イキイキと生きる!

縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

愛の原型は良い面も悪い面もある (言葉をめぐって 4/10)

2017-08-31 | 第九章「愛」

 大林信彦監督の映画、「時をかける少女」を見てから、「転校生」そして「さびしんぼう」の尾道三部作を続けてみてしまった。

 舞台が広島県尾道ということであるが、実際は私の父の故郷で、幼いころから良く夏休みに訪れた広島県竹原の、町並み保存地区が沢山でてくるので、その懐かしさということもあり見てしまった。

 どれも良い作品であるが、一番こころに残ったのは「さびしんぼう」であった。生き甲斐の心理学でいう、愛の原型が一つのテーマであり見ごたえがあった。言葉は何か既成概念的なものをより伴いがちだが、映像の世界は、もう少し自由に何かを表現できるんだなと思ったりもした。

 故郷の景色や言葉、日常の中の一コマ、初恋の想いで、親しい人との語らい、それは個人個人の愛の原型として、人生を左右するイメージになる。ある愛のイメージ。それは美しく彩られ、辛い時のこころの糧になる一方、ある時は厳しい人生の中にあって、凶器となることもあると思う。そのあたりは大事なことで、意外に語られない。

 大人になるということは、愛の原型を時に振り返り、それを絶対的に信じるというより、多面的に相対化し改定し豊かにすることかもしれない。「さびしんぼう」の最後は、そのあたりがうまく映像化されていたようだった。

 さて、少し言葉の世界を考えてみよう。言葉は、不思議に人を信じさせる働きがある。特に約束といった種類のものはそうである。そして、それは時に人を破壊する。

 7世紀後半。天武天皇の治世で、天武天皇が皇后と6人の皇子を集め、吉野の盟約を神に誓った。天武天皇の亡き後に、壬申の乱のような悲劇が起こらないようにするという配慮だったのだろう。しかし、実際は大津皇子の変があり、結果的に少なくとも大津皇子、持統天皇はその時の盟約を反古にしてしまった。その時の参加者の心の傷はどうだったのだろうか。いろいろ考えてしまう。草壁皇子の短命、天武天皇や持統天皇の病気、・・・

 愛の原型ではないが、言葉も同じように、それを絶対的に信じるというより、多面的に相対化し豊かにすることが大事なのかもしれない。裏切る、裏切られた・・・そんなよくある世界から、ちょっとワープすることも時に重要だと思う。

言葉をめぐって 4/10

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言葉の間を考えてみる (言葉をめぐって 3/10)

2017-08-28 | 第四章「愛とゆるし」

 朝起きて、テレビのニュースを聞いていると、A氏がいつものように美辞麗句を並べ、メトロノームのようなリズムで、声明を宣べていた。メトロノームそのもののような言葉だ。

 私も、文章の校正に、読み上げ機能を使うなど、言葉の間や文章の間をずっと考えていたので、気になったのだろう。

 ところで、間は武道でも大切にされているが、傾聴や心理療法などでも大切にされている。こころに落ち着きを取り戻すためには、受容や共感、純粋と一致が大事と言われるが、そのどれにも間は関係するのではないだろうか。間は生命が持つリズムとも関係しそうだ。A氏のリズムは、若いころ学園で見かけたアジ演説に似ていた。そういうリズムも時に必要かもしれないが、受容や共感、純粋と一致とはかけ離れているように思った。

 日本のリズムは七、五のリズムが基本のようだが、これは俳句、短歌、長歌どころか、演歌、都都逸とさまざまなところに応用されている。これも間と関係するのだろうが、私は、不定形の現代詩のほうが、間と相性が良いように思う。

 言葉の間とは何か、いろいろ考えると楽しい。

   素晴らしい間があり、心が開かれると、さまざまな気づきが湧いてくる。そんな間が今一番関心がある。

言葉をめぐって 3/10

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朗読、音読を見直すと何かが変わってくる (言葉をめぐって 2/10)

2017-08-26 | 第一章「意識と知覚」

 最近、電車で都心に行きかえりすることが多かったのだが、電車の中が随分静かであることに気づいた(特に通勤時間)。殆どの人がスマホを眺め、打ち込んだりしていて、話す人は昔に比べて明らかに少ないようだ。

 そして、自分自身のことを考えても、電話や直接の面接より、パソコンやスマホを使ってのデジタル的交信が多くなってきてるかなと思う。ところで、私はこの数年、縄文文化を学んでいるのだが、縄文文化は文字がない文化ということが定説なのだが、その文章作成重視の異常さが気になっている。そもそも、現世人類の歴史を20万年とすると、文字が存在したのは6000年前とか8000年前からで、人類の長い歴史からすると、文字によるコミュニケーションなど殆どごく最近のことだ(数パーセント)。言葉を発するのが、声をあげるのが歴史からみると普通のようだ。

 さて、私はこの3年ほど文字の世界にドップリつかって、小説書きをしている。そして、正しい文章を書いたり、判り易く心に残る文章を書きたいと切望している。そのため、一度書いた文章を推敲したり校正したりすることが実に多い。しかし、これが結構辛い。経済的に校正のスペシャリストに頼むこともできず、ひたすらストイックな作業を静かにすることは・・・

 そんな中、最近、地域のサークル活動で朗読の会などが、結構人気であることを知った。そして、調べると脳トレとしても朗読は凄い効果があることも分かった。さらに、この数年間の経験として、読書会などで音読をすると、黙読では味わえない何か(認知)があることに気づいた。先日、ドイツのツェランという詩人の詩にふれたのだが、Youtubeでチェランが朗読している動画にであった。やはり、文章より凄かった。

 実はこのところ、縄文小説の第二バージョンを出そうと、いろいろ校正作業をしていた。そんな中、何気なく気づいたWordの文章読み上げ機能。そして、実際に読み上げ機能をとおして校正をしてみたが、これは予想をはるかに越えて効果があった。単に機械的に書かれた文章を読み上げるだけなのだが(結構抑揚があって、普通の朗読と同じような効果を感じる)、まず、当たり前だが、句読点、「」の不自然さがすぐに分かる。文章とは人間が息をするがごとく、脈を打つがごとく成す技であることに、今更ながら気づいた。また、変な不自然な用語もすぐわかる。これは何でだろうか。恐らく五感・体感と音読が密接につながっていて、違和感が稲妻のように炸裂する。

 言葉は論理の流れだけでなく、感情の流れも伴うものである。このあたりも良くわかる。

言葉をめぐって 2/10

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文章の言葉からくる畏れなどの感情を楽しむ (言葉をめぐって 1/10)

2017-08-25 | 第八章「魂と聖霊」

  言葉に関する興味というのがある。かつて50年くらい前は、外国語、特に西欧語に興味を持つ人が多かったし、実際に私もそうであった。その後時間が流れ、知人が外国人に日本語をお教えする先生になられ驚いたり、東アジアの中国語、広東語、韓国語に興味を持つ方が増え、私も韓ドラ、中ドラ?を見るようになったりした。

 さらに、私は「生き甲斐の心理学」を学ぶ中で、臨床心理学的に言えば言語療法を勉強するので、日本語や方言、日本の古語、アイヌ語などにも興味を持つようになった。そんな中でかつては国語嫌いでとおっていた私が、小説を書いたり、万葉集を読んだり大きな様変わりとなる(笑)。

 最近は、日本語の「もの」や「こと」に関する本を読んだり、アイヌ語の辞書を調べたり。小説なども速読というより遅読、熟読に励んでいる。縄文小説を書く中で、言霊(ことだま)のような本来的な言葉への感覚がやや研ぎ澄まされたのかもしれない。

 ゆっくり良い文章を読んでいると、文章の流れをとおして自分の感情が不思議に流れていくのが分かったりする。それも、楽しい発見である。オノマトペ(擬音語など)のある文章も実に楽しい。

 折口信夫氏の「死者の書」に出て来る、した、した、した、こう、こう、こう・・・何とも言えないオノマトペ。それは、先日、三瓶山山麓の縄文の森遺跡?で感じた、畏れにつながる感情なのだろうか。 

 文章と共に流れてくる感情をうまくとらえると、それは心理学の勉強が深めるかもしれない。逆に感情が流れないときは、こころの状態が悪かったり(プロセススケールが低)する。

言葉をめぐって 1/10

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置かれた場を楽しくする!(新しい体験 10/10)

2017-08-18 | 第六章「螺旋状に上昇する意味」

 何となくマンネリかな・・・そんな停滞感の中で、新しくことを起こし、隣の芝生に移るということもあるだろう。しかし、今の世の中は厳しい。経済的な問題、人間関係、さまざまなしがらみが追いかけてきて、破たんしたりする最悪のケースもあるだろう。勿論、機が熟するといった感じでの移行で恵まれて成功する場合もあるが。

 では、マンネリの環境と新しい隣の芝生のあいだには何もないのだろうか?

 私は、そうではないと思う。現実吟味力を発揮して、置かれた場にいるとしても、オンかオフのオフではなく、0.1オンといった、グラデーションがあるように思う。考えを変えることで、置かれた場が0.1にも0.5でも、時には1.0にもなると思う。それと共に、行動も変わる。何かを準備し始めたり、他者との関わりが変わったり、いろいろだろう。

 新しい体験は劇的な派手なものではなく、意外に地味な目立たないこともあると思う。人生は結構おもろいことに満ちている。

新しい体験 10/10

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