明るい感情と不安感に代表される暗い感情。どちらが人生の本質か?そんな質問を問いかけられることもなく過ごし、そしてU先生の生き甲斐の心理学に出会った。
不安感。日々の生活の中でいろいろ出会うのだが、勉強を深めていくと、今の不安が過去の不安の原型というようなものを下敷きにしていることに気づく。それを、生き甲斐の心理学では原型といって、大切にしている。
それは、過去の出来事に対する当時の解釈。当時のあってほしいことと当時の現実の把握のギャップから生まれる。当然ながら、その解釈に光をあてて解釈を変えれば原型が変わるので、今の不安感も、ドミノ倒しのように消えていく。しかし、なかなか解釈の変更にまでに至らないものだ。訓練を受けた人が周りに居て支援してもらうのが一つかもしれない。
それから、もう一つは不安感が何故生まれるかを、じっくり思索することも効果的である。日々の感情の動きを思い出してみると気づくことだが、この世は刻々変化し続けていて留まることがない。つまり安定しているのではなく、実に不安的なものなのだ。内の愛犬ノコちゃんも老齢であり、健康状態も刻々と変わる。不安といえば本当に不安である。
しかし、不安を不安としてではなく、別の観点をもつことが不安を乗り切る大事なことである。例えばノコちゃんの不健康を嘆くのではなく、今ここに生きていて、一緒に昼寝ができる(笑)ことに感謝するというような。感謝というか恵みの時というか・・・そういったことに意識をもつと、負のスパイラルから脱失できる日も近い。
写真のような美しい海。しかし、10歳ころに一度溺れかかった経験があり、自分のどこかで不安感が広がる。しかし、そうした死への恐怖も死生観の変化もあるのだろうか、今はさほど悩まない。海で溺れるようなこともあるな・・その程度だ。
さて、持統天皇のことだが、数少ない肉声が万葉集の中に残されているが、その半分以上は天武天皇が亡くなった時に歌ったものだ。複雑な人間関係や政治状況もあり真相は本人だけしか分からないが、天武天皇が亡くなってから埋葬するまで2年程度(殯)かかっているのを考慮すると、持統天皇にとって、この期間は実に意味がある時だったように思えてならない。それから先の政権運営に大きな意味があったように思えるのだ。
持統天皇の和歌の不安感は直接的には夫である天武天皇の死に向けられたかのように見えるが、その背後には複雑な成育史があり、不安感の原型が隠れているように考えられる。その原型はどんなものであっただろうか。
祖父である蘇我倉山田石川麻呂は、山田寺で孝徳天皇への謀反の嫌疑で謀殺された。4歳のころだ。
その後、母は石川麻呂の乱の影響で狂い死んだとも言われる。ある説では父・天智天皇が石川麻呂を謀殺したとも言われる。
その母の影響もあったのだろう、障がいを持っていたと言われる唯一の弟・健皇子が13歳の時に亡くなる。そして同じ年に孝徳天皇の子である有馬皇子が父の天智天皇も関与していたが処刑される。
祖母の斉明天皇は九州で征西軍に遠征しているとき亡くなる。16歳のころだ。
実の姉であり、一緒に天武天皇と結婚した大田皇女が22歳の時に亡くなる。これで兄弟と両親が全てなくなり、唯一、夫天武天皇が残ることになる。
父の天智天皇は大津京で26歳の時に亡くなる。持統天皇は大化の改新の年に生まれたと言われ、当然ながら天智天皇の影響は大きかったと思われる。
幼いころの不安の原型は、強烈であり恐らく病的になるほどのものだったように思う。しかし、特に三番目の挽歌を拝見すると、思わず唸ってしまう。
北山に たなびく雲の 青雲の 星離れいき 月を離れて
原文は、「向南山 陳雲之 青雲之 星離去 月矣離而」
天武天皇が一緒に構想を練り持統天皇が建設する藤原京の大極殿を歌読みの場所と考えてみると、北は山科の天智天皇陵があり、南は天武天皇の大内陵がある。また北は北極星で天皇をイメージできる。
この歌から、私は持統天皇の天武天皇への悲しみや背後の幼いころの悲しみを想像するとともに、もう一つ持統天皇のアイデンティティを感じてしまう。さらに、悲劇的な人の肉体の死を見定めると同時に、永遠の魂というか愛そのものの何か、そんな持統天皇の昇華しきった何かを感じてしまう。
今日は大晦日、日本では煩悩の数だけお寺の鐘が鳴り響き、初もうでする人も多い。私はカトリック信徒なので、同じようなクリスマスをすでに味わっているが、もう一度大晦日を、日本的に反芻してみたい。
ひとり立ちについて 9/10
------------------------------------------------------------
縄文中期の関東・中部地方を中心にした愛と魂の物語です。
「縄文小説 森と海と月 ~五千年前の祖先の愛と魂~」購入方法
1.紙の本の入手については・・・
四ツ谷サンパウロ書房さんへ 定価(1,500円+税)送料別。
電話:03-3357-8642(書籍・視聴覚)
住所:〒160-0004 東京都新宿区四谷1-2
2.電子書籍版は定価(1,000円)でアマゾンさんで、
Kindle unlimitedなどの特典で無料でも読めます。
サンプルもあります。
森 裕行 | |
なお、カスタマーレビューを書いていただけると励みになります!
尚、私の電子書籍は現在この縄文小説だけです。同姓同名の方の
著作がありますのげご注意ください。私の著作の確認はこちら!
------------------------------------------------------------
+++スマートフォン等のブログ表示で心理学関係の広告が掲載されることがありますが、私が推薦しているわけではありません。ご注意ください。