2023年になってから「生き甲斐の心理学」の勉強会を3回開催したが、加速する縄文活動?のために話題も知らずしらず縄文にのめり込むこと・・・(笑)。
ところで、縄文の世界も今私たちが置かれている世界に似ていて、例えば日常の「思考・感情・行動」の流れが人生を決めていくことは同じだと思う。縄文時代の人々の思考や感情の多くは文字がなかったので殆ど分からないが、多くの行動の軌跡は遺物や遺跡の中に残されている。そして、例えばかつてノーベル平和賞の候補となった心理学者カール・ロジャース(1902~1987)の人格形成論、「19の命題」は遺伝子的には殆ど現代人と変わらない縄文人に応用してもおかしくないと思う。「19の命題」は文化の違いを乗り越える現象学を基盤とした理論であり、今では心理学の分野だけでなく、国際政治や経済などの分野でも応用されている。ロジャースが平和賞の候補になったのも国際政治を通してと聴いたことがある。
遺伝子的には4,5万年前の人間と現代人は殆ど変わらないという説もあり、縄文人をその視点でとらえるとどうなるか。ロジャースが人間の複雑な挙動(動物や植物にも適応できる領域から、時には宗教的な心の成長や変化までを説明する領域)をたった19の命題であらわしたのは、実に驚くべきことだ。Wikipediaの英語版に載っているのでご興味のあるかたはこちらを。私はかつて短期間だが福祉分野の仕事(修行?)をした。その時にこの19の命題は本当に役立った。ただ、理論は学術用語が難解でもあり、また理論を使えるように身に着けるのには自己事例の研究も必要で結構時間がかかる。
さて、私は今土器づくりの体験をしていることもあり、博物館に行っても、本を読んでも土器や土偶に眼が行ってしまう。
身近な資料館や博物館を訪ねても、縄文土器は弥生土器や古墳時代の土器などと比べても明らかに存在感がある。縄文土器は無紋のものもあるが、縄文などの文様が付いているものが主流。例えば縄文はしめ縄のような原体(道具)で生渇きの土器表面につける文様である。土器の表面積を文様をつけて増やすという実利はあるかもしれないが、その蛇のイメージは死と再生(脱皮)と繋がり、世界の伝統宗教のそれにもつながっていく。今日はその説明は詳しくできないが、縄文人は土器をつくるときは祈りながら作っていたのではと思う。
さらに、土器だけでなく、土偶、石棒、石器、あるいは住居などもそのイメージの中で祈りを込めて作られたように思う。当然ながら、その成果物は真善美と繋がり、現代人にも日本人以外の人々の心を打つ。
ところで、この2-3年は持統天皇の研究もしたが、その時「嫉妬心」のことを結構思索した。嫉妬は一般に嫌な感情として処理されがちだが、生き甲斐の研究をしているとそれが決してマイナスなものではなく、嫉妬をうまく解釈し新たな行動にでると、人生を左右するようなプラス方向性に舵を切ることがあるように思う。現代でも最先端の美と思われる縄文時代の土器や土偶。その裏にはどのような人生のドラマと祈りがあったのだろうか。
写真は大栗川の鷺だが、最近は注口土器が歩いているように見えてしまう(笑)。
縄文世界を感じるとき 5/10
「縄文小説 森と海と月 ~五千年前の祖先の愛と魂~」
縄文中期の関東・中部地方を中心にした愛と魂の物語です。
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森裕行
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