■画期的リチウムイオン潜水艦
戦史を知り旧海軍軽巡洋艦の活躍と悲劇を回顧しますと、現在の海上自衛隊艦名基準に少々思うところが出てくるのですね。

おうりゅう。世界初のリチウムイオン電池潜水艦となりまして、要するに燃料電池方式やスターリング機関方式といったAIP推進方式、非大気依存方式潜水艦へ、従来の鉛電池とディーゼル発電器をあわせたデイーゼルエレクトリック推進方式潜水艦からAIP潜水艦への転換という世界的な潮流への日本初の潜水艦における技術革新を提示したかたち。

そうりゅう型潜水艦はAIP潜水艦として開発され、実は新潜水艦おうりゅう、がリチウムイオン電池を搭載すると聞きました当時、AIP区画をそのままに鉛電池を、その区画のみをリチウムイオン電池方式とするように理解していたのですが、AIP区画そのものをリチウムイオン電池区画に改める、という情報に接した際、AIPもか意外だ、と驚きました。

AIP潜水艦に代わるリチウムイオン電池潜水艦は、AIP機関を有さずとも大きな水中航行能力を有していまして、続き建造される3000t型潜水艦は水中排水量で4200tに達し、その作戦能力は環太平洋地域全域やインド洋海域まで延伸する、文字通りグローバルな作戦能力を有するわけで、それ故に新しい艦名の領域に転換するべきではないか、と思う。

潜水艦と伝統艦名について。海上自衛隊は現在の2900t型潜水艦として建造された潜水艦そうりゅう型に続いて新たに3000t型潜水艦の建造を開始します。そこで新型潜水艦について、旧海軍の勇名を馳せた殊勲艦の艦名で、海上自衛隊創設以来護衛艦名へと踏襲されつつ、しかし昨今採用されていない艦名を再度踏襲させる事は出来ないものでしょうか。

そうりゅう型潜水艦、瑞祥動物、敢えて瑞祥動物を艦名に冠した点は何故なのでしょうか。ここで考えてみますと世界各国では、といいましても海軍史を継承している海軍は海上自衛隊と共にアメリカ海軍やイギリス海軍とフランス海軍やイタリア海軍にロシア海軍と限られますが、アメリカ海軍オハイオ級戦略ミサイル原潜には戦艦の艦名が充てられる。

戦艦の艦名を潜水艦が踏襲している、合衆国連邦各州は第二次世界大戦中に戦艦が冠していた艦名ですが、現在は戦略ミサイル原潜、そして改造された巡航ミサイル原潜の艦名に冠せられており、それだけ期待も大きい、そして蒼龍、雲龍の艦名を潜水艦に冠したのも海上自衛隊の期待の現れ、という見解を海軍に詳しい方にお教えいただいた事があります。

イギリス海軍も原子力潜水艦にラミリーズやレゾリューション、ヴァリアントといった第二次世界大戦中の海戦史に少しでも知識があれば思い浮かぶ殊勲艦の艦名が踏襲されています。ボストンはじめ、アメリカ海軍ロスアンゼルス級攻撃型原潜の艦名は第二次大戦中の重巡洋艦の艦名を踏襲しています。無論、海上自衛隊も潜水艦に駆逐艦名を付けた事が。

そうりゅう、うんりゅう、はくりゅう、けんりゅう、ずいりゅう、こくりゅう、じんりゅう、せきりゅう、せいりゅう、しょうりゅう、潜水艦そうりゅう型は今年も8126号艦が進水式を控えています。雲龍、海軍史を俯瞰したならば蒼龍ほど武勲に恵まれた艦名であったかには見解が分かれる事となるでしょうが、若干感じなくもないのは気のせいでしょう。

そろそろ、ネタ切れ、といいますか艦名が払底しているのではないか、と。旧海軍の歴史に残る殊勲艦の瑞祥動物艦名は、瑞鶴や鳳翔に飛龍と隼鷹や大鳳、と瑞祥動物は多々ありますが、海に棲む瑞祥動物というより海上に在る印象、少々潜水艦には厳しいもの。潜水艦に河川名を冠する事はできないか。河川名とは日本海軍が軽巡洋艦に冠した艦名です。

空母の艦名が途中から地名に切り替わったように、もう一つの殊勲艦、そして現在海上自衛隊では建造されていない、河川名を冠した艦名へ転換する時機が、来ているのではないでしょうか。河川名が冠せられた旧海軍の水上戦闘艦、それは軽巡洋艦です。水雷戦隊旗艦として各国の嚮導駆逐艦的な運用に充てられ、後には空母部隊直衛等も担っていました。

そうりゅう型の艦名を殊勲艦として空母蒼龍から継承させた、という構図が成り立ちならば、そろそろ使える艦名は使い切っており、そもそも海上自衛隊は潜水艦を16隻から22隻へ増強する一大事業を推進中です、日本海軍は相当な数の空母を、改造空母も含めれば2隻、建造していますが、瑞祥動物ばかりの艦名ではなく、そろそろ転換点が来たのでは。

実は艦名というものは少なからず乗員の士気に影響を与える、とはOBの方のお話しで、単なる精神論だけではない、と聞いた事があります。その中で軽巡洋艦の艦名、かつては小型護衛艦に冠していましたが、昨今小型護衛艦を建造しない時代となり、軽巡洋艦の艦名を踏襲する自衛艦が現在無い状況下で敢えて潜水艦に冠するべきではないかと思います。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
戦史を知り旧海軍軽巡洋艦の活躍と悲劇を回顧しますと、現在の海上自衛隊艦名基準に少々思うところが出てくるのですね。

おうりゅう。世界初のリチウムイオン電池潜水艦となりまして、要するに燃料電池方式やスターリング機関方式といったAIP推進方式、非大気依存方式潜水艦へ、従来の鉛電池とディーゼル発電器をあわせたデイーゼルエレクトリック推進方式潜水艦からAIP潜水艦への転換という世界的な潮流への日本初の潜水艦における技術革新を提示したかたち。

そうりゅう型潜水艦はAIP潜水艦として開発され、実は新潜水艦おうりゅう、がリチウムイオン電池を搭載すると聞きました当時、AIP区画をそのままに鉛電池を、その区画のみをリチウムイオン電池方式とするように理解していたのですが、AIP区画そのものをリチウムイオン電池区画に改める、という情報に接した際、AIPもか意外だ、と驚きました。

AIP潜水艦に代わるリチウムイオン電池潜水艦は、AIP機関を有さずとも大きな水中航行能力を有していまして、続き建造される3000t型潜水艦は水中排水量で4200tに達し、その作戦能力は環太平洋地域全域やインド洋海域まで延伸する、文字通りグローバルな作戦能力を有するわけで、それ故に新しい艦名の領域に転換するべきではないか、と思う。

潜水艦と伝統艦名について。海上自衛隊は現在の2900t型潜水艦として建造された潜水艦そうりゅう型に続いて新たに3000t型潜水艦の建造を開始します。そこで新型潜水艦について、旧海軍の勇名を馳せた殊勲艦の艦名で、海上自衛隊創設以来護衛艦名へと踏襲されつつ、しかし昨今採用されていない艦名を再度踏襲させる事は出来ないものでしょうか。

そうりゅう型潜水艦、瑞祥動物、敢えて瑞祥動物を艦名に冠した点は何故なのでしょうか。ここで考えてみますと世界各国では、といいましても海軍史を継承している海軍は海上自衛隊と共にアメリカ海軍やイギリス海軍とフランス海軍やイタリア海軍にロシア海軍と限られますが、アメリカ海軍オハイオ級戦略ミサイル原潜には戦艦の艦名が充てられる。

戦艦の艦名を潜水艦が踏襲している、合衆国連邦各州は第二次世界大戦中に戦艦が冠していた艦名ですが、現在は戦略ミサイル原潜、そして改造された巡航ミサイル原潜の艦名に冠せられており、それだけ期待も大きい、そして蒼龍、雲龍の艦名を潜水艦に冠したのも海上自衛隊の期待の現れ、という見解を海軍に詳しい方にお教えいただいた事があります。

イギリス海軍も原子力潜水艦にラミリーズやレゾリューション、ヴァリアントといった第二次世界大戦中の海戦史に少しでも知識があれば思い浮かぶ殊勲艦の艦名が踏襲されています。ボストンはじめ、アメリカ海軍ロスアンゼルス級攻撃型原潜の艦名は第二次大戦中の重巡洋艦の艦名を踏襲しています。無論、海上自衛隊も潜水艦に駆逐艦名を付けた事が。

そうりゅう、うんりゅう、はくりゅう、けんりゅう、ずいりゅう、こくりゅう、じんりゅう、せきりゅう、せいりゅう、しょうりゅう、潜水艦そうりゅう型は今年も8126号艦が進水式を控えています。雲龍、海軍史を俯瞰したならば蒼龍ほど武勲に恵まれた艦名であったかには見解が分かれる事となるでしょうが、若干感じなくもないのは気のせいでしょう。

そろそろ、ネタ切れ、といいますか艦名が払底しているのではないか、と。旧海軍の歴史に残る殊勲艦の瑞祥動物艦名は、瑞鶴や鳳翔に飛龍と隼鷹や大鳳、と瑞祥動物は多々ありますが、海に棲む瑞祥動物というより海上に在る印象、少々潜水艦には厳しいもの。潜水艦に河川名を冠する事はできないか。河川名とは日本海軍が軽巡洋艦に冠した艦名です。

空母の艦名が途中から地名に切り替わったように、もう一つの殊勲艦、そして現在海上自衛隊では建造されていない、河川名を冠した艦名へ転換する時機が、来ているのではないでしょうか。河川名が冠せられた旧海軍の水上戦闘艦、それは軽巡洋艦です。水雷戦隊旗艦として各国の嚮導駆逐艦的な運用に充てられ、後には空母部隊直衛等も担っていました。

そうりゅう型の艦名を殊勲艦として空母蒼龍から継承させた、という構図が成り立ちならば、そろそろ使える艦名は使い切っており、そもそも海上自衛隊は潜水艦を16隻から22隻へ増強する一大事業を推進中です、日本海軍は相当な数の空母を、改造空母も含めれば2隻、建造していますが、瑞祥動物ばかりの艦名ではなく、そろそろ転換点が来たのでは。

実は艦名というものは少なからず乗員の士気に影響を与える、とはOBの方のお話しで、単なる精神論だけではない、と聞いた事があります。その中で軽巡洋艦の艦名、かつては小型護衛艦に冠していましたが、昨今小型護衛艦を建造しない時代となり、軽巡洋艦の艦名を踏襲する自衛艦が現在無い状況下で敢えて潜水艦に冠するべきではないかと思います。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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ともかく、インド洋まで出張るなら何らかのサポート、快適な潜水母艦か根拠地が欲しいですね。
次世代が楽しみです。
話し変わりますが、護衛艦から潜水艦母艦機能が無くなったので、近海のみが活動範囲と思ってました。 水上艦艇と同じエリアが守備範囲なのですね。