暑い夏から秋が何となく終わって急に寒くなったっこのごろ。季節の変わり目は体調を崩しやすいので注意していたものの、この数日体調がが今一つだった。
そんな時にU先生の比較宗教学や比較文化の影響を受けた生き甲斐の心理学のテキストを読み直していたら、体調を崩していたのはひょっとしたら心因性の問題も絡んでいたかと気づいた。年をとってから時間に追われるような生活を、年よりのひやみずでしていたこともあったのだろう。不安が怒りに、怒りが身体症状に・・・(このあとほっていくと身体症状がウツ、さらに錯乱と進む)亢進していったのかもしれない。
そうした時、生き甲斐の心理学では幼いころのウツの原型(体験)を思い出すことを勧められる。ある状況に陥ると変になっていく自分の傾向を知ることは大切だ。そうした傾向を知っていると、自分の環境を変えたり、無駄な心配から自己否定的になることを押さえることに気づく。また、生き甲斐の心理学を深めて行けば、その幼いころの解釈の問題に気づき、ウツが幸福感と隣り合わせであることを発見したり、愛の原型の理解を深めたりする。それは自分オリジナルの物語となって逆境のときに役に立ち、勇気と希望を与えてくれたりする。
さて、話は全く変わるが、縄文土器。特に中部高地から関東南西部に広がった約5000年前の井戸尻・勝坂期の縄文時代の芸術的にも評価の高い土器について考える。流れるような口縁部の装飾が4単位であったり、非対称の造形であったりするが、これは何を表現しようとしているのかと頭を抱えていた。この縄文中期中葉の時代にはメソポタミアやエジプトで文字文化が始まっていたが、縄文時代のそのころは文字を使っていなかったようだ。しかし、集団としての知恵や集団のアイデンティティなどは物語として語られ、口頭で伝授されていたに違いなかった。それは、時間とともに変化する土器や土偶の文様など物理的な遺物からも推察できるようであり、最終的には8世紀のころの古事記等の時代に統合され記述された神話などに結実化されている。しかし、その片鱗は縄文時代の例えば5000年前時代の遺物などにも残されているのでは。
(町田市忠生遺跡 特別展「縄文2021」にて2021年10月著者撮影)
それは、土器等の文様として残されていたのではないだろうか。民族学でオーストラリア・アボリジニに詳しい故・小山修三氏は、アボリジニの七人姉妹の物語(最終的に昴のななつ星、プレアデス星団やオリオン座に昇華される)が現代にどのように語られながら、木の枝などで地面や木の葉に描かれる様を「狩人の大地」(雄山閣 1992)に解説されているが、まさに縄文時代の土器等の文様も同じように当時の独自の物語から生まれたように考えられていいのではないだろうか。
拙い私の物語も縄文時代の土器に描かれた物語も客観的にはよくわからないが、どこかで心を打つのは物語の背後にある人間観ではないだろうか。人には愛そのものの永遠性がある。そんな確信が救いをもたらすのではないだろうか。
5/10 今ここと縄文時代
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この記事は「生き甲斐の心理学」ーCULLカリタスカウンセリングの理論 ユースフルライフ研究所主宰 植村高雄著 監修2008年第3版 を参考にしています。
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森裕行