■防衛情報-ウクライナ戦争
逆攻撃という状況は日本の専守防衛政策を考えた場合に難しいが現実的な要素を突き付けているのです。
イギリス国防省はウクライナ戦況報告においてクルスク逆攻撃の景況を発表しました。これは8月16日付ウクライナ戦況報告によるもので、イギリス国防省がクルスク戦線に関する情報をまとめたのは8月6日の逆攻撃開始以来、10日後にして初の情報となりました。この点については極度の情報不足であるのか、別の理由なのかは不明なのです。
8月6日にウクライナ軍がロシアのクルスク地方に侵攻し、この攻撃の幅は国境地帯40kmにわたるもので、ここから全般にわたって10kmから最大で25㎞まで侵攻に成功したとしています。この地域の防衛状況について、ロシア側も無防備であった訳では無く、国境警備隊を配置していたものの、複数大隊規模の攻撃は想定していなかったもよう。
クルスクでの逆攻撃に対して、イギリス国防省はロシア軍の対応を、混乱と無秩序、と表現しています。ただ、当初の混乱から持ち直しているという評価も行っており、ウクライナ軍前進を阻止するための陣地構築などを行っている、そしてほかのウクライナ国境地域に防衛線を張っているロシア軍部隊も抽出していると対応状況をまとめています。
■防衛情報-ウクライナ戦争
これは平和を手段として用いて結果は可能な範囲での最善を尽くした事にする自己満足的な平和主義か、冷徹な国民の安全を第一に考えるかということ。
逆攻撃という選択肢は専守防衛と両立し得るのか。ウクライナ軍のクルスク逆攻撃は日本の南西防衛など、専守防衛においては完全な受け手とならざるを得ない日本の防衛政策に非常に大きな一石を投じることとなるのかもしれません。ウクライナ軍は、2022年のロシア軍侵攻前にも2014年にクリミア半島を奪われドンバスへ侵攻を受け続けている。
2022年の開戦以後にもハリコフ州再侵攻を受けるなど受け手を強要され続けており、こうした中でウクライナ軍はモスクワやサンクトペテルブルクへ無人機攻撃を断続的に行うなど、反撃能力を行使し続けていますが、ロシア軍は無人機攻撃をかなりの数受けるものの、ロシア軍のウクライナ本土攻撃は止むことはなく、反撃能力だけでは限界があった。
自衛隊の反撃能力整備は、指揮中枢への攻撃を選択肢として曖昧に扱うなど、ウクライナがロシアに対し行っているような行動よりも制約が大きい。ただ、例えば輸送艦1隻分の機械化大隊、仮設敵部隊の第1機械化大隊のような部隊と戦闘ヘリコプター部隊を複数、揚陸する能力を確保するならば、本土進攻を受けた際に有用な要素となり得ます。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
逆攻撃という状況は日本の専守防衛政策を考えた場合に難しいが現実的な要素を突き付けているのです。
イギリス国防省はウクライナ戦況報告においてクルスク逆攻撃の景況を発表しました。これは8月16日付ウクライナ戦況報告によるもので、イギリス国防省がクルスク戦線に関する情報をまとめたのは8月6日の逆攻撃開始以来、10日後にして初の情報となりました。この点については極度の情報不足であるのか、別の理由なのかは不明なのです。
8月6日にウクライナ軍がロシアのクルスク地方に侵攻し、この攻撃の幅は国境地帯40kmにわたるもので、ここから全般にわたって10kmから最大で25㎞まで侵攻に成功したとしています。この地域の防衛状況について、ロシア側も無防備であった訳では無く、国境警備隊を配置していたものの、複数大隊規模の攻撃は想定していなかったもよう。
クルスクでの逆攻撃に対して、イギリス国防省はロシア軍の対応を、混乱と無秩序、と表現しています。ただ、当初の混乱から持ち直しているという評価も行っており、ウクライナ軍前進を阻止するための陣地構築などを行っている、そしてほかのウクライナ国境地域に防衛線を張っているロシア軍部隊も抽出していると対応状況をまとめています。
■防衛情報-ウクライナ戦争
これは平和を手段として用いて結果は可能な範囲での最善を尽くした事にする自己満足的な平和主義か、冷徹な国民の安全を第一に考えるかということ。
逆攻撃という選択肢は専守防衛と両立し得るのか。ウクライナ軍のクルスク逆攻撃は日本の南西防衛など、専守防衛においては完全な受け手とならざるを得ない日本の防衛政策に非常に大きな一石を投じることとなるのかもしれません。ウクライナ軍は、2022年のロシア軍侵攻前にも2014年にクリミア半島を奪われドンバスへ侵攻を受け続けている。
2022年の開戦以後にもハリコフ州再侵攻を受けるなど受け手を強要され続けており、こうした中でウクライナ軍はモスクワやサンクトペテルブルクへ無人機攻撃を断続的に行うなど、反撃能力を行使し続けていますが、ロシア軍は無人機攻撃をかなりの数受けるものの、ロシア軍のウクライナ本土攻撃は止むことはなく、反撃能力だけでは限界があった。
自衛隊の反撃能力整備は、指揮中枢への攻撃を選択肢として曖昧に扱うなど、ウクライナがロシアに対し行っているような行動よりも制約が大きい。ただ、例えば輸送艦1隻分の機械化大隊、仮設敵部隊の第1機械化大隊のような部隊と戦闘ヘリコプター部隊を複数、揚陸する能力を確保するならば、本土進攻を受けた際に有用な要素となり得ます。
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