装輪APC中隊1個、火器中隊1個(APC化)、本部中隊1個(APC化)」で「重機動連隊」を10個編成。1200名
○ 16式MCV 300両、装輪APC 900両で、「MCV中隊2個、装輪APC中隊4個、火器中隊1個、本部中隊1個」で「中機動連隊」を10個編成。1200名
で悪くないかと。もちろんこれだけ重装備になるので、整備補給大隊を増強しますが、そこには普通科連隊を減らす分を投入すれば良いと思います。
余談ですが、この他に、軽装甲機動車の後継車両を800両ほどでしょうか。軽歩兵+軽装甲機動車中心の「軽機動連隊」や両用連隊、空挺連隊など12-16個ほど整備すれば良いかと思います。
これで
・2個重/中機動連隊基幹の3000名の「重/中旅団」を10個
・2個軽機動連隊基幹の2500名の「軽or空挺旅団」を6-8個
という感じでしょうか。こうすれば、巡航ミサイル・対艦ミサイル連隊、対空ミサイル連隊や、警備隊の人員を捻出できるかと。