イキイキと生きる!

縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

縄文時代の取材・小旅行 (10/10 五感と喜怒哀楽 )

2022-05-30 | 第十一章「五感で面白おかしく」

縄文時代の話となると、現代との相違点に話題が集まりがちだが、10,000年以上の列島の縄文時代は確かに多様ではあるが共通点も沢山ある。

共通点の一つは現代人と同じような認知機能を持つ縄文人の存在。かつては進歩史観のような見方で原始的な人間等のイメージを私ももっていたが、脳科学やDNA等の科学の進歩で、文化の性格が違っていても人間そのものは同じと考えて差し支えないようだ。周りの愛に育まれ厳しい世界を生き抜き、そして身体は死んでいく人生。何の為に生きるのかを問い続けることは縄文時代も今も変わらないのだろう。

それから、自然をはじめとする環境も共通点が多い。10,000年以上つづく縄文時代なので、気候も16,000年前の草創期などは氷河期。そして、縄文前期の7000年前ころは逆に2-3度高く、縄文海進のピークであったようだが、縄文中期後半から後期にころからと現代は結構にている環境であるようだ。そして、都会の一部のように地形までも大きく改変されてしまうことはあっても、おおかたの地形も変わらず、例えば遠方の山々などの景観が一緒ということは凄いともいえる。

そんなことで、今の私が昔の面影を残している場所で、五感で感じることは縄文人のそれとさほど変わらないかもしれない。今回の小旅行も縄文時代を思い浮かべるために、そういった中部高地の旅をした。八ヶ岳の近くの富士見町、原村、蓼科、茅野市、長和町、下諏訪・・

高地なので八王子あたりと比べて1-2ヶ月季節が逆戻りしているようで、野の花もスズランがやっと咲き始めていたり、蛙の声が何か懐かしかったり。

八島湿原

阿久遺跡から蓼科山を望む

阿久遺跡

八ヶ岳美術館

さて、今回は原村の阿久遺跡をいろいろと学んだ。縄文早期から後期までで前期の環状集石がお目当て。阿久遺跡の有名な遺物も展示している八ヶ岳美術館にも立ち寄った。ちょうど地元の中学生が団体で見学中で熱心に説明を聞いていた。10年前にオーストリアのフロイト記念館で見学していたときも、地元の学生の団体が来ていて説明を受けていた記憶が蘇った。フロイト記念館に収集された古代の遺物が展示してあった。

八ヶ岳美術館には地元の実に美しい土器や黒曜石などと一緒に、現代の絵画や彫刻もあり、しかも建物自体も芸術的で心地よい。その組み合わせが何ともしっくりしていて素敵だった。

同じ場所で、違う時代であっても、五感体感で感じる世界はどこかで繋がる。そして、そこで見る真善美は響く。

そういえば、私の住む多摩の東京都埋蔵文化財センターや縄文の村もそうであり、さらに、私が考古学に興味を持ち始めた原点ともいえる井戸尻考古館もさらに深いところで響きあっているようだ。地域と密着することで本物になるようだ。

井戸尻考古館

現代はデジタル技術の発展で、3D化やデーターベースで、美術館や博物館、図書館、郷土館も垣根がなくなり統合化されていくと知人から聴いたが、五感体感で感じる地域が、その世界を開くドアになることは間違いないだろう。私の晩年の生き甲斐もそういったドアから始まってくる。旅で出合った方々に感謝である。

10/10 五感と喜怒哀楽

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夜空を読む縄文人・・知覚も変わり喜怒哀楽も変わる (9/10 五感と喜怒哀楽)

2022-05-24 | 第十一章「五感で面白おかしく」

日本の環状列石/ストーンサークルの研究から、冬至や春分などにそこに集まって祭儀をしていたということが分かってきた。そのこともあるのだろう、冬至の日になると例えば田端環状積石遺跡にはたくさんの人が集まる。冬至が何日かを確かめ時計を見つつカメラを持ってなどして出かける。しかし、縄文時代の人々は、当然気の利いたカレンダーもなければ時計もなかっただろう。どうして皆で集まり祭儀ができたのだろうか?

直ぐに太陽信仰とか祖先崇拝といったふうに私も含めて分かったようなことを言う人が多いが、もっとも基本的なこと、どのように集まったかについて、彼らのカレンダーがどうだったのか、どのように意思疎通していたのか殆ど話題にもならない。しかしこうした基本的なことに思いを馳せずして、縄文人の宗教などについて語れるのだろうか。

そして、何故こうした重要なことが話題にもならないかということについて考えてみたい。

それは、私たちの一般的な五感と知覚の世界と縄文人のそれがかなり異なっていることを殆ど意識しないということではないか。

さて、現代のようにカレンダー情報を何の努力もなく入手できるのと違い、4000年前とか6000年前の縄文の祖先はどのように暦をそれなりに把握し身意思疎通していたのだろうか。当然ながら天文についての詳しい人の情報というものもある(最近は天文考古学という分野もでき縄文時代にもグレゴリオ暦くらいの精度の暦があったという説などが出てきてる)。しかし、家族や村の生活をうまく同期させるためには身近で誰もが理解できるカレンダーの知恵があったのだと思う。農耕時代になってから暦が発達したという通説があるが、高度な狩猟採集文化であった縄文時代にはなかったとするわけにはいかないだろう。数百の植物や数十を超える動物の動きを暦なしにどうして把握し、大豆その他の食物の栽培できたのだろうか。太陰太陽暦の原型のようなカレンダーがあってしかるべき。これは、太陽や月の位置情報から確実に割りだせるが、基準情報が当然必要である。それは太陽や月が登ったり下りたりするときの遠くの山なみも大事だと思うが、天空の正確な星座情報も絶対に必要ではないだろうか。

星座は冬のオリオン星座とか夏の大三角形のように季節を示す大きなカレンダーの役割もするが、同時に地球の回転を刻々と星座の動きで表して時を知らせてくれる。この星座と、太陽、月(形も大切な情報)、惑星こうした情報があれば、恐らくカレンダーの替わりになるのだと思う。特に太陽、月、惑星の通り道としての弧としての黄道と周辺の星座は大切。星占いで有名な12宮だ。

当時の人は天体の動きを生活の中で知って、暦をつかみコミュニケーションしていたのではないかと想像できる。

そうした縄文人の夜空に対する知覚と私のそれはどうも随分違っていたようだ。私は15年以上ブログを書いたりしていることもありデジタルカメラで随分写真を撮ってきた。そこで夜の星座の写真を探したが、美しい夜景などの写真があっても星座が映っている写真は皆無であった。何万枚と撮ったにもかかわらず。月や太陽の写真はあるにはあるが星座はないのである。因みに巻頭の写真は何年か前に東北の遠野に旅行したときの満月の写真。

しかし、縄文人の生活に思いを寄せ、こうして夜空に興味をもつと、確実に知覚が変わってくるようだ。東京タワーのライトアップに感嘆していたのに、最近は都心のライトアップや夜の過剰な都会の光に嫌悪感を抱いたりする(夜空の星を見る妨げ)。

ライトアップに眼が奪われるのは何故?

そして、妄想するのだが、スマホに星座表のアプリを入れて夜空をかざして星々を探す私の姿を縄文人がみたらどのように思うのだろうか。スマホの技術力に驚くより、何か奇妙な現代の文化を哀れに思うかもしれない。

経験に裏付けられた知恵の変化で視覚や聴覚などの五感からの知覚が変わり喜怒哀楽も変わる。考えてみればこうした知覚の変化は縄文だけでなく、人生の節目によく体験することでもある。

9/10 五感と喜怒哀楽

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自分のアキレス腱を意識し偉そうに生きる (8/10 五感と喜怒哀楽)

2022-05-19 | 第十一章「五感で面白おかしく」

一日に一回、自分の心の流れを意識するのは自分の傾向を知り対策をとる上で大事なようだ。こころの流れ、何があって何をして・・どういう風に思ったり感じたりしたか。特に感じたところが大事か?

河の流れのように、喜怒哀楽が激しくとも変に滞留することなく流れているのは良いが、何かに固執し始め、時にはそれをで泥沼にに陥いっていく。

生き甲斐の心理学を学び、その原因のいくつかは解決できたものの、アキレス腱のようにある知覚が作動し始めると危なくなることに気づいてきた。皆様は如何だろうか。不信感、疑惑・恥辱、罪悪感、劣等感、・・・まずは危ない感情を知るところから。

こうしたときの自分の行動のパターン、五感・体感を意識してみると、原因は分からなくても(多分無意識の問題)自分のアキレス腱(としての感情の種類)が分かってくる。

これは大事なところで、アキレス腱を補って生きるために、自分の職業を見直したり、パートナーを見いだしたりし、悔いなく生きる方向を見いだすきっかけになったこともある。

これは自分のことがよく分からずブラックボックスとして対処しているので、なんとも頼り無いとも思うが、そんなもんだとも思う。

自分のことも良く分からないで人生を送る。そんな人間が考古学の勉強をしたり縄文小説をかいたりし、分かったようなことを言う。怒られそうだが、自分が何も知らないということを知っているという偉い哲学者を思い出し、偉そうに生きてみることに。

写真は7年前の近くで撮った写真だが、木が何か偉そうで・・・

8/10 五感と喜怒哀楽

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五感で魂を感じる時 (7/10 五感と喜怒哀楽)

2022-05-16 | 第十一章「五感で面白おかしく」

美しいものを観て、美しいと感じるのは何故だろうか。昨日も矢車草のブルーの花を見ながらそう思った。これは哲学的なテーマなようで、自分の肉体を越えた魂とか神仏とか、そういう存在を予感させるテーマでもある。

人間が単なる物理的な有機物から成り立つのはわかるが、それだけに終わらず、生育史からなる心をもった存在。さらに魂(伝統的な魂の定義の一つとして、愛そのものであり死んで身体から離脱する生命体がある)を持った存在とされる方も少なくない。

昨日は久しぶりに娘の家で10年以上飼い続けているワンちゃんにあい、昔は結構あつかいにくかったが、今は老犬となって静かに成されるままというワンちゃんを抱かせてもらった。その温もりを感じつつ、手足の肉球の手触りを感じつつ魂を感じたようである。同じ地球に住む生命に肉体以上の何かを感じるのは不思議でもないようだ。

魂をもつ存在を意識すると、最近はテレビなどで見慣れている戦闘のシーンが本当に嫌になる。もちろんそれは極端なケースかもしれないが、人間を人間として扱わないような伝聞も気になってくる。

今も縄文時代もこうした五感を通しての真善美の不思議さや逆に大きな悲劇は、変わりなくあり続けているのだろう。平和が来てほしい。

7/10 五感と喜怒哀楽

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ことばの起源を考えながら五感の世界を考える (6/10 五感と喜怒哀楽)

2022-05-12 | 第十一章「五感で面白おかしく」

2017年に縄文小説第一作を書いたときもそうだったが、縄文時代の事ばっかり調べて思索していると、ワームホールを抜けたように数学や物理学、あるいは語学の世界など一見関係のない世界に飛び込むことがある。

創造力と五感は切ってもきれない関係があるが、特に視覚と聴覚はことばや文字を媒介して多彩な世界をもたらすようだ。面白おかしい真善美の世界ももたらすが、どうしようもない反対の世界ももたらす。

私にとって面白おかしい真善美の世界とは、自己肯定だけでなく他者肯定をも含む世界で、何となく感謝の気持ちが湧く世界だ。自他肯定の傲慢でもなく卑屈でも無い状態をつくるのは結構難しい。少なくとも意識していないと人はすぐ傲慢になったり卑屈になったりする。自戒を込めて思う。そして、自他肯定の世界は自然治癒力を増加させ、危機管理能力を高める。これは自分の経験から断言できる。反対に失敗した事例の積み重ねがあるからかもしれない。

さて言葉のことだが、岡ノ谷一夫先生の御著書「言葉はなぜ生まれたのか」を読んでいたら、動物が言葉を得るための条件の一つに言葉をまねる能力、発声学習があるという。ホモサピエンスは当然できるが、動物で出来る種はかなり限られているようだ。その中でトリは一般にかなり成績が良いそうだ。

先日奥多摩で聞いたウグイスの声も、ある方から言われたが画眉鳥が真似をしていたということもあるようだった。そういえばかなり大きな鳴き声だったようだ。全く違う他者を模倣する言葉の世界。五感を通して真実の命に直結する喜怒哀楽が生まれるが、一方でウソをも含む言葉を発することのできるホモサピエンス。

とはいえ、ちょっと危ない言葉からは文字が生まれ、文学や物理学、数学も生まれる。それは通常に五感から生まれる喜怒哀楽とは異なる喜怒哀楽も生じさせる。真善美に通じる面白おかしい世界も垣間見させてくれる。今、「神の方程式」ミチオ・カク著、斉藤隆央訳(NHK)出版を読んでいるが、暗い星空を観て宇宙が有限の時間でなりたっていることを、エドガー・アラン・ポーが気がついたしているが、そんな喜びというか喜怒哀楽は言葉があるからなのだろう。

とはいえ、例えば縄文土器で料理をつくる縄文人を思い浮かべると、視覚、聴覚だけでなく嗅覚、触覚、味覚まで総動員しての面白おかしい世界を構築しているようで、鍋を囲む人々は現代の面白おかしい世界より自然で強靱、本質的なのではと思ったりもする。

6/10 五感と喜怒哀楽

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