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ウクライナ情勢-イラン最高指導部が無人機ロシア供与の結果巡り二分,シャヘド136と日本の防衛

2023-08-08 07:00:48 | 先端軍事テクノロジー
■防衛情報-ウクライナ戦争
 ロシアがどのようにイランを説得し無人機供与を引き出したかは未知数ですが、イラン製無人機がキエフなど大都市や港湾都市での無差別攻撃の象徴となった事だけは事実です。

 イラン最高指導部内での内紛が発生している、イギリスの対外情報部MI6のムーア長官がチェコでの会合にあわせ7月27日に発表しました。これは日本時間27日付CNN報道に記されていたものですが、イランがロシアへ供与した多数の自爆用無人機がキエフへの無差別爆撃に用いられていることで、イラン最高指導部が動揺しているとのこと。

 自爆用無人機のロシア供与をイラン政府は繰り返し否定していますが、シャヘド136の実物が多数ウクライナで残骸が回収されており、またイラン最高指導部はロシアへイランが無人機供与を行ったことを部分的に認めています。しかし、都市部無差別攻撃に使われる可能性をどの程度当局と最高指導部が調整していたのかがカギとなるのでしょう。

 ロシアへの自爆用無人機供与は、イランがロシア国内へ自爆用無人機工場建設を支援しており、これが2024年にも稼働状態になることで、年間でもかなり多数の、ウクライナ戦争での消費量を考えれば数千機単位、自爆用無人機をロシアが量産する事となり得るため、人道に外れた行為か、現金と技術供与か、を選んだ結果で内紛が生じたようです。
■シャヘド136と日本
 ロシアで生産が始まる大量のシャヘド無人機が東京や大阪を無差別攻撃する可能性はあるのです。

 イラン技術支援によるロシア製自爆無人機量産は、日本国内にも重大な影響を及ぼすこととなります、それはシャヘド136無人機の飛行距離は1800㎞から2500㎞であり、ロシア沿海州から東京や京都、福岡などを十分射程に収めているためです。その迎撃はNEWS電子戦システムや移動型電子戦システム2型、VADS高射機関砲や87式自走高射機関砲ならば非常に簡単ですが。

 VADS高射機関砲は150門を2022年に全廃したばかりであり、L-90高射機関砲もかつては110セットが装備されていましたが2010年までに全廃、87式自走高射機関砲は教育部隊所要を含めても48両しかなく、野戦防空用であるため、都市防空に回すには東京で一個中隊、札幌で一個中隊、大阪については検討、というくらいしか数がありません。

 MQ-9のような滞空時間の長い無人機を導入しAPKWS精密誘導兵器で迎撃するか、一時間当たり運用に200万円ほど要するF-15戦闘機を戦闘空中哨戒させるなどの対策はありますが、決め手ではありません。場合によっては戦闘ヘリコプターを再導入するか、COIN機を導入し早期警戒機をデータリンクさせ迎撃するなど検討が必要です。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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