■自衛隊と防災庁
防災庁というと二十年前に提案されていたのはアメリカのシービーズ海軍工兵隊を髣髴させる組織でしたが。
防災庁は防災行政のデジタル庁を目指すのか。自民党と共に昨今ではれいわ新撰組が提案している防災庁について、もともと自衛隊を国際サンダーバード隊に改編すべきという、憲法学者の意見など、いわば防災能力に特化した組織を創設する事で、国家リソースにおける防衛省の人的リソースなどを奪いかねない存在であると理解されていました、が。
デジタル庁、防災庁が目指すのは国家リソースにおける防災能力の集約ではなく、デジタル庁がデジタル行政分野において示しているような調整機関的な役割ではないのか、と考えるのです、特に自民党が提案しているものについては。実際デジタル庁はデジタル制作を示すだけで、例えば自衛隊が保有しているデジタルリソースを奪ったりはしていない。
消防庁や防衛省が保有するリソースを奪うのではなく調整機関ではないか、こういいますのは仮に防災リソースの集約基幹として防災庁を想定するならば、地方整備局単位で工兵旅団や通信群や無人偵察機隊が必要になり、予備役という概念をここにも当てはめるかは未知数ですが、新たに三万から五万規模の人員を確保する事と成り現実的ではありません。
ナイキミサイルを陸上自衛隊から航空自衛隊に移管した様な方式は有得ないのか、と問われますと、例えば方面隊の施設団などを防災庁に移管した場合、その稼働率を維持するために後方支援隊を移管する必要があり、しかし防災任務に戦闘工兵としての機能は不要ですが、移動は方面輸送隊の支援も必要など、不可分の組織を分割する事は機能不随を生む。
調整機関として、防災庁を考えるならば、例えば能登半島地震を視れば分かりやすいのですが、被災地に関する情報が不明であり、この為に防災の主導を担う石川県庁がどの協力をどの機関に要請するのかがまず初歩で動けず、かといってRQ-4を石川県が航空自衛隊へ貸与を要請する事も出来ません、何が足りないのかの情報集約にたどりつけなかった。
能登半島地震を例に出せば、能登空港を自衛隊が初動の段階で活用できるならば、その後の展開を大きく左右させられたのですが、能登空港の所管は第三種空港であり国土交通省の所管、国土交通省は軍用基地としての復旧、応急マットなどによる復旧ではなく旅客機を運行できる水準まで復旧させる事が管理者責務であり、結果的に時間がかかりました。
地方自治法が憲法の地方自治に関する条文に基づき制定されていますので、国も石川県の対応に限界があったとしても国が石川県を無視して防災政策を主導する事は憲法上問題があり、現行憲法では非常事態法制や緊急事態法制度が整備されていないため、石川県の指揮機能と情報収集機能の想定を超えた災害には法律の面で対応出来なかったのです。
超法規措置、こうした選択肢は有得たのかもしれませんが、一度でも超法規措置を国が主導してしまいますと、南西有事や周辺地域での重要影響事態に良くない前例を残す事と成り、被災地住民と憲法という、本来事前に緊急事態法制を整備していたら避けられた、かけるべきではないはかりを使わざるを得なかった、と解釈すべきなのかもしれません。
しかし、防災庁が調整機関として設置されるならば、自衛隊のリソースと都道府県庁の権限に国土交通省や消防庁に警察庁やDMATなどのリソースを、一元集約する事までは出来なくとも、調整する事が出来ますし、担当大臣を置くことで、責任を取る立場が必要となった場合は政治責任を担当大臣が担う事が出来る。防災庁、どう実現するのか、関心事だ。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
防災庁というと二十年前に提案されていたのはアメリカのシービーズ海軍工兵隊を髣髴させる組織でしたが。
防災庁は防災行政のデジタル庁を目指すのか。自民党と共に昨今ではれいわ新撰組が提案している防災庁について、もともと自衛隊を国際サンダーバード隊に改編すべきという、憲法学者の意見など、いわば防災能力に特化した組織を創設する事で、国家リソースにおける防衛省の人的リソースなどを奪いかねない存在であると理解されていました、が。
デジタル庁、防災庁が目指すのは国家リソースにおける防災能力の集約ではなく、デジタル庁がデジタル行政分野において示しているような調整機関的な役割ではないのか、と考えるのです、特に自民党が提案しているものについては。実際デジタル庁はデジタル制作を示すだけで、例えば自衛隊が保有しているデジタルリソースを奪ったりはしていない。
消防庁や防衛省が保有するリソースを奪うのではなく調整機関ではないか、こういいますのは仮に防災リソースの集約基幹として防災庁を想定するならば、地方整備局単位で工兵旅団や通信群や無人偵察機隊が必要になり、予備役という概念をここにも当てはめるかは未知数ですが、新たに三万から五万規模の人員を確保する事と成り現実的ではありません。
ナイキミサイルを陸上自衛隊から航空自衛隊に移管した様な方式は有得ないのか、と問われますと、例えば方面隊の施設団などを防災庁に移管した場合、その稼働率を維持するために後方支援隊を移管する必要があり、しかし防災任務に戦闘工兵としての機能は不要ですが、移動は方面輸送隊の支援も必要など、不可分の組織を分割する事は機能不随を生む。
調整機関として、防災庁を考えるならば、例えば能登半島地震を視れば分かりやすいのですが、被災地に関する情報が不明であり、この為に防災の主導を担う石川県庁がどの協力をどの機関に要請するのかがまず初歩で動けず、かといってRQ-4を石川県が航空自衛隊へ貸与を要請する事も出来ません、何が足りないのかの情報集約にたどりつけなかった。
能登半島地震を例に出せば、能登空港を自衛隊が初動の段階で活用できるならば、その後の展開を大きく左右させられたのですが、能登空港の所管は第三種空港であり国土交通省の所管、国土交通省は軍用基地としての復旧、応急マットなどによる復旧ではなく旅客機を運行できる水準まで復旧させる事が管理者責務であり、結果的に時間がかかりました。
地方自治法が憲法の地方自治に関する条文に基づき制定されていますので、国も石川県の対応に限界があったとしても国が石川県を無視して防災政策を主導する事は憲法上問題があり、現行憲法では非常事態法制や緊急事態法制度が整備されていないため、石川県の指揮機能と情報収集機能の想定を超えた災害には法律の面で対応出来なかったのです。
超法規措置、こうした選択肢は有得たのかもしれませんが、一度でも超法規措置を国が主導してしまいますと、南西有事や周辺地域での重要影響事態に良くない前例を残す事と成り、被災地住民と憲法という、本来事前に緊急事態法制を整備していたら避けられた、かけるべきではないはかりを使わざるを得なかった、と解釈すべきなのかもしれません。
しかし、防災庁が調整機関として設置されるならば、自衛隊のリソースと都道府県庁の権限に国土交通省や消防庁に警察庁やDMATなどのリソースを、一元集約する事までは出来なくとも、調整する事が出来ますし、担当大臣を置くことで、責任を取る立場が必要となった場合は政治責任を担当大臣が担う事が出来る。防災庁、どう実現するのか、関心事だ。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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