約一週間、ハワイで楽しく過ごさせていただきました。今回は身内の仕事の関係でバリバリの現役の方ともお話する機会があり、厳しい仕事の現実をあらためて認識しました。今の時代は大変!
いつの時代も楽ではないのですが、やはり現在は厳しい競争と激しい変化。私が30歳台40歳台に経験した以上に、厳しい時代だと実感です。思えば、日本の自死者がもう十年以上3万人を越え続けているのも、こうした厳しい在り方と無縁ではなさそうです。
そして、その厳しい時代の対極としてのハワイ。気候は爽やかで心地よく、海も動植物も豊で美しく、そして人も天使のよう。ここは天国か?
私は、ハワイに少年のころ、新婚のころ、壮年の家族旅行と過去3回行く機会がありました。しかし、過去3回の旅行と比べ、今回は最も楽しかった(かつての楽しい思い出も良かったが)。それは、さまざまな要素がありますが、U先生の「生き甲斐の心理学」の理論からすると、自己実現の領域がより健全になってきていることかもしれません。
3つの問いかけが、この自己実現では大切にされています。①何のために生きているか?②生き甲斐はあるか?③自分の身体、生育史、魂を大切にしているか?の三つです。そして、この3点を忘れないようにしていると、何かが変わってくる。
今回の旅行では、ちょっと事情があり、精力的に歩き回れなかったのですが、知人から勧められた箒木蓬生さんの「聖灰の暗号」という小説を読むことができました。13世紀のフランス、カタリ派への宗教弾圧を題材にした推理小説で、以前読んだ教科書的なダン・ブラウンの「天使と悪魔」とは違った意味で、宗教や心理学の問題を考えました。それは信じて見えるもの、見えないものという視点に関することです。
おそらく、私が4回訪れたハワイも、時代と共に変わってるのでしょうが、変わらない部分、自然などの風土があるはずです。それなのに、その印象が違う。それは、受け取る側の問題だったかもしれません。何かに囚われることは、人の常だと思いますが、それにより見えるもの見えなくなるものも変わってくる。
ある方が言われてましたが、ハワイから帰ると、それこそ毎日7人の敵。そんな状況が現実なのでしょう。ただ、受け取り方、解釈の仕方一つでその意味も変わってきます。極端な例ですが、日本にもいらしたポーランド人のコルベ神父は、アウシュビッツで身代わりになり飢餓室で亡くなるのですが、その飢餓室の中でさえ、同室の方とミサを行ったそうです。厳しい状況下でも、幸福感と無縁でない。不思議な人間の特質と思うのですが如何でしょうか。
毎日がハワイは当然ムリですが、考え方ひとつで、身近な現象から幸福感(ちょっとした)を得る。3つの問いかけと共に、忘れてはいけないことだと思います。
厳しい時代をたのしく生きる 1/10