■アメリカ大統領選
アメリカ大統領がだれとなるのかは日本の防衛安全保障とともに世界の安全保障にも大きく影響する命題です。
アメリカ大統領選挙がいよいよです。トランプ政権となるか、ハリス政権となるか。第一次トランプ政権時代には、選挙戦において日本の核武装を認めるなど、非常に不安となる要素が存在していましたが、核武装云々は先ず、トランプ政権成立と共に核武装の背けいには北朝鮮や中国の核に日本自身で向かわせるという視座が在ったと判明しています。
安倍政権時代、非常に早く大統領選挙勝利後、オバマ政権が継続する中で会談の機会を持ち、中国や北朝鮮が大陸間弾道弾を整備しているのは近距離の日本を狙うためではなくアメリカに向けられている、ということを説明するとともに、政権交代後には北朝鮮の相次ぐミサイル実験に日本海へ空母3隻を投入、戦争も辞さない覚悟を示して封じました。
かが表敬訪問、日本の護衛艦をアメリカ大統領が視察したのは史上初めてのものであり、一方、選挙戦当時は中止を示唆していたF-35戦闘機開発を継続することで第五世代戦闘機の流れを決定づけ、NATO脱退も、モンロードクトリンへ回帰し米軍自身が弱体化する懸念がありましたが、強いアメリカを標榜する一環に軍事力を含めた為に杞憂でした。
もしトラ、という、アニメーションのもしドラのような名前で呼ばれていたリスクは、例えば空軍の次世代戦闘機計画や新型ICBM開発がコスト超過であるとして中断される可能性がありますが、国際公序の根幹をゆがめる事は結局、国際公序の恩恵に国力を維持しているアメリカとしては無理にとらないのではないか、という可能性は大きいと思う。
ハリス政権となった場合は、少なくとも現行政策は継続するもので、大きな変化はないでしょう。バイデン政権の大きな失策を一つ上げるとすれば、2022年の時点でロシアがウクライナに侵攻する直前、経済制裁は行うが米軍は派遣しないと大統領が公言し、ロシアのプーチン大統領に経済制裁に耐えればウクライナ併合が可能、と誤認させたことでしょう。
グリーンニューディールという経済政策の目玉は結局、EVシフトの加速などの具体的施策には至らず、所謂ラストベルトといった旧工業地帯では、環境対策と経済対策を騒擾させるには先ず収入、その為の安定雇用を維持する、その前提となる基盤がうしなわれているという根本問題は解決せず、これがバイデン政権経済政策の成果を左右した様におもう。
ハリス政権では問題が生じるのか、と問われれば、グリーンニューディールが想定された成果にほぼほぼ結びつかなかった一方、アメリカ経済を混乱させるインフレはもともとCOVID-19新型コロナウィルス感染症におけるロックダウンを支えた大規模な補助金が労働市場から労働者を遠ざけたという背景もあり、これはトランプ政権時代の施策でした。
トランプ政権が今回の選挙で現実と成れば、大規模な関税措置によるアメリカ国内産業基盤復興を目指す事となるのでしょうが、労働コストと再生基盤構築の費用を考えた場合、結局消費者が入手できる物資が高騰しインフレの悪循環を招く事となりかねません、ただ、環境政策の見直しがおこなわれれば、石油や天然ガスの輸出を行う事は可能となる。
環境政策は夏季の気候変動や台風の巨大化など、実際に影響が出ている分野ではありますが、有権者にいきなり19世紀の生活、少なくとも19世紀の排出基準に戻すという施策に必要なコストを呑ませるには、現状もう少し補助金などが必要であり、無理があるのではないか、こうした考えの有権者が投票行動でどちらかを選ぶ背景となるようにもおもう。
これは例えば、近年ノルウェーが大規模なEVシフトに成功した背景に海底油田開発による国内石油産業の振興による可処分所得増大が在った、ということを視れば理解できるもので、環境対策のコストを支払う難しさは無視できない、コストの大きさを無視させるとすれば気候変動による災害リスクのコストと均衡点が傾いた場合、くらいなのでしょうか。
現状が前者なのか後者なのかは実に難しいところで、結局その民意が反映されるところが今回の大統領選なのかもしれません。トランプリスクという言葉もありますが、バイデン政権路線のハリス政権への継承も現状が万能ではない事を示している。しかし双方ともに万能策はなく、同時に劇的副作用もない。選挙の投票結果は非常に大きな、関心事です。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
アメリカ大統領がだれとなるのかは日本の防衛安全保障とともに世界の安全保障にも大きく影響する命題です。
アメリカ大統領選挙がいよいよです。トランプ政権となるか、ハリス政権となるか。第一次トランプ政権時代には、選挙戦において日本の核武装を認めるなど、非常に不安となる要素が存在していましたが、核武装云々は先ず、トランプ政権成立と共に核武装の背けいには北朝鮮や中国の核に日本自身で向かわせるという視座が在ったと判明しています。
安倍政権時代、非常に早く大統領選挙勝利後、オバマ政権が継続する中で会談の機会を持ち、中国や北朝鮮が大陸間弾道弾を整備しているのは近距離の日本を狙うためではなくアメリカに向けられている、ということを説明するとともに、政権交代後には北朝鮮の相次ぐミサイル実験に日本海へ空母3隻を投入、戦争も辞さない覚悟を示して封じました。
かが表敬訪問、日本の護衛艦をアメリカ大統領が視察したのは史上初めてのものであり、一方、選挙戦当時は中止を示唆していたF-35戦闘機開発を継続することで第五世代戦闘機の流れを決定づけ、NATO脱退も、モンロードクトリンへ回帰し米軍自身が弱体化する懸念がありましたが、強いアメリカを標榜する一環に軍事力を含めた為に杞憂でした。
もしトラ、という、アニメーションのもしドラのような名前で呼ばれていたリスクは、例えば空軍の次世代戦闘機計画や新型ICBM開発がコスト超過であるとして中断される可能性がありますが、国際公序の根幹をゆがめる事は結局、国際公序の恩恵に国力を維持しているアメリカとしては無理にとらないのではないか、という可能性は大きいと思う。
ハリス政権となった場合は、少なくとも現行政策は継続するもので、大きな変化はないでしょう。バイデン政権の大きな失策を一つ上げるとすれば、2022年の時点でロシアがウクライナに侵攻する直前、経済制裁は行うが米軍は派遣しないと大統領が公言し、ロシアのプーチン大統領に経済制裁に耐えればウクライナ併合が可能、と誤認させたことでしょう。
グリーンニューディールという経済政策の目玉は結局、EVシフトの加速などの具体的施策には至らず、所謂ラストベルトといった旧工業地帯では、環境対策と経済対策を騒擾させるには先ず収入、その為の安定雇用を維持する、その前提となる基盤がうしなわれているという根本問題は解決せず、これがバイデン政権経済政策の成果を左右した様におもう。
ハリス政権では問題が生じるのか、と問われれば、グリーンニューディールが想定された成果にほぼほぼ結びつかなかった一方、アメリカ経済を混乱させるインフレはもともとCOVID-19新型コロナウィルス感染症におけるロックダウンを支えた大規模な補助金が労働市場から労働者を遠ざけたという背景もあり、これはトランプ政権時代の施策でした。
トランプ政権が今回の選挙で現実と成れば、大規模な関税措置によるアメリカ国内産業基盤復興を目指す事となるのでしょうが、労働コストと再生基盤構築の費用を考えた場合、結局消費者が入手できる物資が高騰しインフレの悪循環を招く事となりかねません、ただ、環境政策の見直しがおこなわれれば、石油や天然ガスの輸出を行う事は可能となる。
環境政策は夏季の気候変動や台風の巨大化など、実際に影響が出ている分野ではありますが、有権者にいきなり19世紀の生活、少なくとも19世紀の排出基準に戻すという施策に必要なコストを呑ませるには、現状もう少し補助金などが必要であり、無理があるのではないか、こうした考えの有権者が投票行動でどちらかを選ぶ背景となるようにもおもう。
これは例えば、近年ノルウェーが大規模なEVシフトに成功した背景に海底油田開発による国内石油産業の振興による可処分所得増大が在った、ということを視れば理解できるもので、環境対策のコストを支払う難しさは無視できない、コストの大きさを無視させるとすれば気候変動による災害リスクのコストと均衡点が傾いた場合、くらいなのでしょうか。
現状が前者なのか後者なのかは実に難しいところで、結局その民意が反映されるところが今回の大統領選なのかもしれません。トランプリスクという言葉もありますが、バイデン政権路線のハリス政権への継承も現状が万能ではない事を示している。しかし双方ともに万能策はなく、同時に劇的副作用もない。選挙の投票結果は非常に大きな、関心事です。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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