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【防衛情報】アメリカAH-64E-V6アパッチガーディアンからのスパイクNLOS精密誘導ミサイル射撃試験

2023-03-13 20:01:44 | 先端軍事テクノロジー
特報:世界の防衛,最新論点
 自衛隊ではアパッチの陳腐化により廃止という政府決定とともに用途廃止が始まるのですが、こんな強力な装備を陳腐化というのだからF-35Bでも”陸上”自衛隊に配備するつもりなのか何も考えていないのか。

 アメリカ陸軍はロッキードマーティン社とともに最新のアパッチガーディアンからのスパイクNLOS精密誘導ミサイル射撃試験を成功させました。これは陸軍が1月26日、アリゾナ州のユマ射撃場において実施したもので、ヘリコプター発射型のスパイクNLOS-AURミサイルを射撃、実験は成功しました。実験の射程などは公表されていません。

 AH-64E-V6,アパッチガーディアンの最新型が用いられたこの試験では、二つの状況を想定し、ともに二つの目標に対し二発づつのスパイクNLOS-AURミサイルを投射しています。アパッチヘリコプターは敵防空火器などの能力向上に際し従来の射程数km台のミサイルは陳腐化に晒され、スパイクNLOS-AURミサイルを主要三大計画に位置付けています。

 スパイクNLOS-AURミサイルはイスラエルのラファエル社製、いわゆる視程外精密誘導ミサイルであり、原型は光ファイヴぁー誘導方式を採用していましたが、射程が20㎞を超えるとともにTV誘導方式へ転換しました。AUR型の射程は25kmと発表されていますが、スパイクNLOS2の射程は50㎞に達しASM-1やエクゾセ対艦ミサイル並となります。

 オーストラリア陸軍はUH-60Mブラックホークヘリコプター調達に関する6億5000万ドルの契約を締結しました。これはシコルスキー社との間で、現在運用されている欧州製NH-90多用途ヘリコプターの後継として調達されることとなり、かつて運用していたブラックホークシリーズの最新型を40機調達し、納期は2027年6月30日とされています。

 UH-60M多用途ヘリコプター40機を6億5000万ドルで、この契約には予備部品なども含んでおり、双発搭載されるT700-GE 701Dエンジンを88基、AN/AAR-57 対ミサイル警報システムを44基、H-764U慣性航法装置を96基調達します。オーストラリアは2021年9月まで旧型のS-70A9を運用しており、教育訓練基盤はこれらを応用可能という。

 MRH-90としてNH-90多用途ヘリコプターをエアバスヘリコプター社より導入していたオーストラリア軍ですが、高温多湿の国土とともに高い頻度での洋上飛行やオーストラリア軍の整備基盤に合致せず稼働率が深刻な水準に低下したことで、機種更新完了からわずか6年にしてNH-90はオーストラリア軍での運用を終了することとなりました。

 イギリス軍はAW-101-Mk4/4aマーリン輸送ヘリコプターの近代化改修計画を完了しました。EH-101ヘリコプターとしてアグスタウェストランド社時代に開発されたAW-101ヘリコプターは三発式という複雑な整備体系の一方で高い汎用性と安定した飛行性能を受けイギリス軍ではシーキングヘリコプター以来の重要な機体として重宝されています。

 AW-101-Mk4/4aは従来型のAW-101-Mk3/3aが運用寿命の関係で早晩に退役か延命改修かを求められたことで、その保有する25機について機体老朽化所の延命改修とともに近代化改修を行い、EH-101ヘリコプター開発開始当時は保有されていなかったアルビオン級ドック型揚陸艦やクイーンエリザベス級航空母艦などでの運用能力を強化しました。

 レオパルドヘリコプター社となったかかつてのアグスタ社、改修はヨービルのレオナルド社工場において実施され、最大の変更点はローターブレードとテイル部分を折りたたみ構造とすることでイギリス海兵隊の空母や揚陸艦での勘定運用に対応させることでした。機体は初号機が2016年に初飛行、このほど最後の25号機の改修が完了したようです。

 オランダ軍は最新型のAH-64E-V6アパッチガーディアン戦闘ヘリコプター受領を開始しました。V6はアパッチガーディアンシリーズの最新型であり、これまでの戦闘ヘリコプターが想定しなかった無人機とのMUM共同戦闘能力や極めて高い長射程ミサイルの運用能力と自動診断方式や情報共有による整備負担の劇的な軽減化が特色となっている。

 AH-64E-V6アパッチガーディアン戦闘ヘリコプターの受領は戦闘ヘリコプターを運用する空軍第302飛行隊が展開するロバートグレイ基地において実施、最初の引き渡し式はボーイング社により2機が就役しています。これらの機体は新造機ではなく、過去にオランダ軍が運用していたAH-64Dアパッチロングボウ戦闘ヘリコプターの改造機とのこと。

 AH-64Dアパッチロングボウ戦闘ヘリコプター、その前にもオランダ軍はAH-64Aアパッチヘリコプターを運用しており、空軍からのヘリコプター部隊は陸軍第11空中機動旅団の航空打撃へ骨幹的な能力を提供します。JADOジョイントオールドメインオペレーション機能の保持がこの改修の要諦、オランダ軍のデータリンクを高める事となります。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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