イキイキと生きる!

縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

あの世への引越し (引越し 8/10)

2016-10-31 | 第九章「愛」

 生き甲斐の心理学の第一論文、そして、それに派生した小説を書き足しての縄文小説を昨晩、ほぼ完成した。ちょうど2年かかり113,000文字、原稿用紙にして283枚となった。もちろん初めての小説であり、今までちゃんとした小説など書いた経験もなかった私なので自分でも驚いている。

 縄文中期の祖先たちが、一人ひとりどのような生涯を送ったのかは、例えばメソポタミア文明のように文字がなかったのでよくわからないが、遺跡や遺物の点の情報、同時代の文明情報(アイスマンやメソポタミア)、7、8世紀の記録、気候や地形情報などを結んでいくと、おぼろげに浮かんでくる。

 しかし、一番の情報は5000年前も今もほとんど変わらないと思われるこころの仕組みではないかと思う。その観点からアプローチしたのが今回の小説であった。最後の最後まで小説の結末がうまくできなかったが、それが2日前にふと浮かび完成したという実感を得た。達磨に眼を入れるような感じというのであろうか。言いたくてももやもやしていたものが、うまく意識化できたというべきか。

 今も昔も、人間のすることは同じようなことかもしれない。とかく、日々の中で忘れてしまう「何のために生きているのか」「生き甲斐は何か」「自分の魂、成育史、身体を大切にしているか」という自問自答は、どうもあの世への引越しを成功させるためのもののようだ。その方法はひとそれぞれ個性があり、一般化するようなものではないが、古今東西の先輩のことを考えると、真善美といった道を、それなりに追及することなのだと思う。

 運よく、私の命もこの小説を書いて終わりではなかったので、もう一つ二つ引越し準備をしなければならないようだ(笑)。次は持統天皇かな?

引越し 8/10

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縄文時代に引越ししたら?(引越し 7/10)

2016-10-29 | 第九章「愛」

 来月には縄文小説をオープンにしたいと張り切っている毎日ですが、自分なりに当時の社会をイメージしシミュレーションしていると、いろいろなことに気づく。

 縄文時代中期の関東や中部地方の文化は、自然や他者との共生に重きをおく社会だと思うが、一方事故や病気なども今より深刻で平均寿命は30歳程度と言われている。今もストレス社会といわれるが、ある意味縄文時代は超ストレス社会だったともいえよう。

 この中で、いかに私たちの祖先は生きながらえてきたのか。それは、U先生のオックスフォード流の生き甲斐の心理学で考えると、信じて見える世界、見えなくなるストレス曲線・・・のことを思い出してしまう。多分、そういったこころの仕組みがあることにより私たちは生命をバトンタッチされ、こうして生きているのだと思う。

 空海、最澄、親鸞、西行、マザーテレサ、高山右近、コルベ、ボンへッファー・・・厳しいストレスの中を生き抜いた偉人達の生涯も、信じて見える世界を想定すると迫力を増す。そんな不思議なこころの仕組みの一部を理解する心理学がきちんとあることは日本ではほとんど知られていないが、あるのだ(もちろん大切な宗教とは別の次元)。

 残念ながら縄文時代の偉人は全く伝わっていないが、一万年以上続いた世界最長の文化のなかで、無名の偉人も当然いたのだと思う。あの世にいったらあえるかなあ?

 写真は縄文中期の遺跡、多摩ニュータウンNo.448の近くの丘から見た富士山。今も素晴らしいが、縄文時代でも素晴らしかっただろう(ただ、今と違って噴火していることも多かったようだ)。

引越し 7/10

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時代の流れと自分の流れ (引越し 6/10)

2016-10-28 | 第六章「螺旋状に上昇する意味」

 自分の引越しの歴史を調べると、気づくことがある。一つは時代の流れである。

 昔、天動説が地動説よりまかり通った時代があった。その時の論議の一つは、地球が動いているなら、例えば天候で静かな無風状態などありえないということがある。この議論に似て、とかく私たちは、時代の流れを忘れる傾向がある。そして、いろいろな現象を全て自分に起因させがちだ。

 もう一つは、自分の流れだ。人は誰も個性を持っている。そしてロジャース風にいうと、傾向と渇望をもっている。ある引越しが、この傾向と渇望育んだり、逆に阻害することもある。7歳の時にアラスカに行き、そして一年もしないうちに日本に帰ってくる経験をすると。同じようなことをしてもアラスカでは褒められ、日本では叱られる。その反対もしかり。

 ここまで書いて、ふと思い出すことがある。それは、旅でこころに残る人の記念館(住んでいた場所が多い)を訪ねることだ。この五年、こうした旅もした。フロイト、リスト、カフカ、高村光太郎、宮沢賢治、石川啄木、柳田国男、・・・そういえば夏目漱石の記念館に行ってなかった。

引越し 6/10

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死を恐れない方・・・(引越し 5/10)

2016-10-27 | 第二章「五感と体感」

 私が尊敬しているAさんは、難しい病気で晩年を過ごした方であるが、いつもこころは元気で「朝起きてから寝るまでの一日を大事にする」としょっちゅう言われ実践されていた。そして傍から見ていても病気をもっていないかのように明るく元気な方であった。

 さて、いつしか、私も前期高齢者の仲間入りを果たし、父が亡くなった時の年齢にも近づいた。そして、健康診断で精密検査を受けるようにと言われると・・・そろそろお声がかかっても、という気分になり、小説を書いていても、これが遺作になるかなと脳裏をかすめたりもした(笑)。

 ただ、そういうときにAさんのことを思い出したり、亡くなる前の父や祖父を思い出したりすると、いろいろ気づく。

 アイデンティティというと、すぐ思想や主義などの理論を思い浮かべる私だったが、この精密検査の経験から知ったのは、意外に私であれば身近なAさんであったり、教会で先に逝った知人であったり・・・まあ一つの共同体に関係する具体的な先輩の死を乗り越えるイメージだ。

 引越しをテーマにして、定住や地域、共同体の仲間に眼を向けてしまったが、明日からは、もうすこし引越しを考えたい。

引越し 5/10

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縄文時代の祖先は何故定住を選んだか?(引越し 4/10)

2016-10-25 | 第二章「五感と体感」

 「十三湖のばば」(鈴木喜代春著)という絵本をFACEBOOKの友達に教えていただき読んだが、縄文小説を書く上でとても貴重な経験であった。というのも、ひと昔前の津軽半島の十三湖の厳しい環境で生き抜くことが、ほとんど死と隣り合わせであり、その中で生きることがどういうものかを感覚的に知ったからである。

 縄文時代も平均寿命が30歳程度と言われ、実際に遺骨などから、少人数(核家族的)で住んでいたらしいということが分かっている。もちろん、今と同じように子供もたくさん生まれているはずなので、核家族なのは沢山の亡くなる人がいたということを示しているようだ(十三湖のばばの世界のように)。

 子供が生まれ、希望が産まれたと思ったらなくなる、・・・もう生と死が隣り合わせの世界。その中で祖先は死をどう考えたか・・・

 今は、平均余命80歳台とかいろいろ言われていて、ひと昔前のように死が隣り合わせという感覚は一般にはとても希薄である。しかし人間の本質は変わりなく、それが30年であっても90年であってもさほど本質は変わらない。逆にその本質に気づくことが希薄な社会は、ある意味不健全かもしれない。

 縄文時代の世界観を知るには、神話や土器の図象などが手掛かりになる。私はU先生に教えられ、縄文中期に栄えていた四大文明のうち最古のメソポタミアの宗教を勉強させていただいた。土器についてはすでに日本人による研究がいくつかあった。また、当時の宗教を研究された方、例えば梅原猛氏の知見も参考になった。そのほか、日本の文字が定着する7.8世紀の記録も参考になる。そして、最新の考古学の知見から、縄文時代の世界観が少しづつ見えてきた。

 一生をかけるような問題であり、少し齧ってもなかなかわからないのが現状だが、縄文の祖先たちは、愛をどのように考えていたか。魂をどのように考えていたのか・・・少しづつ見えてきた。縄文時代は精霊とかアニミズムといった概念で単純に考える人も多いが、現代人と同じような知性を持つ縄文の祖先がどのように考えていたかを知るのは、自分を見つめることのほうが大事な気がした。特に大事なのはアイデンティティの問題だと思う。

 さて、縄文時代の祖先は何故定住を選んだか(引越しもあっただろうが)は世界観とかかわり興味があるテーマである。

 私の家に近いところに、今は公園になっているが多摩ニュータウンNo.446遺跡というのがある。この遺跡調査の中で縄文中期に50名程度の村があり、それが50年程度続いたということが分かっている。近くには1000年村のような縄文遺跡もあり、何故446遺跡の村ができ、そして引越しして消滅したのか・・・などいろいろ興味深い。当時の祖先たちはどのようなアイデンティティをもって逞しく生きたのだろうか。

引越し 4/10

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