イキイキと生きる!

縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

ストレスの解放と縄文土器のものがたり (5/10 今ここと縄文時代)

2024-10-11 | 第三章「無意識の世界」

暑い夏から秋が何となく終わって急に寒くなったっこのごろ。季節の変わり目は体調を崩しやすいので注意していたものの、この数日体調がが今一つだった。

そんな時にU先生の比較宗教学や比較文化の影響を受けた生き甲斐の心理学のテキストを読み直していたら、体調を崩していたのはひょっとしたら心因性の問題も絡んでいたかと気づいた。年をとってから時間に追われるような生活を、年よりのひやみずでしていたこともあったのだろう。不安が怒りに、怒りが身体症状に・・・(このあとほっていくと身体症状がウツ、さらに錯乱と進む)亢進していったのかもしれない。

そうした時、生き甲斐の心理学では幼いころのウツの原型(体験)を思い出すことを勧められる。ある状況に陥ると変になっていく自分の傾向を知ることは大切だ。そうした傾向を知っていると、自分の環境を変えたり、無駄な心配から自己否定的になることを押さえることに気づく。また、生き甲斐の心理学を深めて行けば、その幼いころの解釈の問題に気づき、ウツが幸福感と隣り合わせであることを発見したり、愛の原型の理解を深めたりする。それは自分オリジナルの物語となって逆境のときに役に立ち、勇気と希望を与えてくれたりする。

さて、話は全く変わるが、縄文土器。特に中部高地から関東南西部に広がった約5000年前の井戸尻・勝坂期の縄文時代の芸術的にも評価の高い土器について考える。流れるような口縁部の装飾が4単位であったり、非対称の造形であったりするが、これは何を表現しようとしているのかと頭を抱えていた。この縄文中期中葉の時代にはメソポタミアやエジプトで文字文化が始まっていたが、縄文時代のそのころは文字を使っていなかったようだ。しかし、集団としての知恵や集団のアイデンティティなどは物語として語られ、口頭で伝授されていたに違いなかった。それは、時間とともに変化する土器や土偶の文様など物理的な遺物からも推察できるようであり、最終的には8世紀のころの古事記等の時代に統合され記述された神話などに結実化されている。しかし、その片鱗は縄文時代の例えば5000年前時代の遺物などにも残されているのでは。

 町田市忠生遺跡 特別展「縄文2021」にて2021年10月著者撮影) 

それは、土器等の文様として残されていたのではないだろうか。民族学でオーストラリア・アボリジニに詳しい故・小山修三氏は、アボリジニの七人姉妹の物語(最終的に昴のななつ星、プレアデス星団やオリオン座に昇華される)が現代にどのように語られながら、木の枝などで地面や木の葉に描かれる様を「狩人の大地」(雄山閣 1992)に解説されているが、まさに縄文時代の土器等の文様も同じように当時の独自の物語から生まれたように考えられていいのではないだろうか。

拙い私の物語も縄文時代の土器に描かれた物語も客観的にはよくわからないが、どこかで心を打つのは物語の背後にある人間観ではないだろうか。人には愛そのものの永遠性がある。そんな確信が救いをもたらすのではないだろうか。

5/10 今ここと縄文時代

WebマガジンAMOR「縄文時代のイキイキ生活」にも縄文に関する関連記事があります是非ご覧ください。こちら

この記事は「生き甲斐の心理学」ーCULLカリタスカウンセリングの理論 ユースフルライフ研究所主宰 植村高雄著 監修2008年第3版 を参考にしています。

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1.紙の本の入手については・・・

  四ツ谷サンパウロさんへ 定価(1,500円+税)送料別。

  電話:03-3357-8642(書籍・視聴覚)

    住所:〒160-0004 東京都新宿区四谷1-2  

 なお、国会図書館、八王子市図書館でも閲覧できます。

2.電子書籍版はアマゾンさんで、1000円で購入できますが、

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       森裕行


縄文時代だけでなく今を生きる神話論理・・・(6/10 縄文時代をどう解釈するか)

2024-03-27 | 第三章「無意識の世界」

この一週間は人生の中でも特出すべき一週間であったようだ。

先の土曜日は高校卒業後54年、はじめての同学年合同クラス会。当然ながら皆前期高齢者であった。私の時代は都立高校は学校群1年生で揺れた上に、2年3年は学園紛争の最盛期であり、高校生活も生徒による封鎖や学校によるロックアウトで授業もろくに行われなかった。青年期の多感な時期の混乱で何か学校はバラバラになったように感じた。それ故、同学年合同クラス会には150人くらい集まったが、恩師の参加は当たり前だがなかった。年を取りすぎたのである。そして、私も友人と集会の前に一緒に食事をしたり、二次会に参加したりでまる一日親交を温めた。そして、不思議なほど高齢者の話題は出ず(病気、孫、お金)ある意味幸せな時間を過ごさせていただいた。ただ、世相を反映してか年の影響かここ一つ盛り上がりはなかった。

そして、ある学友の勧めで、3.11の正確な事実に基づいたといわれるドラマ「The Days 」(役所広司主演)を初めてNetfl●xで見た。今の政治もご存じの通り大揺れに揺れていて、その場限りの対応が問われているが、3.11も原発建設から事故対応までの体制は、全く同じシステム思考の片鱗もない体制で、しかも将来に暗澹たる遺産を残してしまった。しかしながら英雄的な現場のひとりひとりの活躍。これは今でも低賃金で働いている非正規労働者のようでもあり。現場の力に希望の匂いも感じさせてくれるが・・・聖書のコヘレトの言葉のように。「なんという空しさ なんという空しさ すべては空しい」と呟いてしまう。

さて縄文についても新鮮な気づきが。3月24日にくにたち郷土文化館で行われた、中村耕作先生の講座に参加した。顔面把手付土器や石棒などを中心に縄文時代の宗教というか儀礼の興味深いお話で、レヴィ=ストロースのお話。久しぶりに神話論理のことを考えさせられた。神話論理についてはかつて中沢新一氏の芸術人類学などを読んで研究したことがあった。私は「生き甲斐の心理学」を学んでいるので、自分の生育史の中に神話論理に対応する経験があったかを振り返ったりしたが。アラスカに行った時の7歳の時の体験と成年期の48歳の時の体験(縄文小説にも書いた)がそれかなと思えた。他にも2-3あるようだ。おそらく、多くの人もは当然ながら神話論理を意識することはないまでも経験はしているかもしれない。また、宗教書だけでなく小説などにもあるのではないだろうか。困難な状況下に置かれ、深い対立があり回りが壁でにっちもさっちも行かなくなる状況で、そのような神秘的な無意識の活動があり人格が再統合されたり、状況に適応する知恵が与えられるのだろう。そしてサマリアの女のように鬱や錯乱の状態に置かれていたのが、短い時間で明るい統御感や幸福感に包まれていく。

縄文時代もいろいろあるが、中期から後晩期にかけての遺跡や遺物を図像学的に検討すると、同じような神話論理のパターンが見いだせるようであり、恐らく高度な生きる知恵が語られ、図像として残され、それ故今をも凌ぐ美術の高みを極めていくのだろう。構造主義も文字文化の一つとして語られるが、文字の無かった縄文時代はそれゆへにもっと高度な神話論理?だったかもしれない。科学技術文明の限界が見え環境問題、大量破壊が問題になっている今、精神文化のリファレンスとして縄文時代はとても大事な分野ではないだろうか。

高校の合同クラス会は3年後に行うという。おそらく、形は変わっても続いていくのだと思う。参加者も減っていくのは寂しいが、天国からの参加者もあるのだろう。何か寂しいクラス会が神話論理で希望に満ちた会に変わるかもしれない。今週はキリスト教では聖週間。日曜日は復活祭である。写真は何年か前の薬師池公園で5月ごろ繁殖期に移したカワセミ。天にいる学友や恩師に感謝の念を伝えておくれ。

6/10 縄文時代をどう解釈するか

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心の地層をたどる旅 (3/10 縄文時代をどう解釈するか)

2024-02-06 | 第三章「無意識の世界」

のんびりと谷川と渓谷の地層を見ながら温泉に入る。千葉県房総半島の真ん中あたりの養老渓谷周辺に縄文も楽しみながら素敵な小旅行をしてきた。今回はこの地層について語っていきたい。地層に大いに興味を持ち始めたのは若狭の福井県年稿博物館に行ってからだ。水月湖の底をボーリングして7万年分の堆積物(地層)を主な展示物とする年稿博物館。その年稿の美しさに気づいたのはMさんのお陰もあるが、地層もまったく同じである。

地層は考古学では遺跡の調査報告書には必ずと言っていいほど記載されていて、昔は飛ばして読んだものだが、最近は丁寧に読むようになった。小学生のころ庭に穴を掘ったりした経験なども繋がってきているようである。今興味を持っている多摩境の小山白山公園の245遺跡や周辺の粘土採掘場遺跡あたりの地層・・・今は綺麗に整地され写真で見くらべると全く異なる景色となっているが、縄文時代の人々はどのように地べたに思いを寄せたのだろうか。

縄文時代にも粘土の採掘場や黒曜石の採掘場遺跡があり、今と同じように穴を掘ったり地層を真剣に観察したのだと思う。土や粘土に対する思いは、記紀にもいろいろ出ていているが、粘土の神、土の神はしっかり記録されている。中には火の神(カグツチ)が結婚相手に土の神(埴山姫)を選んでワクムスビを産んだという記述もあったりする(日本書紀の(第二の一書))。これは山焼き、野焼きも彷彿させ、最近の研究成果などで蕨などの山菜を得るために野焼きしていた可能性と繋がってくる。また野焼き(焚火)で土器の焼成をし、それでできた深鉢などで、食物の恵を受けるという意味にもとれる。土器づくりと神話や伝承の関係ももっと研究されてもよいかもしれない。

さて、私は20年以上U先生の「生き甲斐の心理学」を学びNPOで教育活動をしていることもあり、地層ににどこか似ている生育史についていろいろ考えてきた。「三つ子の魂百までも」ではないが、生育史は性格形成だけでなく人生に大きな影響を与える。そして、この勉強は人助けにもつながるが自分のこころの健康にも役立つ。特に最近感謝していることに、過去の嫌な経験をふと思い出したときに、当時の自分の解釈の仕方と違う視点から再解釈をして、その経験を明るく爽やかにすることがある。もちろん事実は変わらないのだが視点を変えることで感謝の気持ちまで起こったりする。私たちは思いもかけない経験をすることがある、その時に過去のネガティブな経験が解決されていないと、時にその時の苦悩の外に過去の苦悩も一緒に背負ってしまい、時には限界を超え体調を崩したりすることも。そんなことで、自分の生育史を研究し解釈を変えてみる、視点を変えてみることは意外に大事なことだと思う。もちろん、気の合う人との思い出話などで視点が変わることもあるが、のんびりと内省することも必要な気がする。

最近の例だが、高校1年のとき、同じ学年のA君が突然自死されたことがあった。この事件は当時の同級生、同学年の生徒にも衝撃を与えた。私は高校1年は彼と同級ではなかったこともあり、自分にとって大した事件ではないように思っていたが、多感でまだアイデンティティが確立していない時期でもあり、それからの人生に結構影響を与えていたと気づいた。この事件の影響は、暗い感情として記憶されていたが、それは当時16歳の年齢に相応しい解釈があったためである。もちろん50年以上経った今では彼の死は事実としても、視点を変えることができて、解釈は大人の解釈となり湧きおこる感情も変化したように思う。彼のお墓参りに行きたいなと思うのは明るい解釈の証かもしれない。

ところで、自分の生育史を学ぶ延長に、自分の両親や祖父母、さらに遡って自分のルーツを学ぶということもでてくる。日本に住んでいると気づかないような無意識化された文化の存在。それを学ぶためにも縄文時代の研究は大切だと感じているこの頃である。

3/10 縄文時代をどう解釈するか

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こころの支え・・今も縄文時代も (縄文世界を感じるとき② 3/10)

2023-05-11 | 第三章「無意識の世界」

人それぞれ難問を抱えているが、それを乗り越えていくにはまず心理学の用語を使うと、アイデンティティの統合が大事だということがある。難問といってもいろいろあるが、一番の難問といえば多分自分の生死の問題だと思う。名誉もお金も死という難問の前には、おそらく不安の解決からは程遠いだろう。裸一つで生まれそして一人で死んでいくのが人間だ。神仏や魂をどうとらえるか、哲学・宗教といった世界。理論だけでなく無意識を含んだ信仰の世界をどう捉えるかだ。

私の生き甲斐の心理学の師であるU先生は、学生時代のアイデンティティに関わるU先生の師のイメージ療法についてDVD「元気で生きる」の21番目の「草原の大木」(YouTubeでも見られる)の中で語られている。詳しくはこのブログの左のメニューから「元気で生きる」を検索していただき見ていただくのが早いかもしれない。それはともかく、神仏に頼るということは、自分を変に卑下せずどうどうとすることでもある。神仏はいわゆる超越と内在に関わる存在であるからだ。そして、自分を草原の草木とイメージするより草原の大木をイメージした方が良いということになる。

写真は百草園の近くに群生する椎の木。樹齢数百年と聞く。5月になり椎の木も花を付け出し独特の臭いを放つ。小学生のころに家の近くの太田道灌が狩りの目印に使ったという四ツ谷本塩町の椎の木を思い出す。そして、この椎の大木のイメージは自分のを元気にしてくれるように思う。

さて、AMORというWebマガジンに「旅する縄文人」という拙文を寄稿した。旅はいろいろな意味があるが、今回は巡礼のような神仏を渇望する旅のことである。神仏を渇望する欲求というのは、かつては性欲、食欲と同じような人間の欲望の一つとみなされて欧米の大学で教えられたという。今はそのようなことは聞かないが、そうした欲求を無視するというのは心の健康を考える上で問題だと思う。その時の神仏のイメージはどうだろうか。真善美を体現するもの、頼りがいのある存在ではないだろうか。これは縄文時代でも同じだと思う。

そして、そのイメージは自分自身のイメージともどこかでつながらないといけないのかもしれない。そして、健全な自分が愛されるように人を愛するというような世界が生まれてくるのだろう。

縄文世界を感じるとき② 3/10

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稽古やリスキリング・・縄文時代からの大切なやりかた・・(縄文世界を感じるとき 6/10)

2023-02-02 | 第三章「無意識の世界」

  この数十年。マニュアル的な世界やリ・スキリングが日本でも随分広がったように思う。ファミリーレストランの標準化されたスマートなサービス。昔は何となく憧れたものだった。しかし一概に言えないかもしれないが、例えば仕事や学びを身に着けるといったとき、これを読んでね・・で終わるようなありかたは果たして良いのだろうか。昔は、背中を見て覚えよとか、先輩から盗めなどという言葉が代表するように、不親切な時代だった。そんな中で、マニュアル的な世界は親切で有難いと思ったものだ。しかし、そういった世界が開かれるなかで私は生き甲斐の心理学をU先生から学んだり、今はさらに縄文について学んでいる。写真の土器づくりも一つだが稽古やリ・スキリング、学習について考えてみた。

 マニュアル。ここでは一つの象徴としてお話する。決してマニュアルが悪いと言っているのではない。ある仕事でも学習でもよいと思う。ある成果を上げる最適なプロセスが決められていて、それを踏襲すればよいというものだ。型というのだろうか。したがって、最終的に到達すべき地点が明確に描かれている。そして、不備があれば改定され、よりよい最終到達系がしめされるであろう。しかし、それはスマートでよいことであるが、問題点もなくはない。何回か読んで何となくわかった気分になる。そして、仕事や学習も一応できるようになる。しかし、だからといって、そのマニュアルを書かれた方がその道の権威者であるとして、同じような知恵をもって臨機応変にいろいろ対処できるかといえば・・・全くそうではない。

心理学のテキストは巷にあふれているが、私はU先生の「生き甲斐の心理学」の147ページのテキストを先生について20年近く学んだがやっと書かれた意図が少しわかったというような状態である。書かれた内容は決して難しくないのだが、身につけて生活の中で役に立つかなと思えたのは10年くらいたってからであり、U先生の意図が少しは見えてきたのが最近である。それはテキストを頭で理解するというより身体で理解するといったものに近い。

私はかつて、福祉の修行をしていた時に車の2種免許を取得した。タクシーの運転手もできる免許である。残念ながらその資格を生活の中で活かすチャンスはあまりなく最近2種は返納したが、運転の学びからいろいろ学んだ。資格そのものも実技はV字カーブとかS字カーブをバックで運転するなど一見華やかであるし、筆記試験もかなりハードルは高かった。しかし、友達から聞いたりしたが、その資格を持っていても実際のバスの運転などはもっと大変。一言でいえば失敗のゆるされない世界なのである。そんなことでかつて、バスの運転手さんの運転などを後ろからよく観察した。身体で覚えるというか、基本をどのように踏襲するか。ダブルチェックとか甘い仕事の世界ではなく、真剣勝負の世界がそこにあった。

縄文土器づくりの世界。縄文をからだで理解するには大切な世界だと思い、何年か前に岡山で経験したが、昨年から身近な場所で体験することができるようになりチャレンジしている。実際にいろいろ体験させていただいていることから、この世界もあきらかに真剣勝負の世界であることが分かった(縄文の世界は)。人生100年とかの今であるが、当時は人生30年くらいの感覚である。その中でDNA的にはほとんど変わらない身体や脳をもった先祖は土器づくりを真剣勝負で行ったのだろう。縄文時代の土器や土偶、そのほか石器や住居でもそうだが、そこには真剣勝負がある。だから縄文ブームもおこるのだ。

 さて、個人の成長ということを考えてみる。個人の成長は何か蛇の脱皮に似ている。私は幸運なことに師に恵まれた人生であった。小学校の時の師。中学校の時の師。高校生の時の師。大学の時の師。社会人になってからの師。そして、生き甲斐の心理学の師。縄文の師・・その存在はなんと大きいか。マニュアルを一人で読んでも、師の存在なしではかなか脱皮できないものだ。

 私は大学ごろから、Something Greatの世界が何かぼんやりだったかもしれないが感じていたように思う。自分を超える存在。それを認識することは、目の前に今一見見えているマニュアルではなく、未完成な自分を追い立て、試行錯誤に導く原動力になったように思う。そのためには、信頼できる師についてマニュアルを学ぶことが大切であった。師について10年~たつなどし、稽古が深まり自分の立ち位置が少しは分かるようになってくると、ある時別の世界が広がり始める。西平直氏の「稽古の思想」(春秋社 2019年)を読んだが、世阿弥の似する、似せぬ、似得るといった概念(学ぶ、脱学ぶ、新しい学ぶというのだろうか)をつかって分かりやすく書かれていたが、人の人生での一つの成長はそのような流れになることは、生き甲斐の心理学の学びの中でも学んできたが、とても分かりやすかった。縄文時代の人々の学びそのようであったと思う。

縄文世界を感じるとき 6/10

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       森裕行

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