■防衛フォーラム
今回も海軍関連の話題を時間が無いので掃海隊群の掃海艇の写真とともに。
ポルトガル海軍多機能母艦がダーメン造船所において起工式を迎えました。多機能母艦はダーメン社が提案する大型艦のひとつで、商船などの設計を応用することで建造費や運用費用を大幅に抑えるとともに全通飛行甲板を採用して様々な任務に対応させるものとなっていて、ポルトガル海軍にとっては初の全通飛行甲板型艦艇でもあります。
多機能母艦の建造はルーマニアのダーメン造船ガラティ工場において実施され、今回の起工式はスチールカットと竜骨設置が執り行われました。式典にはダーメン社のヤンウィムデッカー最高経営責任者、ポルトガルのヌーノメロ国防相、海軍参謀総長グーベイアエメロ提督が出席、この新型艦艇は完成すると満載排水量では9000tとなります。
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ニュージーランド海軍の支援艦マナワヌイが事故により沈没しました。事故は10月5日、サモア近海を航行中に座礁、そのまま火災を起こして転覆し沈没したもの。幸いなことに乗員85名は全員が脱出し負傷者も軽傷2名のみとのこと。海軍艦艇の座礁事故は稀に発生するものですが沈没まで至るのはあまり多い出来事ではありません。
マナワヌイは2019年に就役したもので、満載排水量は5741t、ただ、もともとは民間の石油リグ支援等を目的として2003年にオランダで建造されたものをニュージーランド海軍は1億0300万ドルで取得したもの。ニュージーランド海軍仕様への改修はCOVID-19新型コロナウィルス感染症による社会的影響で大きく後れ、2023年9月に完了した。
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中国海軍向けに建造が進む075型強襲揚陸艦4番艦が旧滬東中華造船のドックに入渠したとのこと。4番艦は2023年12月14日に進水式を迎えていて、2025年には竣工するものとみられています、滬東中華造船は新しく造船施設を構築していて、今回4番艦は進水式を経て旧施設の方で艤装工事を進めているものとなります。
075型強襲揚陸艦は全通飛行甲板を有する中国海軍初の強襲揚陸艦で、満載排水量40000t、全長232m、艦載機としてヘリコプター30機を搭載可能、このほか726A型エアクッション揚陸艇2隻を搭載、兵員1600名を輸送できる能力を持ち、この両用作戦能力はアフリカ地域など中国本土から遠く離れた地域への戦力投射能力確保の表れでしょう。
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中国海軍向けに建造が進む076型強襲揚陸艦1番艦の建造状況について。滬東中華造船所で建造が進んでいる新型揚陸艦は二つの艦橋構造物を配置するツインアイランド構造を採用していますが、これに併せて全通飛行甲板には電磁カタパルトが整備されているものとみられ、UCAV無人戦闘航空機が運用可能とみられているものです。
076型強襲揚陸艦1番艦の建造状況は9月末までに二つの艦橋構造物が建造を完了、また、同じ造船所ではフリゲイト2隻の建造が進んでいる様子なども確認されています。艦橋構造物はマストなどを艤装工事中、10月に入り車両ランプ部分とエレベーター部分の艤装が開始されたとのこと。076型強襲揚陸艦は5万t近い大型艦となるもよう。
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アメリカ海兵隊は沖縄県の那覇軍港にALPV無人艇の試験展開を開始しました。ALPVとは自律型低姿勢船の略称、物資や弾薬などを無人で輸送する装備です。RBC琉球放送によれば、アメリカ海兵隊広報はこの装備を“物資や弾薬の移送は依然として課題で、海兵隊を次世代の戦闘へ導く”として沖縄前方展開の意義を強調しました。
ALPV無人艇とは、アメリカ海兵隊が今後重視する島嶼部での戦闘に際し、孤立した島嶼部への弾薬や食料に燃料などの補給をどのように行うかという問題へ、メキシコ湾でアメリカ当局を悩ましている麻薬密輸船の方式を応用することとしたもの。半没式潜水艇に物資を搭載するもので、MLR海兵沿岸連隊の重要な補給手段となるものです。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
今回も海軍関連の話題を時間が無いので掃海隊群の掃海艇の写真とともに。
ポルトガル海軍多機能母艦がダーメン造船所において起工式を迎えました。多機能母艦はダーメン社が提案する大型艦のひとつで、商船などの設計を応用することで建造費や運用費用を大幅に抑えるとともに全通飛行甲板を採用して様々な任務に対応させるものとなっていて、ポルトガル海軍にとっては初の全通飛行甲板型艦艇でもあります。
多機能母艦の建造はルーマニアのダーメン造船ガラティ工場において実施され、今回の起工式はスチールカットと竜骨設置が執り行われました。式典にはダーメン社のヤンウィムデッカー最高経営責任者、ポルトガルのヌーノメロ国防相、海軍参謀総長グーベイアエメロ提督が出席、この新型艦艇は完成すると満載排水量では9000tとなります。
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ニュージーランド海軍の支援艦マナワヌイが事故により沈没しました。事故は10月5日、サモア近海を航行中に座礁、そのまま火災を起こして転覆し沈没したもの。幸いなことに乗員85名は全員が脱出し負傷者も軽傷2名のみとのこと。海軍艦艇の座礁事故は稀に発生するものですが沈没まで至るのはあまり多い出来事ではありません。
マナワヌイは2019年に就役したもので、満載排水量は5741t、ただ、もともとは民間の石油リグ支援等を目的として2003年にオランダで建造されたものをニュージーランド海軍は1億0300万ドルで取得したもの。ニュージーランド海軍仕様への改修はCOVID-19新型コロナウィルス感染症による社会的影響で大きく後れ、2023年9月に完了した。
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中国海軍向けに建造が進む075型強襲揚陸艦4番艦が旧滬東中華造船のドックに入渠したとのこと。4番艦は2023年12月14日に進水式を迎えていて、2025年には竣工するものとみられています、滬東中華造船は新しく造船施設を構築していて、今回4番艦は進水式を経て旧施設の方で艤装工事を進めているものとなります。
075型強襲揚陸艦は全通飛行甲板を有する中国海軍初の強襲揚陸艦で、満載排水量40000t、全長232m、艦載機としてヘリコプター30機を搭載可能、このほか726A型エアクッション揚陸艇2隻を搭載、兵員1600名を輸送できる能力を持ち、この両用作戦能力はアフリカ地域など中国本土から遠く離れた地域への戦力投射能力確保の表れでしょう。
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中国海軍向けに建造が進む076型強襲揚陸艦1番艦の建造状況について。滬東中華造船所で建造が進んでいる新型揚陸艦は二つの艦橋構造物を配置するツインアイランド構造を採用していますが、これに併せて全通飛行甲板には電磁カタパルトが整備されているものとみられ、UCAV無人戦闘航空機が運用可能とみられているものです。
076型強襲揚陸艦1番艦の建造状況は9月末までに二つの艦橋構造物が建造を完了、また、同じ造船所ではフリゲイト2隻の建造が進んでいる様子なども確認されています。艦橋構造物はマストなどを艤装工事中、10月に入り車両ランプ部分とエレベーター部分の艤装が開始されたとのこと。076型強襲揚陸艦は5万t近い大型艦となるもよう。
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アメリカ海兵隊は沖縄県の那覇軍港にALPV無人艇の試験展開を開始しました。ALPVとは自律型低姿勢船の略称、物資や弾薬などを無人で輸送する装備です。RBC琉球放送によれば、アメリカ海兵隊広報はこの装備を“物資や弾薬の移送は依然として課題で、海兵隊を次世代の戦闘へ導く”として沖縄前方展開の意義を強調しました。
ALPV無人艇とは、アメリカ海兵隊が今後重視する島嶼部での戦闘に際し、孤立した島嶼部への弾薬や食料に燃料などの補給をどのように行うかという問題へ、メキシコ湾でアメリカ当局を悩ましている麻薬密輸船の方式を応用することとしたもの。半没式潜水艇に物資を搭載するもので、MLR海兵沿岸連隊の重要な補給手段となるものです。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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