イキイキと生きる!

縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

祈り、・・今も縄文時代も (10/10 愛と孤独と親密さ)

2021-10-30 | 第三章「無意識の世界」

人間は何のために生きているか。幸福とは何か。正解がなかなか見つからない問題だけど、心の健康のために時々考える。さて、今日は私が子供のころのことに思いを馳せている。もういくつ寝るとお正月という歌があるが、子供のころは実にそうだった。今から考えると当時の単純な生き甲斐というか楽しみの一つは確実にお正月だったのである。今日はそれを掘り下げて(アースダイビング)みたい。

正月は普段は食べられないものが食べられる。いつもは豚カツとかが好きだが、正月はそういうご馳走とは違うお雑煮とかお節が綺麗に盛り付けられて登場する。いつもと違う特別の食事で非日常的で厳かである。家族だけでなく自分の身体を大切にしてくれる暖かさをどこかに感じる。さらに、旧暦の習慣から元旦は全ての人の誕生日ということで、お互いにお祝いし新しい服を着たり、子供はお年玉をもらったりする。楽しい遊びもいつもとは違う羽子板とか凧揚げ。子供は子供、大人は大人、年寄りは年寄りの領分で生育史の一コマを楽しんで過ごす。それから、年末には除夜の鐘を聴いたり、初詣に行ったりする、門松をつけたり外したりの準備や後始末も考えてみれば魂の領域のお祝いかもしれない。私は母がカトリックなのでクリスマスは深夜に教会でミサをあずかったりし厳かに過ごすことができた。正月の楽しさ幸せは何だったのだろう。身体とこころと魂への慈しみ。それも日常とは違った聖なる楽しみだったともいえる。

今の世の中はデジタル化の波で人とひとの繋がりはある意味過剰なほどである。ただコロナ禍で私も含め多くの人は実感したと思うが、デジタル化はあたかも現実のようであるが、本来の人間の持つ五感体感の世界から少し離れていて実感を伴わないことも少なくない。Zoomでの語らいも結構深い話ができたりもするが、肌感覚がなくどこかに寂しさが残る。

サケは稚魚の時に川を下り、海洋を何千kmといった回遊生活をし、最後は生まれ故郷の川に嗅覚によって戻り遡上する。人間はそんなことはできないが年をとった私はどこかに遡上しているのかもしれない(笑)、五感からの実感のある世界に身をおく生命は、数千Km離れていても戻れるような安定した感覚・実感を持つことができる。お正月の楽しみかたがデジタル化や核家族化などで変わってくるなか、シンプルな昔の正月の実感は忘れられないものだ。

ところで、正月は祖先から引き継いできたものである。20世代前とか50世代前の有史時代から入った習慣も多いと思うが、200世代、300世代前といった縄文時代のころの祖先の習慣も入っているのではないだろうか。私はお雑煮などはとても縄文的だと思うのだが。さらに正月の宗教的雰囲気も気になる。京都や奈良に行けば宗教施設が多いことが分かるが、縄文時代の遺跡も木造の遺物は殆ど残らないまでも、配石遺構やストーンサークルといった遺構は多く、その建設パワーは有史からの巨大前方後円墳や大仏建立のパワーの原型かと思うようなところがある。秦野市の縄文の遺跡では800tの配石等の石があったという。現代は祈りは忘れがちだが、古今東西の祈りの文化はホモサピエンスの特徴でもあり、ひょっとすると生き残った叡智にも繋がっているかもしれない。

祈りとは何であろうか。単なる願望を何かに向けるのだろうか。宗教的な解釈など学者などが思索している領域であり、多くの人が理屈抜きで手を合わせたりする。私は日常の思考・感情。行動の世界から自分の内部に沈潜し、無意識の領域と繋がろうとすることではないかと考えている。かつての正月の幸せな世界、さらに縄文時代の祖先の祈りの世界、さらに神仏の領域までこころの底にあるかもしれない愛そのものに向かう。

10月31日、ホモサピエンスが住みだして40,000年くらいたつ日本列島で大事な選挙が行われる。多くの祈りの中で良い社会に結びつけばと思う。投票率が高いことを祈る。


10/10 愛と孤独と親密さ

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もう一度繋がる絆・・今も縄文時代も (9/10 愛と孤独と親密さ)

2021-10-29 | 第九章「愛」

石川啄木の名歌の中に次の歌がある。「ふるさとの訛なつかし停車場の人ごみの中にそを聞きにゆく」。この停車場は上野駅という説が主流だが、東北弁を聞きにわざわざ上野駅までというのはちょっと不思議な気がしていた。しかし、生き甲斐の心理学を学び、人とひとと(人と神仏ということもあるかもしれない)の心の繋がりという問題を考えてきたためか、なるほどと思うようになった。

仕事や家庭などで大切な人がいる。そして、お互いに親しくつきあっていたのに、あるときを境に表面的な部分では繋がっているように見えるかもしれないが、深いところで切れてしまうことがある。そして、長い年月が経ったりする。そして、ここが大切だが切れていることに孤独を感じ、繋がることができたらなと願うように。ただ、それは願いであって簡単には繋がらないものである。意識だけの問題だけでなく、人には無意識の領域もあるのだ。そんなある日、何気ない一言を呟いたことを聴いて突然繋がる。神秘的とも言えるような一言。しかし、それは決して煌びやかな言葉ではなく、懐かしい一言であったりする。啄木の場合であれば、訛り懐かしい一言。これは、私の半分妄想であるかもしれないが、ある一言でつながることができたのでは。

私も年をとってきて、より孤独を感じる年になってきたようだ。後期高齢者になったり80歳代、90歳代になれば(生きていたらの話だが)、もっと孤独を感じるだろう。そんなときに、言葉もあるが五感を通して誰かにつながり直す。これほど幸せなことはないかもしれない。

頭の写真は八幡平周辺(2015年)、次の写真は縄文時代中期のTN446遺跡の側の公園からの写真(縄文時代に信仰の山であった蛭ヶ岳と富士山が見える)

9/10 愛と孤独と親密さ

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縄文人の道具とは・・含まれるメッセージを見つけよう (8/10 愛と孤独と親密さ)

2021-10-27 | 第九章「愛」

写真は縄文時代に凝り始めた2014年ころに新宿区歴史博物館で撮った写真だ。さて、この写真の縄文人の頭部の人骨と復顔が江戸博の「縄文2021」展に出品されていた。そして昨日、久しぶりにじっくり人骨(レプリカ?)を見た。もう10回以上は見ていたはずだが、今回はとてもリアルに感じたのだ。皮のなめしの為に歯を道具として使ったという説は知っていたが、前歯がすり減っているの間近に見て妙に感動したのだ。

4800年前と言われる市ヶ谷加賀町2丁目遺跡の縄文人の人骨。7年の歳月を経てやっと何か近づくことができた気がした。

鹿やイノシシなどの動物から有用な皮製品を得るために自らの歯も道具としなめし作業に専念する。自分だけではなく大切な人の為に専念するのだ。その結果、皮・道具は自己の一部として分身し役立つモノになっていく。

道具とは、本来そういう性格を持っているのだろう。さらに、道具にはもう一つの性格が使う側にある。例えば鹿の皮で作った衣服を喜んで着る子供がいたとする。その子供は着ることで着物としての皮が自分の一部となる。さらに、着る衣服から苦労して作った親からの大切なメッセージを感じる。

そのメッセージとは孤独の対局にある親密性とか愛なのではないか。そして、子供にとっては人生に大事な愛の原形となるかもしれない。

道具とは本来そうした性格を持っているように思う。土器もそうだし、竪穴式住居もそうだし、祭りの道具もそうだし・・・。

道具を展示会で見る。今まで見落としがちだったメッセージを見つけるようにしたい。

(なお、カール・ロジャースの19の命題の命題8を参考にし、かつ市川亀久弥先生の「破局からの創造」(力富書房1984)「第3章 感動のシュミレーションとしての芸術」を参考にしました。)

8/10 愛と孤独と親密さ

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イキイキとした現実吟味力とは‥今も縄文時代も(7/10 愛と孤独と親密さ)

2021-10-25 | 第九章「愛」

20歳代で社会人になったころ、先輩からしみじみ「四十にして惑わず」と言うけど四十台が一番惑うものだと言われたことを思い出す。その後私も四十台になったが、その意味をつくづく実感した。しかし四十台後半のある日を境に惑いが収まってきた。これを「四十にして惑わず」というのだろうかと思った。

そして、その後個人的には激動の時代に入っていったが、惑いが最小化されていたのか恩人に恵まれたのかわからないが今に至っている。まあ、恩人に巡り合うのもブレない何かがあったかもしれないが。

「生き甲斐の心理学」では現実吟味力という言葉がある。一見理性的な何か・・かなと考えたりしたが、実に奥が深い言葉であり、単純な哲学・思想という理性の世界に限定できず、無意識の世界を含み、かつ感情の世界や行動力にも深く影響するようだ。

ただ、それは決して難しいものでもなく、シンプルな神仏の信仰の世界であったりもする。そして、それは時代や文化に根付いたしっかりした体系を持っていて、日常の中に親密性や愛をもたらす。数千年の歴史を持つ宗教などが一例ではないだろうか。長い歴史の中で知的にも洗練され深みを持ち、自分のなかで腑に落ちる何かでもある。

さて、私たちもこの10年、自然災害や原発事故、コロナ禍と、厳しい時代であることを実感している。さらにこれからも予断をゆるせない。有史以来の厳しい時代を迎えるのかもしれない。

ところで、縄文時代の祖先たちはどうかというと、日本の有史の数千年というレベルではなく10000年以上、それこそ氷河期から今に至る長期の時代を生き抜いてきている。今の私たちには想像もつかない自然災害もあった。九州南部の喜界カルデラの爆発。海水面の上昇や下降。自然環境の温暖化や寒冷化。急激な気象異常も火山との関係でありえる。食料環境の変化。疫病・・・こうした今以上に厳しい世界を生き抜いた祖先の現実吟味力はどうだったのだろうか。それを考えると、縄文時代の宗教や文化について一層興味が湧くと同時に、自分の現実吟味力についても関心が高まってくる。

7/10 愛と孤独と親密さ

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孤独の奥に見えるもの・・・今も縄文時代も (6/10 愛と孤独と親密さ)

2021-10-21 | 第九章「愛」

昨日も江戸博の縄文2021展に寄ってしまった。私が4-5年前に書いた縄文小説の舞台(TN72, 445, 245, 248, 107, 田端、市ヶ谷加賀町2丁目、落合、中里)が勢ぞろいし眼を見張ったこともあるが、心が躍るような感動を覚える逸品が幾つも鑑賞できることが大きい。

当たり前のはなしだが、縄文時代の展示会なので作者不詳かつ作者全員すでに死亡している。残された情報は遺物や遺構からの客観的情報などだ。しかし最近の考古学や関連分野の著しい進歩でいろいろなことが分かり、私のように小説を書くこともできるようになって来ている。

心が躍るような感動・・・それはどこから来るのだろうか。私はこの7-8年縄文時代に興味を持ち時間があれば四季折々の現地を訪れ、本を読んだり講演会に出たりしたこともあり、作者の置かれた環境が初めての人よりは分かるようになってきたこともあるだろう。しかし、それ以上に当時も今も変わらないこと・・・

それは、孤独に対峙することである。そして、究極の孤独、愛の孤独は死の直前であることに気づく。コロナ禍は大なり小なり、私たちの多くを病や死という現実に近づけてくれた。富や名声を考えても、あるいは身近な大切な人のことを考えても、死は確実にそれらを空しいものにしてしまう。

ただ、不思議なことにその究極の孤独の奥に何かを感じるものである。心理学者のエリクソンは人格形成理論で孤独感の発達する時期に親密性も発達し、愛という言葉も使っている。人はそこに生きるための親密性や愛を認め生活に命を与える。本当に大事なことが、希望が見えてくる。縄文時代も今もそれは同じであろう。日本もそうだが世界中の人々も同じなのだろう。

それから、もう一つ。縄文時代にすでに確立していたと思われる専門性。縄文時代でも宗教家、建築家、芸能家、漆職人、アクセサリー職人、商人、特産品職人などは縄文中期から後期には存在したのではないかと妄想している。私はそれは人の心の特性から来ていると考えるがどうだろうか。縄文土器の型式を決める様々な要素。それは親から子に伝えられる一種のアイデンティティである。孤独の奥に見えるもの、そして今やらなければならないこと。それがパズルのようにつながってくる。

6/10 愛と孤独と親密さ

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