イキイキと生きる!

縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

大切にしたい問い掛け!(古今東西 2/10)

2013-05-31 | 第三章「無意識の世界」

 昨晩は、映画の試写会の券をいただき「奇跡のリンゴ」を観た。青森の岩木山が綺麗に見えるリンゴ農家の素晴らしい話だ。詳細は公式ホームページをご覧にいただければと思うが、何のために生きるのか?を考えさせる映画であることは間違いない(回答がなくても考え続けることが大事)。生き甲斐の心理学で大切にしているテーマでもあり、多くの方に見ていただきたいと思った。

 先日行った遠野も岩木山のリンゴ農園と同じように山が綺麗だった。六甲牛山が印象深い(良く見えるので)が、遠くに運良くみえた早池峰山(写真)は感動した。

 さて、青森といえば三内丸山遺跡。以前、いろいろ本を読んだが、縄文時代に定住があり極めて高度な文明が形成されていたようだ、出土したクリのDNAからクリが栽培されていた可能性。あるいは貝を加工するための施設の存在まで。勿論、宗教もあり、翡翠の勾玉(BC5000年)を使いストーンサークルで祈りが捧げられたりしただろう。

 そして思うのだが、今の時代もリンゴ農園で新しいチャレンジをする人がいる。同様に昔の時代も新しいチャレンジをする人(無名であるが)は確実にいたのだろう。

 チャレンジャーは苦労の中で常識という心の浅い部分のバリアを超え、自らの心の深層・核心部に至ったとき回答が湧き出す。そのプロセスは何と神秘的なのだろうか。それはリンゴ農園でもあっただろうし、三内丸山遺跡の様々なチャレンジャーにもあっただろう。

 古今東西 2/10

 にほんブログ村 ライフスタイルブログ 生き方へ 人気ブログランキングへ  <・・クリック応援いつも感謝しています. 

 


縄文を感じる!(古今東西 1/10)

2013-05-30 | 第三章「無意識の世界」

 ふと考えてしまったが、古今東西という言葉は違和感なく使っているが、ちょっと変えて古今南北としたら何だか判らなくなってしまう。古今東西は時間的、地理的、文化的な広がりを指す言葉なのだろうが、東西というのは日本列島での地元感覚かもしれない。

 私は先日、岩手県の遠野に行き、来週には西日本の奈良に行く。そんなこともあり、この一ヶ月東と西のことを交互に考えたりした。そして、何かめまいを感じるような気持ちになる。やはり何となく東西の文化が違うのだ。

 日本は、ご存知のとおり電気も東日本と西日本で周波数が50Hzと60Hzと違う。境は静岡県から糸魚川ということで、昔から東日本を指す坂東の感覚にちかい。坂東の坂は、研究者によると足柄山と碓氷峠だそうだ。

 さらに、今私の手元には縄文遺跡をプロットした日本地図がある。これを観ると、まさに東日本に縄文遺跡が集中している(勿論西日本にもあるが)。これは縄文の時代は、気候の関係から西日本は住むには適さなかったようだ。

 さて、先日行った遠野の続石(写真)。7mの巨大なひらべったい石が、2mの高さの台石二つの上に乗っかっているものである。これは、どうもドルメンといわれる縄文時代の遺構のようだ。

 遠野物語にもこのドルメンのことが書いてあるが、他にもストーンサークルのことではないかという記事(遠野物語拾遺16)があり、実に興味をそそられる。

 そして、遠野市には金取遺跡があり、ここで見つかった石器が8万年前ということで、一時日本で最古の石器と言われた。この石器は8万年前ということなので、われわれの現世人類がまだアフリカに住んでいた時期であり、絶滅した旧人(ホモ・エレゥトゥス直系等)の石器のようだ。日本で現世人類が到着したのは約4万年前といわれているからである。

 それを考えると、遠野でも旧人と我ら現世人類が共存した時期があったのだろう。その事実はまだモノとしては発見されていないが、遠野物語などの口承記憶にかつての記録が潜在しているのではないかと妄想してしまう。例えば、先の続石に山神、山男等の物語がある。青空文庫から引用してみよう。

九一

 遠野の町に山々の事に明るき人あり。もとは南部男爵だんしゃく家の鷹匠たかじょうなり。町の人綽名あだなして鳥御前とりごぜんという。早池峯、六角牛の木や石や、すべてその形状と在処ありどころとを知れり。年取りてのち茸採きのことりにとて一人の連つれとともに出でたり。この連の男というは水練の名人にて、藁わら槌つちとを持ちて水の中に入り、草鞋わらじを作りて出てくるという評判の人なり。さて遠野の町と猿ヶ石川を隔つる向山むけえやまという山より、綾織あやおり村の続石つづきいしとて珍しき岩のある所の少し上の山に入り、両人別れ別れになり、鳥御前一人はまた少し山を登りしに、あたかも秋の空の日影、西の山の端はより四五間けんばかりなる時刻なり。ふと大なる岩の陰かげ赭あかき顔の男と女とが立ちて何か話をして居るに出逢であいたり。彼らは鳥御前の近づくを見て、手を拡ひろげて押し戻すようなる手つきをなし制止したれども、それにも構かまわず行きたるに女は男の胸に縋すがるようにしたり。事のさまより真の人間にてはあるまじと思いながら、鳥御前はひょうきんな人なれば戯たわむれて遣やらんとて腰なる切刃きりはを抜き、打ちかかるようにしたれば、その色赭き男は足を挙あげて蹴けりたるかと思いしが、たちまちに前後を知らず。連なる男はこれを探さがしまわりて谷底に気絶してあるを見つけ、介抱して家に帰りたれば、鳥御前は今日の一部始終を話し、かかる事は今までに更になきことなり。おのれはこのために死ぬかも知れず、ほかの者には誰にもいうなと語り、三日ほどの間病みて身まかりたり。家の者あまりにその死にようの不思議なればとて、山臥やまぶしのケンコウ院というに相談せしに、その答えには、山の神たちの遊べるところを邪魔したる故、その祟たたりをうけて死したるなりといえり。この人は伊能先生なども知合しりあいなりき。今より十余年前の事なり。

 山神の話のようで、実は旧人との出会いだったのでは?妄想はとどまることがない。我ら現世人類は、旧人とどう住み分けていたのだろうか?

 因みに、続石に係わる推測の話には、ドルメンの話もあるが弁慶の話があったりする。ある現象をどう解釈するか。これは心の健全さを観る尺度(プロセススケール)の一つで、解釈があたかも事実のように固いのはよくないようだ。私は通常、柔軟に解釈できるようであるが、テーマによっては、単なる一つの解釈があたかも事実のように感じてしまうこともある。この続石はどうだろうか(笑)。不思議なことでもある。

 古今東西 1/10

にほんブログ村 ライフスタイルブログ 生き方へ 人気ブログランキングへ  <・・クリック応援いつも感謝しています. 

 


太古の世界からの贈り物!(自己開示力 10/10)

2013-05-29 | 第三章「無意識の世界」

 祖父が住んでいた家は瀬戸内海の沿岸で、川の中洲にあった。そんなこともあり、昔は大雨が降ると川が氾濫し畑が水に浸かったりし大きな被害を受けた。そんな、話を幼いころ良く聴かされた。

 今は、日本中護岸工事が行き届いているようであるが、ほんの50年くらい遡れば、日本中いたるところで水害は日常的だったようだ。

 遠野でも、猿ケ石川が昔はよく氾濫したようで、それにまつわる話が多い。カッパ淵とか太郎淵などカッパの話が有名な場所もいくつかある。カッパは人や馬を水に引き込んだりする話の裏には、水への潜在的な怖れがあるようだ。語り部の方から直接聴いたが印象的だったことは、昔はカッパ淵などは本当に深く、流れも急だったようで。そこにカッパが生きる。

 遠野では、松崎の母也明神(ボナリ明神)に立ち寄った。小さな祠があるだけであったが、そこの伝説は奥が深い。遠野物語拾遺28話にある話である。この話にはカッパは出てこないが、水にまつわる話として考えると、カッパの話にもどこか通じるように感じる。

 巫女が一人娘に婿をとったが気に入らず何とかしたいと思っていた。そんなある日、猿ケ石川の取水口がいつも崩れるので人身御供をしようということになったので、婿を罠にかけて人身御供にしたてた。そこまでは良かったのだが、大事な娘も婿と一緒に行くと決意し、白馬もろとも婿と一緒に川に沈んでしまった。そのお蔭か、堰口に不思議なことに大岩が現れ、以降それを足場に立派な堰が築くことができ、地元の人は随分助かったそうだ。さらに続きがあり、巫女も可愛い娘を殺してしまったことに嘆き、同じ場所で水に沈んでしまったとのこと。

 母也明神は、そんな巫女を祀った祠だそうだ。

 ところで、ボナリは日本の沖縄までひろがる巫女を表す縄文語?のようで、この話もかなり古いらしい。

 調べてみると、こうした人柱伝説は世界中にあるという。当然ながら、日本中にも沢山人柱伝説がある。来月行く近畿地方もあるだろう。

 さて、こうした昔話とか神話はどういう意味が祖先にあったのだろうかと想いを巡らす。厳しい環境の中で生き抜く知恵(心を健全にする何か)が絶対に含まれている思う。今日も、朝テレビを見ていたら、子供の心の病気のことが話題になっていた。今の時代も結構大変な時代だ。

 日本の昔話や、世界中の神話。臨床心理学を学ぶ中で、U先生からいろいろ学ばせていただいた。実によくできている。以前、神話公式というレヴィ=ストロークの理論をいろいろブログでも紹介したが、こころの平安をもたらす深い知恵が含まれているようだ。さらに、語りで身近な祖父母から、直接の祖先から伝え聞く話は、さらに深い意味があるだろう。

 自己開示力 10/10

にほんブログ村 ライフスタイルブログ 生き方へ 人気ブログランキングへ  <・・クリック応援いつも感謝しています. 

 


遠野・語り部の世界の素晴らしさ!(自己開示力 9/10)

2013-05-28 | 第三章「無意識の世界」

 5月26日から28日まで遠野で楽しく過ごした。遠野物語の勉強会のメンバーで遠野旅行の話が盛り上がり、それが実現したのだ。私は東北地方は仙台が最北端で、岩手県に足を踏み入れたのは今回初めて。初めてでワクワクしたが、実際はそれ以上であった。

 遠野物語を読んだり語り部の録音を聴いたりしたことはあったが、足を踏み入れると全然違う。東京では藤もツツジもチューリップも終わりをつげているが、遠野は何と新緑で、藤もツツジもチューリップも菜の花も咲き乱れていた。春が一斉に到来したかのようだ。五感・体感で感じる遠野は自分の中のイメージを変えた。

 さて、遠野物語は、地元の学者である佐々木喜善と柳田国男の歴史的出会いから成る遠野の語り部たちの記録なのである。人類の知恵の多くは、決して紙や石に書かれたものだけではない。多くは、記憶力の卓越している人達によって語り継がれてきたようだ。古事記もそうだったとの説もある。日本だけでなく、世界の神話なども、そういう経緯を辿っているようだ。

 手元にある、ネイティブアメリカンの記憶「一万年の旅路」もそうだ。その中にはベーリング海を渡りアメリカ大陸に到達する物語まである。

 昨日は、菊池玉さんという語り部の方から常堅寺のそばのカッパ淵のカッパ狛犬の話を拝聴させていただいた。運良く、私は坂東の生まれ(碓氷峠、足柄山の東)なので、遠野の方言もかなり理解できる。勿論、細かいところは判らないが、ずっと聞き入っていると語り部の世界に没入できた。

 語り部の世界は、単なる物語の音声的伝達の世界ではない。表情、身体の動き音声の強弱等から、感情が直に伝わる世界だ。

 さらに、何か大本営発表といったような頭で作られた物語ではなく、生きた物語。生き甲斐の心理学では、自己開示力の大切なポイントとして感情表現をあげている。人間は、どうも誰でも嘘を見抜く鋭い能力を持っているようだ(私は認知症の方でも精神の病の方でもこの能力を持っていると思う)。そして、真実を語る人はやはり迫力が違う。

 遠野物語を通読すると、いろいろな話がある。浮世のしきたりに慣れてしまった頭では、本当だろうか?そう思ってしまう内容も。

 しかし、人の真実は決して論理的でも、あるいは特定の倫理道徳に叶うものでもないようだ。柳田国男の遠野物語は、そういう意味で真実の魂の物語かもしれない。いくら、デジタル化された今の世でも、魂の声は充分通用する。

 どんとはれ(おしまい)

 自己開示力 9/10

にほんブログ村 ライフスタイルブログ 生き方へ 人気ブログランキングへ  <・・クリック応援いつも感謝しています. 

 

 


無意識と意識の比率は?(自己開示力 8/10)

2013-05-26 | 第三章「無意識の世界」

 無意識の世界は意外に大きな世界のようだ。ある研究によると、人間が意識しているのはせいぜい5%程度ともいわれる。95%以上が無意識なのである。

 スポーツをすると、息のつぎ方とか意識するが、通常は無意識である。眼の瞬きなんかもそうだ。意識してもコントロールできない器官もある。心臓を止めようと念じても止まらない。

 自分では意識していなくても、無意識に貧乏ゆすりをしたり、そんなこともある。ケアレスミスなども、無意識と関係があるかもしれない。歩き慣れた道をいつの間にか通って、目的地についてからハッとするということもある。

 変な不安感が湧いてきたり。それも無意識の働きが関係するらしい。過去の記憶が現実の生活の中で無意識に作用しているのだろう。

 生き甲斐の心理学を学ぶ前は、こうした無意識は何か得体のしれないもの、ちょっと離れたい話題。そんな風に思っていた。ただ、現在は自分のこころの健康の上で、あるいは自分の精神的な成長のうえで無意識を考えることは大事だと思っている。

 昨日の話ではないが、自分の中に様々な回答をみつけることはとても素晴らしいことだ。水が尽きない泉のように、自分をイキイキとさせる。それも無意識と大いに関係があると思う。

 無意識の世界は、フロイトによって発見されたと良くいわれる。勿論、近代の学問や様々な文脈の中で、その考えは間違いではないだろう。しかし、仏教でもキリスト教でも無意識という言葉は出てこなくとも、既に随分考えられているようにも思う。無意識は、大昔から人にとって大切に思索され、そして、やはり神秘の領域でもあるのだと思う。

 今月から来月にかけて、東北の遠野と奈良・飛鳥を訪れる。神社・仏閣や古代の遺跡などにも立ち寄る。それは、観光かもしれないが、神秘的な無意識との対話かもしれない。

 自己開示力 8/10

にほんブログ村 ライフスタイルブログ 生き方へ 人気ブログランキングへ  <・・クリック応援いつも感謝しています.