■世界で浜松基地だけの展示
静岡県の浜松市まで遠出したのだから是非とも見上げたい飛行展示はと問われたならば筆頭にあげるのはこちら。
E-767早期警戒管制機、AWACSという飛行展示で自衛隊は元々E-3セントリー早期警戒管制機を導入する検討を重ねていたのですが、検討を重ねているうちに肝心のボーイング707の生産が終了してしまい、ボーイング767にAPY-2レーダーなどを搭載する事になる。
E-3,段階近代化改修と処理能力強化により、数百から数千の航空機情報を処理し、このなかで脅威度の高い目標の選定や、要撃機の誘導と航空作戦の主導も可能となりますので、これがあるかないかでは、航空作戦に勝てるか勝てないのかが左右されるほどの重要装備だ。
浜松基地にしか配備されていないのがE-767,航空自衛隊しか装備していない航空機なのですからE-767は世界でもここ浜松基地でしか装備されていない航空機で、千歳基地航空祭などほかの航空祭で展示される事はあっても機動飛行を行うのはまさに世界でここだけ。
航空優勢を確保する上で必要な航空機ですので、中国軍などは浜松基地を擬した射撃場を砂漠の真ん中に造成して、E-767が離陸する前に弾道ミサイルで破壊する訓練を行われているといい、その擬似E-767はちょっと驚くのですが衛星写真にもしっかり写っているほど。
早期警戒管制機、要撃管制官が多数搭乗でき、また機内容積も大きなAWACSは能力向上改修を幾度も重ねてもなお広い利点はあり、なにしろ自衛隊では1990年代に導入した装備ではあるのですが、ただ、先行して各国が導入したE-3については耐用年数が迫ります。
E-7Aウェッジテイル、イギリスとアメリカはボーイング737を原型としたE-7AをE-3の後継機に充てていまして、今月、NATOの協同運用機とされているE-3の後継機にもE-7Aが選定され、カヌー型レーダーを搭載したE-7Aへ今後欧米は一気に置換えが進む構図で。
APY-2レーダーという、E-767もE-3も同じ回転式のレーダーを搭載しているものなのですが、このAPY－２レーダーを中心としたシステムそのものが徐々に置換えられてゆきますと、航空自衛隊のE-767についてもこれから、どの程度運用を継続できるのかな、と。
自衛隊も最終的にE-7Aを採用する他ないのか、と考えつつ少々難しく感じるのは自衛隊が導入するE-2D早期警戒機です。ボーイング767とボーイング737をみますと驚くほど737は小ぶりだと感じさせられ、実際問題E-3と比較してE-7は小型ということで採用された。
P-8ポセイドン、ボーイング737派生型の軍用機としては多目的哨戒機のP-8が有名ですが、海上自衛隊のP-1哨戒機と並んだ様子をみますと、角度によってはP-1の方がおおっく見えるほど。これをみると何故早期警戒管制機を小型化するのか、とおもうのですが。
P-1哨戒機と同じくらいに小型化する背景には、空対空ミサイルの射程が延伸して数百km先の航空機を捕捉できるといっても、射程数百kmのミサイルの脅威に曝される事となり、要するに大きすぎるE-3のような航空機では将来の航空戦では生き残れない可能性が。
レーダーシステムをP-1に搭載、という考えは間違いです、P-1哨戒機の上昇限度はボーイング737に及ばず、空中警戒機の用途を考えるとP-1はもともと空中警戒機として想定されていない。けれどもE-2DとE-7Aでは、若干用途が重なる、特に小型化という点で。
自衛隊の空中警戒管制機、早期警戒管制機は遠くない将来、アメリカのAPY-2レーダーのアップデートが終了しますと寿命を絶たれる事となるのですが、その後継機はどういった航空機となるのか、将来の防空がどのように展開するのか、これは注意深く見てゆきたい。
北大路機関：はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
静岡県の浜松市まで遠出したのだから是非とも見上げたい飛行展示はと問われたならば筆頭にあげるのはこちら。
E-767早期警戒管制機、AWACSという飛行展示で自衛隊は元々E-3セントリー早期警戒管制機を導入する検討を重ねていたのですが、検討を重ねているうちに肝心のボーイング707の生産が終了してしまい、ボーイング767にAPY-2レーダーなどを搭載する事になる。
E-3,段階近代化改修と処理能力強化により、数百から数千の航空機情報を処理し、このなかで脅威度の高い目標の選定や、要撃機の誘導と航空作戦の主導も可能となりますので、これがあるかないかでは、航空作戦に勝てるか勝てないのかが左右されるほどの重要装備だ。
浜松基地にしか配備されていないのがE-767,航空自衛隊しか装備していない航空機なのですからE-767は世界でもここ浜松基地でしか装備されていない航空機で、千歳基地航空祭などほかの航空祭で展示される事はあっても機動飛行を行うのはまさに世界でここだけ。
航空優勢を確保する上で必要な航空機ですので、中国軍などは浜松基地を擬した射撃場を砂漠の真ん中に造成して、E-767が離陸する前に弾道ミサイルで破壊する訓練を行われているといい、その擬似E-767はちょっと驚くのですが衛星写真にもしっかり写っているほど。
早期警戒管制機、要撃管制官が多数搭乗でき、また機内容積も大きなAWACSは能力向上改修を幾度も重ねてもなお広い利点はあり、なにしろ自衛隊では1990年代に導入した装備ではあるのですが、ただ、先行して各国が導入したE-3については耐用年数が迫ります。
E-7Aウェッジテイル、イギリスとアメリカはボーイング737を原型としたE-7AをE-3の後継機に充てていまして、今月、NATOの協同運用機とされているE-3の後継機にもE-7Aが選定され、カヌー型レーダーを搭載したE-7Aへ今後欧米は一気に置換えが進む構図で。
APY-2レーダーという、E-767もE-3も同じ回転式のレーダーを搭載しているものなのですが、このAPY－２レーダーを中心としたシステムそのものが徐々に置換えられてゆきますと、航空自衛隊のE-767についてもこれから、どの程度運用を継続できるのかな、と。
自衛隊も最終的にE-7Aを採用する他ないのか、と考えつつ少々難しく感じるのは自衛隊が導入するE-2D早期警戒機です。ボーイング767とボーイング737をみますと驚くほど737は小ぶりだと感じさせられ、実際問題E-3と比較してE-7は小型ということで採用された。
P-8ポセイドン、ボーイング737派生型の軍用機としては多目的哨戒機のP-8が有名ですが、海上自衛隊のP-1哨戒機と並んだ様子をみますと、角度によってはP-1の方がおおっく見えるほど。これをみると何故早期警戒管制機を小型化するのか、とおもうのですが。
P-1哨戒機と同じくらいに小型化する背景には、空対空ミサイルの射程が延伸して数百km先の航空機を捕捉できるといっても、射程数百kmのミサイルの脅威に曝される事となり、要するに大きすぎるE-3のような航空機では将来の航空戦では生き残れない可能性が。
レーダーシステムをP-1に搭載、という考えは間違いです、P-1哨戒機の上昇限度はボーイング737に及ばず、空中警戒機の用途を考えるとP-1はもともと空中警戒機として想定されていない。けれどもE-2DとE-7Aでは、若干用途が重なる、特に小型化という点で。
自衛隊の空中警戒管制機、早期警戒管制機は遠くない将来、アメリカのAPY-2レーダーのアップデートが終了しますと寿命を絶たれる事となるのですが、その後継機はどういった航空機となるのか、将来の防空がどのように展開するのか、これは注意深く見てゆきたい。
北大路機関：はるな くらま ひゅうが いせ
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