■臨時情報-ウクライナ情勢
有事の際には自衛隊もこの位戦えるように国民が支えられるのでしょうか。
ウクライナ東部バフムトにおいて一か月以上にわたる激戦ですが、ウクライナ軍第93旅団はよく持ちこたえています。ロシア国防省やバフムト正面の戦闘を担当するロシア民間軍事会社ワグネルは盛んにバフムト中心部への進撃を喧伝していますが、幾つかの情報を重ね合わせると整合性が取れない、つまり虚偽かプロパガンダである可能性があるのだ。
遅滞戦闘へ二月下旬、ウクライナ軍はバフムト北方など複数のダムを爆破しました。これはM03号線道路とT0513道路という交通結節点を巧く水没させることとなり、ロシア軍の包囲機動を大きく制約しました。遅滞行動でありいずれ水は引くこととなりますが、攻撃衝力に限界のあるロシア軍にとり、時間こそが重要であり北方を包囲できない点は痛い。
バフムト攻撃の主力は民間軍事会社ワグネルとされていましたが、当初戦火の大きさが喧伝されていたものの、ロシア軍以上に潤沢な砲兵火力と弾薬を補給されていた為であり、二つの道路の水没は弾薬補給に歪な影響を及ぼしています。3月1日以降、ロシア側が大きな前進をできないのは非効率ともいえる大量砲兵火力を兵站が支えられないのも一因です。
ウグレダル戦車戦、ロシア軍は昨年2月にウクライナを四方向から攻撃し、すべての戦線に兵力を分散するという、古典的な戦力集中原則を無視し、各個撃破される失敗を起こしていますが、バフムト攻防戦のさなかにもう一つ、ドネツク州西部において攻勢に出るという、戦力分散を行っています。そして分散した戦力はやはり各個撃破されていました。
ウグレダル戦車戦は2月に発生、ロシア軍が砲兵部隊による攻撃準備射撃に続いて、無人機を用いた綿密な情報収集の上で戦車部隊を前進させたものの、砲兵火力により無力化したと思われたウクライナ軍は無事で、秘匿された掩砲所などに待機していたウクライナ軍戦車隊を見落とし、数日間の戦闘で戦車36両を含む装甲車両130両を喪失しています。
ドネツク州西部でのロシア軍攻撃失敗、これは同時にドネツク州西部でのウクライナ軍反撃を可能とした点に注意が必要です、何故ならこの地域はロシアが要衝としている2014年に占領したクリミア半島とロシア本土を結ぶ補給路があり、クリミア大橋の修理が未だという現状では、ロシア軍はクリミア防衛へ更に兵力分散を強いられる可能性があります。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
有事の際には自衛隊もこの位戦えるように国民が支えられるのでしょうか。
ウクライナ東部バフムトにおいて一か月以上にわたる激戦ですが、ウクライナ軍第93旅団はよく持ちこたえています。ロシア国防省やバフムト正面の戦闘を担当するロシア民間軍事会社ワグネルは盛んにバフムト中心部への進撃を喧伝していますが、幾つかの情報を重ね合わせると整合性が取れない、つまり虚偽かプロパガンダである可能性があるのだ。
遅滞戦闘へ二月下旬、ウクライナ軍はバフムト北方など複数のダムを爆破しました。これはM03号線道路とT0513道路という交通結節点を巧く水没させることとなり、ロシア軍の包囲機動を大きく制約しました。遅滞行動でありいずれ水は引くこととなりますが、攻撃衝力に限界のあるロシア軍にとり、時間こそが重要であり北方を包囲できない点は痛い。
バフムト攻撃の主力は民間軍事会社ワグネルとされていましたが、当初戦火の大きさが喧伝されていたものの、ロシア軍以上に潤沢な砲兵火力と弾薬を補給されていた為であり、二つの道路の水没は弾薬補給に歪な影響を及ぼしています。3月1日以降、ロシア側が大きな前進をできないのは非効率ともいえる大量砲兵火力を兵站が支えられないのも一因です。
ウグレダル戦車戦、ロシア軍は昨年2月にウクライナを四方向から攻撃し、すべての戦線に兵力を分散するという、古典的な戦力集中原則を無視し、各個撃破される失敗を起こしていますが、バフムト攻防戦のさなかにもう一つ、ドネツク州西部において攻勢に出るという、戦力分散を行っています。そして分散した戦力はやはり各個撃破されていました。
ウグレダル戦車戦は2月に発生、ロシア軍が砲兵部隊による攻撃準備射撃に続いて、無人機を用いた綿密な情報収集の上で戦車部隊を前進させたものの、砲兵火力により無力化したと思われたウクライナ軍は無事で、秘匿された掩砲所などに待機していたウクライナ軍戦車隊を見落とし、数日間の戦闘で戦車36両を含む装甲車両130両を喪失しています。
ドネツク州西部でのロシア軍攻撃失敗、これは同時にドネツク州西部でのウクライナ軍反撃を可能とした点に注意が必要です、何故ならこの地域はロシアが要衝としている2014年に占領したクリミア半島とロシア本土を結ぶ補給路があり、クリミア大橋の修理が未だという現状では、ロシア軍はクリミア防衛へ更に兵力分散を強いられる可能性があります。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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