■臨時情報-北朝鮮ミサイル
弾道ミサイル実験など慣れたものと思われるかもしれませんが、反撃能力というものを日本が整備しようという最中にあって難しい課題を突き付けました、それは固体燃料という点で、です。
北朝鮮軍は18日午前中に二発の弾道ミサイルを発射しました、朝鮮半島を当方に発射したミサイルは二発とも日本海に落下、日本のEEZ排他的経済水域外に着弾したもよう。ミサイルは日本時間1111時と1152時に発射され、ともに到達高度は550km、飛翔距離は500kmとのこと。飛翔距離と到達高度からみて準中距離弾道弾の可能性があるとのことでした。
ミサイル実験は繰り返されていますが、今回はこれまでとは若干違う背景がありました、日米韓防衛当局は北朝鮮の聴許委ミサイル実験へ警戒を高めてきました、その背景には北朝鮮が15日に固体燃料方式の高出力ロケットモーター実験に成功したと発表しており、新段階の固体燃料方式による長距離弾道ミサイル実験が間近に迫っていると考えられたためです。
固体燃料方式、勘違いされる方がいるようですが液体燃料方式と固体燃料方式では全く構造が異なります、液体燃料方式ではミサイルのエンジンに当たる機関に燃料を吹き込ませ確実かつ効率的に燃焼させる技術が求められます、しかし固体燃料方式ではエンジンではなく燃料の成形が実質的に推進力をもち、エンジン有無という点で根本的に構造が違う。
液体燃料方式、一般論ですが液体燃料の取り扱いは難しい、それはロケット燃料は過酸化水素やヒドラジンなどを用いていて一般の自動車燃料であるガソリンや軽油よりも安定性が低く取り扱いが難しくなっています。そして腐食性が高いために何年も充填して保管することはできず、一般論として発射日程が決まった後で充填するものとなっている。
固体燃料は、通常の地対空ミサイルや空対艦ミサイルなどのミサイル燃料として用いられます。これは安定性が高いためであり、備蓄にも向いていますし移動の際に振動などに対する脆弱性を抑える点でも液体燃料方式よりも有利です。しかし推進力の面で液体燃料方式の方が、酸化剤と燃料を噴射高度に応じ適宜調整できる点でも、有利となっています。
北朝鮮が固体燃料化を急ぐ背景には、固体燃料方式のミサイルの方が備蓄が有利であり、技術的にはKN24短距離弾道弾など固体燃料方式のミサイルを実用化しています、しかしムスダン弾道ミサイルなど射程のながいものはこれまで液体燃料方式が主流で、射程6000kmというKN-08が固体燃料方式によるもっとも射程の長いものと分析されている。
固体燃料、アメリカ本土を射程とする長距離弾道ミサイルを固体燃料方式とできれば、生存性と即応性を高められる、ということでしょう。他方で、ミサイルの備蓄性が高まるということは、移動式発射装置を用い弾道ミサイルが基地に配備されるのではなく発射前の早い段階で演習場や山間部などに航空攻撃を警戒し対空疎開できることにほかなりません。
日本の反撃能力、政府は自衛隊へ多数の射程1000kmから2000km程度のミサイルを配備し、北朝鮮による日本への攻撃が着手された場合にはミサイル基地など軍事施設に限り日本国外であっても攻撃を行う反撃能力整備を進めていますが、今後は攻撃着手がミサイル基地を進発する段階で見極めるという、非常に難しい情報収集能力が求められます。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
弾道ミサイル実験など慣れたものと思われるかもしれませんが、反撃能力というものを日本が整備しようという最中にあって難しい課題を突き付けました、それは固体燃料という点で、です。
北朝鮮軍は18日午前中に二発の弾道ミサイルを発射しました、朝鮮半島を当方に発射したミサイルは二発とも日本海に落下、日本のEEZ排他的経済水域外に着弾したもよう。ミサイルは日本時間1111時と1152時に発射され、ともに到達高度は550km、飛翔距離は500kmとのこと。飛翔距離と到達高度からみて準中距離弾道弾の可能性があるとのことでした。
ミサイル実験は繰り返されていますが、今回はこれまでとは若干違う背景がありました、日米韓防衛当局は北朝鮮の聴許委ミサイル実験へ警戒を高めてきました、その背景には北朝鮮が15日に固体燃料方式の高出力ロケットモーター実験に成功したと発表しており、新段階の固体燃料方式による長距離弾道ミサイル実験が間近に迫っていると考えられたためです。
固体燃料方式、勘違いされる方がいるようですが液体燃料方式と固体燃料方式では全く構造が異なります、液体燃料方式ではミサイルのエンジンに当たる機関に燃料を吹き込ませ確実かつ効率的に燃焼させる技術が求められます、しかし固体燃料方式ではエンジンではなく燃料の成形が実質的に推進力をもち、エンジン有無という点で根本的に構造が違う。
液体燃料方式、一般論ですが液体燃料の取り扱いは難しい、それはロケット燃料は過酸化水素やヒドラジンなどを用いていて一般の自動車燃料であるガソリンや軽油よりも安定性が低く取り扱いが難しくなっています。そして腐食性が高いために何年も充填して保管することはできず、一般論として発射日程が決まった後で充填するものとなっている。
固体燃料は、通常の地対空ミサイルや空対艦ミサイルなどのミサイル燃料として用いられます。これは安定性が高いためであり、備蓄にも向いていますし移動の際に振動などに対する脆弱性を抑える点でも液体燃料方式よりも有利です。しかし推進力の面で液体燃料方式の方が、酸化剤と燃料を噴射高度に応じ適宜調整できる点でも、有利となっています。
北朝鮮が固体燃料化を急ぐ背景には、固体燃料方式のミサイルの方が備蓄が有利であり、技術的にはKN24短距離弾道弾など固体燃料方式のミサイルを実用化しています、しかしムスダン弾道ミサイルなど射程のながいものはこれまで液体燃料方式が主流で、射程6000kmというKN-08が固体燃料方式によるもっとも射程の長いものと分析されている。
固体燃料、アメリカ本土を射程とする長距離弾道ミサイルを固体燃料方式とできれば、生存性と即応性を高められる、ということでしょう。他方で、ミサイルの備蓄性が高まるということは、移動式発射装置を用い弾道ミサイルが基地に配備されるのではなく発射前の早い段階で演習場や山間部などに航空攻撃を警戒し対空疎開できることにほかなりません。
日本の反撃能力、政府は自衛隊へ多数の射程1000kmから2000km程度のミサイルを配備し、北朝鮮による日本への攻撃が着手された場合にはミサイル基地など軍事施設に限り日本国外であっても攻撃を行う反撃能力整備を進めていますが、今後は攻撃着手がミサイル基地を進発する段階で見極めるという、非常に難しい情報収集能力が求められます。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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