イキイキと生きる!

縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

何を信じて生きるのか?(8/10 縄文時代をどう解釈するか)

2024-05-05 | 第一章「意識と知覚」

何を信じて生きているか・・・これは結構大きな問題である。自分の人生を振り返っても、例えば高校生ー大学生のころの学生運動が激しかった時期などは、青春時代なのでということもあるが、相当揺らいだ経験がある。信じる対象は、宗教や哲学、学校や企業、共同体、人間関係などいろいろあるが、バックボーンというような死生観を含む宗教や哲学は特に重要。そして、バックボーンが決まってくると、不思議なことに自分の道が見えてくる。人生の始まりから終わりまでを託せるような道が見えてくると、何が変わるか。一番変わってくるのは、ストレス曲線というか暗い感情への対応かもしれない。暗い感情の情動に振り回されず、自分の道がより俯瞰でき、行動が的を得るようになってくる。これはどんな状況でも明るさを失わず前向きに生きることにつうじるが、ストレスに耐える力とも関係があるようだ。

ところで、最近縄文時代の住居や村に関心を持って調べているが、甲信・南西関東が栄えた縄文中期(5400年~4300年くらい前)の終わりのころに、住居が縄文時代10000年以上の中で特異な敷石住居が現れ、何百年か続き消滅する。大きな石を半裁して敷き詰めたりするのは大変な労力であり、また人が住む上でも快適だったかは疑問。我々が見ることができるのは床面が中心であるが、何か霊性を感じてしまう。

写真は東京都埋蔵文化財センターの縄文の村の57遺跡、奥の住居址が中期、手前が後期初頭の敷石住居。

確かに縄文中期末ごろも気候変動など、生きることが大変だった時代のようで、中部高地、西関東などは環状集落が解体してくるし、敷石住居だけでなく配石遺構やストーンサークルなどもでてくる。具体的に何がどう変わったかは分からないが、死生観を含むバックボーンとなる思想(文字は当時なかったが、視覚に訴える図像による表現はあっただろう)が変わったように思う。
今の時代も何かが変わり始めているのではないだろうか。

8/10 縄文時代をどう解釈するか

WebマガジンAMOR「縄文時代の愛と魂」にも縄文に関する関連記事があります是非ご覧ください。こちら

この記事は「生き甲斐の心理学」ーCULLカリタスカウンセリングの理論 ユースフルライフ研究所主宰 植村高雄著 監修2008年第3版 を参考にしています。

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       森裕行


カレンダー・・今も縄文時代も(縄文世界を感じるとき 9/10)

2023-03-22 | 第一章「意識と知覚」

 縄文カレンダーは小林達雄氏により提唱され、かつてはそんなものがあるのかと驚いたが、ネットで縄文カレンダーなるものを調べてみるといろいろあり感心する。これは私たち現代人が考古学などの知恵から作った縄文人のカレンダーであるが、当の縄文人はどのようなカレンダーを意識し使っていたのだろうか。

 狩猟採取の縄文人は農耕ではないのでカレンダーなどなくても大丈夫かのような印象があったが、実際は畑作もあるし狩猟や漁労も季節性があるので、カレンダーの重要性は私たちと変わらなかったと思う。もちろん形態は日めくりカレンダーに置き換わるある種のモノだったかもしれないし、同時代のその道に長けた専門家からくる狼煙のような合図だったかもしれない。

 縄文人の生活。今と違って、例えば何百種類の植物を食べるだけでなくいろいろ利用していたり、もちろん狩猟や漁労もあるので、動物の生態情報もある。さらに竪穴住居や木器・土器・籠。皮づくりなども季節や時期の特性を考えなければうまくつくれない。このあたりまでは簡単に想像できるが、私は旅もカレンダーと関係が深いと考えている。塩や石材の確保など遠隔地との交易は今もそうだが極めて重要、日数も労力もかかるので、いつでも良いということはない。部族のネットワークというか人的交流・配偶者のこともある。宗教行事も当然で冬至など二至二分の行事、人の誕生、成人、結婚、葬式もカレンダーのお世話になる。

 法事もスケジュールというかカレンダーが基盤。かつては檀家システムがお寺で重要なものだった。魂の世界もカレンダーなしでは成り立たない。縄文時代も何らかの決まりがあったと思う。

 今はカレンダーは世の中に芸術的なものも含めあふれんばかりあるが、縄文時代の縄文人が考えたカレンダーも今と概念は違うかもしれないが確実にあったと思う。井戸尻考古館発行の井戸尻に掲載されている四方眉月文深鉢をはじめカレンダーに関係すると思われるものが土器等は確実にある。それから縄文後期には口縁部に5や7つの突起の意味深な深鉢などが結構目につくが、これと陰陽五行説などとの関係はどうなのだろうか。大陸との関係も当然あるのだろう。

 カレンダーの本来の姿は生命体の流れをスマートに整理したものだったかもしれない。それゆえカレンダーは心を癒す効果もあるようだ。かつて、混乱の中で日々を送っている中で、二十四節季を意識することの大切さを学んだ。自然を観察したりするとか、月や星などの天体を観察することもカレンダーをお供に意識してみると何か元気になる。

世界は自分を中心に回っているかもしれないが、自分とは別に不思議なカレンダーという中心点もあると気づくと救われるものだ。といって、普段はカレンダーを見て慌てているが。

写真は春分のころの田端環状積石遺構。

縄文世界を感じるとき 9/10

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隣の異文化が幸をもたらす・・縄文研究もそうだろうな (8/10 生き甲斐の心理学と縄文)

2022-11-21 | 第一章「意識と知覚」

学校を卒業してサラリーマンになった私は、しばらくして関西に赴任してコンピュータ(価格はそれなりに高いが高度な専門知識もいらないような機種)の営業をした。今思うとその時の経験は大いに役にたったように思う。

欧米で仕事をすると、オリエントの人は何を考えているか分からないというようなことを時々聞く。儒教文化の影響なのか風土の影響なのだろうかよく分からないが、特に仕事などで感情を外に表さないのが気持ちが悪いらしい。

確かにオフィシャルな場合はそうかもしれない。日本人の感情の表出についてはつまらないことなので、これからは変わって行く必要もあるかもしれない。

しかし、遺伝子の多様性はヨーロッパ内での多様性より勝るといわれる日本列島。ちょっと隣の文化圏が結構違ったり、仕事でも様々な業界(私は、運が良いのか官公庁、研究機関、教育、各種製造業、金融、医療、芸術家、個人から大企業・・・)の方と接すると(営業なので内輪のお付き合いが大事)、全然違う世界が広がっていることがわかる。表面は能面のようでも、一皮むけばなんとやらだ。それなのに同じ能面のような顔をするのがおかしくもある。

仕事を始めた頃の毎日は驚きの連続。その中でいろいろ学ばさせていただいた。意外と私の性分にあっていたらしく楽しい日々でもあった。しかし、そうした環境が長い目でみれば普遍的な価値を求めさせてくれたり、多様な文化への受容性を高めてくれたのだと今では感謝している。

さて、写真は井戸尻遺跡での写真。縄文人が好きそうなやまなみの景色。1988年ごろに書店で購入した「八ヶ岳縄文世界再現」という井戸尻考古館の小冊子が、多分遠因となって全く違う世界の一つである縄文に徐々に引き寄せられたのだと思う。また、比較宗教学や比較文化を大事にしている欧米の大学に縁のあったU先生を師として生き甲斐の心理学を学んだことも大きかったと思う。

心理学も日本人の特性について無関心ではいられない。①もののあはれ②穢れと禊ぎ③恥の文化④甘えの構造⑤侘び寂び⑥幽玄の美。こうした特性はかつては随分語られたが、今はどうやら大きく変化する時代の中で潜在化し目立たなくなり、語る人は皆無?となっている。しかし長い時間をかけて作られた特性は簡単には変わらない。さらにこうした特性の理解なしにこころの問題や政治を考えることは実に危険だと思う(話が大きすぎたか)。私は日本人のこころの原型探しに向かい縄文までたどりついてしまったが、それはそれなりに意味があることだったと思う。

この8年くらい考古学だけでなく、縄文に関係する学問も学んでいくと、若い頃に体験した異文化の喜び?を再び感じてくる。私も縁があって最近は土器の拓本の作り方、接合の仕方なども学んでいくと考古学の先輩方の大いなる知恵というか文化の奥行きを感じさせていただいている。ありがたいことだ。

あるいは、最近民俗学の吉野裕子さんに嵌まっている。残念ながら既になくなられているが、U先生のもとで「持統天皇」のケーススタディをしていたときに五行陰陽説で吉野裕子さんを知った。7世紀の世界を考えるときに五行陰陽説が非常に大事で、それで時代をより理解することができた。そのご縁もあったのだが、縄文でもお世話になっている。吉野裕子さんの思索は今から50年くらい前に縄文時代も射程に収めた民俗学を展開されていた。それは意外に学際的で宗教学や考古学の分野にまで及び、蛇を中心とした日本文化の理解は眼から鱗である。余りに先駆けての研究であったようで、当時は考古学や民族学の分野でも無視されたようだが、今吉野裕子さんの「蛇」、「山の神」、「日本人の死生観」の蛇三部作を読むと驚愕する。縄文に興味のある方は是非読まれたらと思う。卑弥呼は何故中国から鏡を輸入したか。日本の鏡、剣、勾玉は何故尊いか。石棒とは何か。・・・

8/10 生き甲斐の心理学と縄文

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感じ方は同じか・・現代人と縄文人 (4/10 生き甲斐の心理学と縄文)

2022-10-25 | 第一章「意識と知覚」

のんびりと家の近くの大栗川周散策散策すると、その時々に何かを感じたりする。そんなこと五感から感情などが到来するように思ったりするが、よく考えると意識、無意識の自分のなにがしの考えが五感にまつわりついて感情が湧いていることに気づく。

その考えが意識されているときは分かりやすい。賞味期限のラベルを見てから品物を見ると、期限切れだったりすると何かまずそうに感じたりするのも頷ける。しかし無意識が働いていることはわかりにくい。初対面の印象などがそれだ。それなりの印象があったりするが、その理由がなんだかわからないことも多い。そこまで考えることもないかもしれないが。

さて、この2週間、縄文時代の講座の関係でずっと縄文関係の写真や資料を引っ張り返し縄文漬けになっていた。幼い頃にアラスカに1年滞在した経験があったが、その時のことは結構覚えている。なにより戸惑うのは同じようなことをしても、一方(例えば日本)では賞賛されるが、他方では好まざる態度に映る。知覚の知の部分が違うのだから印象が異なるのは当然だ。

4万年位前から、ホモサピエンスは認知的には宗教をもったりして今とくらべてもさほど変わらないと言われている。それを考えると縄文人と私達は置かれた文化は違うものの、同じ認知能力をもつ人間と言えるのだと思う。縄文時代の土器や土偶、配石遺構などを眺めていると、当時の文化というか宗教が垣間見られる。しかし初めて見てもよく分からない。図像には女神、蛙や蛇、謎の水生動物、可愛いと共感できる土偶もあれば、何か得たいのしれない私達からは気味悪いものもある。なんだか分からないものも多い、

水といえば、私達は日常の中で水道やペットボトルを思い浮かべるが、神社仏閣の手水鉢を思い浮かべたり、教会の聖水を思い浮かべる人は多いだろうか。まして、お祭りの若水とかは・・さらに、新石器時代に世界中で水と共にイメージされた月のイメージ、水生動物、死と再生などの概念を思い浮かべることはどうだろうか。

日本の現在の文化は1300年前ごろに原型ができたと言われている。①もののあはれ②穢れと禊ぎ③恥の文化④甘えの構造⑤詫びと寂び⑥幽玄の美。それは今でも結構健在で、外国人と仕事をしたりするとよく分かる。向こうも分かるがこちらも何か違うと感じるものだ。

同じように5000年まえの縄文人など、今と同じ①もののあはれ②穢れと禊ぎ③恥の文化④甘えの構造⑤詫びと寂び⑥幽玄の美が原型とはとうてい思えない。といって、今でも外国人とわかり合えるように努力すればわかり合えると思う。しかし確実に努力が必要なのだ。修学旅行で行った奈良や京都を大人になって再訪したときに勉強したりするように。

もちろんこれは一般論。同じ日本人でも実は千差万別。身近な人でも結構違う。生き甲斐の心理学のU先生は「自分意外の他人は驚きの対象」と良く言われるが。その意味することがだんだん分かってきたようだ。同じように感じるのは幻想なのかも。とは言え、違いのなかにあって共存共栄をたのしみたいものだ。

4/10 生き甲斐の心理学と縄文

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わくわくする勉強は・・・ (3/10 生き甲斐の心理学と縄文)

2022-10-18 | 第一章「意識と知覚」

世の中には食べるための勉強というのもあるが、自分が本当にわくわくする勉強はどうなのだろうか。人それぞれだと思うが、私は小学生くらいから自分は何だろうかと妄想したりしたが、高校1年の時に優しかった祖父が亡くなる時に感じた何か温かい魂のイメージに興味をもつようになった。

そんなことから、よくわからないものの自分の中に宿る西欧流にいうと愛そのものの魂に関することに興味をもつようになったのかもしれない。仕事という切り口では営業職、福祉、教育と後で考えると人間に関わる職種が好きだったし、学問という意味では文学、宗教、比較文化、縄文文化に関わる考古学や民族学等にも興味を持った。数学や芸術にも興味を持ったが、それも魂ということから考えると何故興味を持ったかが少し見えてくる。

写真は大湯遺跡に行ったときの写真。いわゆる日時計のレプリカであるが、縄文人は何故このようなものを作ったのかを最近ずっと考えている。先週の勉強会の影響で、飛鳥時代の重要な思想である五行陰陽説もお隣の中国との交流を考えてみれば、空間と時間の把握の仕方などでもっと前に縄文版プリ五行陰陽説などもあってよいのではと考えるようになった。吉野裕子さんの、記紀の理解などに接しカグツチと石棒の関係に俄然興味をもったりも。

縄文文化という謎の研究や勉強をしているようで、実は自分自身の魂の研究を楽しんでいるのかもしれない。

3/10 生き甲斐の心理学と縄文

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